須藤はるな

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須藤はるな

初めましてのべるちゃんて言うアプリで9年ぐらい前に作品を投稿していて(名前は違います)今まで作品を生み出さずに居ました。ですがまた作品を書いてみたい衝動にかられまして、違った形で挑戦したくなりました。良かったら見てください

霊媒師千空寺あやめの日誌 [ニ話]

都会のオフィスビルの 狭間に古びた茶色のビルが 立っている。 時代に取り残されたような ビルの2階に不思議な部屋がある そこはあまり流行ってはいないが 霊能力に関しては、秀でたものがある優れた霊能力者がいる。 その名は 千空寺あやめ この物語は、そんな彼女の日常を 描いた(えがいた)ものである −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ふぅ‥ 今日も暑いな‥ クーラーの温度は22度に設定しているが、なにぶん衣装が熱い!重い! どこかに簡単に伸び縮みする洋服売ってないものか‥‥ 私は特異体質で 霊能力が高まるたびになぜか 体が小さくなっていった‥ 気を高める時のみ 本来の姿に戻る 本当はナイスバディの 妖艶な女なのだが 見た目は小学生にしが見えない だが嘆いても仕方がない これは私が神に与えられた試練 なのだから。 しかし今日も暇だな‥ 熱い! 少し苛立ちながら麦茶を飲んでいると入り口の扉が開いた 「こんにちは〜斉藤っす」 1週間ほど前に来た 引き寄せ体質のやつだ 「またお前か!今度はなんだ?」 すると斉藤は手招きをしながら 誰かを呼んでいるようだった。 現れたのは 体中に黒いものが纏わりついている 男だった。 念だな‥ 厄介な‥‥ 「斉藤裕介、こいつは誰だ?」 「俺の友人の角田智紀(かくたともき) です。この間話した一緒に怪奇スポットに行ったって奴です。」 その男はニコリと笑いながら 「角田智紀です。大学4年です」と 自己紹介をした。 感じが良い好青年だ。 だがしかし‥こいつはかなり 恨まれているぞ‥何をしたのだ? 気になったのはそれだけじゃない なぜこの男はこれほどまでに 念に纏わりつかれているにも関わらず平然としているのだろうか? 「あやめさん、智紀になんか憑いてません?こいつは平気だって言うんだけど、気になって」 「ほう…気になるのか」 やはり斉藤は霊感が強いようだ 本人は自覚ないようだけど‥ 「裕介が、心配症だから見てもらいに来ただけなんで、俺本当に体調もなんも問題ないって言っても信用してもらえなくて」 と角田は言っているが‥ 「角田とやら、ここに座れ」 私は自分の前に座るように促した。 「あっはい」 素直に前に座る。 ふむ…なるほどな‥ 「角田とやら、お前はかなり廃病院で傍若無人だったようだな」 私がそう言うと 爽やかな好青年の印象を覆した。 顔が明らかに歪んだのだ この表情は怒りか? 一瞬だったが すぐににこやかな顔になり 「嫌だなぁ何もしてませんよぉ、人聞きの悪い」 すると斉藤が言う 「あっあれか?病院のベッドの上に登りジャンプしてたよな?手術室らしき所のシーツを破ったり、後は」 「裕介黙れ!」 「えっ‥お前何言ってんの?」 斉藤は何か違和感を感じているようだ。おそらく普段の角田は穏やかな好青年を演じてきたのだろう‥ 「角田、お前はやはり霊を 冒涜していたのだな だから怒りに触れた。 お前の体中に念が纏わりついているぞ」 「えっ?そんなわけないでしょ! 俺は何にも感じませんが?」 ふむ 「私を信じないのならそれでも構わんが、お前このままだと死ぬぞ」 「はっ?」 「お前は確かに何にも感じてい無いかもしれない。だがお前をお仲間にしたがっているようだから、徐々に体が蝕まれていくぞ‥ んっ?待てよ 念以外になにか居るな‥‥ これはなんだ? うーむ小さき体じゃ視えにくい 元の体に戻るとしよう 非常に疲れるのだが仕方あるまい ーーーーーーーーーーーーーーーー −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 俺、祐介はまた不思議な光景を目の当たりにする。 前回は刀だったが 今回は本怖でお馴染みの子供が持っている鈴のような物を手に持ち(なんて名か知らん)♪シャンシャンシャラン🎵とリズミカルに鳴らしながら、踊っているように見える。まるでその空間だけ別次元のような感じで、 徐々にあやめさんはナイスバディのお姉さんに変化した。 やっぱり美人だ! 「おいおい‥嘘だろ‥」 と智紀がかなり驚きながら呟いていた。俺、ちゃんと言ったよね? 信じてなかったんだな あやめさんが智紀に対してなにか 言いたげな顔をしている。 そして口を開いた。 「角田、のぞみと言う女を知っているか?』 「えっ?のぞみだと‥なぜその名を知ってるんですか?」 「高校時代に付き合っていたらしいな‥しかしお前がバイクの事故で死なせた‥違うか?」 「‥‥‥‥」 えっのぞみ?初めて聞く名前だな 智紀が死なせた?どう言う事だ? 「ははっ‥さすが霊能力者さんですね のぞみの事までわかるとは‥俺を恨んで取り憑いてるとでも言うのですか?」 「違う その逆だ」 「‥どう言う事‥ですか?」 「彼女から聞いた。お前はわざと いわく付きのビルとか、 この前の廃病院とか、怪奇スポットを何件も回ってるらしいな?」 「えっ‥‥」 「お前はずっと自分を責めていて のぞみが恨んでいると思い込んで 自分は悪霊に取り憑かれて地獄に落ちたいと願っている。そうであろう?」 「なっ‥何を‥言ってっ」 「のぞみが心配しているぞ 私が死んでから智くんは自暴自棄になっている。私は恨んでなどいないのに‥とな」 「嘘だ!おれの不注意で事故に遭い 俺だけ助かって、のぞみは死んだのに‥恨んでない訳がないんだ!」 「お前は勘違いをしている。散々念や霊を冒涜しておいて、なんの被害もないなんて、不思議に思わなかったか?」 「どう言う事‥ですか…?」 「のぞみが必死にお前を守っているのだ。のぞみはかなり魂レベルが高いぞ。徳を積んでいたんだな」 「のぞみが…俺を?守っている?」 「そうだ、お前に害が及ばぬよう 抑えているのだ」 死んだ彼女が守っている? なんて良い話なんだ 智紀‥‥お前‥幸せものだな あっ智紀、泣いてる? 「のぞみ、ごめんな!ごめんなさい 俺が悪かった…ごめん」 涙が止まらない様子の智紀を見て 俺も泣きそうになった 「もう自分を責めるのは辞めてね でないと私はいつまでたっても天国で休めないじゃない。」 とのぞみが言っておるぞ とても穏やかな笑顔だ』 「うんうん…わかったよ……のぞみ」 ‥‥‥‥‥‥ 「ではのぞみを天国に送ろう ついでに念を切る」 あやめさんはまた刀を取り出して 呪文を唱え始めた そして刀を振り落とし 念を切ったようだ 「では、次はのぞみだな 今から天国への扉を開く 虹のトンネルが出てきたら そちらに進むのだ。」 あやめさんは手を合わせて 瞼を閉じ、その時にどこからともなく風が吹いてきた。 天国への道しるべ? って考えがふと浮かんだ そして風が止み あやめさんが瞼を開けた時 なんとも言えない 澄んだ綺麗な空気が流れた。 あぁ成仏したんだなと漠然と思った 「のぞみはちゃんと天国に行ったぞ 良かったな」 智紀は涙を手でゴシゴシと拭きながら 「ありがとうございました」と 伝えた。 「代金は20万だ。うちは現金のみだ」 感動シーンからいきなりお金の話になった。 「えっ高っ!!!!」 当然の反応だ 俺の時なんか100万だと言われたぞ んっ?どう言う事だ?なぜ俺だけそんなに高い値段を言われたんだ? 「念の浄化が10万円 のぞみの浄霊が10万円だ」 「俺、大学生なんでそんなに お金無いんです。学割とかありませんか?」 「ちっ仕方ないな2万円で良いぞ」 「えーーっっ!ちょっと待って下さいよ、俺との扱い違くないですか? 100万から負けて10万だと言われたのに、智紀は20万が2万ですか?!」 「…………十分の一は同じだろ?」 としゃあしゃあと言ってのけた 「確かに十分の一ですけれども!! 金額が違いすぎる!!」 「五月蝿い。私は学生には優しいのだ。自分では、まだあまり稼げないからな」 じゃあ初めから20万だなんて言うなよ!って思ったけど確かに一理あるので言わずに心に留めておいた 「ありがとうございます!それぐらいなら払えます。バイトはしてるので」 「うむ。よろしい」 「斎藤裕介!」 いきなりまたあやめさんにフルネームで呼ばれた 「あっはい!」 「明日、こちらに来れるか?話がある」 「明日ですか?明日は日曜日なので来られますが」 「では朝の8時に来い 時間厳守だ」 「あっはい…わかりました」 なんだ?どんな話があるのだろうか? 「そして角田智紀! 聞きたい事がある。 「なんでしょうか?」 「のぞみとはどんな字を書くのだ?」 「希望と書いてのぞみです」 「ふむ良い名だ。 将来お前に娘が産まれたら、 どちらかの漢字を使ってやれ」 そう言ってあやめさんは 優しい笑顔をしていた 智紀も笑顔で答える 「はい!必ず使います」 そうしてあやめさんの事務所を後にした。 明日…なんの話なんだろうか? 気になりつつも、明日にならないとわからないので、そのまま家路に着いた。…………………

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霊媒師千空寺あやめの日誌

「あー最近体調わりい‥」 最近ずっと体調が悪い 仕事もままならないぐらいなのに 病院に行っても原因がわからないと言うし‥なんなんだよ! そんな事を考えながら 病院帰りにフラフラと目的もなしに街を歩いていると小さな看板を見つけた。 「霊媒師 千空寺あやめ 霊障でお困りの方 私がズバッと 解決します」と書かれていた 怪しい‥‥ でも‥もしかしたら俺の体調悪い原因がわかるかも知れない 入ってみるか‥ 意を決して看板に書いている矢印の方向を歩いて行くと茶色の小さい古い三階建のビルが見えてきた。三階は高利貸し「さわやか金融」いや多分 闇金だろ!一階は「スナックまちこ」 大丈夫か?ここ? そして2階が「霊媒師千空寺あやめ」 らしい‥ ちょっとビビったけど よし!行くぞ!と気合いをいれて ダンダンダンと足音をたてながら 2階に登っていく 白い扉の窓に 「霊媒師 千空寺あやめ」と と書かれていた 生唾をゴクンと飲み込んで 扉を開けた。 「こ‥こんにちは‥」 「ようこそ」 赤いテーブルクロスに 龍の模様が入っている水晶が テーブルの真ん中に置いてあり 左にローソク、右にドクロの置物、その前に黒い薔薇の造花? いかにもって感じのテーブルに 小さい女の子が座っていた 「あの‥千空寺あやめさんは?あなたは娘さん?」 「私が千空寺あやめよ」 「えっ!!小学生じゃないの?!」 待って嘘だろ? 艶のある黒髪のショートボブ ぷっくりほっぺ 目は二重瞼のぱっちりした目 肌は色白でツヤツヤ、確かに美少女だけれども!小学生にしか見えないぞ‥いや霊能力少女なのか? そんな思考が頭の中で駆け巡っていたらあやめさん?が椅子から降りて 俺の所に近づいてきた。 身長は150cmぐらいだろうか? 「私は小学生ではない。こう見えて26歳だ」 「はっ?マジですか‥?」 「マジだ、証明書は個人情報ゆえ見せられないが嘘ではない」 「そう‥なんですね‥失礼しました」 半信半疑ながらも水掛け論になりそうなので納得することにした。 あやめさんは俺を大きな目でじっと見つめて 「お前の名前は?」と聞いてきた 「斉藤裕介22歳です。半導体工場で働いています」 と聞かれてないことまで答えてしまった。 「ふーむ‥‥まぁこっちに座れ」と あやめさんは元の位置にもどり 前の椅子を指差していた。 言われるがまま、その椅子に座り 下を向きながらあやめさんの言葉を待っていた。 「お前‥バカだろ?」 「はっ?」 いきなりバカ呼ばわりされた俺は 少しカチンときてあやめさんを睨みつけた。 そんな俺の態度に臆することなく あやめさんは話続けた。 「お前、怪奇スポット巡りしただろ? k町の廃病院だな」 「なっ‥なんでそれを?」 「あそこは場だ‥念が集まる場所 お前みたいなバカな奴らが場を荒らしたから念を怒らせてしまった。 少し前まではそこまで驚異ではなかったのに、お前のようなバカな奴らが念を増幅させてしまったんだ‥」 「そんな‥じゃあ俺取り憑かれてるんですか?」 「取り憑かれてると言うより‥取り込まれそうになっている。お前死ぬぞ」 「そんな!俺まだ死にたくないです! 助けて下さい!」 「まだ霊なら浄霊は簡単だが念になると祓うしかない。少し高く付くぞ」 「いくらですか?」 「100万円」 「高っ!!そんな金ありません!」 ボリすぎだろ?まさか上の闇金に借りろとか言うんじゃないだろうな やばい所に来たかも 「高いか?命の代償なら安かろう? 払えないなら条件がある」 やっぱり闇金‥‥ 怖くてちょっとチビってしまった 「2度と念や霊を怒らせるような事はするな。念や霊には礼儀を払わなければいけない。面白半分で土足で踏み荒らすなど言語道断だ!」 「わかりました!2度としません! だからどうか助けて下さい」 「わかった 10万でやってやろう」 まだ高いわ! でも払えない事はないか? 「よろしくお願いします」 「では行くぞ」 そう言ってあやめさんは 奥から真剣のようなものを持ってきた。小柄の彼女からすると大きすぎるぐらいだ そしてあやめさんはなにやら 呪文のようなものを唱えていった。 えっ?俺のみてるのは現実なのか? その呪文を唱え終わると あの小学生のような小柄な容姿が 年相応の女性に変身していった 顔は変わっていない だが大人の顔だ 胸もそれなりにある どこみてんだ俺! 「今から念を払う。お前は動くな」 そう言ってあやめさんは口にお酒を含み残りのお酒を俺にかけた 「ウギャァぁぁぁああぁぁ!!!!」 「姿を現したな 我、千空寺あやめが命じる! この男から出ていけ!」 「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 男の背中からドス黒い念が出てきた 今だ!! 私は刀を振り落とし その念を消滅させた 「哀れな念よ‥‥宇宙に溶け込み次の転生を待つが良い‥」 斉藤裕介か‥こいつはある意味良くも悪くも引き寄せタイプだな‥ −−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−− −−−−− 気がつくと、俺は床に寝ていた 「えっ?寝てた?」 慌てて床から起き上がると 元の小学生のような姿のあやめさんがいた。 胸はペタンこだ‥ いやいやそれじゃない! あやめさんにお酒をかけられてから 記憶が飛んでる 何があったのか‥‥? 「気が付いたか、祓っておいたぞ」 そうあやめさんに言われて気づいた 体が軽くスッキリとしていて あんなに体調が悪かったのが嘘のようにさわやかだ。 そして今気づいたのだが あやめさんはブカブカの巫女のような服装をしていたのは、大きくなって破れない為なんだと。 でも‥ 破れたのちょっと見たいかも‥ いやいや何を考えてるんだ俺! 「じゃあ10万円もらうぞ。うちは現金払いのみだ。」 「あっすみません。お金おろしたばかりなのであります。」 財布には10万3254円。 電車賃ぐらいはあるか‥ 貯金おろさなきゃだなぁ‥ あやめさんに代金を支払い 手術を受けたと思えば安いもんだと 自分に言い聞かせた。 「斉藤裕介」 とあやめさんにいきなり名前を呼ばれ 「あっひゃい!」と魔の抜けた返事をしてしまった。 「約束忘れるんじゃないよ。わかったね?」と念押しされた。 「はい!2度としません。元々友人に誘われて仕方なくだったので。今度誘われても絶対に行きません」 そう告げた。 ビルから出て ふと一緒に行った友人のことを思い出した。 あいつは大丈夫なんだろうか? 今日にでも連絡してみるかな そんなことを思いながら ビルを後にした。

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