瀟洒
2 件の小説泡沫とプリクラ
人気の無い、早朝の海岸で僕はその箱の蓋を開いた。 中には、1年も前に別れた元カノのプリクラ。 携帯の写真は消せたのに、これだけは捨てられなかった。 二人の思い出をゴミ箱に入れて無かったことにするなんて行為はしちゃいけない。 彼女は、僕を成長させてくれたから。 けれど過去にばかり囚われちゃいけないんだ。 進まなきゃ。 頬を伝う涙を拭い、箱からプリクラを取り出す。 そして 引き波に思い切り投げ込んだ。 朝日を浴びてそれらはキラキラと輝きながら漂っていたが すぐに見えなくなった。
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静寂、指揮棒、そして。
先生が指揮棒を取った。 私達は其れに応え一斉に楽器を構える。 たった6分。それだけの時間で金賞かそれ以外かが決まる一世一代の大舞台だ。 先走ってはいけない。 音程が狂ってもいけない。 金管、目立ち過ぎるな。 木管、合わせろ。 けれど── この瞬間を、 そしてこの時間を 楽しめ。 吹奏楽曲 片岡寛晶 作曲 鳥之石楠船神(とりのいわくすふねのかみ)
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