gab

253 件の小説
Profile picture

gab

初めて小説を書きます。

メモリー過ちー

人は誰だって、過ちを犯しても、また、次の過ちを犯してしまう。 もう、そんなのは、嫌だ。 けれども、どんなに、反省しても後悔しても、 ネットとSNSの影響と世間のせいで、生きづらくなって、いつのまにか全部、失って人から、白い目で睨まれ、影で、後ろ指さされて噂をしてくる。 結局、どうあがいても、誤魔化されない。 せめて、時を戻せば…………………。

1
0

Beautiful days-それぞれの美しき日々-

誰もが、みんなが幸せとは、限らない。 かといって、嫉妬したり、恨んだり、憎んだり、妬んでいいわけない。 現実と理想に振り回されたり、時には、言い訳を作って逃げたりする事もある。 人は、皆それぞれ悩みとやらは当たり前のようにある。 かといって、人を傷つけたり、嘘をついて不快な思いをさせたりしていいわけない。 せめて、何者にも、傷つけずに、穏やかに、平和に過ごせることを祈りたいです。 もう、傷つけれたくない。 傷つけたくない。 もう殴られたくない。 不快にしたくない。 罪を犯したくない。 争いたくない。 過ちを犯したくない。 間違いたくない。 かといって、完璧な美しき日々とは、限らない事は、事実だ。 思いもいかないことがあるはずだ。 いつか、思いがうまくいけるように、正しい道を。 心から、笑える日を。

5
0

時を戻せば2

一体、どこで、間違えてかけ違えたのだろなう? いつのまにか、生きづらくなったり、嫌な空気になって、ちょっと口を発したら、まるで火に油を注ぐかのように、周りのものたちに、不快な思いさせて、傷ついて、 いつのまにか最低な人間になっていくそんな気がして、別にそんなつもりは、なかったのに。 もし、時を戻せる事ができたら、どうしてこんな事になって、しまったのだろう?

2
1

メヌレット

第七章 困惑な想い                                            愛は、誠の事を考えていた。ノックする音が、聞こえて、父の大輔が、入って来た。            「愛。ちょっといいか?」                「うん。」と頷く。                  大輔は、思わぬ事を言い始めた。           「愛。お見合いしないか?」                 一瞬、愛はえっと声をあげた。                「嫌か?」と聞くと愛は、困って、戸惑う。          「これは、お前が社会人になってからにしょうと思っていたが、まぁ、考えときなさい。」                 大輔は、部屋を出る。             愛は、ますます、悩む。                 翌日、誠は、麗奈と一緒に、チャペルの見学に来ていた。                         「私、夢だったのよね。誠と一緒に結婚式あげるの。」                      誠は愛の事を考えていた。            「誠。どうしたの?」と声をかけると              「ううん。なんでもない。」                 するとブライダルプランナーのスタッフは、麗奈に声をかける。                      「でしたら、早速、お話しをお勧めていきしましょう。」                           「はい。」と麗奈は、嬉しそうに返事をした。        誠は、乗り気では、なかった。                   その夜、愛は、歩道橋で、月を見ていた。       月は、満月だった。愛は、誠の事を考えていた。 そこで愛は、誠の考えていた。 すると誠が、現れた。 てっきり、幻かと思った。 「会いたかった。」 「僕も。」 二人は、駆け寄った。 誠は口を開いて「麗奈のこと片付けたら、そしたら、正式に交際申し込むことにするよ。」 「うん。麗奈さんには、申し訳ないんだけどね。」愛は、途端に申し訳なく、思った。 「愛ちゃん!」 二人は、再び駆け寄り、抱き合った。 すると帰って来た誠は、麗奈がいた。 「誠、お帰り。」 「散歩?」 「うん。」 「今、コーヒー淹れるね。」 「ありがとう。」 「麗奈。話があるんだけど。」 「婚約解消したいんだけど。」 麗奈は、あまりのショックを受けた。 「誠?どうしていきなり、そんなこと言うのかな?」 「もしかして、マリッジブルーっていうこと?」 そこで、誠は、話し合い始める。 「そういう訳じゃないんだ。僕は、高校の時ずっと好きだった人がいたんだけど、その人と再会して、わかったんだ。本当に好きなのは愛ちゃんだっていうことを。」 「麗奈本当にごめん。君を傷つけてしまって。」と謝る。 「わかった。とりあえず、式の方は、キャンセルすることにする。」 「私もごめん。本当は、理解はしてはいるんだけど、冷静になれなくて。」 麗奈は、涙を流しながら、「今日は、ごめん。帰るよ。」 そのまま、帰った。 けれども、麗奈は、いくら、その好きだった人と再会したとしても、誠の思いは、私の元に戻ってくるとそう信じている。誠とは、幼馴染だから、誠の事は、誰よりもわかる。 こうして、麗奈は、何かが芽生えた。

1
0

時を戻せれば

もしも、私に時を戻せることができる能力があれば、私は、タラレバな独り言を呟く事も言う事は、なかった。 自分でも、どうして、あんな事をしてしまったのだろう? 二度と起きた出来事は、変えられない。 みんな頭でわかっていながら、どうしてだろう? せめて、時を戻せる事ができたら……。

3
1

過ち

人は、いつだって、過ちを犯す。 それも何回も、何度も肝心な時に過ちを犯す。 例えば、むかつく人、イヤミな人、嫌いな人、うるさい人、法を犯す人、暴力を振るう人、罵声を浴びせる人、調子に乗る人、モラルのかけらもない人、他人に迷惑をかける人、自分の欲望の為に他人を傷つける人、脅しをかける人、 いつのまにか、そういう人間になってしまうかもしれません。 悪い癖のせいで、誰かに迷惑かけてしまうこともあるかもしれません。 犯してしまった罪は、消せないのは、確かだ。 かといって、許されるわけなんてない。 人間は、決して、そこまで、悪になる程、人間は、強くなんてないんだ。                   犯した過ちも消えることなんてない。           その過ちをちゃんと償っていけるのだろうか?

3
0

天国の復讐-もう一つの真実の復讐−

第九章−守尾 伸一郎− 一番、嬉しかった事は、子供の頃、兄貴と2人っきりで海に遊びに行った時、こう話したんです。 兄貴にこう言われた。「将来自分は何になりたい?」って、あの頃の俺は,まだ、小学生だったけど、何も、考えてなくて、いつか親父の会社を継ぐって、兄貴には、言ったけど、あの事件が起きるまでは、みんな幸せだったのに……。 あれは、俺がまだ、小学生の頃だった。 おふくろが早くになくなって親父と大学生の兄貴がいて、それでも、俺は、幸せだった。 でも、あの日までは、兄貴の同じ大学の女子大生が嫌な事件に巻き込まれて、その事で、自殺を図って死んだ事件の後だった。 ところが、その事件後、容疑者が、兄貴だとそう警察が判断した。 もちろん、俺も親父も兄貴は、無実だと何度も信じてました。 でも、世間の風あたりは、凄かった。あの事件のきっかけで、俺は、壮絶ないじめにあった。 俺も親父も周りから、白い目で睨まれた。 そうして、兄貴も何度も厳しい取り調べを受けていたせいか、等々、厳しい取調べに耐えられずに留置所で首を吊って自殺をした。 その後、俺と親父は、兄貴の容疑をかけられて、下向いて生きていくしか、なかった。 そうして、大人になった俺は、親父の会社に入った。ところが、経営が火の車なったわ。親父は体を壊して、入院した。 俺もさすがに限界だった。従業員の新しい就職先も責任取ってやらなきゃ。 そんなある日、俺は、あるホームレスの女性を助けた。 さすがに着ている衣類は、汚かったし、臭かった。 「大丈夫ですか?」ほってはおけなかった俺は、そのホームレスの女性をうちまで、連れて帰った。 「ここは?」                 「うちの会社です。」そのホームレスの女性は、足を怪我して手足して伸一郎は、ホームレスの女性におにぎりと味噌汁を差し出してホームレスの女性は、おにぎりを一口に運んだ瞬間、涙が出た。 伸一郎は、ホームレスの女性を見て、 「(この人も、余程、辛い思いしたんだ。)」と思った。 ホームレスの女性は、ひたすら、おにぎりを泣きながら、食べた。 「あのゆっくりしていてください。」と伸一郎は、優しい声をかけた。 ホームレスの女性は、涙が枯れるまで泣いていた。 伸一郎は、そのホームレスの女性に服を貸し、外を案内した。                       女性は、指を指して、「あの船は?」と尋ねると伸一郎は、「あの船なら、手放したんです。」         「あれ以来、ずっと赤字続きなんです。」            「そうでしたか。」                    「いいえ。」                          「ありがとうございました。この御恩は、絶対忘れません。」                               「いつか、必ず、お返しします。」            「そんな大げさな。」                            「足、大丈夫ですか?」               「大丈夫です。」女性は、言い残して、 その場から、立ち去る。              すると作業していた女性が、「やっぱり、伸一郎さんは、社長にそっくりですね。」             「似てるかな?」                    「あんな怪しいホームレスの女性を助けるなんて。」  そして、俺は、親父の入院している病院に見舞いに行った。 親父は、すっかり痩せて、白髪もすごくて、眠っている。 「会社、無理かもしれない。」                 「みんなの退職金なんとかする。」              置いてある眼鏡を眼鏡ケースにしまう。    「再就職先も俺が、責任を持って見つけるから。」       「ごめんな。」                         2017年 秋。                        親父は、亡くなった。                  そして、葬式の日。                   噂しているのを聞いた。                    「伸一郎のやつ、大丈夫か?一億近い借金抱えているらしいぜ。」                     「まだ、若いのに、大丈夫か?」            「伸一郎さんも可哀想。」                    「お兄さんが冤罪で逮捕されて、留置所で自殺して、親父さんも、体を壊して。」                そうして、俺は、葬儀を終えて、会社も畳んだ。               これから、色々と大変だ。                借金の方も返さなきゃいけないし。とそう思い悩んでいた。矢先に、突然、クリーニングに出されてある服が、かけられてある。           黄色パーカーのポケットに白い封筒があった。         それを取り出すと、中身は、手紙みたいなカードに書かれてあったのは、「守尾伸一郎様            その節は有難うございました。」と書かれてあった。                          さらに、一億円の小切手が、あった。           「一億円…。」                      伸一郎は、とっさにカーテンを開けた。            そして、月日が経ち、俺は、とある市場で、働いていた。                         「すいません。」                      大将が、「はい。」と返事すると、すげえ、美人のお客さんの真海朱美さんが来て、カツオを指して、「こちらのカツオをいただけます。でしょうか?」                     「おっ、お姉さん、いいの見つけたね!」                「今朝、静岡で水揚げされたばっかり!」             「おろす?」                       「いいえ、そのまま丸ごとで大丈夫です。」         「あざーっす!」                       「おい!これ、水入れといて!」                「はい!」                        「どこまで持っていくの?」と聞かれると朱美は、「ああ、鎌倉まで。」                         「鎌倉!?おい、氷、満タンね!」                    「はい」と伸一郎は返事をした。               「そりゃ、また、ずいぶん遠くから来たね。」              大将は、朱美にお釣りを渡す。                「どうしても、この店に来たかったんですよ。」              「おい、伸一郎、急げ!」                  「すいません!」                「車っすか?運ばせますよ。」                    大将がそういうと朱美は、「大丈夫です。」と言う。                           伸一郎は、運ぼうとすると朱美は、カツオの入っている発泡スチロールの箱を受け取る。                        「ああ、すいません。」                                     「今日は、来れてよかった。本当に。」           「はい…。」                        「ありがとうございました!」                                 伸一郎も「ありがとうございました!」            そして、ある日、俺は、ある女性に出会った。           入辺美麗は、市場にやってきた。市場にいくつかの店が出ていて、活きのいい魚が並んでいる。居酒屋やレストランのオーナー風の男たちや、夕食の支度をする主婦たちで賑わう市場を、美麗は歩いていた。                          美麗は、活きのいい魚を触り見ていた。美麗    は、立ち上がった瞬間、漁師にぶつかり、服がびしょ濡れになってしまう。                    「大丈夫ですか?」と伸一郎は声をかける。         「すいません。大丈夫です。」                  美麗は、声をかける。                               すると、伸一郎は、サロンを外し、自分の着ている黄色のパーカーを脱ぐ。                 「あの…ぼろいっすけどよかったら、着てください。」と美麗に差し出す。                 「大丈夫です…。」                   「あっちで手とか洗えるんで。」                      「タオル、持ってきますよ。店に余ってるんで。」         「ちょっと…。」                       美麗は、市場の外にいた。                     「大丈夫ですか?」と美麗のもとに来て、タオルを渡した。                        「すいません。ホント。」                  「いえ。」                           「これ、洗って返します。」                     「全然、大丈夫ですよ。」                  伸一郎は、バケツに氷を入れながら、話す。             「でも、珍しいですね。」                        「女の子が、一人で市場に来るなんて。」          「海洋生物学の研究をしてて、魚が好きで。」         「どうりで。」                        「でも、今日は、個人的に欲しい魚があって。」        「だったら、俺が勤めてる店で用意しますよ。」         「何の魚です?」と尋ねると「ダボハゼの…雄。」と美麗は、答えた。                      「ダボハゼ!?」と声をあげる。              「釣った瞬間に捨てちゃうような魚ですよ。」         「はい。ダボハゼは、食用にも向いてないし、市場価値は、ほぼゼロです。」                「でも…何かその…。」                           「誰にも相手にされてない感じが、好きで…。」              「それで、私、雌を1匹、飼ってるんです。」           美麗は、伸一郎に、ダボハゼの写真があるスマホを見せる。                         伸一郎は、良いそうに笑う。                 「すいません。何か、引きますよね。」                 美麗は座る。                      「いや、意外とカワイイっすね。」               「ありがとう…ございます。」              「初めてです。そんなこと、言ってくれた人。」         「でも、何で、雄を?」と聞くと美麗は、「もうすぐ、飼育できなくなるんです。」               「だから、最後に一度、つがいにしてあげたいなと思って。」                         「飼ってる雌は、昔、この市場で、たまたま見つけたから、もしかしたら、いるかなって。」        「恋人探し。」                       「ずっと、小さな箱に入れられて、恋もしたことがないなんてかわいそうなこと、しちゃったな思って。」                          「だから、最後に好きな人を見つけてあげたいんです。」                          「すいません。完全に、引きましたよね。」           「全然。」                            「むしろ、すごく真剣な気持ちが伝わってきました。」                              「今度、俺、ダボハゼの雄釣ってきますよ。」       「傷がつかないように針の返しをやすりで削って。」  「そしたら、市場に生きたまま、出しますから。」         美麗は、途端に涙を流す。               「私、結婚するんです。」                       「おめでとうございます。」と伸一郎は、言うが、美麗は、内心嬉しくないらしくて、ますます、涙を流していた。                         美麗は、先ほど、渡されていたタオルで、涙を拭いて、立ち上がり、「ごめんなさい。」と謝り、タオルを伸一郎に返して、その場から、立ち去ろうとした。                       伸一郎は、とっさに、「大丈夫ですよ!」と叫んだ。                        「俺のパーカーって、すごい、ラッキーを呼び込むんです。」                    「だから、そのパーカーを着てたら、きっと、奇跡が起こりますよ。」                        「すいません。」                       「引きましたよね。」                       「若干。」                       伸一郎は、笑顔で笑い、美麗は、泣きがら、笑顔で笑い返し、お辞儀をし、伸一郎もお辞儀した。       美麗は、その場から、立ち去った。 そして、その次の金曜日。                 美麗は『富永水産』に頼んでおいたダボハゼを取りに行った。                                          「いらっしゃい。何にしましょう。」と大将は、美麗に声をかけた。                  「あの すいません。この店でダボハゼを取り置きしておいていただいた入辺と申しますけど。」      「はっ?ダボハゼ?」                            「いや、そんなもん 売ってないよ。あのね…。」 その時、「いらっしゃい。」と伸一郎の声がした。     「ダボハゼの雄ですね。」                   「伸一郎さん。」と美麗は、声をあげ、顔が、輝いていた。横で大将は、「何?彼女?」と聞くと伸一郎は、照れながら、「違いますって。」                  その後、ランチに出ると美麗は、貞吉の反対で結婚がなくなったことを伸一郎に話す。          「なくなったんですか!?結婚。」と声をあげる。      周りは、一瞬、ちらっと見る。                           美麗は、恥ずかしく思った。                 伸一郎は、「すみません。」と謝り、美麗は、「まだ、結論が出たわけじゃないんですけど、祖父が味方してくれるので、父も断念してくれると思います。」                          「よかったですね。」                  「って、よかったですよねでいいんすよね?」  美麗はうんと頷き、笑顔で笑う。                      美麗は、箸を置き、クリーニングして置いたパーカを伸一郎に返す。            「これ、ありがとうございました。」           「クリーニングなんていいのに。こんな、ぼろいの。」                     「それのおかげですから。奇跡のパーカ。」    「わざわざ、すみません。」              「私こそ、ダボハゼまで、もらっちゃって。」美麗は、小さな水槽に入っているダボハゼを見ていた。美麗は、一瞬、あっと声をあげると、伸一郎は、「どうしました?」と聞くと、美麗は、ダボハゼを見て、「これ、雌ですね。」「えっ、ホント!?」                     美麗は、うんうんと頷く。                       「すいません、 釣り直してきます。」             「いいです いいです。」と断るが、「いや、絶対、用意しますから。」                     「それに、また会いたいし…。」               美麗は、一瞬、ドギマギする。             「いや、でも、雌にしたのは、わざとじゃないですよ。」                            「分かってます。」                    伸一郎と美麗の未来に明るい陽が差し込んだかに思えたが…。                    「ただいま。」                  美麗は、家に帰ると男ものの靴があった。          それは、婚約者の出澤文也のものだ。                   話声が聞こえた。                     「これは、何ケーキですか?」                     「バナナです。」                           「美麗。」康介は美麗が帰って来たことに気づく。       「出澤さん…。」                           文也は、立ち上がる。                  「お久しぶりです。」                          康介は「座りなさい。」と声をかける。             真理亜は、立ち上がり、声をかける。    「ちょうど、よかった。」「今、連絡しようとしてたのよ。」                         「今日、戻られたんですって。」                 「すいません。急に来てしまいまして。」と文也は、謝る。                                                  真理亜は、美麗に「出澤さんね、今度、東南アジア全体を担当する課長さんになられたんですって。」                           「すごいわよね。」と真理亜は、感激するかのように喜ぶ。                                      「お掛けになって。」                     美麗は、そんな乗り気では、なかった。               「美麗ちゃんも。」                          美麗はソファに掛けて、文也に「おめでとうございます。」と言う。                   文也は、喜んで、「ありがとうございます。」          「いつか、私も、入辺さんみたいになれればいいんですけど。」                         真理亜は、「まあ。」                    横にいた康太は真理亜に抱っこする。             文也は、ソファに座る。                    康介は、文也に貞吉の遺言書の件を話す。             「出澤君に話しておかなければならないことがある。」                            「はい。」                             「父の遺言が書き換えられた。」                     「わたしの いさんか みれいのけっこんか        どちらか えらべ こうすけ」                  「でもね、たとえ、遺産がなくなってしまったとしても私は、君に美麗と結婚してほしいと思っている。」                         美麗は乗り気ではないことを真理亜は、気付く。          それでも康介は、文也に美麗と結婚して欲しいと頼むと頭を下げる。「どうか、美麗と。」             文也は、「やめてください。そんなこと。」               「私は、遺産が欲しかったわけではありません。」       「何も変わりません。」                   文也は美麗を見て、「ねえ?美麗さん。」とふってくる。                          「よっしゃ。」伸一郎は、今日も、市場で働いていた。スマホが鳴って、ポケットから取り出した。   美麗からだ。でも、それは『結婚することになりました。ダボハゼはもう大丈夫です。        ありがとうございました』と残念な知らせでした。伸一郎は内心ショックだった。              美麗は、自分の部屋で、ダボハゼを見ていた。       美麗も落ち込んでいた。                       その土曜日のことだった。                その日は、美麗さんは、婚約者と二人きりでいるその夜のことだった。伸一郎は、美麗のために、ダボハゼを届けに行った。                美麗が出てきた。                        「伸一郎さん、どうして?」                「ダボハゼの雄、届けに来ました。」と小さな水槽プラケースを差し出す。                美麗は、首を振る。「受け取れません。もう、飼えなくなるし。」と断る。                     「今、ちょうど婚約者が来てるんです。」          「すいません。」と伸一郎は、謝る。            「ありがとうございます。」と美麗はお礼を言う。      「その雄は、海に返してあげてください。」        美麗は、家に入ろうとすると伸一郎は、「いいんですか?本当に。」と言い、美麗は、立ち止まる。                                      「何で、親の決めた相手なんですか。」      「あの…。」                      「すげえバカなこと言いますけど、俺じゃ、駄目っすか?」                           美麗は、後ろ向いたまま、話し始める。           「小学校のとき、母が死にました。」              「私、学校に行けなくて、部屋に引きこもって。」      「その時、助けてくれたのが、家庭教師をしてくれていた人でした。」                     「それから、すぐ、父とその人は結婚しました。」     「2人とも、私のことを一番に考えてそうしてくれたんです。」                         「だから、私だけ勝手なことするわけにいかないんです。」                         美麗は、伸一郎の顔を見て、「ありがとう。」「ホントに、嬉しかった。」とお礼を言った。「でも、伸一郎さんは、こんな息苦しい家に入らない方がいいと思います。」と美麗は、家に入る。         美麗は、涙を堪える。「お待たせしました。」と言うと文也の姿が見当たらない。              「出澤さん?」                       美麗は、当たりを探すとキッチンの水道の水が、出しっぱなしだった。美麗は、出しっぱなしの水を止める。                        美麗は、文也を探しに家の中を探し始めた。        すると今度は、貞吉の部屋のドアが開けぱなっし。貞吉の部屋に入ると美麗は、驚いて、悲鳴をあげる。                           ちょうど帰ろうとした伸一郎は、家に入った。    「美麗さん!?」伸一郎は、美麗を探した。         「美麗さん!」「美麗さん…。」「美麗さん!大丈夫ですか?」と聞くと美麗は、驚いて声がでない。        そこに目にしたのは、文也が泡を吹いて倒れて死んでいた。                        伸一郎は、貞吉を見る。                    俺と美麗さんは、一緒に病院で待合で待っていた。                             「美麗ちゃん!」と呼ぶ真理亜の声がした。           康介は、「出澤君は?」と聞く美麗は、「尾崎先生が、今。」と言う。康介は、伸一郎を見て、「何だね。君は。」と尋ねる。伸一郎は「初めまして。美麗さんの友達の守尾新一といいます。」とお辞儀をする。 「守尾さん?」                     「はい。」                        「ちょうど、届けものをしたときだったので、一緒に、ここまで来たんですけど。」               康介は、手を振ってその場から、離れる。      「すみません。」と伸一郎は、詫びる。横で美麗は、「ありがとね。」                     伸一郎はうんとうなづいて、「失礼します。」とお辞儀をして、その場から、立ち去る。           すると待合室から医師が出てきた。              「尾崎先生。出澤君は?」                    「残念ながら…。」                    真理亜はショックを受けてその場で涙する。         美麗もショックを受ける。                すると康介は医師から、あることを言われる。       「奥さまが亡くなったときと症状が似ています。」   「事件性の疑いも考えて病理に回した方が…。」       「あり得ませんよ。そんなこと。」             「私の家で。」と否定する。                 そして、出澤さんが亡くなってからは、入辺家では、遺産のことで弁護士と話し合いをしていた。康介は、リビングで休んでいた。                     「まだ、出澤さんのご葬儀が終わったばかりだっていうのに、遺言書の書き換えなんて、しなくてもいいのに。」                       真理亜は、トレイにのってあった紅茶の入ったティーカップとミルクとお砂糖をテーブルに運んできた。                         インターホンが鳴った。                「来たみたいね。」                    真理亜は、美麗に、「美麗。お願いね。」と頼むと美麗は玄関に向かう。                「誰だ?」と康介は、真理亜に尋ねると「美麗ちゃんのお友達。」と答える。                「ほら、病院で、ちょっと会ったでしょ。」        「付き添ってくれた男の子。」                すると康介は「呼んだのか?」                 「市場で働いているっていうから、お魚、頼んだのよ。」 「この間のお礼も、しなきゃって思ってたし。」        「美麗!」                         「ねえ、せっかくだから、上がってもらって。」                        「いえ、いいです。」と伸一郎の遠慮するが、声が聞こえた。                  「ううん、駄目。」                        「お茶でも召し上がっていって。」              「ねえ。」                         美麗も「どうぞ。」と伸一郎にすすめる。        「失礼します。」と家に上がる。               「今日はね。お魚のこととかもう、色々、聞きたいことがあるの。」                      「はい。」                         伸一郎は、発泡スチロールの箱を運んできた。伸一郎は、康太に「こんにちは。」と挨拶する。          康太も伸一郎に「こんにちは。」と挨拶する。         真理亜は伸一郎に「おさか、そこのテーブルの奥に置いてね。」と言う。                  「分かりました。」とキッチンのテーブルに発泡スチロールの箱を置く。                    「ねえ、今日はどんなお魚が入ってるのかしら。」      「今日は、いいタイが入ったんですよ。」            伸一郎は、発泡スチロールの蓋を開ける。         真理亜と美麗は、感激する。               「すごい!」                           伸一郎は振り返り、康介に「こんにちは。」と挨拶する。                          康介は、口を開いた。                   「守尾伸一郎君だったかな?」                 「はい。」                          「先日は失礼しました。」                   「すみませんが、帰っていただけますか?」          横で美麗は「ちょっとパパ。」と声をあげた。                   「美麗は、婚約者を失ったばかりなんです。」         「すみません。失礼しました。」と詫び、「魚を届けに来ただけなんで。」と言い残し、お辞儀して、その場で失礼した。                    「ちょっと、伸一郎さん。」と美麗が、呼び止めるが、「すいません。」と伸一郎は、詫びて行く。       美麗は、康介に食ってかかった。「何で、あんな言い方したの¡パパ。」                真理亜も「そうよ。せっかく、来てもらったのに。」と残念がる。                  康介は、美麗に「美麗。もう、彼には会うな。」            「会うな!」「分かったな?」と釘を刺した。横にいた真理亜は美麗に味方するかのように言った。                          「ちょっと、あなた、一方的にそんな…。」            康介は今度は、冷静に言った。「どうせ、彼は、美麗を受け入れない。」「パパは、お前を傷つけたくないだけだ。」                      頭にきた美麗は、家を出て、伸一郎の働いている市場に向かった。                      伸一郎に詫びるために。                 美麗は、市場の当たりを探していたが、諦めていた時、大将とすれ違って、声をかけられた。      「伸一郎の彼女さん。」                  美麗は、恥ずかしがれながら、「そんな、違います 違います。」と否定した。                 「あいつ…釣り、行っちゃってっかな。」           「堤防のとこ。」                    「ここ真っ直ぐ行けば分かるはずだよ。」          「どうした?」と聞かれると美麗は、大将に「あの…伸一郎さんとは長いんですか?」             「俺と伸一郎?」                     「あいつは、まだ、うちに来て3カ月くらいかな。」 「俺は、むしろ、あいつの親父さんと付き合いが長かったから。」                       「お父さんと?」                        「うん。」                             「守尾漁業っていう、会社やってたんだよ。親父さん。」                         「結構、でかい船、持ってて遠洋漁業で、マグロとかカツオとかがんがん取っててさ、社員もいい連中ばっかりで、うまく、いってたんだけど。」         「けど、何があったんですか?」               すると大将は、気まずくなった。        「いや、ちょっとした事件がね。あって。」          「教えてください。」                       「もっと、伸一郎さんのこと知りたいんです。」       「お願いします。」と美麗は、頭を下げる。              「ある若い女性がこの辺りで、チンピラに暴行されて、自殺したんだ。その自殺した女性がククメットとかククマットとかいうテロ組織のメンバーっていうんでさ、なんらかの逆恨みによる殺害だとよ。」                             すると美麗は、先ほど、大将が言っていた言葉に「ククメット?」と呟く。               美麗は、以前、自分の父親が解決した事件の中の賞表状の中に、『ククメット』というものが、書かれてあることを思い出した。                  「それって、いつのことですか?」と大将に聞くと大将は、答えた。                    「あれは、確か…」                       「そっか、姪っ子が、生まれた年だったから、2003年、15年前だな。」                      「15年前…。」と美麗は呟く。                  「それから、そこら辺警察の捜査が何度も、聞き込みしてたんだよ。」                      「ところが、警察の捜査の結果、あいつの兄貴だと判断した。」                         「伸一郎さんにお兄さんがいたんですか?」         「うん、ところが兄貴の部屋から、被害者の女性の写真やら動画やら下着やら見つかって、そのお兄さんを連行したよ。」                 「もちろん、兄貴本人も否定したよ。何かの間違いだ。これは、誰かが陥れた罠だって、警察に訴えた。」                        「伸一郎さんに、お兄さんがいたんですか?」           「うん、もちろん、親父さんも伸一郎も無実だって濡れ衣だって信じた。」                         「ところが、警察の取調べに耐えきれなかったせいか兄貴は、獄中で首を吊って自殺した。」            「それから、信用もガタ落ちしちゃってさ。」美麗は、驚愕した。                       「あいつの親父さんもあいつも犯罪者なんじゃないかって。」                     「親父さんもつらいの我慢して、踏ん張ってたんだけど体、壊しちまって。」                         「伸一郎は、親父さんの会社を何とか残そうと踏ん張ってたんだけど、結局、駄目で、去年、親父さんが亡くなって、会社を畳んだんだよ。」         「あいつ、いつも楽しそうにやってるけど、若いくせにさ、結構、つらいこととか経験してきたんだよね。」                         「だから…まあ、何て言うか、うまく言えないけど、これからも、あいつと仲良くしてやってください。」と美麗に言うが、美麗は、「仲良く?」と戸惑うが、美麗は、いつの間にか堤防に歩いていた。黄色パーカーを着てうつむいていた若い男性が釣りをしていた。伸一郎さんだ。            「美麗さん。」                      「伸一郎さん」と美麗は申し訳ない気持ちでお辞儀をしていた。あの人は、父が、冤罪で逮捕された被害者の弟だ。お兄さんの事を思い出している度に、辛い過去を思い出しているのだろう。どんな顔したらいいいのかわからず、美麗は、その場から立ち去る。                 伸一郎は、「美麗さん!」と呼びかけるが、美麗は、行ってしまう。                               翌日、美麗は、その日、大学は、休みだが、伸一郎の兄、裕一郎の事件を調べていた。ククメットに感することも。ダボハゼのいる水槽を見ていた。ドアをノックする音が聞こえた。「はい。」と美麗は、返事をした。            真理亜だった。                     「美麗。」「お客さまが来ているわよ。」と真理亜は、美麗と一緒にリビングに向かうと伸一郎がいた。      美麗は、お辞儀をし、伸一郎もお辞儀した。        美麗は、伸一郎に自分の部屋に案内した。        「どうぞ。」                          「失礼します。」                     伸一郎は、美麗の部屋に入った。                 美麗は、自分のパソコンを閉じた。               「もしかして…迷惑ですか?」                伸一郎が、口を開いた。                美麗は、「えっ?」と声をあげた。              「いや、やっぱり俺なんかじゃ駄目っすよね…。」      「すいません。帰ります。」と帰ろうとすると美麗は、「違うんです。」と声をあげる。               「私の父なんです。」                    「15年前、伸一郎さんのお兄さんを逮捕したのは。」                              伸一郎は、はっと驚く。               「それで、お父さんあんなに反対してたんですね。」       「ごめんなさい。」                  美麗は伸一郎に向き合い、頭を下げた。      「何で、美麗さんが謝るんですか。」        「確かに、あの事件のせいで、うちはめちゃくちゃになりました。」                  「あれがなかったら、みんな幸せだったのにって何度も思いました。」                 美麗は、途端に、伸一郎の顔を見るのが、つらくなった。                     「親父は最後まで兄貴は冤罪だって言ってました。」      「俺もそう信じてました。」               「でも、俺、決めたんです。」               「忘れることはできないけど、もう、これ以上、あの事件に縛られるのはやめようって。」          「引きずってたら、一生、前に進められないっすから。」                      「伸一郎さん…。」                  美麗は、ほっとしたかのように笑顔になった。  「お邪魔します。」                  「はい。」                                  この時、俺は、知らなかった。          美麗さんのお父さんの継母・真理亜さんが、恐ろしい事を考えている事も知らずに。                 真理亜は、貞吉の部屋に入る。               「馬場さんは少しお疲れのようでしたから、しばらくお休みを取っていただくことにしました。」             「これからは、全て、私が。」                  「さあ、お茶をどうぞ。」                先ほど、持ってきたお茶を貞吉に差し出し、真理亜は、赤い小瓶を持って、話し始めた。          「大丈夫ですよ〜。」              「毒は入っていませんから。」                     「気付いてたんですねぇ。」               「私が、出澤さんや前の奥さまを毒殺したこと。」      「嬉しいです。」                        「計画を話せる相手ができて。」                 「美麗ちゃんと守尾さんは、どうせ親の反対を押し切って後先、考えずに一緒になります。」            「ロミオとジュリエット気取りで盛り上がっちゃって今時、うぶで馬鹿ですよね あの2人。」               「お父さんは、溺愛する孫をとられてはなるまいと美麗ちゃんを病死に見せ掛けて毒殺します。」       「そして…。」                       真理亜は、赤い小瓶を貞吉に飲ませるかのようにして、貞吉の口につけようとする。          「後を追うようにしてお父さんも自殺しまーす。」        「康介さんは、お父さんのこと疑ってましたし、まあ、私の筋書きどおりに捉えてくれると思います。」                            「何より、自宅で殺人が起きたなんて、絶対、認めませんから、本格的な捜査が入ることは、まずありません。」                        真理亜は、ビニール手袋をつけてエプロンで、赤い小瓶を拭いて貞吉に握らせる。            「あとは、康介さんと私と康太が遺産を引き継いで、3人だけで仲良く暮らす。」          「めでたし、めでたし。」                  真理亜は、ニヤリと笑い、貞吉は、ビクビクしていた。                           「ねえ、どう思います?この計画。」                「取りあえず、美麗ちゃんを殺す前に毒をこの部屋にあったことにさせていただきますね。」                  真理亜は、赤い小瓶をテーブルに置き、エプロンのポケットから、スマホで写真を撮って、ワゴンから、おむつを取り出す。                  「じゃ、おむつ替えましょうか。ねえ」               貞吉は、真理亜をとんでもない悪女だと思った。       そして、今日も、俺は、いつもの堤防で、釣りしょうとした時、あの女性がいた。真海さん。     彼女は、堤防で海を眺めていた。             「市場に買いに来てくれましたよね?カツオ。」     朱美は、お辞儀をした。                伸一郎は、朱美に声をかけた。                 「何かあったんですか?」                朱美は、口を開いた。                   「もうすぐ、知り合いが死ぬんです。」             「昔、家族だと思った人が。」              「つらいですね それは…。」                      「慣れています つらいことには。」             「ただ…。」                       「なぜこんなことになってしまったんだろうって考えてたんですよ。」                      「昔は、みんな、幸せだったのに…。」             「一つ歯車が狂っただけで、全てが変わってしまった。」                          「もう二度と元に戻すことはできない。」       「でも…。」                        「どこからでもやり直せるって、俺は信じたいですけどね。」                           「すんません。偉そうに。」と伸一郎は、謝った。       翌日、伸一郎は、朝早く、堤防で釣りに行くと、朱美がいた。                        「今日も、海を見ていますね。」               朱美は、振り向き、「どうも。」と挨拶した。                   「よく会いますね。」                    「こうして、海を眺めていると心が落ち着きます。」   「すっごい分かります。」                  「そういえば、お名前、聞いてませんでしたね。」     「俺は、守尾っていいます。」               「私は、真海といいます。」                      「真海さん。」                             「何か、響き、カッコイイっすね。」          「ずいぶん、たくさん釣れましたね。」          置いてあるバケツの中を見て言った。          「よかったら、半分もらってくれませんか?」      そこにはさっき釣ったばかりの小さな魚がパタパタと、尻尾を動かしていた。              「衣をつけて、さっと揚げて、塩、振ったら、めっちゃうまいんで。」                     伸一郎は、バックから、ビニール袋を出した。        「あと、オリーブオイルかけたりしたら、おしゃれで、旦那さんとか、恋人にも、受けいいっす…。」        「すいません。」                    「余計なお世話っすね。」                「守尾さんは、大切な人いるんんですか?」         「俺っすか?」                        伸一郎は、照れながら話し続ける。                         「いやいや そんな…そうっすね…。」           「いるんですね。」                      「まあ…。」                         「でも、まだ付き合ってないかも、しれないっす。」                         「俺だけ一人で盛り上がっちゃってるかもしれないし、でも、どうだろう…。」               伸一郎のスマホが着信した。伸一郎は、慌てて、首に巻いてあるタオルで濡れた腕を拭く。   「ヤベ。」                       朱美は、「取りましょうか?」と尋ねると「すいません お願いします。」と伸一郎は、頼んだ。    朱美は、伸一郎のスマホを取り出し、渡すと着信画面は『入辺 美麗』だった。            「ありがとうございます。」                 「ちょっと、すいません。」                「はい、もしもし。」                「全然、全然。暇です。今、釣りに来てて。」       「ただ、肝心のダボハゼの雄が…。」              翌朝、美麗は、康介に、伸一郎を会わせるように頼むが、康介は、頑なに拒む。             「ねえ、何で会ってくれないの!?」             「伸一郎さんは、きちんとパパにご挨拶したいって。」                           康介は、背広と鞄を持ち、美麗に「もう、彼には会うなと言ったはずだ。」              仕事に行こうとするが、美麗は邪魔をするかのように前に出た。                       「ずっとパパの言うこと聞いてきた!」と声をあげた。                          「ママが死ぬとき、パパの一番の味方でいるように頼まれたから。」                    「どきなさい。」                     「でも一度だけでいい。」                 「今回は私の好きにさせてください。」                        「お願いします。」と美麗は、頭を下げた。            「パパもママに誓ったんだよ。」              「美麗を絶対に幸せにするって。」               「その誓い、守れてないね。」            康介は、一度は立ち止まるが、仕事に行ってしまう。                        そんな美麗に真理亜は、「時間をかけて説得すればきっと大丈夫。」                       「ねえ、康太。」                    康太は椅子にかける。                      「しーらんぺったんごーりら。」                 「ほら、美麗には強〜い味方がいるでしょう。」       美麗は、貞吉の部屋のドアをノックして、入る。「入りますね。」                      貞吉は、目を覚ました。                   「おはよう。」と挨拶をし、貞吉のサロンを取る。        「明日なんだけど…。」                 貞吉は目をそらした。そこへ真理亜が来て、「どうしたの?」                      「いや。何か話したいみたい。」              「これ?」                          美麗は、タブレットを取って来る。真理亜は、とっさに、赤い小瓶を見せまいと思い、持ってきたボトルで隠す。                     美麗は、持ってきたタブレットのスイッチを押す。「はい。」                    貞吉はタブレットを見て「む む ゆ を い る は ん ん や 」                      読み上げを認識した。                  美麗も真理亜も驚いて、「おじいさま?」          「ねえ、もしかして…。」                          「認知症?」                       「やだ。まさかね。」                   「そんなことないわよ。ない ない ない。」         真理亜は、タブレットの内容を削除した。           「ねえ、美麗。」                     「あなた、論文の締め切りが近いんじゃない?」            「ねえ、あとは私が、ちゃんと見ておくから。」         「大丈夫。ねっ。」                      「おじいさま。」                     「私も、真理亜さんもついているからね。」と貞吉を励ます。                      「じゃ、これで…。」                    「ありがとね。」                      真理亜は、ティシュを取って、タブレットのレンズを拭いた。                「これ、視線を捉えるレンズを汚しておいたんです。」                         「これだけで、視線の認識がずれてうまく入力できなくなるんですよ。」                 今度は、真理亜がタブレットを見た。            「み れ い こ ろ す」と読み上げる。        「明日、伸一郎さんが来た時に。」             「お父さんの目の前で〜。」                 真理亜は赤い小瓶を振る。               真理亜は、赤い小瓶をテーブルに置くとノックする音が聞こえた。                     「はーい!」                        美麗だった。だが、美麗は、そんな事は夢にも思わずにいた。                       「おじいさまにお客さまです。」               「どうぞ。」                            そのお客さまは、朱美だった。 朱美は、真理亜に挨拶した。「ご無沙汰しております。」                         真理亜は、朱美にお辞儀をし、朱美は、貞吉に挨拶した。                        「初めまして。真海と申します。」                「真海さんは、パパと真理亜さんのご友人なの。」       「真海さん、どうされたんですか?」              真理亜は、朱美に尋ねる。                「投資家として、以前から、お会いしてみたっかったんですよ。」                      「伝説のファンドマネジャー 入辺 貞吉さんに。」         「2人だけで、お話しさせていただいてもいいですか?」                      「でもね。今、父は、このような状態ですしね。」      真理亜は、タブレットの内容を削除する。        「まばたきで、イエス、ノーは伝えられると美麗さんから、お伺いしておりましたが。」               貞吉は、まばたきをした。             「ビジネスの話とか、リハビリにもいいんじゃない?」と美麗は、喜んで言う。             「そうね。」と真理亜も言う。           「じゃあ…。」                       「真海さん、ごゆっくり。」美麗は、椅子を置く。  朱美は、美麗にお礼を言う。                  「ありがとうございます。」                   美麗は、お辞儀をし、部屋を出る。              「かわいらしい。お孫さんですね。」               「きっと貞吉さんや康介さんにとって掛け替えのない宝物なんでしょうね。」                  「じゃ、私は、お茶を入れてきますね。」            「いけない。お話の邪魔になっちゃうわ。」         「失礼します。」                     真理亜は、タブレットを持って出て行く。               朱美は、持っていたアタッシュケースをテーブルに置く。                         「今日は、新興国のマーケット特に、隠れたリスクについてご意見を伺いたいと思っております。」       すると朱美は真理亜が、立ち聞きしている気配を感じる。                       真理亜はその場から、立ち去る。                      朱美は、資料の中にコミュニケーションボードを出した。「これで、お話しできますか?」           貞吉は、まばたきをする。                朱美もまばたきして返した。               そして、その朝。               真理亜は、貞吉の部屋に入る。「もうすぐ 伸一郎が、やって来ますよ」             ご機嫌ななめそうに鼻歌を歌い、赤い小瓶を持って行った。                        昨日、朱美は、貞吉と黙って会話したところ、明日は、最愛の孫・美麗さんは、真理亜に殺される事を伝えた。「あした」「みれい」「ころされる」これを聞いた朱美は、「ご冗談を。」           貞吉は、本当だと目で訴えた。               朱美は、気になって、出かけようとした矢先に一台の車がやって来て、降りてきたのは、入辺 康介だった。                 土谷は、車から降りて「失礼ですが、何か。」と尋ねる。「お出かけですか?」                「ええ、急いでおりますので。」            そんな事夢にも思わなかった伸一郎は、美麗のために、ダボハゼの雄を釣っていた。         「いってこい!」                     「よし よし よし…」               「違うんだよな…。」                  「ごめんな。」                    「ゆけ!」                    でも中々、釣れない。                            「こい こい こい こい こい こい…。」                            「時間ねえぞ…。」                       「よし きたー!ダボハゼ‼︎」やっと釣れたと思ったら、雌だった。                          「雌!?」                          ようやく、雄のダボハゼが釣れた。            「お か え り。」                      「今度こそ、婿、行けるぞ。」                そんな時、クラクションの音が聞こえた。          一台の車がやってきた。                  「真海さん?」                         伸一郎は、驚いて「真海さん!?何で 何で…。」      「車が…。」                     「今、よろしいですか?」                       「はっ?」                               「大事な話があります。」                     釣り人の通りががりの人が車を見て「邪魔くせえな。」                          土谷は、「お邪魔してます。」と一言言う。          伸一郎と朱美は、車の中で話し合う。             朱美は、ある薬の小瓶を出す。              けど、あの時は、意味がわからなかった。          「いや ちょっ…。ちょ ちょ ちょ…。」                「ちょっと待ってくださいよ。えっ?」         「驚かせて、すみません。」               「信じられないかもしれませんが、これがあれば、あなたの大切な人を守ることができるんです。」      伸一郎は、頭をかいてパニックになる。         「ちょっと、意味深 わかんないっすよ…。」        「ちゃんと説明してくださいよ!」と伸一郎は、叫んだ。                       「時間がありません。」                「とにかくこれを持っててください。」         朱美は、伸一郎に小瓶を渡すように握らせる。       「いや やっぱ 無理っす。」と伸一郎は、断る。      「あなたには…。」                   「あなたには、幸せになってもらいたいんです。」       入辺家では、真理亜は、鼻歌歌いながら、ビニール手袋をはめて、コップを出していた。         真理亜は、康太に今日のおやつの味の感想を聞く。「康太、おいしい?」                「うん。美味しい。」                 貞吉は、真理亜を警戒するかのように、睨む。真理亜は、それさえも、気にせず、にっこり笑う。      赤い小瓶を取って、コップに入れる。         「ねえ。」「ママ。」美麗は、真理亜に声をかけ、自分の着ている服の感想を聞いてみた。                 「何?」                          「これ、どうかな?」                   美麗は、カーキトップスで、黒いのロングスカートを着ていた。                   「そうねぇ…。」                 「ピーマンみたい。」と康太はゲームしながらぼそっと言う。                      「康太。ねえ、ホントに邪魔しないでくれる?」「今日は、美麗お姉ちゃんの大事な日なの。分かった?」と真理亜は、康太に叱責する。           康太は、不貞腐れて行くと美麗に「ママって呼ぶな。」と一言言う。                  「やっぱ、変だよね。」                  「大丈夫よ。」                    「ねえ、ちょっと鏡の前に立ってみて。」              「ここのお袖をちょっとだけまくると…。」     「ほら 素敵!」                      「ねえ、お父さん!」                 「素敵よ。とっても。」                      「まくった方がいいかな。」先ほどのコップにレモンネードを入れる。                 「はーい。レモネードでも飲んで、心を少し落ち着けなさい。」                       「ありがと。」                    美麗はレモネードを飲む。               毒が入っている事も知らずに。               貞吉は、その様子をしっかり見ていた。        「どうしからねえ…。」                  「おいしい!」                      「よかった!」                            「いっぱい作ったから、いっぱい飲んでね。」     真理亜は、美麗に勧める。           その時、インターホンの鳴る音が、聞こえた。         「来た。」声をあげる。                 真理亜は、咳払いをする。                美麗は、コップを持ったままだった事に気付く。      「もう。」と真理亜は笑い飛ばす。             康太は、それを飲もうとした時、「何やってんの!?」と真理亜は、怒声をあげた。            康太は、びっくりして、コップを落としてしまい、服もびしょ濡れになってしまう。                          「もう!どうしてそうやって邪魔ばっかりする…。」  「ちょっと万歳して!真っ直ぐ立ってね!」       真理亜は、康太のTシャツを強引に脱がせる。       「真っすぐよ!もう!」                真理亜は、慌てて康太を抱っこして着替えさせようとする。                      「どいて!どいて どいて!」                「すいません…。」と伸一郎は謝る。         美麗と伸一郎はドン引きする。                「どうしたんですか?」                      「いや、ちょっと過保護なの。」             「おじいさま。」と声をかける。               「こちらが…守尾…伸一郎さん。」                      「何度か、お会いしましたけど、ちゃんとご挨拶できず…。」                       美麗は立ちくらみして倒れ込んでしまう。        「み…美麗さん!美麗さん!美麗さん!」            「み…美麗さん!」                 貞吉の目から涙が出た。                 あの女の思惑通りになってしまった事を後悔した。伸一郎は美麗をベッドに寝かせた。         ノックする音が、聞こえて、真理亜は、水を持って来た。                       「熱、測った?」                  美麗は、体温計を出すと「熱はないみたい。」         「よかった。」                   「あの…。」                      「病院とか連れていった方が…。」              「大丈夫。少し、休めば。」              「いや…でも…。」                   真理亜は口を挟むかのように言った。            「論文で、徹夜が続いたんでしょう?」           「駄目よ。無理しちゃ。」                真理亜は伸一郎に謝る。               「ごめんなさい。」                      「今日は、これで帰ってもらった方がいいかもしれない。」                       「はい…。」                      「でも、もう少しだけ…。」              「いさせてください。」                          「じゃあ…。」                    「美麗、お水、たくさん飲まなきゃ駄目よ。」        真理亜は、部屋を出る。                「水、飲む?」                 「やるよ。」                     美麗は、起き上がる。                   伸一郎は、先ほど、真理亜が、持ってきた水をくむ。                          伸一郎は、朱美の言葉を思い出した。             「あなたの恋人を殺そうとしている人間がいます。」  美麗は、水を受け取ろうとするが、伸一郎は、離そうとしない。                      「ちょっ…ちょっと待って。」               伸一郎は自分のバッグから、何かを探し始める。美麗は、水を飲もうとすると「ちょっと待って。」と止められてしまう。                伸一郎は、自分のバッグの中から、朱美に渡された薬の小瓶を出した。                   「これ、飲んでみる?」                    「うちの社長からもらったか…漢方なんだけど。」         「漢方?これが?」と美麗は、警戒するように見るが、伸一郎は、「いや、みたいな。」                     「頭痛いときとかお腹が痛くなったときとかに飲んだら、一発で治ったんだよね。」                「美麗さんが飲んでも良くなるんじゃないかなって。」                              「社長なんか、普通に元気になるとか言って、毎日、飲んじゃってるし。」                 「いや、無理にってわけじゃ…。」               美麗は、笑い飛ばす。                 「飲んでみる。」                   伸一郎は、えっと声をあげるが、うんとうなづく。                               美麗は、飲み始めると「嘘。」と声をあげ、「何か、もうすっきりしてきた。」                      「ホント?」                      「何これ、すごいね。」                 伸一郎は、安堵したかのように、うなづく。       「よかった。」                     「ありがと。」                     ところが美麗の鼻から、鼻血が出て口から、泡ふき初めてその場から、倒れてしもう。                真海邸では、朱美は、スマホで、やりとりしていた。                           「ええ。」                        「分かりました。」                    「はい。」                          「ご連絡ありがとうございます。」            床掃除をしていた土谷は、すぐさま、出かける支度をした。                   美麗が、病院に運ばれた知らせを受けた康介は、病院へ向かった。                    「康介さん!」と真理亜は、叫んだ。伸一郎は、横で、しゃがみこんだが、立ち上がった。    「美麗は?美麗は?」                  康介は、ICUに向かおうと扉を開けようとしたが、中々開かず、「康介さん。」と真理亜は、落ち着けるように声をかけるが、康介は、落ち着かずにいた。                         「康介さん。 ねえ、落ち着いて。ねっ?落ち着いて…。」                        そうして、ICUの扉が開き、「先生!」康介は、思わず、真理亜を突き飛ばしてしまい、医師にかけつる。                       「美麗は?美麗?」                   医師は、「予断を許さない状況です。」「脳神経に損傷が見られます。」「助かったとしても後遺症は残ると思ってください。」と答える。       康介は、とぼとぼ歩き始め、ICUの前で、しゃがみこんでしまう。                   ところが、康介は、医師から、説明を受けて思わぬ言葉を言う。               「症状は、前の奥さまや出澤さんが亡くなったときと一緒です。」                        「チシルアラニンの成分が検出されました。」            「誰かが、毒を飲ませたんです。」           「警察に通報してください。」                「この件は…。」                   「私に任せていただきたい。」                  康介は立ち上がり、医師も立ち上がる。          「入辺さん。」                      ところが、伸一郎が、現れて、康介の前で、土下座して、取り乱すかのように謝る。                      「すいません すいません!」               「俺です。」「俺なんです…俺なんです!」        「美麗さんに毒を飲ませたのは、俺なんです。」       「俺のせいで、すみません。ごめんなさい。」          康介は、伸一郎の胸ぐらを掴み、強引に連れ出そうとするが、医師が、止めに入る。          「入辺さん、ちょっとやめてください!」         突き飛ばされてしまう。               「すいません!すいません!」と伸一郎は、謝るが、康介は、伸一郎を外に連れ出す。          「どういうつもりだ!」と怒声をあげた。         「助けようと思ったんです!」と伸一郎は、叫んだ。                            「美麗さん、具合悪くなって。」               「もしものときは飲ませろって。」            「ふざけるな!」と康介は、殴ろうとしたが、「入辺さん!」とやめるように、医師は、止めに入る。       「本当ですよ!本当です 本当…。」           伸一郎は、意外なことを言う。                     「美麗さんを殺そうとしている人がいるって言われて、それで、俺、焦っちゃって。」           「誰に渡された!?」                  「店の客です!」                   「名前は?」                      「名前は!?」と声をあげる。             「真海…。」                       「ああ!?」                                  「真海って女です!」                         医師は、ちらっと朱美の姿が、あったが、朱美は、その場から、立ち去る。                 翌朝、伸一郎は、真海邸に向かった。         伸一郎の様子は、やつれて、ぼろぼろになって、憎しみの曇った目つきで朱美を睨んでいた。       「おはようございます 守尾さん。」と挨拶した。    「あなたを巻き込んでしまったことを心から、お詫びします。」「ですが、信じてください。」          「あなたには必ず、幸せが待っています。」       「ふざけんな!」と怒鳴り、朱美のブラウスを掴んだ。                        土谷は、止めに入ろうとするが、足を止める。 どうして、俺たちが、こんなめに遭わなきゃいけないんだよ。何にも悪いことなんてしてないのに、なのにどうして、いつまで、こんなことが続かなきゃいけないんだよ。ただ、幸せに過ごしたかっただけなのに。                  「何で…何で こんなこと…。」              どうして、あの時、兄貴は、冤罪をかけられて死ななきゃいけなかったんだ。どうして?             「何で、美麗さんを…。」                 「何で…。」                     「くそ…くっ…。」                  伸一郎は、その場で、嗚咽し、朱美の服を掴みながら、恨みがましい目を見た。             「あなたのお気持ちは、よく分かります。」              「私にも、殺したいほど憎い男たちや憎い女たちがいます。」                        「彼らに苦痛を与えることを夢見て、生き永らえてきた。」                           「いずれ、私は、罰を受けるでしょう。」        「何なんだよ。あんた…。」               「どうか…。」 「どうか、あなただけは…。」          「このむごい世界に足を踏み入れないでください。」     「土谷。」「お客様がお帰りよ。」と朱美は、土谷に命令する。                        「はっ。」                            「俺は…。」伸一郎は、土谷に取り押さえながら、朱美に、「絶対に許さない。」と言って、土谷に追い返されてしまう。                   そうして、俺は、時々、美麗さんのいるICUの前で待ち続けた。                   でも、俺は、この時、何が起きようとしているのかわからなかった。                 美麗さんのお父さん康介さんがようやく、美麗さんの毒殺をしょうとしたのは、真理亜さんだっていうことも、そして、愛人だった瑠璃さんの実の子安藤完治を殺害未遂したことも知らなかった。    そうして、一ヶ月後。                俺は、いつものようにICUの前にいた。        ICUの扉が開き、通りがかりの人の声がした。    「ドクター、呼んで。」「分かりました。」「はい。」    俺は、頭抱えていた。                 美麗との思い出を思い出していた。            「欲しい魚があって」                 「ダボハゼの…雄」                 「これ、飲んでみる?」                 もし、美麗さんが死んだら、どうしょうと思った。その時、ICUの扉が開いた。         「伸一郎さん。」                      美麗の声がした。                   伸一郎は顔をあげた。                「もう、大丈夫です。」                   2人は、その場で抱きしめた。          伸一郎は、嗚咽ながら、「すみませんでした。」と謝った。                       「俺のせいで。」                    「違うんです。」                    「伸一郎さんと真海さんが私を守ってくれたんです。」                          「えっ?」                       横で医師から、話し始めた。               「真海さんから、相談があったんです。」          「真理亜さんが、美麗さんを毒殺しょうとしていると。」                           伸一郎はその事実を聞いて驚く。            「真理亜さんが?」                  「美麗さんを守るために病院に運ばれたら、面会謝絶にしてほしいとお願いされました。」           「入辺さんが、警察に届けようとしなかったので、私は、真海さんに協力することにしました。」        「じゃあ、俺が、真海さんからもらったのは?」       「解毒剤と昇圧剤が調合されたものです。」         俺は、とんだ勘違いをした。          「真海さん、私に会いに来て謝ってました。」        美麗が意識を取り戻した時、医師は、「よかった。」      「もう、大丈夫ですよ。」               横に朱美がいた。                      「真海さん?」                     「一時的にではあれ、美麗さんと伸一郎さんを苦しめてしまったことを心から、お詫びします。」      「そして、これから先も。」               医師は、ポケットから、手紙とカードを預かっていたのを出した。                  「お二人にとこれを預かっています。」          そこに書かられていたのは、中国語だった。        「中国語?」と美麗は読み上げた。            「真海さんがお母さまから、言われた言葉だそうです。」                         「真海さんは、昔から、あなたのことをご存じだったようですよ。」                   伸一郎は、あの一言を思い出していた。        「このむごい世界に足を踏み入れないでください。」 あれは、自分と同じ事をしてはいけない。と言う事なのかもしれない。                   「あなたには幸せになってもらいたいんです。」          「なぜ、こんなことになってしまったんどろうって 昔は、みんな幸せだったのに…」             一億円の小切手も真海さんだった。         あのホームレスの女性も彼女だった。       その夜、伸一郎は、医師から、渡された手紙を読んでいた。                      『守尾 伸一郎様                   この手紙が届いた時、私は、この世にいません。     なぜなら、私は、世良麗子と盤台由里の手によって、実姉の命を奪われ、名誉を汚されました。                     あなた達の家族と大切な人を巻き込み、傷つけ、あなたの兄上様を冤罪に陥れてしまい、帰らぬ人となってしまった事をその罪を私は、生涯背負い続けるつもりです。どうかお赦しください。真海 朱美』                     数日後、真海さんのニュースが週刊誌でもワイドショーでも取り上げられた。          『真海 朱美 復讐劇に終止符』             『真海 朱美の復讐劇は、死者3名の他 元警視庁刑事部長 入辺 康介 人気舞台女優 世良麗子 グローバル会社管理室長盤台 由里 神楽坂エステート社長 神楽坂 清 4名の逮捕者を出す…。』                        『自宅に火を放った坂口 優恵の行方は、いまだ分かっておらず、警察は全容解明に向け、捜査を続けています。』                     『私たちの番組は真実を突き止めるため、上海へと向かいました。』                週刊誌の中に、兄貴が冤罪だとわかった。真海さんの正体は、坂口岳美さんの妹さん坂口優恵だった。彼女は、お姉さんと同じ、虐待・いじめ・冤罪の被害者だった事がわかった。        伸一郎は、堤防で釣りしていた。            美麗がいた。                    「美麗さん。」                     「父は、医療刑務所に入りました。」          「人間って、悲しいね。」                  「悲しいです。」                  そんな美麗に伸一郎は朱美からもらったカードを見せる。                           「等待,然後抱持希望」と中国語で読み上げる。    「待てしかして希望せよ。」今度は、日本語で読み上げた。                        「真海さんがくれた言葉です。」             「待って、そして、希望せよ」             そして美麗も「待てしかして希望せよ。」         俺は、美麗さんと一緒に空を見上げた。         俺はいつか、美麗さんと一緒に彼女の親父さんに会って話に行こうと思った。              これは、ある復讐劇の人々の物語である。

2
0

未来について

未来とは何か? 途方の未来に何があるのか? 誰だって、わからない。それが、悲しい出来事なのか、幸福な出来事なのか、わからない。 といって何もしないわけには、いかない。 何か自分に本当に、できるかわからない。 その未来とは、簡単に見えていいものなのか? わからない。 そこで、わからなかったら、本当におしまいなのだろうか? 自分が本当にしたい居場所とやらは、あるのだろうか? 今度こそ、自分を必要としている居場所は、あるのだろうか?

5
1

十年前の私

20代の私は、本当に苦しかった 教師のトラウマになった事。 ニートになってしまった事。 正社員になれなかった事。 言い訳ばかり増えた事。 独り言の悪い癖がついた事。 癇癪持ちになった事。 周りを不快を撒き散らした事。 両親から、無能扱いされているうちにいつのまにか、ストレスのはけ口にされ、良い事ひとつもありませんでした。 「俺たちが死んだら、どうするんだ!?」と何回も同じ事を言われ、たちまちプレッシャーに悩まされた。 自分なんか産まなきゃよかったって、 何度も、自殺未遂図りましたけれども、それさえも失敗ばかりで、周りの人間ですら、怖くなった。 けれども、仕事がようやく、見つかって、やった。一安心といっても、フリーターであり、アルバイトだけれどもね。 なんとか、家にお金を入れるように、なった。 けれども、仕事先から、「何回も同じミスをしている」と言われ、私も一生懸命頑張ったけれど、クビになってショックだった。 けれど、本当に私を必要としてくれる居場所は、あるのかなぁ?って、途方に暮れるくらい考えていた。 私もいつのまにか、悪い癖が出てきた。 ネガティブ思考のところ。

4
0

二十年後の自分へ

30代の過ごした私の人生の手紙。 昔から、独り言やチラ見の悪い癖が自覚し、始めたのは、30代だった。 昔、みんなから、テレビドラマの台詞を真似していると言われ、挙げ句の果て、今度は、言い訳呼ばわりされて、それが原因で、何も、言えなくなって、独り言を発症するように、なった。 34歳の時から、治し始めたのは、それからだった。 今でも、治すように努力しています。 悪い癖がどれだけ悪い癖がみんなに大迷惑をかけてしまい今でも、内心申し訳ない気持ちで、いっぱいのこと。 家では、癇癪やら、母親との喧嘩の事。 コミュニケーションが不足のせいで相手に不快にさせてしまった事。今でもそう。 『こんな事をしでかした事を反省していましたともう二十年後の自分にこう伝えたいです。』

4
0