本当の記憶とは、
2026年4月6日(土)
私は朝、いつも通り何気なくニュースを見た。
───次のニュースです。昨日××紫乃さん二十八歳が逮捕されました。
しの…苗字聞き取れなかったけど逮捕なんて、なんでだろう。歳も同じ。
「あ!もうこんな時間。」
「いってきまーす」
(…って誰も居ないけど)
そう心の中で言いながら家を出た。
私、塚本花(つかもと はな)二十八歳。今日も朝から仕事。
普通に考えて土曜日も朝から仕事なんて信じられない。もう今となれば当たり前のようだけど。
「おはようございまーす。ってあれ進藤さんは今日はお休みですか?」
「そうなのよー。珍しいわね。」
「まぁそんな日もあって当然ですよ」
そうね。と言うこの人は深澤さん。私の教育係だった明るくて、仕事も早くて丁寧で私の憧れ。
よし、今日も仕事するぞーっと。
プルルルルル
その時、滅多に鳴らない私の携帯が鳴った。
…誰だろう。番号も知らないし、怖いから無視しておこう。そう思ったが、その後も同じ番号から何度も何度も電話が鳴った。次第に腹が立ってきた私は次かかってきたら出てやろうと思い、着信を待った。
そして昼休みに入った頃。
プルルルル
「一体誰なんですか?!何度も何度も──」
「はなちゃん?良かった電話に出てくれて、大丈夫だった?」
……え、どうして名前
「誰?なんで私の名前を知ってるの。」
「私、東雲 糸。覚えてる?中学校の同級生だったんだけど。」
── しののめ、いと…全然覚えてない。そもそも中学校に行った記憶なんて……
「ごめんなさい、覚えてないです。…てゆうかそんなことより大丈夫、ってどういうことですか?」
「はなちゃんあの事、覚えてないの…」
「え?」
「……いや、理由は会って話したい。」
そして後日糸さんと会う約束をし、電話を切った。
─あの事って一体…