妖精の悪戯 〜英雄の目覚め〜
この度は妖精の悪戯ことフェアリアをお読み頂きありがとうございます。
気に入ってくださればと思います。
これからよろしくお願いします。
この世界は代償によって回っている。
例えばリンゴ買う時はリンゴを手に入れるために代償としてお金を支払う。
寝る時は寝るために代償として時間を支払う。
魔法を使う時はその強さや範囲、レベルに応じて魔力を支払う。たまに自分の体を代償にする奴がいるがやめた方がいいにきまってる。
そう。何かを手に入れたり、自分の望みを叶えたりするためには代償が必要。
必要…。
???「聞コエマスヵ?…
???が木の下で寝ている勇者の頬を人差し指でつつく。
「聞コえますヵ?…
脈はありますね。」
???が勇者の脈を測る
勇者「……ッ?、! 何故ここに、誰だ?!」
驚いた勇者はあくびをする前に飛び起きた。
???「誰だとは失礼ですね…そうですか、まあ“235年“も眠ってしまっているせいで脳がまだデータを復旧しきれていないんですね。」
「235年前から今に至るまで、人類はかつての3分の2になってしまいました。、、、、、、おっとこのお話はもっと後に話すんでした。
私は、カズトの旧友のシルファとでも名乗っておきましょうか」
???はシルファと名乗った
勇者「カズト?誰だそいつは 」
一瞬眉を細め、頭がおかしいやつが来たと脳内で理解した。
シルファ「貴方の名前に決まってるでしょう、流石に名前は覚えていますよね。」
堂々とした態度で話を続けるシルファ。
「俺の名前は“ヘル“俺の母さんと父さんの子供だ 」
シルファ「ん?…おかしい、見た目はカズトだけど、カズト両親は“あの襲撃“によって命を落としたはず、
、 ごめん、カズト?ヘル?年齢を聞かせてもらっていいかな?」
シルファはもし人違いだったらどうしようか、考え始めていた。
ヘル「19歳だ できるなら早く話を済ませてくれ。早く寝たい。」
そう彼は“いい感じの夢“を見ていたのだ。
シルファ「あっ!?小さい頃の写真とかアルバムとかあるかな?、」
ヘル「アルバムは母さん見せてくれなかったな。 小さい頃、隠れて母さんの部屋に入ってみようとしたらちょうど母さんが戻ってきてすごい形相で怒ってきたし、それきり恐ろしくて見ようとか考えたこともなかったよ笑
あ、良かったら俺の家おいでよ 」
家に招こうとするヘルと、驚いた様子のシルファ。
シルファ「いいんですか?見知らぬ女子を家に入れてしまって…あらヘルさん以外に女好きですか?笑」
ヘル「んなわけないだろ バカか
こっちの道だ、」
〜甘霧の森〜
この森は周りに高い木が沢山あるせいで昼までも暗い。がこの時期はとある木の実が沢山実る時期なので毎日この時間になると木の実を求めて来た鳥が沢山いるのだ。
ヘル「もうそろそろで鳥がいるところだな。あ、そうだ、家に着いたら上手いコーヒー飲ませてやるよ」
自信満々に言うヘル。
シルファ「それは楽しみです、」
ヘル「?…鳥たちが居ない? 何故だ、ここはこの時期に熟す木の実を食べようとここに住もうとするのに、まさか、、 危ねぇよけろ!」
シュンッ
シルファ「?!何者ですか?」
ヘル「こいつはここら辺で盗賊をやってる奴らだ、絶賛指名手配中のやつらだ、
確か…」
盗賊「俺らの懸賞金?60万ルネだ くれてやってもいいぜ、まあ倒せたらの話だがな笑」
見た目はRPGのチュートリアルに出てくるモブだ(笑)
ヘル「こいつらぐらいなら素手で行けるか。 森の囁き 」
森の囁きとは森で使用できる、相手に中レベルの幻覚と1分後に脳震盪を起こさせる中等魔法である。 代償:魔力
ヘル「追っ手が来る前に早く俺の家に隠れるぞ。」
シルファの手を掴むヘル
シルファ「はい、、」
色んな情報が一気に入ってきてオーバーヒートを起こすシルファ。
〜ヘルの家〜
ヘル「さっきの盗賊は最近甘霧の森にあるって言われてる、かつて実在した四幻導の1人の夢の魔術師の墓にある魔道具を探して高値で売ろうとしてるって奴らだろう」
シルファ「四幻導?」
ヘル「ずっと前の魔法都市フュールで最も強かった4人だ。4人はそれぞれ夢、虚、真、円の魔道士だったんだ。」
これも自信満々に話すヘルだが、実は最近本で知ったばかりだ。
シルファ「へぇ〜 かっこいいじゃないですか!」
興味を持ったシルファ。
ヘル「まあ続きは今度な、コーヒー入れてくるから 座ってそこにある本棚の本でも読んでおいてくれ」
シルファ「あの、今更なんですけど、ありがとうございます。魔法が使えるってことは、魔法都市、フュール魔法学校の生徒さんですか?」
ヘル「お前詳しいんだな、人が目の前で襲われそうになってたらそりゃあ普通助けるだろ あとけいごなんか気持ち悪いからタメでいいよ」
タメはやめて欲しいヘル。
シルファ「コーヒーが美味しかったら考えてあげます笑」
意地悪をして少し笑うシルファ。
ヘル「絶対に美味いって言わせてやる」
早速作り始めるヘル。
……シタタタッ ヘ(*¨)ノ
シルファ「ヘルってこういう本読んでるんだ どれも魔法とか昔の本ばかり。
こんなところに写真立てがある…
なんで置いてあるんだろう。 あ、フュール魔法学校1代目校長こんな顔だったんだ、ん…? 真ん中の男の人顔の部分が切り取られてて見えないな、それと写真立てがすごい汚い!、、どうしたらこんな汚くなるんだろう?
さっきの助けて貰ったお返しに写真立て綺麗にしてあげようかな 」
パカッ ぺラッ
「あれ?なんだろうこの紙はあれ、…………なんでこの時代にヘルが、、、、? ヘル大変!」
まさかの出来事に驚きを隠せないシルファ。
ヘル「なんだよもうできるから待っててよ」
沸騰しそうなお湯をコーヒーのバッグに注ごうとするヘル。
シルファ「それどころじゃないわ…早く来て!」
面倒くさそうにシルファのところに行き、話を聞くヘル。
ヘル「え、?俺の写真?なんでこれは1代目がいるってことは少なくても250年前の写真のはず、、、でも、、俺は誰なんだ?」
シルファ「つまり貴方は250年前から生きている。けど、何者か、いや多分ご両親でしょうね。貴方のご両親に記憶を消されてるの。」
ヘル「え、!?どうして、、」
言葉を失うヘル。
シルファ「ご両親は?」
ヘル「実は、、小さい頃突然居なくなっちゃったんだ。何処にいるかも生きているかも分からない。」
シルファ「とりあえず、記憶の魔女のところに行くしかないようね。」
ヘル「記憶の魔女?シルファの知り合いなのか?ってかそんな都合がいいのいるのか?」
疑いを隠しきれないヘル。
シルファ「わからないわ。本で見た事しかないけど。…本当に実在しているかもしれないし、信じるしかないでしょう。記憶の魔女は人の記憶を食べるのが大好きなゲスなまさしく悪魔みたいな魔女よ。本に書いてあったのだと、ここから…って地図がないじゃない!街に行くしかないかぁ遠いな、、、」
ヘル「地図なら多分ここに、」
なぜか本棚を探すヘル。
へル「あった!」
ずっと使わなかったからだろう。地図に埃が被っていた。
シルファ「なんでこんな所に地図があるのよ」
ヘル「小さい頃に親におつかいを頼まれた時にもらったんだ。で適当にしまっといたって訳。」
シルファ「なるほどね。少し準備してもいい?」
ヘル「準備って何を?」
早く行きたくてしょうがないヘル。
シルファ「服とか貸してもらおうかなって」
ヘル「え?シルファも一緒に来るのか?」
シルファ「ここまで聞いて何もせずに帰れないわよ!」
ヘル「一応言っておく。この旅は相当危険な旅になると思う。それでも来るか?」
シルファ「しつこいわね。何度も言わせないで」
服を鞄に詰めながら言う。
ヘル「これからよ、よろしくな」
シルファ「なんで照れてるの?、まあいいけど、よろしく」
準備が終わるまで装備の点検と確認をするヘル。
シルファ「準備おっけーだよ!」
ヘルは笑みを浮かべながら勢いよくドアを開けた。さっき見たごく普通の光景なのに、2人には今まで見た事ない美しい光景に見えた。
ヘルが目を輝かせて言った。
ヘル「行こう、追憶の旅に。」
続く………
最後までお読み頂きありがとうございました。続きもよろしくお願いしますm(*_ _)m