北条宗虎

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北条宗虎

学生初心者ライターです。書きたい作品を投稿していくのでよければご覧下さい!

クレッシェンド

「君は天才音楽家だ!」 俺は天才。 そんな事言われなくたって知ってた。 音楽エリート一家で生まれた俺は 英才教育の限りを尽くされた。 周りの奴らが遊びに行っている時でも しょうもないスポーツをしている時でも 俺は音楽を学んでいた。 俺は将来、歴史に名を残す音楽家になるから。 大学はもちろん音大。 国立ソロレイク大学という音楽の名門校へ。 俺はこれまでトップクラスの成績で 風を切って過ごしてきた。 大学でもそれを成し遂げ、遂に世界へ はばたくと信じていた。 いや、それは自信ではなく“傲慢”だった。 私はその大学でフェインという男に出会った。 金髪オールバックで、服も貴族感まる出し。 俺はこの男こそ超えるべき人間だと思い、 この男をライバル視し始めた。 だが俺は人生最初で最後の敗北を知った。 その男は眉目秀麗で、 ビジュアル・音楽スキル・人間性 全てにおいてトップクラスだったのだ。 屈辱的だった。 これまで勝ち続けてきた俺が初めて「悟った」。 俺の負けなのだと。 だが俺はなんとか傷だらけのプライドを抱えて 作曲家として活動を開始。 必ずフェインを超えて世間に認めさせてやると。 だが俺は神というものを信じなくなった。 俺を超えたフェインも作曲家として活動したが、 彼の名前を耳にすることは無くなった。 彼は難聴と鬱になってしまったのだ。 原因も分からない。 彼に活力なんて無い。 若き天才はその才能を奪われた。 だが俺はそれでもプライドを捨てきれず 彼に負け続けていることに気づいた。 彼は才能を奪われて音楽を辞めた。 私は才能を捨てて音楽を辞めた。

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クレッシェンド

【週刊連載】臆夢 第1話

私はあの日、何をしていたのか。 それは今も、そしてこれからも思い出さない。 いや、思い出さない。 今日も何もなく、面白みのない街を歩く。 私は生まれつき“特殊能力”を持っている。 人に触れると、 その人の【過去】で最も後悔した瞬間を 見ることができる。 一度もこの能力をありがたく思ったことは無い。 だがある日、私はこの能力を使って 自分の役に立てようと思った。 きっかけは特にない。 ふとしたいと思ったからだ。 とは言っても、誰かのを見たいという 特定の人もいない。 街を歩き回って人を見つけることに。 すると、1人の浮浪者がいた。 髭が長く生え、髪も手入れされていない様。 その男を見た時、私は落ちこぼれという言葉が 思い浮かんだ。 私はその男に近づき、肩に手を置いた。 その瞬間、目の前は暗転し、 過去が浮かんできた。 白黒の世界で、薄暗く 1人の男がひざまづいて泣いている。 男の子も1人その部屋にいる。 視点は男目線になり、手には涙が。 溜まった涙は次第に赤色に滲んでいく。 私は思わず目を逸らし、現実へと戻った。 浮浪者は私の手をどけ、こちらを睨む。 「気安く触るんじゃねぇよ。」 私だって触りたくて触ったんじゃない。 その男に吸い付かれるように肩に手を置いた。 この男は一体何者なんだ? そして、さっきの過去は一体なんなんだ? とにかく、この男から離れよう。 そう思って歩いていると、 ?「あんた、人の過去見えるんだろ?」 聞こえた瞬間思わず振り向くと そこには1人の青年がいた。

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