黒ノ助

3 件の小説
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黒ノ助

初めまして!まだ初心者ですがよろしくお願いします!  投稿は不定期ですが、フォロー、いいね、コメントしていただけると嬉しいです☺️ 2025年 3月start

桜の伝説

ねぇ知ってる? この学校の裏にある桜の木の下で告白が成功すると そのカップルは一生幸せになれるんだって! 十年前… 「ねぇ、この桜の前で一緒に写真撮らない?もう卒業近いんだし」 一緒に下校している彼女はそう僕を誘ってきた。 「え…いいけど、なんかカップルみたいじゃない?別に付き合ってる訳じゃないんだし…」 僕は彼女の事が好きだ、告白するタイミングが分からなかったが、これはいいチャンスだと思う。 「よし!じゃあ行こ!早く早く!」 彼女はそう言うと早歩きで学校裏の桜の前へと向かってしまった。 そうして僕達は二人でスマホをかざし、桜を背景に写真を撮った。 すると突然、僕の耳元で誰かが語りかけてくる、 『お主と彼女は一生幸せになる』 と。 しかし周りを見渡しても僕の側には彼女しかいない。 僕は不思議に思いながらも勇気を出して彼女に告白した。 「僕と付き合ってください!この桜の様に一生守りたいんだ!」 彼女は少し照れながらも小さくこくんと頷いた。 「約束だよ」 そうして僕達はようやく付き合う事が出来た。 それから僕達は末長く幸せに暮らしていく。 この桜の舞い散る日を思い出しながら。

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お別れ

「ここかな、302号室。」 僕は入院している彼女に話があると呼ばれ病室へと 足を運んだ。 「入るよ」 僕はノックを3回してゆっくりと中へ入る。 「いらっしゃい!」 彼女は読んでいた本を机に置き、明るく出迎えて くれた。 「話って?」 そう聞いた途端彼女は一瞬下を向いて顔を上げ、 悲しげに話し始めた。 「実はもうそんなに長く持たないみたい。だから最後 にお別れを言いたくて…」 辛い、とても辛い。僕はもう返す言葉が浮かばなか った。 「私は君に逢えて本当に良かった!楽しい人生だった よ!ありがとう」 そう伝えてくれた数日後、彼女は息を引き取った。 それから僕は彼女のお墓参りに行く度に、 「僕も楽しい思い出をありがとう」 そう伝える。天国へ届くように。

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黒猫の叶わぬ恋

僕はご主人様に恋をしている。 抱いてくれた時のシャンプーの良い香り、 ご飯をくれる時の優しい笑顔。 それにいつも出かける時の行ってきますやただいま の彼女の挨拶にも… なのにどうして、最近僕が側にいるのに突然泣いて しまったり、僕と一緒に初めて撮った写真に 話しかけているんだろう? 僕はここにいるからもう泣かないで。 「にゃーん!」 「え?クロが鳴いたの?私が寂しくて泣いていたから?」 僕はずっとご主人様が大好きだよ!これからも 永遠に! そっか、僕はもう亡くなったんだ… なんで忘れてたんだろう、もうお別れが近いはずなのに。 もし生まれ変われるならご主人様と同じ人間になりたいな! もうそろそろ行かなくちゃ、 楽しい人生をありがとう! さようなら!

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