seira‪‪★

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初めましてseira★です。 seiraでもせいらでもセイラでもお好きにお呼びください(★はただのマークなので付けなくても大丈夫です) 友人兼仲間ととある勝負事をしており、負けた分、小説をあげます。 自分で考え書いたやつもあげるかもしれませんが…(と、言っていたがほとんど自分が書きたくて書いたもの…) ・リクエスト等は受け付けます。 ・何か問題があればご指摘よろしくお願いします ・設定、内容は自分で考えたもの ・問題があれば消去します ・アイコンはオリジナルです。 ・サムネはAIの作ったものから自分で工夫した り付け加えたりしています。 罰ゲーム ・異常な僕と正常な君達 ・月が満たされる ・月を満たす 初めての挑戦だからよく分からない…

物語に終止符を 上 ーコラボ企画ー

・こちらは"物語に終止符を"の上となっております。 ・この物語は上、中、下と分かれています。 ・今回はおかきさん、ka^lieさんとのコラボ企画です。 ・続きは2人の方に上がりますのでどうぞご覧下さい。 それではどうぞ行ってらっしゃい💫 「ん……?」 意識がだんだんと浮上する。 何時かと机の上にあるはずのスマホに手を伸ばす。 でもその手は宙を切った。 「えっ…?」 仕方なく体を起こしてスマホを取ろうと見た時、やっとここが自分の部屋では無いことに気づいた。 真っ白い……いや透明な部屋。 所々、破片やシャボン玉のような球体が浮いているだけの何も無い空間に俺はいた。 「……」 これは夢だ。きっと、そうだ。 なら、もう一度寝てしまえば…いや夢の中でまた寝るっていうのも変な話だが。 『おや、お目覚めかい?』 突如響いた人の声に、現実逃避は無駄だと自覚させられる。仕方なく体を起こす。 声のした方向を見ればそこには、真っ白いワンピースを着た女の人…?が立っていた。 先程まで感じなかったその気配……。 一体、いつ現れたのだろうか。 『あら、私が誰かって顔をしているわね…』 「……」 何なんだ、ここは夢か?それとも…… 『あと、ここはどこなんだって感じかしら?』 思考を読まれているのだろうか…まあ知りたかったことだから良いとしよう。 『そうね、、、私は創造神と言っても信じてくれるかしら?それでここは名も無き世界。私が創り出した空間よ』 創造神……?創った世界? まてまて、情報量が……脳が追いつかない。 『信じられないって顔ね…ふふ、まあ無理もないか』 長い袖で口元を隠して笑う姿は絵に書いたよう…。 でも、この神様…思考は読めないらしい。 1つ訂正しなくては…。 「信じられないわけじゃない」 『あら…?変わってるわね。人間界ではそういった類のもの信じないのではないの?』 「別に…何となく。そもそも創造神なら納得が行く。この宙に浮いているのもあんたが創り出した世界なんだろ」 そう言えば目の前の神は目を見開いた。 かと思えば瞳孔が狭くなり微笑む。 女神様みたいだな。神様ってみんなこう美しいのだろうか。 『まさか…やはり私の目に狂いはなかったようだ…』 何やらぶつぶつと言っているが、上手く聞き取れなかった。 「……?それで、創造神様が俺に一体何の用?」 ここに呼び寄せたのがこの神様だとすれば、俺に何かしら用があってのことだろう。 だが創造神ともあろう方がただの人間の俺に一体、何を求めるのか。 『……アスト。君に頼みがある』 「なっ…!?何故、名前を……」 こういった類のものに名前は教えるべきでは無い。そういつしか本で読んだ記憶がある。 『忘れたのか、私は創造神だぞ?君を生み出したのも私だ。名前なんて知っているに決まっているだろう』 「……そうか。それで頼みとは?」 いや俺を産んだのは母だが……まあもう考えるのがめんどくさいな。一々、突っかかっていてはキリがない。それよりも大事なことがある。 俺をここに読んだ意味である、頼みとは何か。 『物語を破壊して欲しい』 「……は?」 間抜けな声が出る。だって思ってもいなかった事だから。 破壊って……あの壊すという意味の破壊だよな。 「どういうつもりだ?」 何故、俺に破壊して欲しいのか。 そもそも破壊する意味とは何だ。 『そのまんまの意味だよ。私は創ることは出来ても壊すことは出来ない。そこで、君に頼んだということだ』 「……どんな世界だ。そもそも何ために……」 『見てもらった方が早いか』 そう呟いて近くに浮いていた球体を3つ呼び寄せた。 どうやら球体の中は透明ではなかったらしい。景色だろうか、それぞれ違ったものが見える。 「これは…?」 『世界だ。君に壊して欲しい3つの世界だ。』 「創ったものが気に食わなかったのか?」 そう問えばたちまち瞳孔を見開いた。 どうやら、そういった自己満足な理由ではなかったらしい。 『まさか。これらの世界は終わりがないのだ』 「終わり…?」 そもそも世界に終わりなんてあるのだろうか。あるとすればそれは……滅亡の時。 『あぁ、物語と言った方がいいか。どの物語にも終わりがあるだろう?それは当然のことである。だが何かの手違いでこれらの物語には終わりが訪れないのだ』 「……つまり、終わらせればいいのか?」 物語を終わらせることが壊すという事と同意義らしい。 『あぁ、ただ破壊の手段は2つある。1つが今、言った通り物語が終わること。ハッピーエンドでもバッドエンドでも君の好きなようにしていい。完結すれば物語は破壊される。』 「なるほどな。で、2つ目は?」 『……物語の要、コアを壊すことだ。大半は主人公や登場人物を殺すことで出来るだろう。』 「それバッドエンドと何が違うんだ?」 全員死ねばそれはバッドエンドだ。 誰も幸せにならないのだから。 ただ、手段が2つに分けられている時点で何らかの違いがあるのだろう。 『バッドエンドは物語のルートで辿り着くゴール地点。しかし、コアを壊すことはその物語が存在しなかったものにすることだ。例えば主人公が居なかったらそれは物語として成り立たないだろう?』 「道なりに沿わないのがコア、沿うのが物語が終わるという事か?」 『あぁ、物分りが良くて助かるよ。どちらの手段でもいい。結末は問わないしやり方に口も出さない。ただ世界を破壊してくれればいいよ』 「それで、破壊すべき物語とは何だ?」 浮いている球体の中に世界があるのは見えるが、どんなものか分からない。 無知とは恐怖だ。 それに予め知っておいた方がやりやすいだろう。 『君に破壊して欲しい世界、物語は3つ』 そう言って球体に触れた。 光を放ったかと思えばそれは球体から1冊の本に変わった。他の2つも同じように変形する。 『1つ目はこの"終わりなき旅路"こいつらはギルドパーティの1つのチームだ。旅に出たまでは良かったのだ。だが目的となるものがない。だから終わりなき旅路なんてタイトルが付いてしまった。それ故にこの物語は終わらない。ラスボス討伐でもダンジョンクリアでもパーティ全滅でもコアを壊すでも何でもいい』 「分かった」 『2つ目は"永遠ループ"この物語の主人公は大切な友を失う。悲しみにくれた主人公は神に願った。その願いが届き、主人公は友を死なせないためループすることが出来るようになった。ある時はファンタジー、ある時は現代をループした。しかし、どの世界線でも友は死んでいく。あぁ、友を何回も失うなんて可哀想だ』 「つまり、友を救えばいいんだな」 『さあ…どうだろうな』 どうやら答えは教えてくれないらしい。 まあ、2つ目に関しては簡単だろうな。 友を救えばループは終わるだろう。 「そういえば何故、3つ目にはタイトルがないんだ?」 最後の1冊。これにはタイトルが付いておらず、???となっている。 『それは……後でタイトルが付くだろうな。後々分かるさ』 引っかかるような言葉だ。 神様は知っているのだろうか。いや、自分で創ったのだから知っていて同然か? まあ、後々分かるからばそれでいい。 「そうか。なら順番に辿っていくか。」 『本を開けばその世界に入れる。あぁ、安心しろ。君に危害が及ばないようにはなっているはずだから。例え怪我や死んだとしても、こちら側の君問題は無い』 「まるでチートだな」 つまり、怯えるものは何も無いってことだな。 例え死んだとしても、こっちではちゃんと生きているらしい。 「ま、終わらせてやるよ。この物語」 少し、少しだけワクワクしている自分がいる。 好奇心が湧いたから。それが俺が頼みを聞く理由だ。 本を1冊手に取りページを捲った。 "終わりなき旅路"のストーリーをロードします。 及び ???……ザザッ……?に?を…ザザッ… "物語に終止符を"のストーリーを構築します。 𝒏𝒆𝒙𝒕 𝒊𝒔 ka^lie

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物語に終止符を 上 ーコラボ企画ー

願えや願え ー赤い糸ー

甘酸っぱい、そんな恋。 人間誰しも恋するもの。 願い事。 強く願えば叶うかも? チリンと鈴の音が響き渡る…… 「はぁぁー」 「ため息ついたら幸せ逃げるよ?w」 「別にいいもん……」 机の上にうつ伏せになる。 今日もダメだった……。 「にしても、まさかあの人気者に惚れるとはねー」 そう、私はある人に恋してる。 その人は学校の人気者で、男女問わず好かれていていつも周りに誰かいる。 そして毎日、話しかけるという目標を立てて居るのだけど……一向にその目標が達成されることはない。 「皆、彼奴のどこがいいんだか。ただのハーレム野郎じゃん」 「そんなことないよ!この前も……」 「かっこいいだけじゃなくて性格もいいんだもん!こんな私の手伝いもしてくれてさーって言うのはいつも聞いてるよ?w」 「ねぇぇ!!からかってるでしょ!!」 私の声真似をして、私が思ってることを言われる。その顔はニタニタとしていて面白がってるようにしか思えない。 「挨拶くらいは出来ないとねー」 「だって目を合わせることも恐れ多いというか、私のような人間が軽率に話しかけていい相手ではないし……」 「そうやって、うじうじしてると取られちゃうよー?」 と、取られるって!! そんなのまるで付き合いたいみたいな…… 「そ、そんなんじゃ!!」 「ふーん、思ってないんだ?」 「いや、考えてないというか、まだ早いというか、なんというか……」 そんなの夢のまた夢だ。 そもそも私と彼とじゃ天と地の差がありましてね……。 「あ、来月クリスマスか」 「ん?あ、確かにー」 去年は友達とクリスマスパーティーしたんだよね。今年もやりたいな。 お母さん、またケーキ作ってくれるかな〜。 「あ!」 何か閃いたかのような顔をする。 私はとても嫌な予感がした。 そういう悪い予感ほど当たるんだよね。 「クリスマスデート誘っちゃえば?」  「はぁ!?」 放課後で良かった。 つい大声を出してしまった。こんなの誰かに聞かれでもしたら恥ずか死ぬ……。 「よし、予定ないか聞いてきてあげる!!」 「あ、ちょっ……」 「じゃ、後で連絡するね!!」 「もぉー……」 私のために行動してくれるのはありがたい。でも、自分の恋なのに友達に任せて何してるんだろ……。 でも、私は彼に話しかけることはおろか、クラスメイトにも話しかけることが出来ないほど人見知りだ。 任せて正解なのかもしれない。 でも……このままでいいのだろうか。 己の弱さに泣きたくなる。 「いっそのこと告白しちゃえば?」 「他の子に取られちゃうよ?」 先程の会話を思い出す。 告白して振られたら? ますます、彼に近づけなくなる。 でも……もし、もしもだよ? 付き合えるなんてことになったら…… あー、彼が私のことを好きだったらいいのに。 片思い、一方通行の恋……こんなにも辛いだなんて。 「願うのは両思い?」 「え?」 振り向いたらいつのまに居たのだろうか、窓枠に腰掛けて微笑んでいる女の子。 制服を着ているから同じ高校の子なのだろうか。でも見たことないな。 それに美人だなぁ……。 白い髪は太陽の光に照らされ銀色に輝き、風によって靡いているその姿も絵になる。 何より、その空色と紫色を混ぜたかのような瞳は惹き付けられるような何かを感じる。 パンっ 「わっ!?」 「あははっwびっくりした?」 ぼーっと見とれていたら顔の前で手を叩かれた。 突然のことに驚き、意識が現実に戻される。 あ、笑った顔は幼い子みたいだな。 「さて、時間がもったいないから本題に入らせてもらうね」 「本題…?」 「あなたは両思いになりたいんだよね?」 「え、まあ…はい…?」 「ふむふむ、両思いにすることは簡単なんだけど……でもそれはコントロールすることになるから……」 顎に手を当ててぶつぶつと何か言っている。 「あのー」 「んー、まあきっかけくらいなら……よし」 え、何がですか? 1人で解決しないでほしい。置いてけぼり…。 「小指見て?」 「…?えっ!?」 女の子が左手の小指をちょいちょいと振るので、自分の左小指を見てみる。 そこには… 「糸…?」 いつのまにか赤い糸が蝶蝶結びで小指に巻きついてあった。 細くて脆い糸、簡単に解けそうと思った。 でも強い何かを感じた。 これは解けない、いや解いてはならないと。 「あれ?思ってた反応と違う…」 「え?」 まじまじと小指に結ばれた糸を眺めていたが、どうやら望んでいた反応ではなかったよう。 「赤い糸って知らない?」 「赤い糸…?」 「あー、これが俗に言うジェネレーションギャップかぁ」 女の子は額に手を当て、空を仰ぐ。 いや、ジェネレーションギャップって、同じ年齢だよね?不思議な人だな。 「それでこれは何ですか?」 「それは赤い糸って言ってね。その糸の先は運命の相手と繋がっているんだよ。」 「運命の相手……」 「それは辿ってみないと誰かは分からない。因みに、解きたいなら簡単に取れるよ」 こんな風にねと言いながら女の子は自分の小指に結ばれた糸に触れる。 しゅるり、それは簡単に解け消えた。 「…解いちゃった…」 女の子の運命の相手は居なくなっちゃったって事だよね? 「あぁ、私は繋がってないから。永遠と赤い糸は続いているだけ」 それは運命の相手が居ないってこと? 何だかそれは寂しいな…。 「さて、今日は11月5日。通称、良い御縁の日。御縁があると言われている日。願いがあるなら望んでみなよ。御縁があればそれは叶うかもしれないしね」 そっと、赤い糸に結ばれた小指を胸に掲げて願う。 何故、言葉に従って願おうとしたのかは分からない。でも、そうしないといけない気がしたのだ。 「両思いになりたいです…!」 「その赤い糸の先には貴方と両思いの人が待っているでしょう」 チリン、鈴の音と同時に私は駆け出した。 赤い糸の先を知るために。 「えっ!?告白した!?」 「うん…」 昨日、赤い糸を辿り、繋がっていた相手は片思いをしている彼だった。 彼にも赤い糸は見えていたらしくて…。 勇気をだして話しかけてみた。 彼は優しかった。 たどたどしく話す私に対して怒らず、面倒くさがらず何なら笑ってくれたのだから。 その笑顔を見て溢れた4文字。 思っていたよりも口に出すのは簡単だった。 「それでそれで!!どうなったの!?」 「お付き合いすることになったんだ」 「嘘!?」 「ほんと、夢を見てるみたい…」 なんと、彼も私に好意を持ってくれていたみたいなのだ。 しかも、入学当初くらいから。 自分でも驚いた。夢でも見ているのではないかと。 でも、今も小指にある赤い糸が現実であることを教えてくれる。 「……おめでとう!!」 「えへへ、ありがとう」 そういえば、あの女の子は結局誰だったのだろう…。 白髪だったからすぐに分かると思ったけど、先生に聞いてもそんな子は居ないって言われちゃったんだよね…。 お礼言いたかったのにな…… 「どうしたの?」 「ううん何でも……ってあれ?」 何でもないよという意味を込めて手を振る。 その時、視界に入った手元を見て驚く。 だって、、、 「ない!」 「え?何が?」 「糸…赤い糸!」 さっきまで小指にあった、赤い糸がないのだから。 「……何で……あ…」 もしかして…… 恋が叶ったから? 「とある人に恋する少女は赤い糸のおかげで恋が実りました。こんな糸切れ1本で騙されるなんて、今も昔も人間ってば単純♩さ、もう赤い糸は必要ないかな。どうせこの2人は初めから両思いだったんだから。めでたしめでたし」 叶えて欲しけば願えや願え 願えば叶うや チリン 鈴の音が木霊する。 ……To be continued…?

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願えや願え ー赤い糸ー

願えや願え ー不治の病ー

不治の病とは恐ろしや。 願い事。 強く願えば叶うかも? チリンと鈴の音が響き渡る…… 「現時点で治療法はありません。もって、3年かと」 ドクンと心臓が音を立てる。 何で?何で?何で?何で? ただ、それだけが脳内に浮かぶ。 「入院して様子を見ましょう。治療法を見つけられるよう努力します」 余命宣告、入院……分かるようで分からない。 あぁ、俺は死んじゃうんだ3年後に。 「まだ若いのにね」 「人生何が起こるか分からないものね」 「治療法ないんでしょ?」 「不治の病なんてねぇ」 ヒソヒソコソコソ 全部聞こえてんだっつーの。 「……後、1年……」 もう今になっては逆に冷静になってきた。 残り1年、どうせ俺はベッド生活ですよ。 もう、走ることはおろか歩くことも出来ない。 毎日、毎日、憎たらしいほど美しい空と景色を窓から眺めるだけ。 最近になってはもう誰もお見舞いなんて来てくれない。 スマホの通知バーに来るのもくだらない企業宣伝とかニュースとかそういうのだけ。 生きていたってもう死んでいるようなものだ。 「……はは」 俺はこのまま静かに消えていくのだろうか。 「……残り6ヶ月」 後、半年。 「3ヶ月か」 時の流れは早い。 「1ヶ月」 あーあ、好きな漫画完結してないんだよな。 「2週間」 テスト期間は早く終われとか思ってたのにな。 「1週間」 この景色を目に焼き付けて。 「3日」 俺の人生、短かったな。 「……」 あぁ、今になって怖くなるのかよ。 何で俺だったんだよ……。 生きたい…生きたかった。 「その願い叶えてあげよっか?」 「え?」 命残り24時間になった時、俺の目の前に現れた。 「て、天使…?」 満点に輝く星空を背景に窓枠に座っている女の子。 月明かりに照らされたその姿はまさに天使。 え、俺もう死んだ? まあ、確かに余命はズレるし…。 お迎えか…。結局、俺は1人で死んでいったんだな。 「おーい?聞いてる?」 「うわっ!?」 天使はいつのまにか俺の目の前に来ていてヒラヒラと手を振られる。 「で、俺は天国に行くのか?」 「……あはははっw」 「は?」 ぽかんとした後、腹を抱えて笑いだした。 天使のくせして、腹立つ……。 おっと、いけないいけない、こんなこと思ったら天国に行けないか。 それにしても……いつまで笑うんだよ。 ひぃひぃ言ってるじゃねぇか。 そういえば笑いすぎると死ぬらしいな。 いや、天使だから死とかないのか? 「あー、可笑しい…w…ふーっ…さて、1つ勘違いしているようだから訂正するね。僕は天使じゃない。そして君はまだ生きてる」 ま、明日には死んじゃうんだけどねーと告げられる。 いや、軽くね?仮にも俺、死ぬんだよ? そして、こいつ天使じゃないのかよ! だとしたら俺、めちゃくちゃ恥ずかしいのでは? 「ありゃ?今度はお顔が真っ赤っかに!百面相しすぎじゃない?って、違う違う!こんなことしてる場合じゃないんだ」 1人で喋ってるこいつを見て俺は冷静になってきた。 「ねぇねぇ、君は生きたいんだよね?」 「そりゃあ生きれるもんならな……もう遅いけど」 生きたい。でもそれは叶わない。 「叶えてあげるって言ったら?」 「は?」 そんなこと、出来るはずがない。 だって、治療法なんてないんだから。 医者ですら治せなかったものに単なる1人の女の子に治せるはずがない。 「はっ、治せるもんなら治してみろよ」 ま、最後くらいお遊びに付き合ってあげてもいいか。 「ふふ、今日は七月七日。織姫と彦星が出会う日。そして願いが叶うと言われてる日。ほら天の川が綺麗だよ」 ガラッと窓を開けられる。 「……!!」 あぁ、綺麗だ。 星がこんなにも近くにある。 手を伸ばせば届きそうだ。 「……さ、願いを告げてみなよ」 「……俺はもっと生きたいです。どうかこの病を治して下さい……」 手を組んで願った。 「君の病は治り、生きられるでしょう。」 チリン。鈴の音に振り返るもそこには誰も居なかった。 「どういうことだ!!何で病気が……!」 七月八日に死ぬはずだった俺は何故か今、生きている。 最初は余命ズレみたいな感じに捉えられていたが1ヶ月経った今でも生きていて更にぴんぴんしているからか検査される羽目になった。 その結果、俺の病気は完治しているとのこと。 「君、何をしたんだ?」 いや俺に聞かれても…… 「…ぁ」 いや、もしかして…… 「な、なんだ?」 「七夕だったから。俺の願い叶ったのかなって」 「はぁ……まぁいいでしょう。治って良かったです。退院しても大丈夫ですよ」 何言ってんだこいつという目で見られたが、これが真実なのだから。 そういえば、あの女の子はどこに行ったのだろうか。 「……ま、いっか」 よし、これから何しようかな。 まずは思いっきり遊ぶかー!! 「不治の病にかかった男の子は七夕の日に願ったためその願いが叶いましたとさ。めでたしめでたし、HAPPYEND。さて、もう用はないかな」 叶えて欲しけば願えや願え。 願えば叶うや。 チリン。鈴の音が木霊する。 ……To be continued……?

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願えや願え ー不治の病ー

壊れたものは治せばいい

本当は友達なら励ましとか慰めとかそういう言葉をかけてあげるべきなんだと思う。 でも、私はそういうの言わないよ。 だって、そういうのお望みじゃないでしょ? 大丈夫?とか辛かったねとか そういうの全部同情にしか聞こえないよね。 よく、貴方の苦しみ分かるよとか言うけど 貴方の苦しみは貴方にしか分からない。 私は貴方じゃないから分からない。 だから何も言わない。 あぁ、でもちょっと気になったからさ聞かせてよ。 私、貴方が何言ってるのか分からないんだよね。 他の人は苦しいとか辛いんだなとかかそう捉えるのだろうけど、私はそう思わない。 だって、クラスメイトも友達も所詮は赤の他人でしょ? 声も評価も無視すればいいじゃない。 苦しいなら優等生やめればいいじゃない。 言われるのが嫌ならそう言えばいいじゃない。 でも貴方はしなかった。 逆に貴方はその声を受け入れた。 で、いつしかそれになろうと頑張り始めた。 そして本当の自分を壊そうとした。 んー、自業自得じゃないかなぁ。 え、そんな事言われると思ってなかったって? ふふ、じゃあこの言葉聞いてどう思った? 苦しい? 辛い? 痛い? 泣きたい? 違うって否定したい? 叫びたい? 怒りたい? それとも……我慢する? いや、優等生の君はきっと…… 笑うのかな? あはは 馬鹿じゃないの? ねえ、何でさ自分を殺すの? 意味わからない。 それで得られるものは何も無いよ。 ただ失うだけ。 もう失いたくないって言ってたよね? そこに自分自身は含まれてないの? 別に怒りたいわけじゃないよ。 本当は励ましとか労いとか慰めとか救ってあげたいよ。 でもそれは私の役目じゃないから。 他の誰かに任せる。 ねえ、君はどうしたいの? それでいいの? 本当の自分を消したままにするの? 作った君とは関わりたくない。 言ったよね?信じれないって。 偽る人は好きじゃない。 ねえ、誠心誠意向き合って。 君を教えて、見せて。 レッテルなんて剥がしてしまえ。 土人形なんて壊してしまえ。 でも、優等生の君も君だとしたら… それならそのままでいいと思う。 さあ、君はどうする? 無理に演じたまま生きるのか。 作った自分を壊して新しく生まれ変わるのか。 全てを自分自身だと認めるのか。 どれを選択してもいい。ここに無いものを選んでもいい。 だけど、後悔しないように。 最後にちょっとだけ。 私は優しくて、しっかりしていて、周りを大切にしていて、でも自分のことは後回しにしちゃうとか……良い所も悪い所も全部全部ひっくるめた貴方が好き。 暗闇で足が竦むのならば私が手を引いて導いてあげる。 声が怖いのならば私が耳を塞いであげる。 悩んでいるなら一緒に悩むよ。 分からないなら一緒に答えをみつけよう。 無くしたものを一緒に探そう。 削れた破片を一緒に集めよう。 壊れたものを一緒に治そう。 もう1人じゃないよ、1人になんてさせないから。 本当の貴方と友達になりたい

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壊れたものは治せばいい

イタいの辛いの苦しいの

ある日、自分が分からなくなった。 誰かを信じることが出来なくなった。 学校に行くのが怖くなった。 息をするのが辛くなった。 生きるのが苦しくなった。 別に死にたいとは思わなかった。 いや、死ぬ勇気がなかったのかもしれない。 痛いのは嫌だ。苦しいのも嫌だ。 だから、 消えたくなった。 誰にも知られず、静かに自分が世界に存在すらしなかったかのように。 大したことじゃない。分かってる。 からかい、陰口、悪口、無視…… ただの仲間同士のじゃれあい。 でもそれらは私の心に大きな傷を作った。 私の人生を狂わせた。 ほんとに最初は些細なことだった。 でもそれはやがてヒートアップした。 いつの日か…壊れた。 私の中の何かが。 バラバラに粉々に。 痛いのイタイ。 心臓がギューってなるの。 別に死んで欲しいとか復讐したいとかは思ってないけど、 でもさ、少しくらい罰を与えてくれてもいいんじゃないの? ねえ、神様。 何故、私はこんなにも苦しいのに、彼奴らは幸せそうに笑ってるの? 何故、私がこんな目に合わないといけないの? もう彼奴らは私の近くにはいないけど、 でもさ、与えられた傷は今でも痛いの。 誰かを信じるのも未だにできない。 また、傷つけられるのではないか また、裏切られるのではないか そうやって考えてしまう。 誰も彼も疑ってしまう。 誠心誠意向き合うことすら出来ない。 いつ裏切られてもいいように、いつ傷つけられるか分からないから備えないとそんな思考に陥ってしまう。 ねえ、 いつになったら、この傷は治るの? いつになったら、楽しいって感じれるの? いつになったら、生きたいって思えるの? いつになったら、心の底から笑えるの? 全て悪い夢ならいいのに。 全て幻想ならいいのに。 現実はこうも残酷で、生きるのはとても難しい。

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イタいの辛いの苦しいの

次会うその日まで

「俺はさ、ずっとお前らと居たいよ。こんなにも毎日が輝いてるのは初めてなんだ。お前らとならきっと何でも出来る気がする。」 そう言った彼は、先の戦争で命を落とした。 彼は強かった。 負け無しの戦争……彼がいれば勝ちは同然だった。 ただ、彼は情が熱かった。 そこに漬け込まれたのだ。 全く……あぁ思い出しただけでも腸が煮えくり返りそうだ。 彼は最期まで立派だった。 彼は1人で1000を超える敵兵を止めたのだから。 他の奴らは逃げ出したり、無様に命乞いをしたり、裏切ったりしたのに、彼は彼だけは最期まで諦めなかった。 戦場に立つ者として、上に立つ者としての誇りを、義務を貫き通した。 分かっている。この世界では、俺らの立場では死とは隣合わせのものだと。 当たり前なんて無いことを。 昨日、笑いあった友が消えてしまうことも。 「馬鹿だよな……」 お前も俺も。 「平和なんてあるはずがないのに」 俺らはそれを作ろうとした。 戦争が耐えないこの時代に、夢……いや幻と言われる世界にしようとした。 けれどもそれも…… 「お前が居なくちゃ意味は無いか」 俺は……俺らはどうすればいいんだよ 「俺はお前に憧れた」 あの時、理想を夢を語った彼奴がとても眩しくて、輝いていたんだ。 お前とお前らとなら出来るって思った。 根拠なんてないけれど。 「……まあ、それがお前の望みなら成し遂げてやる。大人しく見とけや」 悲しいとか悔しいとかはある。 だがそれに引っ張られていては何も始まらない変わらない。 何より、俺の性にあわないからな! 「お〜い!!ご飯出来たよー」 「おう!」 あぁでも、近いうちに成し遂げられそうだよとは言わないでおこう。 彼奴をビックリさせてやるんだ。 俺らを置いて先に行ってしまった彼奴にちょっとした仕返しだ。 「じゃあ、もう少しだけこっちに居ようかな……頼んだよ」 陽が眩しく照らす石像には 英雄ここに眠るという不格好な文字と アズマギクの花が添えられている。

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次会うその日まで

手紙にアザミを添えて

私、ずっと伝えたかったことがあるんです。 そうですね、まあ単刀直入に言ってもいいんですが……少し昔の話をしましょうか。 あれは確か聖なる日の1週間くらい前だったかしら。 あなたが私に話したいことがあると仰ったのは。 私、仕事の話かと思いました。 だって私と貴方は同じ長ですもの。 ふふっ、朝早く行って貴方の近況報告を聞いて終わりかと思ったらちょっとあっちで待っててって。 何分たっても来ないものだから私、不安になっちゃったのよ。 そしたら貴方は少し緊張した顔で来ましたね。 何だろうと思ったら急に私の事褒めだして……。頼りになるだとかいつもありがとうだとか。今日って感謝の日でしたっけ?とも思いましたのよ。 そして最後に貴方は私に愛を伝えてくれましたね。 その日は寒かったはずなのに、その時だけ私はぶわっと身体中が暑くなって……気づいたら頷いていたのよね。 何でかは分からないわ。 でも不思議と嫌悪感はなかった。 私は誰ともお付き合いはしないと決めていたのに……。 貴方はとても優しかった。 誠実で真面目で少し不器用だったけれども。 でも勇気を降り出して私に伝えてくれたのよね。顔が林檎の様でしたもの。 初めて言ったのは水族館でしたね。 話が尽きなくて、家まで送ってくれて楽しかったし嬉しかったわ。 会えなくてもきちんとメッセージを送ってくれる。そうやってちゃんと大切にして考えて考えて向き合ってくれていたのを知っているわ。 本当のことを言うとね、貴方が私に気があることは分かっていました。 ふふっ、ずるいでしょう? でもね私は受け身がいいの。 そうね、初めてだったけど楽しかった。 貴方と会えると思うだけで胸が踊りました。 幸せだった。 いつから……いや最初からだったのかもしれません。 好意を向けられることに嫌悪感を抱き出したのは。 会えれば嬉しいのに会いたくないと思ってしまったのは。 友と居る方が楽しいと感じ始めたのは。 好きと分からなくなってしまったのは…。 やはり私に恋愛は無理でした。 恋することは出来ませんでした。 誰かに愛され愛す関係を作れるはずがなかった。 あぁ、でも…… 貴方は私の事知りませんでしたものね。 だって、貴方が好きなのは私じゃなくて優しくて頼りになる仮面を被った私でしょう? 本当の私は、こんなにも愚かで酷く醜い者ですもの。 きっと、私達はただのおままごとをしていただけね。 その時の関係に満足して溺れていただけ。 そこに愛情はなかった。 少なくとも私は貴方を愛せなかった……。 そこに好きという感情はなかった。 終わりは呆気なかったですけど、貴方からケジメを付けてくれたから良かったかもしれませんね。 ひとつ言うならば、 ありがとう。 貴方に伝えたかったのは どうか幸せになって そして、 私の前に姿は見せないで。 もう貴方に対して何も思っていないから。 顔も声も……もう記憶にありませんの。 あぁ、私は誰に向けて書いているんでしょう。 もう名前も分からない……

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手紙にアザミを添えて

𝐃𝐞𝐚𝐫. 𝓜𝔂 𝓯𝓻𝓲𝓮𝓷𝓭

何か直接言わないけど恥ずかしいねこれ。 まあ正直に書くよ。 仲間として、友達として、二人と出会えて今こうやって過ごせてること、本当に心から嬉しいって思ってるんだ。 人には言えない秘密まで話したり、毎日会ってるのに話尽きなくて時間が惜しくて、勝負して罰ゲーム鬼畜なのとかしてきたり、したりとかね。 心配性で面倒見が良くて、人一倍優しくて気遣いやな貴方は自分のことは後回しでそういうところすごく心配。でも私が傍で貴方の代わりに貴方自身を大切にしてあげるから。 人ってさ見た目じゃ分からないよね。私、本当にびっくりしたよ。でも凄く嬉しかった。共通点が増えて話す話題が増えてさ毎日がとても楽しいよ。 真面目で頑張り屋で負けず嫌いな貴方とは初めに出会ったよね。最初はさ敬語でお互いにちゃん付けしてたのにいつの間にかそういうの無くなって、冗談言えるくらいには仲良くなれたよね。最近では一緒にゲームとかしてね。 初めのイメージとは真反対だったけど、それってさ気を許してくれてるってことだよね。 私は今の方が好きかな。うんうん。まあ昔の同級生をねまさかあんな事したのはこわi……ごほんっ。なんでもないです。 まあここでだから言うけどさ、私さ昔、周りの理想でいようって、まあ仮面貼ってたのよ。でもさ二人には何か気を許せるというか、本当の自分出せるというか。 マジであんな事話したのも初めてだからね? 何が言いたいってさ責任取ってよって話。 絶交とか縁切りとか絶対させてあげないから。 将来の道で別れてもさ、仲間じゃなくなってもさ、友達では居させてね。 話ならいつでも聞いてあげる。 悩んだら一緒に悩んであげる。 躓いたら引っ張ってあげる。 立ち止まったら導いてあげる。 何でもするよ。 だからさ、お願いだから裏切らないで。 興味無いとか、気にしないって思っても無でいようと思っても傷つくものは傷ついちゃうんだよ。 二人にあって毎日が輝いてる。 ものすっごく楽しいよ。 貴方達の隣に居たい。 貴方達の隣に見合う人になりたい。 𝒇𝒓𝒐𝒎 ︎‎ 𝓼𝓮𝓲𝓻𝓪

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𝐃𝐞𝐚𝐫. 𝓜𝔂 𝓯𝓻𝓲𝓮𝓷𝓭

月を満たす -三日月-

ルナ視点 あぁ、どのくらい走ったのだろうか。 精霊の姿は見えない。森に入ったのに…。 ガサガサとザワザワと木が揺れる。 怖い……寂しい……もう疲れたな……。 ルナ「っ…!?」 木の根に足を引っ掛けて転んでしまった。 足が痛い…ジンジンする。 起き上がらなきゃ。そう思うのに身体は動かない。 でも、ずっと走ったのだ。疲れて当然だ。 眠気まで感じる。ここで寝たらだめなのに… ルナ「……?」 睡魔に飲まれそうになった時にザッザッと足音が聞こえた。 ???「大丈夫?」 もしかしてエルフだろうか。 目の前がぼやけててよく見えないけど…。 ルナ「た…すけ……」 助けて。誰でもいいから……。 三日月が私を照らしていた。 ルナ「……んん?」 パチリと意識が浮上する。 あれ…ここは? 確か、エルフの国に向かっててその後… そうだ。森の中で寝てしまったはず…… なのにここは外じゃない。 ???「あら、目が覚めたのね」 ルナ「……!?」 急に声をかけられ驚きぶわわっと耳が逆立ってしまった。 ???「可愛いお耳ね。あ、体調はどう?倒れていたものだからびっくりしちゃったわ」 助けてくれたのだろうか。 でも、この人…エルフじゃない。 エルフには尖った耳、金色や翡翠の瞳を持つ。でもこの人の耳は丸いし、瞳は黒だし……。それに見た目的に80歳くらい? エルフは歳をとっても見た目は若いままだ。 この人は……何? 『そうだ。お腹は空いてない?ポトフを作ったの。今持ってくるわね』 ルナ「ぁ…」 でも優しそうだ。 あぁダメダメ。見た目に騙されちゃ… だって、、、 『はい。熱いから気をつけてね』 ことりと目の前に皿が置かれた。 これがポトフなのだろうか? ルナ「……?」 『もしかして嫌いかしら?』 ルナ「ぁ、いや違くて…」 美味しそうな匂いがする。 これは食べれるものだ。 ただ…… ルナ「食べ方が分からない……」 これは手で食べれないから。 『なら教えてあげるわ。まずはスプーンを持って』 ルナ「これ?」 銀製の丸いものを手に取る。これがスプーンっていうのか。 『ええ。それをこうやって持って』 ルナ「んん?」 『そうそう。それで掬って食べるのよ』 見よう見まねだけど何とか掬う事ができた。 ルナ「熱っ…」 ぱくりと食べたら。熱くて舌がジンジンした。 『あらら。ふぅふぅして冷まさないと』 ルナ「……?」 もう1回、掬って息を吹きかける。 恐る恐る口に入れてみる。 ルナ「…!!」 少し熱いけど、でも美味しい。 『あら、泣かないで。お口に合わなかったかしら?』 そう言われて初めて自分が泣いてることに気づく。 ルナ「ちがぅ……おいしいの」 温かくて、胸がポカポカする。 なのに何で涙が出るんだろう……。 ルナ「っ…!」 おばあさんは頭を撫でてくれる。 あぁ……安心する。 おばあさんは泣き止むまで黙って私の頭を撫でてくれた。 それがとても嬉しかったんだ。 ルナ「ねえねえおばあさん!」 ルナ「おばあさん!見てみて!!」 ルナ「えへへっ」 身寄りのない私におばあさんは優しくしてくれた。暖かい家に美味しいご飯をくれた。 何もかも分からない私に1から教えてくれた。褒めてくれた。 幸せ”だった” ルナ「……おばあさん……」 ある日、おばあさんは食料の調達に出かけて行った。よくある事だ。いつもならすぐに帰ってくるのに、その日は帰ってこなかった。 大丈夫。少し遠くに行ってるかもしれない。 明日、帰ってくるはず。 起きたら家にいるよね。 ルナ「……帰ってきてよ…」 次の日もその次の日も 太陽が昇って沈んで、月が出て、消えて、 明るくなって、暗くなって…… おばあさんは帰ってこなかった。 ルナ「……お腹空いた」 いつもはおばあさんが作ってくれるのに。 食べ物がどこにあるかも分からない。 いや、無いからおばあさんは出かけたのか。 ルナ「……」 もう我慢できない。 何か、何か食べれるものは…… 何でもいい。このお腹が満たされるのなら…… ???「僕に任せて」 どこからか声が聞こえる。 だんだん眠たくなってくる。 ???「そう。そのまま身を任せて。おやすみ……もう1人の僕」 ???視点 ???「んー、なんにもないじゃないか」 ガサガサゴソゴソ。 取り敢えず家の中を探ったけど食べれるものは出てこない。 この家、隅々まで整えられてて虫1匹もいないし…… ???「家主も居ないしなー」 もう1人の自分の記憶から、おばあさんは数日前に行方不明と。 せめて、家にいたら食べれたのにな。 ???「外か……」 外なら動物とかいるだろ。 ???「あー。美味し」 ここが森の中でよかった。 おかげで食べられるものがたくさんだ。 長い耳の生き物に、角の生えた生き物、黒とと茶色のしましま模様の生き物に、尖った三角の耳の黄色い生き物……。 ???「んふふ。でも足りないな」 どれも小さい。角の生えた生き物は大きいけど逃げ足早いし蹴ってくるから食べるのも苦労だし……。 腹はまだ満たされない。前みたいに村の中だったらいっぱい食べれたのにな。 獣人族だから肉も美味しかったし、血も美味かった。 ???「あー。食べたい」 自分は食べたら死ぬしな……。 悶々と考えているとふと掠めるある匂い……。匂いがする方向へ走る。 早く、誰かに取られてしまう前に。 ???「ふふっ。みーっけ♪」 木々をぬけた先、そう少し歩きやすい所に出た時、そこにご馳走を見つけた。 倒れている1人の老婆。 怪我をしているのか血が出ている。やっぱり、あの匂いは血で間違いなかった。 どこかで見たことあるがそれよりも空腹を満たされるなら何でも良かった。 ???「いただきます」 ガブリ。肉に噛み付いた。 ???「……ふぅ」 少し物足りないがしょうがない。 あぁ、美味しかったな。 でも、もう少し肉が付いた。そう若い肉が食べたいな。 ???「…あーあ。時間か」 まあそれはまた今度探せばいい。 月が沈む。辺りが明るくなる…… ???「それじゃおやすみ」 ルナ視点 ルナ「あれ……?」 目が覚めた時、そこは森の中だった。 何で?家に居たはずじゃ…… ルナ「……?」 足元に目をやる。 ルナ「え?」 そこには骨と洋服が落ちてた。 ルナ「……おばあさん?」 この服はおばあさんが着てたもの。 じゃあこの骨は…… ルナ「そんな……何で?」 誰が誰がこんなことを…… ルナ「……あぁ……やだ……」 骨を服を抱きしめる。 おばあさんの匂い……間違いない。 これはおばあさんだ。 「おい!何をしている!!」 ルナ「!?」 怒鳴り声のような、大きな声に肩を震わす。 「……人狼?」 「そのようですね。本部に連絡しますか?」 「あぁ、頼む」 同じ服を着た数人の男の人達が何やら話し合っている。そうだ。この人達に頼めば…… ルナ「お願い!助けて!!おばあさんが…」 必死に縋り付く。お願い。おばあさんを戻してと 「おい。離せ!!」 ルナ「ぅ……」 突き飛ばされ後ろに倒れる。 おばあさんの骨と服は地面に落ちてしまった。急いでそれを拾う。 「……お前……まさか!!」 それを見て突き飛ばした人がこちらにずんずんと向かってくる。 本能で逃げなくちゃと感じる。 震える足を奮い立たせて走る。 そうだ。あの家に帰ろう。 「待て!!おい!!彼奴を捕まえろ!!」  いくつか足音が聞こえる。 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。 捕まったらどうなるかは分からないけど、でも、多分殺される…… ルナ「はぁ……はぁ……」 恐怖と疲れで息が乱れる。 でも大丈夫。もうすぐで着く…… あぁ見えてきた…… パンッ ルナ「……ぇ?」 ずしゃっと前に崩れる。 ルナ「あ゙あ゙あ゙あ゙っ」 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。 耳が……燃えるように痛い。 ルナ「ゔゔ……」 手で耳を触る……。べっとりと何かが付く。 その手には赤くて黒い液体が付いていた。 ザッザッザッ 「無様だな」 ルナ「ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」 さっき私を突き飛ばした男が耳を踏んずける。痛みが増す。 嫌だ嫌だ。酷い……やめて…… ルナ「……やめ……」 「あ?人喰いのくせに何を言う」 ルナ「……ぇ?」 「お前が食ったんだろ?」 食べた?誰を?私が? 「何よりも口の周りや爪に付いている血が証拠だがな」 まさか、おばあさんを……私が食べた? そんなわけない。だっておばあさんは食べ物じゃ……。 じゃあ何でおばあさんは骨になってたの? 何で私の爪や口に血が付いてるの? 何でお腹がいっぱいなんだろう? ルナ「あぁ……」 私が、私がおばあさんを食べたんだ。 「おい立て」 ぐいっと引っ張られ立たされる。 どうやらどっかに連れていかれるよう。 でもどうでもいい。 何か言ってるけど分からない。 だって私の頭の中はおばあさんを食べてしまったことでいっぱいなのだから。 ……To be continued🌓

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月を満たす -三日月-

月が満たされる -新月-

かつてこの世界にはたくさんの人種がいた。 見た目も思想も概念も全く違う、それでも共存していた。そう、していた……。 いつからだろうか、互いに互いを傷つけあうようになったのは。世界に存在するのは1種だけでいい。彼らは戦争を始めた。 弱き種族は絶滅、強き種族は生き残った。 しかしそれも束の間、この世から生命は消えた。そう、全て絶滅したのだ。 見かねた神々はもう一度生命を誕生させた。 誕生したのは4種。そして二度と悲劇を繰り返すことがないように互いに干渉しないように世界を4つに分けた。 北には魔力の高い魔族が住むアディシェス 東には知能の高い人間が住むバシャル 南には感情豊かな精霊が住むニュンフェ 西には五感が優れた獣族が住むべスティア 東西南北、それぞれに国をつくった。 世界は生まれ変わった。 世界が分けられた為、同種族しか交流がない。だから、同種族になりきれない者は天涯孤独なのだ。 そう、彼女みたいに……。 彼女の名前はルナ・ルプス。べスティアに住む獣人族だ。 彼女はウルフの血を継いでいた。赤茶色の立派な耳、ガネーットの瞳……だが彼女には尾が無かった。そして何より彼女は獣人族にはない魔力まで持っていた。そう、彼女は火を操れた。 自分達とは違う。たったそれだけで彼女は避けられ差別され遂には閉じ込められた。 陽の光なんて入らない真っ暗な地下底にある檻に。 ルナ視点 今日も独り、狭く暗い部屋で一日を過ごす。 ここを出られるのはいつだろうか。いつになったら両親は迎えに来てくれるのだろうか。いつになったら友達は遊びに来てくれるのだろうか。 あぁ、寂しいな。でも私がいけないんだ。 狼なのにふさふさのしっぽがないから。火を出しちゃうから。 もっと大きくなったらしっぽも生えてくるかな。もっと強くなったら力も制御できるかな。そしたらきっと、ここを出られるよね? あぁ、お腹が空いたな。 誰も来ない。なんで?いつもならご飯持ってきてくれるのに。微かに声は聞こえるからもしかしたらまだ用意してるのかな?でも賑やかな楽しそうな声だな……。 早く食べたいな。 来ない来ない来ない来ない来ない来ない。 なんで?早く持ってきてよ。 お腹が空いたの。 なんでもいいから"食べたい" ???「じゃあ食べようよ」 意識が遠のく。あぁもう死んじゃうのかな? ???「いただきます」 ルナ「……ん…?」 あのまま寝ちゃってたのか。 そういえばお腹が空いてない。むしろお腹がいっぱい……。もしかして寝たから? ルナ「……?」 何で周りが真っ赤なんだろう? そういえば何でみんな、地面で寝ているのだろう? 何で家が燃えているんだろう? この変な匂いは何? ルナ「……やっ…!?」 自分の手は赤黒く汚れていて、右手には引きちぎれた足を掴んでいた。 咄嗟に自分の足元を見る。足は付いていた。 なら、この足は誰の…? もしかして、私がこの惨状を作ったのだろうか。 ルナ「っ……」 逃げなきゃ。直感でそう感じた。 もうここには居れない。 そうだ、国を出よう。ここから南に行けば精霊が住むニュンフェに行ける。 精霊は優しいと聞くし……。人間や魔族の国よりはマシだろう。 走ろう。もしかしたら追っ手が来るかもしれない。 彼女は南に向かって走った。けれども彼女が向かっていたのは南ではなかった。彼女は方角が分からない。いや、太陽や月が東から上り西に沈むのは知っている。しかし、今夜は新月。方角を指すものなんてない。そして彼女は月を知らない。光り輝く星を月だと思い進んでしまった。 ……To be continued🌙

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月が満たされる -新月-