謝罪
美帆さんは強かった。強いからこそ折れてしまった。
美帆さんはいじめられていた。彼女の机にはいつも花瓶が置いてある。でもそれを無いものとして、窓際に移す。いつも背筋を伸ばして座っている。どんなに平気に見えても本人は辛いはずなのに、誰も見ようとしない。僕もその一人だ。
ある日、美帆さんは初めて行動を起こした。花瓶を大きく振り上げてガシャンと音を立てて割った。その後美帆さんは教室を出た。僕もその後に続いた。屋上に着いたところで美帆さんは僕に言った。「私、疲れちゃった。だから、もう終わりにするね」美帆さんは少し嬉しそうに笑った。
次の日、美帆さんは学校に来なかった。みんなは不登校になったと思ってるけど僕だけは知っている。美帆さんがもういないことを。
ごめんなさい。美帆さん。僕は何もしなかった。臆病だから。
僕本当は美帆さんのこと、好きだったんだよ。