アクヤ

4 件の小説
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アクヤ

イラスト提供→@sumeri_nmuko 主にミステリーを書きたいと思います。 「こんな展開だったのか‼︎」 と思ってもらえる謎の深まる ミステリーを書きたいです。 初心者ですがお許しください。

明日の為の私と明日には居ない君。

─零.─ また明日がやってくる。 私は明日が待ち遠しくて堪らない。 明日には分からないことが沢山あって、 むしろ分からないことしかなくて、 明日生きてる私に、どんな楽しい事が あるんだろうって、楽しみになる。 私は、明日のために今日も生きている。 あぁ、また明日がやってくる。 僕は明日が来ることが苦痛で堪らない。 明日には分からないことが沢山あって、 むしろ分からないことしかなくて、 明日生きてる僕に、どんな苦痛が あるんだろうって、嫌になる。 僕は、明日のせいで生きたく無くなる。 気づいたら君は、明日に居なかった。

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その愛に祝福を。

「ねえ、好きだよ。」 急に言われて、戸惑ったあの日、 君が急に放った、あの言葉。 その答えはもちろん決まってる。 「好き。」 「僕も、好きだよ。」 「だからお願い。」 「早く目を覚ましてよ…。」 数年前、僕は初恋の相手に 告白された。 でも僕は、少し考える時間が欲しいと言って、彼女を突き放した。 本当は、答えは決まっていたのに。 まだ彼女と付き合うのが 怖かった。 僕がそばにいて、彼女を守れるだろうか。 僕の手で、彼女を幸せにできるだろうか。 そんな恐怖が押しかけてきて、僕は本当の気持ちを彼女に伝えなかったんだ。 本当は、いいよって、僕も好きだよって、はっきり言えればよかった。 彼女は、ある日交通事故にあった。 急に赤信号の横断歩道に飛び出したそうだ。 フラフラとした足取りだった、 と言われていた。 僕のせいだ。 僕が、告白の返答を早くしなかったから、彼女は怖くなって死のうとしたんだ。 変な妄想が頭を駆け巡って、 頭を締め付ける。 彼女は植物状態のまま、 数年目覚めなかった。 今となれば僕は新人社会人になっていて、忙しくて彼女のことを忘れかけていた。 ある日のこと。 ふとカレンダーを見ると、 次の日に何か書かれていた。 【彼女が告白してくれた日】 僕はそれを見てやっと思い出した。 目覚める瞬間を、僕が見ていなきゃ。 あの日の答えを、早く返さなきゃ。 そんな気持ちが込み上げてきて、 その日の朝に僕は病院に駆け込んだ。 勿論まだ、目を覚ましていない。 「…好きだよ。 ううん、愛してる。」 だからお願い、どうか、 僕にもう一度、笑顔を見せて。 すると、彼女の手が微かに動く。 「…!」 虫の息だけど、 呼吸もしている。 「桃奈!」 「羅衣…君…。」 「なんだかね、長い夢を見ていた気がするな…。」 「桃奈、僕も好きだよ…!」 涙ぐんで目の前が見えないけれど、 まず最初に自分の思いを伝えたかった。 「あの日の告白…OKしてくれるの?」 「うん、もう絶対こんなことにならないように、守ってみせるから。」 「二度と、離れないで。」 愛は、僕を救ってくれた。 次は僕が、愛で誰かを救う番。 −その愛に、祝福を。

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裏舞台

「いいかエル。」 「物語には必ずしも、 裏舞台が存在するんじゃ。」 『裏舞台…?』 中3の夏、祖父が亡くなる前に 放った一言に、とても興味を惹かれた。 『裏舞台って…どうゆう事?』 私の質問に対して、 痩せ細った腕を伸ばして 私の手の甲に手を重ねながら、 ぽつりぽつりと話し始めた。 「登場人物に、過去が存在しない 奴はおるか?」 『…皆…過去があるから生きてる…。』 「そう。」 その後祖父は、ゆっくりと 起き上がってから話し始めた。 「主人公だけでは、 物語は成り立たぬ。 必ずしもそこには、“登場人物”と 呼ばれている者がおる。」 「どんな物語でも一緒じゃろ?」 『うん…。』 「それを、“裏舞台”と表す。」 「登場人物が存在しなかったら、 それは物語とは言えん。」 「それは、己の世界の話であり、 お主の妄想で できたものでしかない。」 「お前がいつか、 そんな登場人物を作り、 物語を完成させられる事を 願っておるぞ。」 『うん…うん…!』 数年後______________ No,1 【吸鬼 悪夜】 No,2 【真先 神亜】 No,3 【真先 華鈴】 No,4 【村波 萌吾】 No,5 【??????】 『…違う、こんなんじゃない。』 コポコポとした謎の液体の中に 人間の大きさの人間が浮かぶ。 (完成したら処分しよう…。) そう確信した。 祖父の求めていた裏舞台は こんなんじゃない。 「あ、エルちゃーん‼︎」 靡く長い髪が蛍光灯で艶やく 彼はウィダ。 私が作り上げた、初の“成功品”。 「どう?上手くいきそ?」 『…今回も失敗のようです。 駄目ですね。』 「そっか…。でも次もあるよ‼︎ 大丈夫!」 『…ありがとうございます。』 褒められても嬉しくない。 だってこれは、 求めていた“シナリオ”じゃないから。 私は成功してないから。 また…作り直さなきゃ…。 その瞬間だった。 ガシャーーーーーーーーンッ! 『ッ⁉︎』 「…。」 No,5が逃げ出していた。 タタタタタッ 「あ!待て!」 『…こんなシナリオじゃ …ないはずなのに…。』 私はその場に崩れ落ちた。

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誰も知らない…。

「その人…誰?」 「…え?」 中学校の同窓会。 友人が居ないと思い、 仲のいい奴に聞いてみて 放たれた言葉。 他のクラスメイトに聞いても、 誰も知らないと言う。 どうしてだ⁉︎ どうして誰も覚えてないんだ‼︎ 全員に聞いて回っても 知らないの一点張り。 知らないはずない。 アイツは俺の友人だ。 アイツは…俺の…。 あれ? 俺の友人って…誰だっけ?

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