「問題!」
「とても脆くて、でもなかなか崩れないものってなんでしょう?」
夕陽で町が朱色に染まる帰り道。
彼女から問題を出された。
出された瞬間、素直に考えた。
でも、分からなかった。
「おまえが久しぶりに真面目な顔をしたと思ったら、なんだクイズか。」
「ぇえ?別に良いじゃない!さあ、答えてよ!簡単でしょ?」
「ぁあ、まぁな」
「ほら早く」と彼女は急かしているが、俺は俺で必死に考えている。
でも、なんだ?脆くて、崩れないもの?
抽象的すぎるな。
「ぇえぇとー、あ、えんぴつ?とかだろ!」
「ぶっぶー!違いまーす!残念!」楽しそうでなにより。
「で?答えは?」気になるって。
「えー!もう答え言っちゃていいの?」
「うん」
「えーぇ、じゃあ、正解は…」
「教えませーん!」
「もう、なんなんだよ!」
「だって、そんな簡単に言っちゃ、面白くないじゃん」
「てことで、明日までにでも考えといてくださーい」
「俺はおまえのなんなんだよっ」
くs、スッキリしないじゃねぇか。
「ふんふふん♪」相変わらず楽しそうだ。
そうして、途中で分かれて家に帰った。
さぁて、なんなんだろうなぁ。
脆くて、崩れないものだろ?
久しぶりだ。こんなに真面目に考えるのは。
スマホを手に取る。
今時、AIという手もあるがー。
やめとこう、あとあと後悔しそうだ。
「はぁ…」
「お兄ちゃんがそんなに悩むなんて、明日雪でも降るのかな…!」妹、参上。
「いいか、兄ってものはなぁ、いつも、ぼーっとしてるわけじゃないんだ。分かるか?」
「分からなーい!」
妹も、相変わらずだ。
しょうがない、いくら考えても分からないのだから、聞いてみるしかないか。
「妹よ!脆くて、崩れないものってスバリ?」
「ふぇ?なるほどね、彼女さんに問題出されたんだ?」
「ほんと、鋭いやつだ。普段は鈍いのに。」ボソッ
「あぁ?なんか言った?」
「ほへ?なんのこと?」
「えーと、なんかお兄ちゃんは答えっぽいやつは出てんの?」
「もちろん!鉛筆と大根と氷とシャーペンと消しゴムとボールペンと定規!」
「文房具が多いな!文房具が!」
「えへへ…って、だから、聞いてんだよ!!」
「あまり、この物語、長くはしたくないからさぁ、考えてくれよぉ…」
「まったく、しょうがないなぁ」
そうして、考えてくれた。
翌日。
「ふぁあぁあ…」眠い…
昨日、結局妹もなかなか思いつかなくて、徹夜で考えたんだっけ?そりゃ眠いわけだ。
ま、とりあえず答え合わせと行こうか。
「さぁ、さぁ!ファイナルアンサーは??」朝から相手は調子が良さそうだな。
「まぁ、行かせてもらうぜ、、、」
「答えは?」
「答えは…」
「ガラスコップ!ほら、ガラスとかってさ、案外割れないじゃん?」結果は…!?ゴクリ。
「…もう!全然違う!!もう良い!」
え
「え、ちょ待って違うことある?!」
「ある!!まったく違うもん!」
えー、昨日徹夜で考えて…
「お兄ちゃん!思いついた!!」
「な、なんだ!?」
「ガラスとかじゃない?だから、グラス?」
「おー…なんか、まぁしっくりこないけどー、もうそれにしよう!!!」
「ってなったんだよ!?」
「いや、知るかぁ!」頬を膨らませ怒ってる。
「じゃあ、なんなんだ?」
「もう、教えません!!」
「えぇぇーー!!?」
皆さんはなんだと思いますか?
きっと、鉛筆とかグラスとかじゃなくて、
もっと、なんていうか…概念だと、私は思います。
人の優しさとか、悲しい気持ちとか?
友達との関係とか辛いこと苦しいこと…
全てをひっくるめた人の“心”だと思います。
簡単に傷ついてしまう、でも、なかなか、挫けない芯がある。みたいな?
おそらく、彼女はネットかなんかで見つけて、「あ、これなんか良い!」ってなって問題として、出したくなったんでしょうね。