桜羽
24 件の小説祈り
この世界が戦争のない、ずっと平和な世界で ありますように。 この世界が地震のような大きな力で壊されませ んように。 いつも見ている何気ないあの景色が、壊される ことがないように。 あの温かい町、あの世界が いつまでも続くように。 私は、祈る。 この思いよ、世界に届け。
無言のSOS
クラスで人気者のあの子は、 クラスでお調子者のあいつは、 いつも楽しそうに笑っていて、 困った時はすぐに誰かに助けを求めて。 うらやましいなぁー……。 ただいま一人で嫉妬中。 そんな自分が嫌になって、 今から私は誰かにおくる。 ー無言のSOSー
恋には答えが
恋は、不思議だ。 沼に引きずり込まれるみたいに、とても深い 時もあれば、 夏のレモンのように、さっぱりする時だって ある。 “恋“という、同じ言葉なのに、こんなにも気持 ちが違うなんて……。 恋は、自由だ。 白のパレットを虹色に染めてゆくみたいに…。 恋には答えが ないのかもしれない。
メロンソーダ
しゅわ、しゅわ、しゅわー。 炭酸が上にいっては、弾けて。 リズムを刻むみたいに、 しゅわ、しゅわ、しゅわー。 綺麗な緑色の飲み物が、 グラスごしに反射して、 ふっと、グラスに顔を近づけた時、 メロンの甘い香りがした。 あー、もうすぐ夏だな。 そんな思いが、私の頭の中をよぎった。
すれ違い
私が嫌いなあいつは、私のことが好きだった。 正確に言うと、好きらしいだったらしい。 噂で聞いた程度だ。 たしかにあいつの顔は学年一のイケメンと言わ れるだけあっての美貌だったが、好きにはなれ なかった。 時が過ぎ、学年もかわり、あいつとはクラス が別れることになった。 正直いって、嬉しかった。 体育祭の時期がやってきて、 気がつけば、あいつのことをずっと目で追 っていった。 今更ながらに気がついた。 本当は、あいつのことが好きだったんだ。
ありがとう
"ありがとう"は、魔法の言葉。 ありがとうって言われたら、嬉しくなって ありがとうって言われたら、心が温かくなる。 今度はね、 自分が言ったんだ。 "ありがとう"って。 そしたら、一人また一人と笑って、まわりの皆 に笑顔が広がって、 "ありがとう"は大きな輪となり、世界 はたくさんの"ありがとう"で染まっていく。 世界が"ありがとう"で、満ち溢れている。 これが、"ありがとう"がもたらした小さな一つ の物語。
雲の向こうには
楽しい時って、 生きててよかったって思うでしょ? でも、それは、 過去に『死にたい』って思っても、 生きた自分のおかげ。 だから、頑張って生きた自分に感謝しなきゃ。 今が辛くても、大丈夫だよ。 だって、雲の向こうには太陽があるんだから。
しんどい時は……
しんどい時は、深呼吸しよっ。 心の中を片付けていくみたいに。 すってー、はいてー、また すってー、 そしたら、だんだんと涙が出てくるんじゃな い? その涙が、嫌な気持ちを次から次に洗ってくれ る。 君の気持ちが落ち着いたらさ、 君の心は綺麗に整理された証拠だよ。 少しでも、明日がんばろって思えてれたら嬉し いな。 君の頑張りは、きっと誰かが見てくれている。
認められたくて
誰かに認められたくて、 誰かにすごいねって言われたくて、 日々何事にも頑張って……。 どんな時も笑顔の仮面を顔に貼り付けて。 泣いてる姿なんて見せないようにって。 でも、なんでだろっ? 笑ってるのに、涙が込み上げてきそうなの は…。 どんどん、どんどん、 自分の理想の姿とは、かけ離れていった。
飴玉
ポンッ。 飴玉を口に入れた時、甘酸っぱい味がした。 青春のような味がした。 だけど、 飴玉はすぐになくなって、恋のように儚く散 った。 ほろ苦い後味が、口の中に広がった。