ただの社会人が
50 件の小説『続きは、君が書くんだ。』
誠一の言う通りだった... あはは... あはは.....
うたを探して...
この話は、 まだ私が生まれていなかったある夏から始まります。 私の父「宮谷淕」は、推薦入試で合格した大学に通う為、 田舎から上京してきました。 運動神経も人並み以上の才能を持っていましたが、 人見知りがすごく激しい為、友達は1人もいませんでした。 授業を終えると、バイトに行き、夜遅くにアパートへ帰って作り置きしておいた夕ご飯を食べて風呂に入って寝る。 何ひとつ平凡な、寧ろ何も刺激もない毎日を過ごしていました。 7月20日。夏休み前日の授業。父はいつもと違う人目につかない窓際の席から空を眺めていました。 後から聞いたのですが、父はこの時、あの頃神社で聞いた少女のうたの記憶が蘇ったと語っていました。 父の笑顔は、まるでアルバムで懐かしい写真に浸るかのような温かさでした。 「少しだけ...」そう眠りに落ち着こうとした父の耳元に、 『蝉の声、素敵な歌よね。』 と優しい声が聞こえてきました。 「⁈!...あ、あなたは一体ど、ど、どちら様で...!(小声)」 そう慌てふためく父を見て微笑んだ黒長髪の彼女は、 また耳元で小さく答えました。 「一風 詩音...。」 これが、父と母の、初めてのことばでした。
さい
今日の私と出会えて 本当に良かった 昨日の僕がそっと手を 振ってくれたから 明日のあなたは どんな顔をしてるかな 何百年先の 未来は まだ知らなくてもいいや 常識や当たり前を 受け取る怖さを抱え 誰かが語る価値観を 身に残す勇気も無くて 生まれる命として果たせるものはあるかと 世界に飛び込む光の中で 初めて出会ったのは あなたの優しい声だった 笑う声も 怒る声も 悲しみの声も 僕の為 しわが増えた顔も手も 小さくなった背中も 私の為 お母さんが 教えてくれた 『誰か』への愛し方 お父さんが 教えてくれた 『自分』の愛し方 「ありがとう」 食べること 眠ること 学ぶこと 強く守ること 走ること 歩くこと 辛いこと 楽しいこと 友だちや 恋人や 同じ仲間と 支えて進む道は 何度も うまくはいかないだろう でも 何度だって 変われるから 泣いた夜も 「ごめんなさい」も 優しい温もりも 私の為 寂しい別れも 挫折や失敗も 手にした成功も 僕の為 お爺さんが 教えてくれた 『自分』の生き方 お婆さんが 教えてくれた 『誰か』との 生き方 「ありがとう」 正解だけを探して 自分の本当にたどり着けないなんて それを「人生」とは 言えないな 僕らしい 私らしい 「自分になる為には...」 流した血と汗と涙を集めて 噛み締めた悔しさを強く飲み込んで 握り締めた苦しみを胸に叩いて 傷や痕を残して 前を向いて 最低限の荷物を抱えて 最愛の誰かと手を繋いで 最期まで夢を信じて 最高 と 笑える 自分になろう 忘れないように 無くさないように この御守りだけは 離さないように お母さんが 教えてくれた 『誰か』への愛し方 お父さんが 教えてくれた 『自分』の愛し方 お爺さんが 教えてくれた 『自分』の生き方 お婆さんが 教えてくれた 『誰か』との 生き方 今日の自分が これから見つける 『人生』の話をまた描いたら 未来で待ってるあなたに 託すよ
おやすみアラームは分単位で!
序 静けさを匂わす夜の奥から、太陽が目を覚ました。 すずめの会話、カラスの集会、ぱらつく人々の音と声。 いつもと変わらない、穏やかな一日。 照らす日差しの先には小さな窓。 木製クローゼットのフックに掛けられた学生服、 勉学を終え開かれたまま迎えた筆箱やノート。 白樺のタンスに飾られた数多のぬいぐるみたちもまた 日の暖かさを浴びる。 澄んだ空気、暖かな恵みの光の中、 ただ1人、 広い布団の上でごく普通なパジャマを着た少女は... 今日もまた!眠れなかった!!! 朝風 フミ(16) 彼女は、不眠症である!
『me to me〜拝啓 僕(あなたへ)〜』
突然でごめんね 元気でいますか? この詞は10数年数十年先で会う僕への僕からの 贈り物です 傷ついて傷つけてぼろぼろになった手と心で たった1つでも伝えたいから...。 例え 誰かに馬鹿にされて泥だらけにされても 大切に守りたいカタチある宝が これから巡り合う運命にも負けずに諦めずに 残してくれたなら 僕は それだけで ただ それだけで 幸せです 何よりも大事なかけがえのない想い出だから なくさないで... きっといつか 辛い時は 開けてまた 前を向いて 何度失敗して落ち込んで汗水掻いて走り続けても 「それでも駄目だから」って投げ出さないで 立ち止まって 1人だけで目指す何かよりも 周りにいる誰かの声を聞いて 寄り添って駆け寄って たった一言でもいい 勇気を出してみて 最高が生まれる瞬間いつだって 誰かの手がすぐそばにあるから 悩んで抱え込んで恐さと向き合う日々はもういないさ 笑って ほら笑って最後に「幸せだった」って 言えるなら それ以上の最高って答えの先に待っている光が 手を上げて 「一緒に行こう」って道を歩めるから... がむしゃらにだってなることもあるさ 何もかも捨てたくなることだって十分にあるさ 叶えたい夢へ向かうまでに苦しいことだって たくさんあるさ 1から100まで1人で抱えて 人の言葉も信じられなくなって 誰にも力を借りないで生きていくことを選択肢として飲み込んで 悲しくなって泣いてどこからも始められないと俯いて でも 大丈夫 大丈夫 今ここにいる僕が きっとこの先生きるあなたになる為に 精一杯踏み込んで 笑って 誰かとともに 生きていくから 僕はこの世界で何を残せるのか 父と母がくれた小さな命から どれほど大きくなれるのか 分からないことばかり 知らないことだらけ だから これから先もまだ見ぬ何かを 探し行けるように 今を 強く 生きようと 決めました さぁ ここからが始まりです あなたは僕の想いを受け取ってくれたかな? 下手くそな言葉で書いてみたけど まだまだ足りない位 今 希望に満ちているんだ 未来の僕へ 今何をしてますか? 僕らしく夢を追いかけていますか?叶えましたか? 誰かと手を繋いで歩いていますか? 小さな幸せは手に入れましたか? 子どもの頃描いていた夢は今でも 心の中にありますか? いつかこの詞が 歌になって あなたが世界中に 届けてくれる時を 道を作るから 待っていて その先の未来は あなたがバトンを繋いで 次の僕へ いつか 僕と僕が 目と目を見つめて 「あの頃は...」って 笑いながら 語り合えるといいな 最後になるけど いつまでも ずっとこれからも この詞を大切にしてね 忘れないで また会えるまで 僕から僕へ 「今日まで生きてくれて ありがとう」 -あの日の僕から、今のあなたへ-
『神は祈る』
悪いことを散々してきた人間が どんどん報われて 悪くならないように生きてきた人間が 苦しむなんて ほんと 世の中って腐ってるよな 良い人間がなぜ幸せにならない? 悪人が脳能と甘い人生に は? よく覚えておきな 悪人さん 傷つけられた人は皆 呪いの顔に善人の仮面を被って生きてんだよ 消えたい いのちと 消えない 痛みって 同じなんだよ 苦しいんだよ 悪い人間ってさ 自分の地位を 「最上級」だと 鼻高く笑ってるんだろうけどさ 善い人間ってさ 自分の地位を 幾ら蔑まされても 「馬鹿の相手も阿呆らしいな」って 笑ってやってるんだぜ あぁ みんなそうです この世は 金と恋と名声の欲に溢れてます それだけで 僕らは十分な化け物にもなります 悪人は自慢げに手に入れた全てを 見せびらかし 神々しく堂々と歓楽な道を歩みます 善人はそれをただ笑っているだけ 初めから興味ないから 高みの見物です もしも悲しいことに あいつらがこちらに手を伸ばして 地獄へ引き摺りだそうとしているなら とっとと 蹴落として何もわからない 闇へ捨ててやれ 先に仕掛けたのはあちらです 善人様は 正当防衛です これって どっちが 悪魔ですかね 善と悪 人間は 触れてはならない境界線を 自然と生み出す 愚かな生き物です こんな 気味悪い 濁った 人生になるより 1人らしく 自由な 尊厳を約束された 楽園の方が 幸せですね 命の天秤にかける必要はないでしょう はかりきれない重罪の塊ですから 本当なんて 腐ってるんでしょ この世界の 人間さまって 呪いにかけられた新しい命よ 恵の涙を流して変えておくれ この穢れた世界には 綺麗なあなたの 心だけが 救いなのだから 明日これから芽生える 全ての命よ 強く生き 自由に生きなさい 何にも染まらない そのままのあなたで 生き続けてください
『雨に云う』
彼方 未来よ どこへ行こうと この空を舞う 綺麗なままで 不条理でも 理屈がなくても 曲がらない愛が 応えだから 曇った顔は似合わないよ 泣いた雨に傘をさすよ 晴れ渡る空に自由に生きる あなたがいい 手を取り合おうよ 僕と影(ぼく)で 笑い合おうよ ありのままで 手を繋ごうよ 君と僕で 今日もまた青が 僕らを迎えるよ キミらしく 君のように ただ それだけでいい 遥 世界よ 何を言おうと 望む正解は すぐそばだと たった1人の その言葉で 一生分の 美しさを 霞む声はらしくないよ 濡れた背中に寄り添うよ 幾度打たれても強く生きる あなたでいい 手を振ろうよ 僕から影(ぼく)へ 語り合おうよ 思うままに 手を握ろうよ 僕と君で 明日もほら空が 僕らを待ってるよ 写る君と 映るキミの そのほんの少しの かたちが 目に見える 全てを 描くことなく 我儘に 自由気ままに いつも違った姿を 美しさを 輝きを 無限に また 生み出すんだ 手を広げようよ この果てないそらへ 笑い合おうよ 変わらないままで 手を繋ごうよ この世界にいる全てと 今日もまた青が 朝を迎えるよ 明日もまた空が 僕らを描くよ ハルカカナタ ソノミライヨ ボクラノコエヲ イマ トドケ キミらしく 君のように ボクらしく 僕のように ただ それだけでいい ただ それだけがいい
人間だったら
辛いことが多い人って 悲しい涙を幾多も流す 苦しいことが多い人って 無数の痛みを抱えている 「散々な人生だ」って 消えてしまう人もいる 毎日幸せだって 笑っている人もいる 神様の遊びですよ こんな日々なんて だから抗ってみませんか 自由に生きてみませんか 人間だったら
『誰だって』
『僕は絶対、嘘はつかない。』 嘘である 人は誰だって 人生で1度は嘘をつく 『嘘つきは、泥棒のはじまりだよ。』 つまり 大人は 皆泥棒だ 大きくなるために 嘘は必要なんだから 『嘘をつくと、閻魔様に舌を抜かれるぞ。』 じゃあ みんな 一緒だね 一緒に謝って 閻魔様に舌を抜いてもらおう だって 嘘はつかないって 嘘をついたから 誰だって 嘘をつく人生を 歩くんだよ
護りうた
母の唄声に揺られ 微笑む花が咲き誇る いつかあなたに想いが そっと届きますように 大きな父の背中に 抱えられ泣いた帰り道 いつかあなたの願いが もっと叶いますように 泣かないで 大好きな 大切な 私の愛よ 笑って また明日も 元気で おはようって 手を伸ばして いつまでも 小さくなっても 優しいわたしで いるからね いつまでも 大きくなっても 変わらないあなたで いてね ゆっくりと ゆっくりと 目を閉じて また 明日も 素敵な 優しい あなたと 会えるまで ありがとう ありがとう またいつか あの日のように 静かに帰る場所へ 静かに眠る場所で