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もう一度あなたの恋人になりたい。(1)

高校3年生の夏 最後の文化祭で、君と私は出逢った … 「この後ダンスの発表だよね?」 「そうそう、見に来てよ」 まさか、ちょっと前から気になってた髙橋くんと受付のシフトが被るなんて 「髙橋くんダンス上手だもんね」 「じゃあ、俺だけ見ててよ」 こうやっていろんな女の子に口説いてるんだろうな 「ダンスの発表動画撮っておこうか?」 「まじ?」 「頼むわ」 「うん、頑張ってね」 「ありがとう」 ダンスも上手で顔もスタイルもk-popアイドルみたい モテないわけがないか 「藤崎さん、飲み物持ってきてないの?」 「あ、教室に置いてきちゃった」 「こんなに暑いのに、水分摂らないと倒れちゃうよ」 「俺そこの自販機で水買ってくる」 「え?」 「待ってて!」 もしかして髙橋くん、私のために水買いに行ってくれたの? 「はい!これあげる」 「いいの?」 「うん」 「ありがとう」 「お金返すね」 「いらないよ」 「でも、」 「まじで大丈夫!」 「ほんとにありがとね」 「おっす」 意外と優しいんだ 見た目は結構イカついのに やっぱり外見で判断しちゃだめね 「てか、次のシフトの人来なくね?」 「ほんとだ、もう交代の時間だね」 髙橋くんと話せる時間がもう終わっちゃうんだ これっきりで今後は関わることないんだろうな   「ちょっと次のシフトの人に電話するわ」 「うん」 「…出ないんだけど」 「えなんで?」 「しらん」 「あいつらサボったな」 「まじか」 「はぁ」 「どーする俺ら代わりにやる?」 「そうするしかないよね」 「だよなー」 内心めちゃくちゃ嬉しかった 「髙橋くんって絶対モテるでしょ」 「いやいや(笑)」 「全然だよ」 明らかにウソでしょ 「俺友達も多い方じゃないし」 「ダンス部の人と仲良いんじゃないの?」 「仲良い人もいるけど、まあ気遣ってるかな」 「そうなんだ」 「俺人見知りだからね」 「全然そうは見えないけど」 「藤崎さんが初めてかも」 「え、なにが?」 「初対面でこんなに話せるの」 「私も人見知りだけどね(笑)」 「そっちこそ嘘でしょ」 「なんか、髙橋くんとは今日初めて会ったように感じない」 「だよね?」 「前からの友達って感じする」 −つづく

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