あなのあ
2 件の小説愛の詩
「別れよ」 唐突に切り出された別れに、頭が真っ白になった。 咄嗟に愛の詩を口ずさんでしまった。 「効かないから」 そういって、彼は私の前から逃げるように居なくなった。 私は、悲しくて悲しくて いくつもの涙が頬を伝った 私は、この世に生まれ落ちた瞬間 ああ、一生親には愛されないと知った しかし、神の悪戯だろうか? 私には、やるべき事がわかった だからそっと、小さな声で詩をうたった 人には、決して聞こえない いつか天使が口ずさんだあのうたを すると、親達の鋭い眼差しが優しく愛が詰まったものに変わっていった 天使のうたは、便利だった しかし、人生をこのうえなくつまらなくした 人から好かれよう と 愛されよう と ただ、願いうたうだけで叶い 誰も裏切らなかった。 しかし、ひとり例外がいた 彼は、雪のように真っ白透き通る肌をしていて整った顔を持っていた 私は、彼に会った瞬間恋に落ちた だから、うたった しかし、あっさり言われてしまった 「効かないよ」 わたしは、彼をますます好きになった 自分で惚れさせなくては 彼のことで、頭がいっぱいで仕事も手につかない 本物の初恋だ 彼がいるコンビニに通い詰め、少しでも記憶に残そうとした すると、努力が功をそうして めでたく、付き合うことに成功した。 …。 しかし、長くは続かなかった 俺は、お前にとって良くない存在だ そんな捨て台詞をはいて 君は、空に旅立った
ドラマ
プチッという小さな音を立て、私はテレビを消した。 だいぶ夜もふけ、真珠色に輝く光が窓から差してきていた。 そして「ふぅっ」と小さく、息をついた。 海外ドラマをみるとなんとなく、虚しい気持ちになる。 女子校に入ると決断したのは、私なんだから仕方ない。と何回自分を納得させたことか でも、奪われたドラマのような青春を考えるとどうしても後悔してしまう。 女子校は、むしろ好きだし楽しい。 けれど、青春がしたかった。 いっその事、語学勉強もかね海外にでもいっちゃおうかな そんな事を考えながら、冷たいソーダを口いっぱいに含んだ しゅわしゅわと青春を噛み締めながら布団に入った