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夜の公園で一人チョコを頬張る。 目の前がふやけて何も見えなくて真っ暗になって、感じるのは冬の寒さとチョコの苦さだけ。 いや、あとは後悔かな。 こんなことになるんなら、友達のままそばにいるだけでよかったかな。 でも、少しホッとした。自分の好きな人に、こんな苦い味のするチョコを渡すことにならなくて。 この苦さは、私の青春の味だ。 涙も苦味も後悔も全部飲み込んで、私は少し「大人」になるんだ。