dada

12 件の小説
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皆さん、はじめましてdadaです。考えていることを文字にしてたくさんの人に読んでもらえると嬉しいです。ど素人ですが、自由に投稿していきたいと思います。よろしくお願いします😃

泣きたくなったら

泣きたくなったら 空を見上げて 1人じゃないと教えてくれるから そして 一緒に泣いてくれるから

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寂しいから 一緒にいた 寂しくないように 一緒にいた 僕の存在が君にとってかけがえのないものになるように願っていた 空を見上げるのは君を忘れないため 君が、空の青が好きだと言ったこと、忘れないため 僕から離れていく君を追いかけなかったのは 君が、楽しそうに笑っていたから 好きなんだろうなって思ったから 彼のこと いい友達のままでいたい  辛い時、一番に頼ってもらえるような存在でいたい 泣いている君を遠くから見ているだけの存在にはなりたくない 君の人生の部外者にはなりたくない けど、苦しい 彼にいなくなってほしい 辛い ひどいことばかり考える こんな僕がいなくならなければいけないんだと 気づいた 君が彼を好きなんだと知ってしまった時点で離れなければいけなかったんだ 僕がこんなに醜いんだと知ることはなかった 簡単じゃない 好きな人から離れること 離れたくない 寂しいのは僕だけ・・・僕が寂しいからそばにいた 君は僕が寂しくないようにそばにいてくれた 優しいんだ ずっとずっと前から・・・ 傷つけたくない 君に別れの手紙を書いた 簡単な嘘だらけの手紙 明るく前向きな手紙 顔を見れば泣き出しそうで 声を聞けば決心が揺らぐ 揺らぐというか絶対に離れられなくなる だから、手紙を君へ送った 黙っていなくなるなんてできなかった 君が悲しむから 君には笑っていてほしい  何年経ったら君と笑って話ができるだろうか 僕が空を見上げるのは君を忘れることができないから 君が雲をわたあめみたいだと言って笑った その笑った顔を思い出すため  君が好きだ 切なくなるほどに けど・・・ 君を忘れたくない

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どうして・・・

困らせたかったわけじゃない あなたにみて欲しかった  私のことを こんなにも弱いのに強いだなんて・・・ 大丈夫ねと置いて行ってしまうなんて・・・ 寂しくても我慢して 会いたくても我慢して 泣きたくても我慢して いくら我慢したってあなたは気づかない 私が見えていない 私は最初から居なかったかのよう・・・ 笑っているからといって、大丈夫というわけではないのに あなたは私から早く離れたい そう感じる 私じゃダメなんだと必要ないのだと そう感じる たった一度言ったわがまま それからしばらく会いにきてくれなかった その時に知った あなたにわがままを言ってはいけない あなたを困らせてはいけない あなたに甘えてはいけない  もう一生会えなくなる 会いにきてくれなくなる 嫌いになれない 話を聞いてほしい 嫌いになれない 褒めてほしい 嫌いになれない 抱きしめてほしい 嫌いになれない 愛してほしい 私がわがままを言って困らせても見捨てないでほしい あなたからもらいたかったものを誰かに求めた  求めた結果 私は・・・虚しい・・・虚しすぎて、ボロボロ  疲れてしまった  頑張ること あなたに愛されたいと頑張ること どうしても、諦めきれない あなたに愛されたい あなたの愛がほしい もう、頑張れないのに頑張ろうとする 私は惨めだ 一人だ ずっと一人 誰かに一緒にいてほしいわけじゃない あなたにいてほしい それなのにあなたはこんな私を見ようともしない  ボロボロなのに見ようとしない 助けてって何度も叫んでいたのに気づかない お母さん どうして私を産んだの?

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僕は・・・

遊ばれていたのかもしれない あの頃の僕は弱く、何もわからず 彼の優しさだけが心の拠り所だった 彼のことを好きなのかと聞かれれば好きだと答える でも、 彼のことを愛しているのかと聞かれると答えに困る 「愛してる」と言われるたびに虚しく 悲しく 寂しかった 僕が彼のそばにいたのは一人が嫌だったから・・・ こんな僕に優しくしてくれたのが彼だけだったから・・・ 歳を重ね泣き虫だった僕も泣き虫じゃなくなった 僕は彼から離れた 本当はずっと前から離れたいと思っていたのかもしれない 彼は女性と結婚して子供が産まれた 久しぶりに仕事で彼に会った 彼は昔みたいに優しく笑いかけてくる 僕も微笑む 彼のことは嫌いじゃない ただ、この関係を終わらせたい  僕は彼のことを愛していない  彼は僕に昔みたいに戻りたいと言う 僕は断った なのに・・・悲しい顔をするから つい、優しくしてしまった 彼は僕にキスをする 僕は・・・抵抗することができない・・・僕はまた彼にいいようにもて遊ばれるのだろうか 彼女と目が合った 偶然現れた彼女は慌てて外へ出た 僕は彼を突き放した そして言ったんだ  「僕は一度もあなたのことを愛したことはなかったよ」 彼を置いて僕は彼女を探す 彼女に今見たことを話されては困る・・・と助かった 彼女が現れなければ僕は同じ過ちを繰り返すとこだった 弱いままだ僕は・・・何も変わってない 僕はダメな人間だな本当・・・泣けてくる・・・泣き虫じゃなくなったと思っていたのに・・・涙が止まらない 彼女を見つけた 「あの」 彼女は驚いた顔をしてそれから優しく微笑んで言った 「大丈夫ですよ 昨日のことは誰にも言いませんから安心してください」 「僕らは」 「何も言わなくてもいいですよ 説明は要りません 私には関係ないことですから大丈夫です」 彼女がそう言ってくれたのに・・・僕は・・・話し始めて・・・聞いて欲しかった・・・彼女に・・・ 彼女は優しい顔をして僕の話を聞いてくれた たまに微笑んで、たまに相槌を打って・・・黙って聞いてくれた 話の終わりに彼女が言った 「頑張りましたね」 僕はまた泣いてしまったんだろう 彼女が慌てて涙を拭くものを探してきてくれたから 「えらい えらい」 彼女は微笑んで僕の頭を撫でる 「あっごめんなさい つい すいません」 彼女が慌ててばかりで 優しくて 可愛くて 僕は笑っていた 「僕こそごめんなさい こんな長々と話してしまって」 「いいですよ 他に何もできませんから話ぐらい聞きますよ」 「ありがとうございます」 「では、仕事がありますので失礼します」 「はい」 彼女は最後まで優しく微笑んでいた 僕は・・・心が軽くなった 頑張ろう 仕事へ向かう足も軽やかな感じがする・・・かな 彼に会うと胸が少しキュッとなった けど、彼女のことを思い出して微笑むことができた 彼女は誰なんだろう・・・どんな人なんだろう・・・僕は何も知らない人に話を聞いてもらっていたんだ 変だよねこれって 彼女は・・・僕のことをおかしい人間だと思ったかも・・・微笑んでくれていたけど・・・ 怖がらせてしまったかも・・・彼女に嫌われたくないな・・・泣いたし・・・気持ち悪いよね普通・・・ 知らない奴が突然泣き出したら・・・気持ち悪い・・・ 僕は後悔ばかりダメな人間だ・・・最悪だ・・・彼女に確かめたい・・・彼女と話したい・・・ 彼女に会いたい・・・ 彼女に会えないまま 日々忙しく過ぎていく このままじゃ一生会えないんじゃないかな・・・探さなきゃ・・・彼女を・・ 会いたいなら会いにいかなきゃ 迷惑かも でも、僕は話したい 会いたい 彼女に笑いかけてもらいたい 少し小走りで建物内を探す 彼女、今日は休みだったりして・・・ 「おはようございます」 彼女だ 「おはようございます」僕の声は小さく 彼女に届いただろうか 彼女は優しく微笑んで僕をみている 「しばらく会えていなかったので お元気でしたか?」 「気にしてくれていたんですか?」 「当たり前じゃないですか つらそうでしたし 泣いてましたし・・・ね 」 彼女はニコッと笑う つられて僕も笑う 「恥ずかしいですね 人前で泣いたりなんかして」 「いいえ、泣きたい時は泣いていいってよく言うじゃないですか だからいいんです 泣いても」 「それってどういう意味ですか?」 「意味なんかないんですよ ただ、泣きたいときは泣いとけってことです」 彼女が得意げに言い切ったのが可愛くて笑ってしまった 「笑った顔 素敵だと思います」彼女が言った 「えっ・・・」 「そうやって たくさん笑っていてほしいです 辛いことがなくなることはないですけど、笑っている時が多くなるように願ってますから」 「どうしてですか?」 「どうして・・・あなたのファンだからですよ」 「僕のこと知っていたんですね」 「はい」 「それなのに 僕らのこと言わないでいてくれたんですね」 「そんなこと言うはずないじゃないですか あなたが傷つことはしませんよ」 「僕が傷つくことはしないんですか?」 「しません」 僕は彼女を抱きしめた 「このまま抱きしめさせてください」 彼女は戸惑っている様子だった・・・けど 優しく抱きしめ返してくれた 出会った時から温かな人だった 今も温かい 心が満たされていく そんな感じがした 「ごめんなさい」僕は彼女から離れた 僕は何をしているんだろう 「謝るのは悪いことをした時だけですよ こんなスターに抱きしめてもらえるなんて私はラッキーでした 今日はいい日になります」 「いい日?」 「そうです あなたに会えたから今日はいい日になりました」 「・・・」僕は 「こんな時はよかったですね でいいんですけど」 彼女が笑う 「僕も今日がいい日になりました あなたに会えたので」 「よかったです お応援してますから 頑張ってくださいね」 「いつも応援ありがとうございます」 僕は笑う 「では 失礼します」 彼女のこの言葉が遠く感じて嫌だなって思って 「またねでわかれませんか?」 彼女は・・・ 「またね 一ノ瀬さん」 「また、会いましょう」 彼女とまた会う約束をした  ような感じでいいなって僕は嬉しくなった 「何、にやけてるの?」 「にやけてなんかいません」 「にやけてる顔も好きだけど」 彼のこの自信に溢れた態度や顔に惹かれていたときもあった あれは憧れだったのか恋だったのか わからない でも、今は憧れだ 傷ついたこともたくさんあったけど尊敬している 感謝もしている あの時、彼が救ってくれたんだ僕のことを・・・ 「ありがとうございました 今まで  僕はあなたがいなくても大丈夫です」 「何?それ?」 「加賀さんの気持ちとは違うんです 多分、出会った時から 前に言った通り愛してはいなかった そうなんです加賀さん、奥さんとお子さんと幸せになってください 僕も僕なりの幸せを見つけます」 「・・・そう、俺はいらないってこと?」 また、悲しい顔をする   でも・・・ 「はい、いりません」 言えた 彼の後ろ姿に切なくなった けど、彼女の声が聞こえた「頑張りましたね えらいえらい」って ・・・彼女に会いたいな

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変わらない愛とは

人は昔から変わらないんだと思う 私みたいに同性といわれる人を好きになった人もいたと思う 想いを告げることもなく 自分を偽り 自分はおかしいんだと責め 皆と同じになりたいと願う 愛することのできない人に愛していると言って・・・微笑んで・・・ 心が死んでいくのを感じるのにどうしようもできない・・・ これでいいんだと言い聞かせ 偽りの世界を生きる 幸せではない なのに幸せだと言う あなたを愛しているのに 嫌いだと言う 突き放さなければ 心のままにあなたを抱きしめてしまうから 愛してしまうから あなたに触れてしまえば 止めることができない この想いがあなたを傷つけてしまうことになっても 止めることができない だから、あなたのことは嫌いなままで生きてい 話すことも 目を合わせることも 隣にいることも 触れることもできない できない・・・できない・・・愛していると思ってはいけない この愛は罪になる 愛しているだけなのに 罪になる  この先 何十年 何百年先だっていい 愛がこの愛が罪でなくなる日が来るのなら そんな世界で生きてみたい  心のままにあなたを愛してみたい そう願う 私はそんなことを願っていた人の生まれ変わりなんじゃないかと思う あなたが愛しくて仕方がない  あなたが私を好きだと言ってくれた日から止めることができない この溢れ出てくる愛を持て余してしまうくらい あなたを愛してしまう この世界に生まれてきてよかった・・・と思う 傷ついても 苦しくても 辛くても あなたが隣にいるのなら 全て、乗り越えていけるとわかる

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君へ

死なないでとは言わない ただ、最後の時 寂しくないように 悲しくないように 苦しくないように・・・ そばにいたいだけ 話を聞いていたいだけ もし、生まれ変わりなんてものがあるのなら 来世で僕との未来を夢見てほしい・・・だけ・・・

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彼の愛とは

彼は彼女のことを名前で呼ばない 彼は彼女に触れない ただ、毎日話しを聞く 彼女が話したいことを聞いて、話したくない日はそばにいる 彼女が眠るまでそばにいる 彼女が笑っている時は一緒に笑い 泣いている時は遠くから見守った 彼女は泣いている姿を見られたくない 名前で呼ばれることを嫌がる 触れられることを怖がる 彼女の抱える傷が深過ぎて彼にはどうしようもなかった 「死にたい」という彼女 「そう」彼は優しく微笑む 彼は言わない 死なないでなんて・・・ 彼は愛している彼女のことを 彼女のためなら死んでしまえるくらいに愛している 彼女がこれ以上苦しまないように 生きる道を選べるように 彼は彼自身を押さえ込んで彼女のそばにいる 彼には彼女を救えない 彼女は気づかないから彼がどんな気持ちでそばにいるのか 話を聞いているのか 死なないでと言わないのか 彼女は優しく温かな人 笑うとエクボが可愛い 彼にもっと早く出会っていたのなら彼女は壊れてしまうことはなかったのだろう こんなに愛されているのにこんなにも愛されているのに 彼女は気づくことができない 彼女の欲しかったものがすぐそばにあるのに手を伸ばして掴めるのに・・・ 彼女は気づかない 「私は、生きていたくない」 「そう」 「なんで、みんなは死ぬなというの?」 「なんでだろうね」 「こんなに苦しいのに、毎日毎日・・・辛いの」 「うん」 「あなただけね 私のことをわかってくれるのは」 「そう思っていてくれて嬉しいよ」 彼には彼女は救えない 誰にも彼女は救えない 「私、死ぬことにする」 「・・・」 「今日にする あなたにさよなら言わなくちゃと思ってたの」 「一人で死ぬの?寂しくない?そばにいるよ 君が・・・」 「死ぬ姿なんて見られたくない 今までありがとう」 彼は・・・「わかった」と優しく微笑む 「さよなら」 「さよなら」 彼女は今まで見せたことのない笑顔で彼を見送った 彼は振り返ることなく彼女の家を出た 涙が止まらない 「死なないで・・・神様・・・彼女を連れて行かないで・・・死なないで・・・死なないで・・・お願いします」 彼は彼女のために最後まで自分を抑え続けた 愛してると言いたかった 死なないでと言いたかった 一緒に泣いて一緒に生きていきたかった 彼女に聞こえないように声を押し殺して泣く彼を直視することができない 辛い・・・辛すぎるでしょう 彼の愛に気づけていたら彼女は生きられてのだろうか・・・ 彼は冷たくなった彼女に 「愛してる」と優しく微笑む 触れることも名前を呼ぶこともない 彼女が嫌がるから 誰も彼女を救えない  彼はただただ彼女を愛した 愛し続けた

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恋に落ちて・・・

赤が好きなのに青が好きだと言った オレンジが好きなのにストロベリーが好きだと言った 山が好きなのに海が好きだと言った イメージが大切 私は人形だからたくさんの人の人形だから 言われた通り答えて笑って怒って泣いて感情などない 私はなんて考えたらダメ 私なんて持ってしまったら・・・きっと苦しい 「大丈夫?元気出して下さい」彼が言った 私は笑っていたのになんで? 「これ、プレゼントです」彼から渡された花束は赤色 なんで?青だって言ってたのに・・・ 「今日は暑いですね」彼がオレンジジュースをくれた 「なんで?」 彼は戸惑っていた 「なんで?私が好きだって言ってた物じゃない」 「嫌いでしたか?ごめんなさい よく見ていた気がして好きなものを」 「えっ?私が?見てた?」 「あっ、そんな気がしただけでした すみません」 私のことを本当の私のことを見ていてくれてた人がいたんだ 「好きです、オレンジジュース ストロベリーよりも」 「よかった では、また」彼は嬉しそうに笑って帰って行った その夜、自宅で涙が止まらなかった 「ちょっと、目が腫れてるじゃない?甘いもの食べ過ぎたんじゃないでしょうね」 「まさか、お酒とかやめてよ むくみとるの大変なんだから」 誰も心配なんてしてくれない 悪いのは私 「すみません 夜遅くにアイス食べちゃって」 「本当、アイドルとしての自覚がないわ 他のメンバーを見習いなさい」 「すみません」 「これ、使って下さい」珍しく2巡目も来てくれた彼が冷えたオレンジジュースの缶をくれた 「わかっちゃいましたか?」 「あっ でも、お綺麗です いつも通り素敵です」 彼が下を向きながら照れた様子で言った 「昨日、夜にアイス食べちゃって、アイドルの自覚なしですね」 私は嘘をついた いつも通り 彼が不思議そうな顔をして言った 「そうなんですね それならよかったです なにか嫌なことがあったんじゃないかと思ったんで」 「なんでそう思ったんですか?」 「あ〜昨日泣いたのかなって思って 目が腫れていたから心配してしまいました アイスを食べただけだったらよかった」 彼がほっとしたように言った 「嘘です 本当は泣いたんです」 彼をまっすぐに見て言った 彼は少し驚いてた顔をしてからポケットやリュックを探り始めた そして、アイロンをかけ綺麗にたたんであるハンカチを差し出した 「辛い時、苦しい時、悲しい時、泣いてもいいようにどうぞ使って下さい」 差し出されたハンカチは海水浴場のイラストが描かれていた 「海、好きなんです」私は言った 「はい」彼は笑顔で答えた 彼はコンサートも握手会も小さなイベントも来てくれた 彼を見つけるとなんだか安心できた なぜだろう 誕生日イベント 来てくれなかった 握手会 来てくれなかった コンサート 来てくれなかった 彼はこんな嘘ばかりの私を嫌いになったのか・・・他のアイドルに乗り換えたのか・・・ アイドルだらけ、私より魅力的な子ばかりだし、仕方がないこと・・・だよね 感情が・・・消えていく・・・ 言われた通り笑って泣いて怒って・・・人形だったこと忘れていた 握手会 「曲聴きました いい曲ですね」 彼は何も変わらず握手会に来てくれた 「どうして?今まで来てくれなかったんですか?」 感情が・・・溢れる 「誕生日イベントも何度も握手会があってコンサートだってあってどうしていなかったんですか?」 「ごめんなさい ちょっと、入院していて来れなくてごめんなさい」 リュックが落ちそうな勢いで彼が頭を下げる 「入院て、入院てどこか悪いの?」 「いや、仕事中、階段から落ちてしまって足を骨折してしまいまして、すみません」 彼は頭を下げたまま答える 「なんで、教えてくれなかったんですか?私は・・・」 泣き崩れてしまった 彼は慌てて謝り続け駆け寄ってきたスタッフに外に連れ出させてしまった 涙が溢れてきて腰が抜けて立ち上がることができなかった 彼を追いかけることができなかった そして、気づいてしまった 私は彼のことを好きになってしまったんだと 恋に落ちてしまったんだと・・・ 「彼は出禁ね うちのアイドルをこんなにしてくれちゃって」 社長が怒りながらスタッフと話している 「違うんです 私が急に体調が悪くなっちゃって、彼は悪くないんです」 「そんなこと言っちゃったら、会社が体調悪くなるまで働かせたとか無理させたとか問題にしちゃう人出てくるでしょ」 そうだ、この人たちは自分たちだけが良ければよかったんだった 「彼には悪いけど、なんかしちゃったか言ったかにして終わらせましょう 彼は今後、出禁ということで」 彼に悪いなんて少しも思ってないくせに・・・彼に会いたい・・・そういえば、名前も仕事も彼のこと何も知らない 知りたい・・・

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彼女は・・・

たくさん展示してある中で 彼女は・・・彼女の写真は一際異彩を放っていた 「綺麗だ」 思わず声が漏れるくらい美しかった 「本当、綺麗」 横を見ると彼女が立っていた 写真の彼女だ 「これ、私なんだ」 「はい」 ニコッと笑った顔も美しい 写真の中の彼女は強い女性のイメージ 隣にいる彼女は可愛らしい女性のイメージ どちらも素敵だけど・・・ 写真の中の彼女の美しさを目に焼き付けたかった 「本物より写真なのね」 不満げに彼女がいった 「いや、違うんです プライベートかなって、あんまり話かけても悪いかなって思って」 慌てて言い訳した 「別にいいよ 私から話しかけたし」 「でも、騒ぎになってもだめだし、顔がまんま出てますし」 「周り見てよ あなたと私だけだよ 人が来たらマスクするし」 「そうですね ハハ」 なんか、写真の通り強い方なのかな 「うん」 「あの、あなたと話したい気持ちはあるんですけど ボクがこの写真を見られるのは今日で最後なんです 展示が今日までですし なので申し訳ないんですけどもう少し集中してみたいかなって思っていて 他にも見たいものありますし なので」 「私が邪魔なの?」不機嫌な表情 「いや、邪魔って言ってないんですよ その、目に焼き付けておきたいというか その」 「回りくどい人 私あなたみたいな人嫌い」 「えっ?」 「さよなら」 ボクを睨みつけ去っていく どうしていいのかわからない 去っていく彼女の後ろ姿を見ているしかなかった 彼女を傷つけてしまったのか 彼女と会話をしたらよかったのか でも、何を話せばよかったのか  頭の中は彼女のことでいっぱいで、けど答えは見つからず 他の展示物どころではなかった 彼女しか残ってない ボクは何をしているんだろう はあ〜、もう会うことのない彼女に振り回されてしまった  ふと、思い出したのはニコッと笑った彼女の笑顔 可愛かったな  不機嫌な顔も睨みつけた顔も 可愛かったし綺麗だった さすが、モデルさんだな 思い出して笑ってしまう 結果、嫌われたけどいい日になったな 会うことなんて普通あり得ないしな 今日という日が忘れられない日になった 「川辺くん」 「はい」 「これコピー20枚と会議室使うから準備お願い」 「わかりました」

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あなた

切れ長の目は優しく温かく私を見つめる このまま私だけを見ていてほしい  そう思うのは傲慢なのだろう 「目つきが悪いと良く言われる」と寂しげに言うあなたに・・・惹かれていく 抱きしめたくなる 優しい言葉をかけたくなる なのに 出来ない してはいけない あなたには愛する人がいると知っているから 彼女から奪ってまで、今ここにある幸せを壊してまで 突き進んではいけないと思う  あなたが悲しむ顔が浮かぶ 顔に似合わず優しいから・・・ 好きになるはずがなかった 優しくしてもらうはずがなかった 隣で言葉を交わすはずがなかった 落ち込んだ時、そばにいてくれるはずなんてなかった こんな風に私を見つめてくれるなんてことあるはずがなかった なのに・・・愛してしまった・・・ すれ違い、挨拶するだけの関係に戻れるなら戻りたい あなたのことは名前だけ知っている そんな関係でいたかった あなたがこんなに素敵な人だなんて知りたくなかった なぜ、あの時あなたに話しかけてしまったのか・・・後悔している もう、愛していると自覚してしまった 毎日あなたが浮かぶ 雨の日も晴れの日も朝も昼も夜も・・・星を見ても月を見ても・・・歩いていても走っていても あなたを想わない日なんてない あなたがほしい できることなら壊してでも傷ついてでもあなたがほしい けど・・・ あなたが笑っている顔を見ると出来ない 出来ないよね 幸せそうなあなたが私は好きなのだから さあ、どうする私・・・空を見上げると・・・青・・・雲・・・ ただ、広い   深く呼吸する 苦しいけど好き 辛いけど好き 切ないけど好き ドキドキして死んでしまうかも はあ〜  長く息を吐く 今日もあなたを好きなままあなたに近づきすぎないように気をつけながら 隣を歩くんだろう 笑い合うんだろう 独り占めしたいと思うんだろう   

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