『僕らの夜明けに星はない。』 第一章
初投稿のため、少しの誤字脱字はご了承下さいますよう、よろしくお願いいたします。
主人公 獅子堂 光(ししどう ひかる)
浅葱 冷(あさぎ れい)
陸江 拓真(くがえ たくま)
八戸橋 焔(やえはし ほむら)
三笠 風花(みかさ ふうか)
これは、あるひと夏の友情と、少しの別れの物語である。
幼馴染5人の青春の始まりは、夏休みの昼に5人で集まったことから始まった。
私たち5人は、ある夏の日、みんなでキャンプに出掛けていた。
同じ学校で同じ年、家が近くて幼い時から一緒にいた。
「早くおいでよーふーちゃぁん」
そう言ったのは、私たち5人の中で一番の体育会系の、八戸橋焔だった。
風「無理!!死ぬ!!筋肉バカと一緒にするなよ!!!」
こう反論したのは、私たちの中で一番体力がない三笠風花だ。
風花はいつも約束した時間の十分後に来る。
なぜかはわからないが、真面目そうな雰囲気を醸し出しておきながら時間にだけはルーズだ。
「またやってるよ、、、ふぅちゃんとほむらもよく飽きないよねぇ」
「ほんとほんと。でも早くは来て欲しいね」
相槌を打つのは幼馴染5人のうちの頭脳派、陸江拓真と浅葱冷だ。
いつも遅れてきて死にそうになる風花と、それを迎えにきて結局怒られる焔というコントを繰り広げる二人を遠目に眺めている。
そして二人が言う言葉はいつも一緒だ。
そして、私もそれに乗る。
『あれふうこ死ぬんじゃない?』
本当は風花なのにふざけた雰囲気の時は”こ”を付ける。
女には”こ”、男には”お”を付けるのが私流の幼馴染の呼び方だ。
「それはちょっと酷いんじゃない?」
ここまでの流れが、私たち幼馴染の、いつもの日常だ。
〜〜10分後〜〜
「やっと来た。お疲れ、風花。」
一番初めに風花を労ったのは冷だ。
「お疲れじゃないよぉ!あいつほんと筋肉バカ!嫌いだわぁ。」
風花はよく嫌いという言葉を発する。
だが当たり前に、本当に嫌っているわけではない。
「それ酷くない?いつまで経っても風花ちゃんが来ないから?俺?迎えに行ったんだよ?」
「もう少し労わってくれないかなぁ」
このチャラ男のような話し方をするのはやはり焔だ。
焔はいつもチャラい。
まぁ、ただチャラいだけではないから、それが焔のいいところでもある。
「まぁ元はと言えば風花の遅刻だからね。次からは十分早く来ればいいんじゃない?」
ツッコミ役はいつも拓真だ。
「来れるならこんな苦労しないよーだ。」
風花はいつも、それに少し意地悪げに反論する。
『まぁ、遅刻常習犯のふうこのために空白の二十分を設定してるわけなんだからさ。』
『とりあえず、時間もったいないしさっさと行こう、山。』
そう、今日から一週間を予定されているキャンプは、山にテントを張り、5人で様々な遊びをする定期会だ。
夏で昆虫がたくさんいるので、焔と冷にはうってつけの季節と場所だ。
「よし、カブトムシ捕まえようね。風花。」
「焔とやって!」
長いこと無言で山を歩き続けていた。
その無言を打ち破ったのは拓真だった。
「そういえばさ。知ってる?あの話。」
「なんの?」
「もうちょっと情報くれない???」
「なんか、昨日ネットニュースで見たんだけど、なんかの星座?が急に観測できなくなったんだって。」
何だそれは。
冷「星座が観測できない?どう言うこと?」
本当にその通りだ。
「なんか、ある天体学者が日課の星座観測をしてたら、ついさっきまで見てたはずの星座が急に見えなくなったんだって。」
「機械の故障かもっていろんな機械使って沢山の学者が星座を探したらしいんだけど、元あった場所をどれだけ探してもないんだって。」
そんなことがあっていいのか。
焔「なにそれ!面白そう!」
冷「焔ってこう言うのには食いつきいいよね。」
面白いことではないと思うが、確かに理科、時に星についての成績がとてもいい焔にとっては面白い話なのだろう。
『確かに。にしても不思議な話だね。星が見えなくなるなんて。』
私も少し気になったので聞いてみた。
「信じられない話だけど、ネットニュースで見たんでしょ?探せば出るかな」
「出ると思う。1日経ってるし。いろんな情報も出てると思うよ。」
そこまでたくさんの情報はまだ出ていないであろうが、確かに情報は整理され、信憑性も少しは上がるだろう。
『見えなくなったのが確認されたのって日本の場所なの?』
「そうだよ。学者の名前が日本語で書かれてたし、何ちゃら天文台って書いてあったし。」
『別に外国でも日本語に変換されれば天文台って名前になるのでは、、、?』
「まぁそれも一理あるか。」
「面白そうだし、山行くまでの間調べてみようかな。」
風花は興味が出るといつも楽しそうにする・
『星座は好きだし、私、話聞きたいかも。』
「みんな楽しそうだし俺もさんせーい!」
「じゃあ調べてみるね。えーっと、、、星座、見えない、現象、、、っと。」
そんなアバウトで出てくるのだろうか。
「あ、出てきた。えーっと、黒小沢大学天文台の黒子沢一教授が今日未明、ペルセウス座が行方不明になったと発表、詳しいことは、、、なにもわかってないみたいだね。」
「ペルセウス座って何?OK星座じてーん」
「人を某有名AIアシスタントみたいに言わないでくれないかな??」
「まぁいいや。ペルセウス座って言うのは、ギリシア神話に出てくる勇者のことだよ。」
「ペルセウスの12の冒険とかで有名なんだけど、神と人間のハーフで、王様のためにいろんな旅に出て化け物を退治するんだよ。」
「何それ。王様自分で行けばいいのに。」
神話だから。
「ヘラクレスは力も強かったみたいだし、半分人外だからね。駒にはちょうど良かったんでしょ。」
「だからって酷くない?なんで自分で行かないのよ」
だから神話だから、冷。
「どーやらそのヘラクレスのことが嫌いだったみたいだね。」
「神話なら色々知ってるよ。黄道十二星座とかで出てくる獅子座とか蠍座とかは、ヘラクレスが倒した怪物なんだよね。」
私も神話の類は好きなのでよく本などで調べていた。知識だけなら焔に並ぶだろう。
「そうそう!ヘラクレスは冒険の途中で色々な壁にぶつかるんだけど、色んな神様の力を借りて怪物を倒していくの!面白いんだよなぁ。みんなも読まなーい???」
「私は遠慮しとく。」
「星座はあんまり興味ないな。歴史とかならいいんだけど。」
星座も歴史に結びつくところはあるんだがな、、、
「えー面白いのになぁ。。。」
話が脱線しすぎている。そろそろ戻さないと。
「話が脱線してるけど、これってそのヘラクレスが天文台から見えなくなったって話だよね?」
「そーだった!風花ちゃん、話の続きをお願いしまぁす。」
「はいはい。」
「えっと、黒子沢教授によると、ヘラクレス座を見ていたら突然、忽然と姿を消したって書いてあるよ。」
何なんだそれは。
おかしいじゃないか。
「ずっと見てたところから急にいなくなったーって、流石に無理あるでしょ。」
その通りだ。
「でもほんとみたいだよ。」
なぜそうなる。
「それどういう原理?」
「それはわかんないけど」
まぁそりゃあそうか。
「ヘラクレスって、大神ゼウスと人間の間に生まれた子供で、ゼウスの正妻であるヘラはヘラクレスがめっっっっっっっちゃ嫌いだったんだって。」
「もしかしたらヘラに消されちゃったのかも?」
そんなアホらしいことあるのか。
でもヘラなら、あるいはそうするかもしれない。
ヘラは、夫であるゼウスと人間との間にできたヘラクレスをとても嫌い、ヘラクレスを殺すために毒サソリや獰猛なカニなどをけしかけるような女だ。
恐ろしく気高い、まさに悪役という他ない。
「でも本当にいなくなったなら面白いよね。」
「、、、ねぇ、私たちがこれから行く場所ってさ、星がよく見える山なんだよね?」
「そーだよー!公式サイトですっごい評判良かったんだから!」
「じゃあせっかくならさ、探してみない?ヘラクレス。」
「私たちが?」
「大学で教授が機械使ってまで探して見つからなかったのに?わたしたちじゃ難しいでしょー」
「いや、でもちょっと面白そうじゃない?
もしかしたら俺たちなら見つかるかもよ?結構俺ら運いいし!」
「まぁ、暇つぶしにやってみるのもいいかもね、星はどうせ見るんだし。」
「じゃあ全員参加ってことで!」
『じゃあ、行こうか!』
僕らの夜明けに星はない。 第一章 完。