恋鳥

2 件の小説

恋鳥

心の中

どうしたら、彼女の気持ちが分かるだろう。 彼女の考えてる事が分かるのだろう。 どれだけ愛していても、心の中までは分からない。 1番知りたいことなのに。 どれだけ肌を重ねても、どれだけ一緒にいても心の位置が分からない。 参考書があれば楽なのに。 そんな事を考えながら、今日も彼女からの連絡を待つ。 いつくるかも分からない連絡を今か今かと待ち続ける。 それが俺の日課だった。 俺にとっての彼女は ナイフであり、包帯だ。 俺の心を傷つけるのは、彼女で、 俺の心を癒し、包み込むのも彼女。 「本当は好きだ」と言ったら、 分かってくれるだろうか。 それとも、この関係が終わるだろうか。 一方的な愛しかないこの関係に 先はない。 先のない関係に価値はあるのか。 俺はそう考えるようになった。 初めてだった。 自ら関係を終わらせようとするのは。 混濁した頭を抱えながら、今日も彼女に会いに行く。 先はないかもしれないけれど、 それでも彼女と居られるなら、それでいいと思ったからだ。

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心の中

友達以上恋人未満

離れたら楽になれると思った。 だから私は言ったのに。 こんなはずじゃなかったのに。 「友達以上恋人未満」 嫌いだったあの言葉も今ではすごく尊い言葉。 曖昧な関係でもいいから、もう一度一緒に居たい。 私が手放したら終わる関係に。 先のないあの関係に。 少しでも彼の近くで入れる彼女が、 私にとっての邪魔者で、 彼にとっての道具だった。 そんな事を思いながら私は今日も机に向かう。 誰に近づくために始めたのかも分からない勉強をしながら。 私は、彼にとっての道具になった。 それでもいいと思えたら、私はどれだけ 幸せか。 そしてどれだけ愚かなのだろう。

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友達以上恋人未満