奏真なみ(そうまなみ)
5 件の小説「さよなら」と言う日まで、
私は知っている。 あのキラキラした今にも壊れそうな毎日を。 毎日みんなと騒いで、笑って、ふざけて、くだらないことばかりしてた。 カメラロールはしょうもない写真ばかりで大事な写真は埋もれていた。 でもそんな写真を見返すのが好きだった。 この日常がいつまでも続けばいいと思っていた。 だけど、 そんなに長くは続かない。 この青春は期限付き。 魔法が解けるまであと1ヶ月。 1日、1日を大切に、 最後は、笑って、 「さよなら」と言えるように。
未練
好き。 この気持ちは、伝えられなかった。この先伝えることもない。 それに、もう伝えても遅い、あの人には可愛い彼女がいる。 だから、もう遅い。 未練がましく綴っている想いも、全部過去のはなし。あの時楽しかったことも、嫉妬して悲しかったことも、好きだった気持ちも、もう多分忘れてしまった。 でも、時々あの人と話していると思いだしてしまう。 もしあの時、伝えていたら何かが変わったのかな。なんて、ありもしないことを考えるのはやめ。 あの人が好きだと言ってた短い髪も気づけばこんなに伸びていた。時間が経つのは少し早すぎる。 もうすぐあの人とは今までのように会わなくなる。そうすれば、もうこの感情は完全になくなる。 それに何かあってももう私は泣かない。 だって、私は強いから。 こうして、私は卒業する。 バイバイ、私の大好きな人。 いや、 好きだった人。どうか、お幸せに。
死にたいが口癖の女の子の話。
死にたい、消えたい。 私は何回も考えたことあるけど、これ言うと病んでるとかメンヘラとか言われるけどそんなんじゃなくてただどこか誰も知らないストレスがない場所に行きたいだけ。それが結果的には死ぬことだと思う。あと、テキトーにメンヘラって言う人いるけどメンヘラってそうゆう意味じゃなくない? よく死にたいって言ったら、生きたくても生きれない人がいるんだよとか言ってくる人いるけどあれも結構意味わからない。逆に言うと死にたいけど死ねない人もいるんだよ?まあ、ただ死ぬのにびびってるだけだどさ。 死ねって言われることもあるけど、私的にはそんなに死ねって言うならじゃあ殺してよって思うんだ。そんなに死んでほしいなら自分で殺せばいいのにね。勇気がなくて肉体を殺すのはできないだけで、その死ねって言うことで相手の心を殺してるのにね。でも、誰かに殺されて死ぬのはちょっと屈辱感があって嫌だな。 でも、1番いい死に方ってなんなんだろうね。これは結構みんな考えない?安楽死って結構難しいんだよね。飛び降り自殺とかは痛いまんま死にそうだし死んだ後も周りに迷惑かけちゃうし、海に飛び込んだりしたら苦しい思いして死ぬし、リストカットとかもあるけど自分の体に自分で傷はつけたくないし痛そう。結構私ってわがままかも。でも、1番楽に死ねる方法ってないのかな。誰かにおしえてよ。 あとさ、よく聞くのが家族に看取られて最後を迎えたいとか言うけどさ死ぬ時に誰かに見られたいって発想結構やばくない?1人でひっそり死にたくない?これって私だけ? 私もさ自分が仲いい子が死にたいって言ったら死なないでって言いたくなるけど、死ぬのがその子にとっての唯一の救いになるのなら?どう?死んでもいいんじゃない?ってなっちゃんだよね。私はその子が次の世界で幸せで生きていてほしいなって思うよ。次の世界なんてあるかわかんないけどね。でも、この世界が合わなかっただけで、きっとその子に合う世界があるはずだよ。でも、死なない方がいいよ。残された人達が悲しむんだよ。私も悲しいよ。まぁ、私が言うなって感じよね。 まぁ、私は死なない程度にゆるっとさくっとてきとーにこれからの未来を過ごしていこうかなって思います。 ぜひぜひよろしくお願いします。なーんてね。 でもやっぱ、死にたいよね。
裏切られても好きなんだ。
「好きだよ。」 って言ってくれたのにね。 へぇ、私のこと裏切ってたんだ。 その小さくてふわふわしててお人形さんみたいな可愛い女の子といっしょにね。 最低だね。 殴りたい、殴れないけどさ。 でもさ、なんでかわかんないけど嫌いになれないんだよね。 ムカつく。 1番ムカつくのは私を裏切ったあなたをまだ好きでいる私だ。 なんでなんでなんでなんで、私を裏切ったの。 私じゃだめだった? ダメならダメって振ってくれた方がよかったのに。 あなたに裏切られた方の気持ちわかる? 浮気するのは簡単だけど浮気された方はずっと苦しくて、悲しいんだよ。 私の心の中がずっとうるさい。 そろそろ黙って欲しい。 裏切られてもあの人のこと考えちゃうの、やめたいのにやめられない。 私はこんなにも好きだったんだ。 もうやめよう、全部わすれよう、 って思っているのに涙が止まらないのは、なんで、なんで、なんでよ。 いい加減止まってよ、私の涙。 私はこうなってるって知らずにあの人は今頃私じゃない誰かほかの女の子と会っているんでしょ。 考えたくないのにずっと頭の中にあの人が住み着いて離れてくれない。 ほんとは別れたくなかったんだ。 裏切られた事実は変わんないけど私はまだあなたがすきだったから。 でももう私じゃだめなんだね。 幸せになってね、バイバイ、私の好きな人。
あめの意味
2月13日 バレンタイン前日 街のテンションが異様に上がり男子はそわそわ女子はわくわくして、たぶん2月の中で1番盛り上がる日、それはもちろんバレンタインです。なんとそのバレンタインはもう明日に迫っているのです。 ということで今日はバレンタイン前日です。そう前日にやることといえば、チョコ作りです。私もしっかりその雰囲気を味わいたくて今はチョコクッキーを作ってます!明日クラスのみんなと交換するんだー。なんだかんだで意外と簡単でもう焼けば完成!私って天才かも〜?なんてね。 「おい、真依。こんな時間に何やってんの?」 うわ、びっくりした。なんだ真矢か。急に背後に立たないでよね。びっくりするじゃんね。 「何やってるって、見ればわかるでしょ?」 バレンタイン前日にやることなんてひとつしかないじゃん。 「あ、化学の実験か?」 そんなひらめいたって顔されてもね。全然違うし。 「実験を家でやったら危ないでしょ!ってそうじゃなくてクッキー作ってるんだよ。」 「あー、明日バレンタインか。」 やっと気づいたか、鈍いな。 ん?あれ?まって忘れてた!私まだ自己紹介してない!申し遅れました、私、叶かのう真依まいって言います!以後お見知りおきを。そして、さっき私の背後から話しかけてきた男は奏かなで真矢しんやって言って私の幼馴染でお家が隣のご近所さんです。幼稚園からずっといっしょで今高校で同じクラスなんだ。 「真依、さっきから1人でぶつぶつ何言ってんの?だいじょうぶ?」 あら、声に出てたの、恥ずかしい。 「ひ、独り言だよ。あははははー。」 とりあえず笑って誤魔化しとけばいいよね。うん、よきよき。 ちーーーーーーん 真矢と戯れているうちにクッキーが焼き上がったみたいです。 オーブンを開けたら焼きたてのクッキーとほんのりチョコの香りがした。 いい匂い、お腹すいたな。 「お、綺麗に焼けてんじゃん。ひとつもーらい。」 真矢が出来上がったばかりのクッキーをひとつつまみぐいしようとしてクッキーに手を伸ばした。けど、このクッキー焼きたてだからちょっと覚まさないと、、 「あ、まっt、」 「あっつい。ちょ、まって。」 もー、だから待ってって言ったのに、できたてだからあついに決まってんじゃん。 「もう、火傷してない?大丈夫?」 真矢、猫舌なのに。 「平気!このクッキーうまい!」 勝手に食べといて何言ってんのよ。一個くらいならいいけどさ。 「美味しいなら、よかった。頼んでないのに毒見ありがとう。」 「え?毒入ってんのこれ?」 「あれ、言ってなかったっけ?このクッキー青酸カリ入ってるよ?」 ちなみに、青酸カリって毒です。よくミステリーのアニメとか漫画にでてくる、割と有名な毒なんだけど、あれって現実だと入手困難らしいよ。まー、もちろん入ってないですけどね。 「あほか、入ってたら俺今頃死んでるわ。」 「生きててよかったわ。」 私は笑顔を真矢に向けて言った。 「これ、明日俺ももらえんの?」 「え、あげないよ。これは友達にあげる用!あ、あとお父さん。」 真矢にはクッキーは絶対あげないよ。だって、バレンタインにクッキーをあげる意味って友達でいようって意味なんだもん。真矢はそんなこと知らないんだろうけどさ。 「え、じゃあ俺今年もらえないの?」 「真矢には、これあげるよ。」 と言って私は飴をあげた。飴はあなたのことが好きって意味なんだけど、この想いに真矢は気づいてないんだよね。鈍いやつだからさ。 「え、俺これだけ?うそでしょ??」 驚きを隠せてないね。ほんとにびっくりしてる顔をしてる。あはは、可愛い。 そんなに心配しなくても、あなたには明日本命のチョコ渡しますよ。そして、今年こそは真矢に告白したい!と思ってます。 だから、今はその私の思いがこもってる飴で我慢してね。 「もー、文句言わないの。っていうかもう夜遅いから家帰りなよ。」 真矢が帰らないとチョコ作れないじゃん。 「真依、これで作るの終わり?」 「あとラッピングすればね。」 「ふーん。じゃあもう帰ろー。じゃあ、おやすみ真依。」 「うん、おやすみ。」 自由だな。結局何しにきたの?ひまだったのかな?多分そうだよね。 とりあえず、真矢にあげるチョコ作ろ。待っててね、真矢。 in真矢家 隣から戻った真矢は自分の部屋で考える、真依からもらった飴を見ながら。 バレンタインに飴をあげるのは相手のことが好きって意味らしいけど、真依はそんなこと気にしてないよな。真依だもんなー。あと、俺今年真依からバレンタインもらえないのか、俺以外の誰か本命あげるのかな。でも、さっき真依が作ってたのは普通のチョコクッキーだったしな。さっき見に行った時、誰に本命あげるのか聞いとけばよかった。もう、頭の中では真依のことが気になって仕方ない。真依は俺のことどう思ってるんだろうな。真依は俺がこんなに真依のことが好きって気づいてないんだろうな。あーあ、寝れないな、今日。 実は両思いな真依と真矢でした。 めでたしめでたし。 ハッピーバレンタイン!