日暮れ
「待ってよ」
私達は日暮れの中、お互い自転車を漕ぎながら歩いていた。
上がりの坂道を駆ける私、そして彼女はそれについてくるように走ってきた。
「やっぱり足が早いなぁ⬛︎⬛︎は……」
彼女は笑いながらこちらへ近づいた。
私は歩きそして彼女は追いついた。
『昔から私は足ははやかったからね』
そう、何気ない会話をする私達は帰り道を進んでゆく。
1月もそろそろ終わり、私達の学校がいれるのも残り僅かだ。
卒業すると私は少し遠い場所に引っ越さなければならない。
「…卒業しても、私は⬛︎⬛︎のこと覚えてるから」
『……私も』
私はそう単調的な返事を返す…こんな会話でいいのだろうか、少し勿体無い気がする。
私達はお互い帰り道を歩きそろそろ夜が更けそうになっていた。
「⬛︎⬛︎ちゃん」
『なに?』
彼女は私にチョコレートを渡す。
私はそれを貰って困惑しながら『ありがとう』と言った。
「2月はみんな、登校期間じゃないし中々会えないと思うからさ。早めのバレンタイン、なんて」
彼女は「あはは…」と、笑いながら静寂な空気が流れた。
『うん、すごく嬉しいよ……ありがとね。』
そうか、彼女と会えるのももうすぐ最後か……
『向こうにいってもいつかこっちに顔を出そうと思う。だからそれまで元気にして』
「そっか……わかった」
私達は別れ道に辿り着く、坂道も終わりだ。
彼女は私に手を振り「さようなら、また明日」と言う。
『さよなら』
そして私は帰り道に自転車を漕ぐのであった。