藤井流望.꒰ঌ໒꒱

12 件の小説

藤井流望.꒰ঌ໒꒱

趣味で始めました。 ハートとかコメント来たら嬉しいです

死にたがりの君へ(番外編)

彼はどんな人? 私が彼を初めてみたのは中一の夏 校庭でサッカーをしてる男子たちを ただぼーっと見てそれを絵にかいてる時 彼が木陰で休憩してる時の顔を見てしまった 誰も見てないと思って闇に戻る“彼の瞳” うまく説明できるかはわからないけど 生きることに疲れてる瞳 けど死のうとはしない瞳 彼の瞳を見てそう感じた 中三の春 彼に話しかけられた 彼は私の名前を聞いた “雨水海月” そう名乗ると 本当にクラゲみたいだって 見たことない笑顔で笑った この瞬間私は火傷するくらい熱い恋に落ちた けどそれとは真反対に冷たく接してしまう言葉 それでも彼は私に話しかけてきた だんだん家での話をするようになった きっと止められるなと思いながら 死にたいとボヤいた そしたら彼は 「死ぬって決めたら怖くないはずだよ」 と想像もしてなかった言葉を私に言い放った 「死が怖いのは君がまだ死にたくないから 君がまだ親のために死ぬ意味があるのか 悩んでるから、僕はそう思うよ」 彼の言葉を聞いて私は 「そっか、私まだ死にたくないんだ」 って理解した 彼の言葉を聞いて心が軽くなった けど同時に (彼は1度そう思ったことがあるからそう言ったのかな) そう考えてしまった 高校で親の虐待が悪化した 不登校気味になった そしてあの日の彼の言葉を思い出して あの時の彼の言葉が本当の意味で理解出来た 死ぬって幸せなことなんだね けど君が死ななかったのは 私がいたからそう思ってもいいかな…? それとも他に何かあったのかな…? もし前者なら私は君のために死ぬね 待ってるよ 一緒に天国に行こ

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あなたは何者になりたい? ある女の子はこう言った みんなに夢を与える小説家になりたい! 自分が想像する世界を共感してほしい! けど、否定もまた誰かの共感の1つ… 共感がわからない 小説家になりたい身として共感は 大事なのか別に必要ないのか 常に考えてしまう そうすると自分の書きたい物語が書けない 私の世界は私からしてカラフルでキラキラして見える けど人から見ると白黒の殺風景なのかもしれない 人に夢を与えることの出来る小説って きっとカラフルでわたあめみたいに甘い もしくは ワクワクドキドキでパチパチ弾けるお菓子みたいに刺激的 そういうのを見ると人は楽しそうって思って 憧れを持ち、それが夢となる ある男の子はこう言った 声優になりたいんだ! 物語に命を吹き込む人になりたい! けどもしキャラと声があってないと言われたら… 下手くそだとか言われたら そういうマイナスな感情を抱いちゃう けど物語に命を吹き込むのは楽しい ある女の子の小説を吹き替えでみんなの前で 読んでみたんだ そしたらみんな上手いよ!って 褒めてくれた!身内贔屓でも嬉しかった! キャラに声をつけた時のあの感動 まるで物語が僕の周りで動き出して 走り回ってるようだった お星様みたいにキラキラしてるキャラたち 僕はそれが憧れで、夢だ ある男が言った 俺様の夢は世界一の服を作ること 周りから世界一と言われたいのでない ただ1人の女性に言われたいのだ だが俺はまだまだ下手だ そんな俺の作った服を着て彼女は 歩いてくれる そして笑顔になってくれる これがもし彼女にとって世界一の服になったら どんな顔で歩いてくれるのだ? 嬉しくて泣いてしまうか? それとも案外なんともなくいつも通りに 着て歩いて笑顔になるか 答えが知りたくて俺は服を作る ある女が言った 社長になりたい!と どんな社長にと尋ねればこう答える 様々な人を平等にとは出来ないかもしれない だって仕事は繊細なものだ 怠け者に重要な書類は任せられない 上にだけペコペコする者に任せる仕事は無い 誰か一人を異様に距離を置く奴らにチームワークは求めない 仕事は信頼だ 信用も大事だが1番は信頼を得ることだ 信用は行動しだいで消えるもの だが信頼はこちらを無条件に信じてくれてるということだ その言葉に答えるのが社長だろ? 私は誰かの心の居所になる そんな会社を作りたい ある子が言った 僕は俳優になりたい けど劇団にも憧れてるんだ! 大好きなアニメキャラを演じたり 大好きな小説の主役を演じたり そう夢を持ってた… 僕は…僕ら5人…他にもいるけど 今日この話にでてきた僕含めて5人は ある女の子の人格だ 世にいう多重人格の人格たち それが僕達 夢はそれぞれ違うけど 僕達は確かに彼女の中にいる 夢は諦めたくない けど、彼女には夢がない だから僕たちの夢のために動こうとしてくれてる けど、世の中は甘くない 僕は俳優になりたい、けど応募条件の中に 必ずと言っていいほど、ある言葉が書かれてる “心身が健康であること” 彼女は心の病気で現在入院中だ そして周りの大人に言われたのは 精神病持ちは心身が健康とは言えないという 辛い言葉だった ある女の子は小説家になりたいと言った だが何十万時も書くほど 彼女に体力は無い 一日に1000字かけたらいい方だ それを締切までとなったら果たして出来るのだろうか おる男の子は声優になりたいと言った だが彼女は過去に1度失声症になったことがある もし声優になって仕事が来た時 いざ声が出なくなったら? 信用がなくなり仕事がなくなる ある男は彼女だけに服を作りたいと言った だが服を作るには彼女に体を借りなければいけない けど今借りたところで彼女は入院中 そして学校に行けるかも分からない状態だ そんな彼女の体を借りて果たして世界一の服とやらは 作れるのだろうか? ある女は社長になりたいと言った だが彼女には学がない そして金もない 身内は彼女を今腫れ物扱いしている そんな中社長になれるのか? いいやなれない 僕がこうやってこいつらのことを否定するのは 彼女を遠回しに傷つけてるかもしれない けど、僕もどうすればいいか分からないんだ だから全て諦めよう…

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愛してるのは私の中の人格だけ

助けてくれなかったのになぜ私には 助けてって求めるの? おかしくない? 学校は理不尽だ 私は何度も助けてって言ったのに 「私たちにはできない」 「規則だから」 「他にも助けを求めてる人がいるから」 そう言って私の声を無視してきた癖に 私が暴れたり、自殺しようとしたら 病院や家族に 「私たちにはどうすることも出来ないので 助けてください」 ふざけんな お前らが助けなかったからこうなったんだろ お前らが手を差しのべてくれれば私だって 少しはまともに生きられたんだよ 助けてくれなかったくせに自分が困ると 助けてください? 頭おかしいんじゃねぇの? これだから学校は…大人は嫌いだ… 友達は身勝手だ もちろん親身になって話を聞いてくれる子もいる けど人によっては身勝手だ 最初は話を聞いてくれたのにだんだん聞いてくれなくて 嫌われたかなとさらに悲しむと 「ごめんね、どうすればいいか分からなかった 私じゃ何も出来ないから怖かった」 最初はそっかって思ってた けど、あとから あれならなんで私から離れていった? なぜ私の話を無視するようになった? 怖いなら話をそらすなりすればよかった 分からないなら私に分からないといえば 私だってなるべく話すのを避けたさ 信用してたからこんなに裏切られた気持ちになるのかな 最初から信用しなければよかったのかな 友達は身勝手だって言ったけど もしかして私が身勝手? 私の兄姉は偽善者だ 私を母親から引き離してくれたくせに 自分のお金が減り、仕事が上手くいかなくなると 私に時間をかけたからこうなったと言わんばかりに 私の扱いが雑になる 最初は優しく声をかけてくれたのに 最近は怒り口調でしか声を聞かない そもそも私の声を聞くだけで嫌みたいだ 一つだけ言えるなら最初はあなたたちが 提案してくれたじゃないか 実家を出ようって なのに最終的には実家に帰そうって おかしくないか? 姉は口癖のように 最初から高校生になったら 実家出ろって言ったじゃんって言うが 高校生の私に何が出来ると思うの? 1人で暮らせる? 1人で生きていける? 無理だ、学校の規則に囚われて 無能な自分に囚われて 1人じゃ生きていけない そりゃ世の中には高校生で家を出て生きてきた人もいる けどその人と私は違う その人には勇気があった 私にはそんな勇気は無い 現に今だってあなたたちに何も言えずに 入院してる 退院したあとは帰る家が実家しかない こんなことになるなら連れ出さないで欲しかった 希望を見せないで欲しかった こんなに醜い感情抱かなかった こんなに母に怯えずに済んだ 酷いよ 私にも幸せになる権利が欲しかった 自由に生きていく権利が欲しかった 意味もなく生きる意味だけ見つけて 生きていける希望だけは見つけられなくて まぁ生きる意味が見つかっただけマシか 私が愛してるのは私の中の人格だけ

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生きて欲しい

生きて欲しい なんて身勝手な言葉だろう そう言いながら私のことを結局見捨てる 死にたい人は 生きて欲しいとも死ねば?とも求めてない ただ漠然と死にたいんだ これは私の実話だ 小学校1年生の時血の繋がらないおじいちゃんと初めて対面した 最初はどんな人だろ? 優しい人かな? なんて可愛い考えをしていた そんなある日 おじいちゃんにベッドへと呼ばれた 言われた通りベッドに寝転がると おじいちゃんは私のズボンとパンツを脱がし 私の秘部を舐めた 小学一年生ながら気持ち悪いと思った そしておじいちゃんはこう聞いた 「気持ちいいかい?」 正直に気持ち悪いと言うと 舌を入れてきた 小学一年生の私には分からなくて泣いた おじいちゃんは満足すると 私にこう言った 「今日のことは誰にも言っちゃいけない」 恐怖を感じていた私は大人しく頷いた それからおじいちゃんの家に行くたびに その行為は続いた それは母がいてもだ ある日その行為中に母と目が合った けど母は何もなかったかのように おばあちゃんの方を見て喋りだした 私は(これは当たり前のことなんだ) と当時は思った だが上級生になりこの行為が当たり前でないことを知った 男子たちが話してるのを聞いてしまった SEXというものを 気になってその男子に聞くと 半分が私とおじいちゃんのしてた行為だとわかった 吐き気がした それから私はおじいちゃんの家には行かなくなった 中学生 久しぶりにおじいちゃんの家に行った おじいちゃんは昔のようにベッドに誘い込んだ 私はそれを拒否した すると何度も怒り口調で来いと言ってきた その場に母親もいた 私は母親のそばにいた 母親は何も言わなかった そして何も聞かなかった 高校生 買い物に出たら久しぶりにおじいちゃんに会った その時私の心の中は 「この人のせいで私の人生は歪んだ 今なら殺せる」 と考えたけど高校生になるとおじいちゃんより 母親に怒りが湧いた なぜあの時見て見ぬふりをした そんなことを思っていたある日 母親と喧嘩をした内容は覚えてない きっとくだらない内容だったのだろう だがある一言だけは覚えてる 母親の口から「じゃあ死ねば?」 と言われた記憶だ そこから私の心は死んだ いや元々死んでいたけど、さらに死んだ のが正しいかもしれない さて話を戻そう 生きて欲しいなんて身勝手な言葉だ 死にたい人の心を殺す言葉 辛いから死にたいのにその辛さにまだ耐えろというのか どうか周りに死にたいと言ってる人がいたら 生きて欲しいだけは言わないであげて欲しい 本当に死にたい人にとってその言葉は とてもとても身勝手な言葉だから

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死ぬのは怖い

死ぬのは怖い 自殺を考えたことがある人は 1度は考えたことがあるはずだ 死ぬのが怖いには色んな怖さがある 例を上げてみよう 「1回でちゃんと死ねるか」 これはよく聞く話だ 自殺に失敗した人は後遺症が残る場合があり その後遺症のせいで死にたくても 死ぬことができなくなった 「きれいな状態で死ねないと聞いた」 自殺の仕方によるが 首吊りの場合 死後排泄物などがでたり 顔がパンパンに腫れてしまったり その排泄物や体液に虫が湧いたり それを知ってブルーシートをひいて 死ぬ人がいるらしい 簡潔に言うと意味はあまりない 匂いが結局は部屋に残るから 死体の匂いは不快なものだ 「家族に迷惑をかけるから」 これは家族を愛してた人が言うセリフかな いや愛してなかった人も言うかもしれない 愛していた人の場合は 自分の死後 家族が悲しむのではないか 家族に迷惑をかけたくない 愛してなかった人の場合 死んでもなお家族に冷たい言葉を言われるのか 私はあえて愛してなかった人と表現したが それは人は人生に一度は人から愛されると 私が思うからだ なぜって? 自分が1度は何かを愛したことがあるから それが家族じゃなかっただけ 友人か恋人 推しやペット 愛にはその人特有と形がある 気づいてないだけであなたは何かを 愛したことがあるかもしれない 私は元恋人を愛していた それは勘違いでも一時の気の迷いでもない 彼といた時の自分が一番幸せそうだったから だから愛していたと私は思う 失礼、話が逸れてしまったね 死ぬのは怖い 私が言うことは結果論でつまり想像だが 死んだ人も 死のうとした人も 生きたかったからではないのかな もしくは愛がわからない人 生きたかったというのは 死んだと人の場合 生きたかったから死んでやり直そうと思った 死のうとした人の場合 生きていたいと思ったから 今の人生をやり直そうと思ったから そういうことなのでは、と思う 次に愛がわからない人とは 1度愛を知った、けどわからなくなった 愛されたことがないと思ったから そしてこれからも愛されることがないと 感じてしまったから そういうことだと私は思う さてこのくらいでこの話は終わろう 生きたかったと思った君へ きっと来世でも今世でも 君を照らしてくれる何かがあらわれる それを待つのではなく 探してみよう 案外見つかるかもしれないよ その時は笑顔でこう言ってみよう 「愛してる」

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愛してるなら私を捨てて

『ねぇ、私のこと愛してる?』 「愛してるよ?世界で1番」 『そっか・・・なら私と別れて?』 「えっ・・・」 私の恋人は誰に対しても分け隔てなく優しい そんな彼が大好きで大嫌いだ 彼の優しさは確かにとてもいいものだ けど、それが時に私を苦しめることだと 彼はきっと知らない ねぇ知ってる? 今あなたが優しくした人 あなたが好きなんだって ねぇ知ってる? この間あなたが手を差し伸べてあげた人 あなたを好きになったんだって 私はあなたの1番なはずなのに あなたは誰に対しても平等に優しいから 勘違いする人が増えるの その度にね 「あの女さえ居なければ私が彼女なのに」 って何度も何度言われてきたの 私心狭いのかなぁ 悲しくて悲しくて仕方ないの あなたを愛した分辛くなる あなたを嫌いになった分苦しくなる 私の愛してるは“依存”になってしまったの だからね 『愛してるなら私を捨てて』

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テレビの先にいる貴方

私が恋したのは テレビに数秒でた、まだ無名の俳優だった 私の趣味はドラマを見ること ドラマで俳優さんたちの演技に飲まれて 泣いたり、笑ったりするのが好きだ そんなある日、 刑事もののドラマを見ていると 被害者の遺体を見て泣くという 友人役の男の子に目をひいた 彼の涙は自然そのものだった 下手な人みたいに声を出して泣くのではなく 声を押し殺して 静かに涙を流すその姿に 私は恋をしてしまった それからあなたの事を調べた 桐谷秋人 俳優歴2年目の若手 彼が出演したドラマを見て見た どれもちょい役だけど やはり不思議とひかれる演技だった 彼にファンレターが書けるとネットで見つけ 人生で初めてファンレターを出した 返事が返ってくるとは思わないけど この気持ちを伝えられたらいいと思った それから半年が経ったある日 一通の手紙が届いた 手紙には彼の名前が書かれており 急いで手紙をあける そこには 『初めてファンレターをもらいました。 僕の演技力を褒めて下さりありがとうございます。これからも頑張るので、応援してくれると嬉しいです。』 と書かれていた 少し字が汚いなと思ったけど それすらも今は愛おしく感じた この恋が実ることはないと知っているから 私は彼のことを密かに応援することにした ファンレターはドラマに出るたび出して 返事が返ってくるのを楽しみにした そんな日々が3年ほど続いたある日 彼からの返事の手紙に 『なんとドラマの主演貰っちゃいました! それもこれも瑠奈さんが応援してくれたからです!それでもしこのドラマで人気がでたら僕と会ってくれませんか?』 驚いて涙がでてしまった けど、それと同時に 人気が出て会ったりなんかしたら マスコミに撮られたりした と変に考え出してしまった そして返事の手紙を書いた 『もし私が貴方を応援してることに感謝をしてるのなら、気持ちだけで十分です。 下手にあって熱愛報道とかになって、あなたを苦しめたくはありません。 これからも応援し続けるのでもっともっと人気になって、いつか彼女ができた時 熱愛報道が出ても人気が落ちないくらいになってくださいね 私はずっとあなたの味方です』 その手紙をだして数ヶ月後 本当に彼が主演のドラマが始まった SNSでは彼の話題でもちきりだった “ こんな逸材がいたとは! ” “ やばい好きになった ” など彼のファンが増えていく 嬉しい半面どこか寂しい気持ちもあった それから彼の人気の勢いは止まらず 彼の固定番組もできたりと 彼は昔よりさらに手の届かない人になった そんなある日 家のチャイムがなった 扉を開けるとそこには 今じゃ人気絶頂中の彼がいたのだ 『家に来てごめんなさい・・・ 手紙であなたの住所を知ってたから 人気になったら行こうと思って・・・ 迷惑でしたよね』 『・・・ダメですよ、芸能人がただのファンに会いに来ちゃ』 『あなたはただのファンじゃない! 僕はあなたという存在に救われた あなたがいなきゃ、俳優活動は辞めるつもりだった。けど、あなたが応援してくれたから今の僕がある! 僕はあなたに恋しました! 今ならあなたに言われたとおり、 熱愛報道がでても人気は落ちません! 落ちてもまた頑張ります! だから付き合ってください』 あぁ止めなきゃ 彼を私が叱らなきゃいけないのに なのに・・・ 涙が止まらない 『はい、こんな私でよければ』 テレビの先にいる貴方は今 私の隣で笑ってる

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初恋

あなたが好きです なんて私には言えなかった 私の初恋は小学校1年生の時 3つ歳上のあなたを好きになった 幼い私はいつもあなたのそばをうろちょろして あなたに話しかけられると その日は一日中幸せだった あなたの周りにはいつも人がいる それはあなたが太陽のように明るい性格 だからなのか それともあなたが分け隔てなく 誰とでも話すからなのか 幼い私には分からなかった 月日が経っても あなたへの気持ちは冷めず むしろもっと大きくなっていった そして私が小学校4年生になって あなたは中学一年生になった 登校中、たまにあなたに会えた時 嬉しくて心の中でガッツポーズをした あなたはいつも “ 可愛いね ” って私をほめてくるから あなたと会うたびに頬が熱くなる はやく私も中学生になりたい なんて思ってた そして小学校6年生の冬 中学三年生のあなたにあった あなたに “ 彼氏とかいるの? ” って聞かれて いないよと答えれば “ こんなに可愛い子を好きにならないなんて 周りの男は見る目ないな笑 ” なんて言うから思わず 『なら、あなたも見る目がないね 初めて会ったあの日から好きになったのに 気づかないで可愛い可愛いなんて言って』 あぁ、今の私本当に 可愛くないな 『私の初恋はあなただよ、颯斗』 その言葉を最後に 貴方と喋ることはなくなった 会ってもお互い気まずくて無視をする そして中学生になった 何度もあなたを忘れようと 人を好きになってみた 1度あなたの時みたいに 夢中になった恋もあった けど、結局あなた以上に好きになれなかった 初恋が実らない こんな言葉誰が考えたんだろ 本当にその通りだったよ 大好きだよ、颯斗 いつかもっと可愛くなって 私を好きにならなかったこと 後悔させてみせるからね

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死にたがりの君へ

拝啓 死にたがりの君へ 僕と逃げてみませんか? 君と出会ったのは2年前 中学二年の冬だった 君は寒空の中 まるで君だけの世界にいるかのように 寂しそうに歩いていた その姿がそれからずっと頭から離れなくて いつからか君のことばかりを考えていた そして4月 中学最後のクラス替えで君と 同じクラスになった 初めて君の名前を知った “ 雨水海月 ” その名前を聞いた時 ぴったりだと思った クラゲのようにふよふよと 自分の世界を泳いでいる君に 幸い君と前後の席だったから 君に話しかけるのはそう難しくなかった 『初めましてだよね? 僕は秋山脩斗よろしくね!』 それから僕は君にしつこく話しかけた 最初の頃、君は無視をしていたけど だんだん 『なに?』とか 『暇人なの?』とか 返事をしてくれるようになったね とても嬉しかったのを覚えてるよ それからどんどん僕達は仲良くなった そして君の寂しそうな顔をしてる 理由を知った 『私ね、親に嫌われてるの』 『どうしてそう思うの?』 『親に死ねばいいのにって言われた 死にたくなった、けど死ぬのは怖かった』 当たり前だ 死ぬのは怖い事だ なのに なのに僕は 『死ぬって決めたら怖くないはずだよ』 考えてることとは違うことを答えてしまった 『死が怖いのは君がまだ死にたくないから 君がまだ親のために死ぬ意味があるのか悩んでるから僕はそう思うよ』 我ながらすごく上から目線だ けど、何故か止まらなかった きっと 君に死んで欲しくなくて 酷いことを言ってしまったんだと思う なのに君は 『そっか、私まだ死にたくないんだ』 ってけろっとした表情で言った そして季節は君を初めて見つけた冬になり 高校受験が始まった 僕達は同じ高校に受かって 春にはまた同じクラスだということがわかった けど、去年と違うのは 君は学校に来る日が少なくなったことだった 去年までの君は無遅刻無欠席だったのに 高校に入って 遅刻や無断欠席が続くようになった 理由を聞きたくても君は 僕からの連絡を無視する そんなある日、ニュースが流れた 「午前5時頃、10代の女性の死体が 発見されました。今のところ身元は分からないもようです」 嫌な予感がした 僕はいつもより少しはやい電車に乗り いつもより早く学校で君を待った けど、君は来なかった そして夕方、最悪のニュースが流れた 「今朝発見された、10代の女性の遺体は ○‪✕‬市に住んでいる、雨水海月さんの遺体だとわかりました」 あぁ、君は死ぬのが怖くなくなってしまったんだ そんなことをぼーっと考えて 外に出た そして着いた場所は ビルの屋上だった・・・ 拝啓 死にたがりの君へ 僕と一緒に天国に行ってくれますか?

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失恋屋

ここは失恋屋 あなた達が今まで失恋した恋を 買い取る場所です カランコロンと店の扉が開く音が聞こえ 扉の方に向けて 奥から爽やかな声で いらっしゃいませ と聞こえた 奥の方へ行くと 爽やかな青年がいてこう言った 『失恋屋へ、ようこそ ここは今まで体験した失恋を買い取る場所です。内容次第では1つ50万で買い取らせて頂きます。 ただし、売った失恋はあなたの記憶から消えます。それでも売りますか?』 『・・・はい!私の失恋買い取ってください』 『こちらは契約書です。 契約書はこちらで丁寧に保管しますので 漏洩などの心配はありません ただし、あなたの失恋が買われた場合のみ、買われた相手に失恋の記憶を売ります。 同意してくださいますね?』 『はい、私の失恋なんて売れないので』 『・・・それでは私の手をお取りください』 ゴクッと喉が鳴った 『お願いします』 失恋屋のお兄さんの手をとり 私は自分が体験した失恋の内容を全て思い返した 数分後 『それでは目を開けてください』 『もう終わったんですか?』 『えぇ、失恋の内容を思い出そうとしてみてください』 『・・・思い出せません』 『契約成立ですね、ではあなたの失恋内容ですが、20万で買い取らせて頂きます それとこれ今日の夜寝る前にお飲みください、記憶を取られたあとは脳が整理しようとするため、頭痛が起きますので頭痛薬です』 『あ、ありがとうございます。 20万・・・一体どんな内容だったんですか?』 『忘れたいと思っていた人に話すほど 私は非道な人間ではないので』 失恋屋のお兄さんはそう言いながら微笑んだ 『またのご来店お待ちしております』 『これが彼女の“ 今回の ”失恋です』 『あぁ、ありがとう』 『料金は100万円になります』 『相変わらず高いな』 『買われなくてもいいんですよ?』 『いや、買うさ、彼女が僕に恋するまでずっとね』 『怖いものですね、ストーカーというものは、好きな女性に何年も失恋させて、その失恋を売るように進めるなんて』 『そう言いながらあなたも毎回 ここに来た記憶を忘れさせる薬を渡してるじゃないですか、彼女に』 『・・・』 『黙りか、笑 今度こそ彼女に惚れてもらうよ』 『またのご来店お待ちしております』 『もうご来店したくないね、笑』 ここは失恋屋 失恋を買い取って、売る場所 失恋屋の彼のことはまだ誰も詳しくは知らない

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