ゆきみだいふく
3 件の小説#春と秋の間に夏はない
「はぁー、次移動教室かぁ」 休み時間。 春(はる)がそう言って親友の紗良(さら)の机に顔を潜らせた。 「まぁまぁ、今日の給食は春が好きなカレーだから元気出して!」 「えカレーなの!?」 「だから頑張ろー」 「うん!」 廊下を歩きながら、紗良と給食の話をしていてカレーが楽しみでたまらなかった。 とてもテンションが高く、次の授業も頑張れそうな気がした。 ー今は。 でもその後それが全てなくなること、廊下であんなことが起こるとは思わなかった。 「お前、あの後どうしたんだよー笑」 「えー別にどうでも良くね?笑」 3年生だ。 その中には女子から1ヶ月で20回も告白されているという有名な秋山先輩がいた。 すると急に秋山先輩がこっちの方、、、き、てる? 「あ、春さん?これ、君のハンカチだよね?」 あ、それ私が1週間くらい前に無くしてたやつだ。 え、でもなんで秋山先輩が持ってるの、? あれ?な、まえ? 「ア、アリガトウゴザイマス」 困惑してしまって私はすごい変な日本語でお礼を言ってしまった。 「何それ笑」 秋山先輩は明らかにこっちを見て笑っている。 あ、私やらかした? とても恥ずかしくなってしまった。絶対顔は真っ赤になってる、、、 そう思って立ち尽くしていたら、秋山先輩の口から私なんかに向かって言うはずのない言葉が出てきた。 「春さんって面白いね笑 また話したいな笑」
放課後、君との「恋のストーリー」 ⑵
「2組の怜(れい)です。」 彼はそう言った。 彼のことはよく龍二から聞いてた。 龍二と同じ部活でイケメンで女子からものすごくモテてるとか。 別に恋愛とかそういうのに興味はないけれど、少しだけどんな人か気になっていた。 でも、想像と全然違った。 日々希「そういえばみんな何部だっけ?」 龍二「バスケ部ー!あれ結衣は?」 私「バレー」 怜「...。」 あれ、怜くんは?思ったよりも静かで、内心驚いてしまった。 聞きたかったけど、初対面だからか下の名前を呼ぶ勇気がなかった。苗字もわからない。 龍二「あ、怜もバスケ部!こいつ人見知りでさー笑」 人見知りなことに本当に驚いてしまった。 私の中でモテる人ってとても明るくて元気、いわゆる陽キャだと思っていたからだ。 怜「...別に人見知りじゃないけど」 緊張してるのかな?私はそう思っていた。 ゲームを始めようとした時、あるはずのない言葉が怜くんの口から出ていた。 怜「あ、お前鈴木結衣だろ。知ってる。」
放課後、君との「恋のストーリー」 ⑴
キーンコーンカーンコーン _____ 。 今日は部活がなく、いつも通り家に帰宅した。 スマホが鳴る。 「今日、ゲームやる?」 「やるー待ってて」 メッセージの送り主は、幼稚園の頃からの2人の幼馴染、日々希(ひびき)と龍二(りゅうじ)。もう中二になって今は幼馴染というよりかはよくゲームをするゲーム仲間だ。 「私もやるー」 私はそう返信した。 でも、今日は何か違った。 龍二が突然言った。 「ごめん、俺の友達このグループに入れてもいい?」 それが、その出来事が、これから何が起こるかなんて誰も知らなかった。