花縁

4 件の小説

花縁

初めまして、かえんと申します。 ※全て創作小説です。 掌編小説を主に書きます。 コメント待ってます!! 文が多少なりともおかしくなっているかもしれませんが、ご了承ください。 誰かの心に響きますように。

依存への油断

※このお話は前回の投稿の彼氏目線です。創作です。 俺の彼女は多分、俺のことが大好きだ。 どんなに浮気をしても、許してくれる。 女の子のツーショットをSNSに上げると、 嫉妬してきて、「別れないよね…?」って聞いてくる。 正直、可愛いとは思うけど、そろそろ飽きたな。 ある日、テレビを見ていると、 「ねぇ、私たち別れよう。」 聞き間違いかと思った。 まさか、あいつが別れを切り出すことなんて、 絶対にないと思っていたから。 「は?急に何言ってんだよ。」 今まで、別れたくないって言ってたくせに、 急になんだ? 嫉妬か?それとも冷め期で構ってほしいとか? 「今までずっと貴方に期待してた。  けど、それは無駄な期待だって、やっと気づいたの。  だから私たち、もう終わりにしよ。    じゃあね。」 初めて見た顔をしていた。 真剣な、何かを決心したような目だった。 ドアへ向かう背中が、やけに遠く感じた。 本当の話だったのか?俺が振られたのか? そんなはずない、構ってほしいだけだろ。 乗っかってやるか。 俺は、ソファから崩れ落ち、倒れ込んだ。 「待って。  全部、俺が悪かった。  もう浮気なんかしないから。  俺から離れないで…」 君は驚いた顔をし、 「嘘だよ、ごめん。離れるわけないじゃん。」 と言い、俺を抱きしめた。 その瞬間、心の中で小さく笑った。 ほんと、ちょろい。

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執着への依存

※この話は恋愛依存や執着をテーマにした創作です。 私の彼氏は“クズ”だ。 浮気は5度も。 SNSには、女の子とのツーショットばっか。 いいね欄、フォロー欄は9割が女の子。 定期的に私の携帯は確認してくる。 なのに、絶対に自分の携帯は見せない貴方。 このことを親友に相談してみた。 「あんたさ、尽くしすぎだよ。  あんたにはもっといい人がいるよ。  さっさと別れなよ、そんなクズ。」 私も別れなきゃいけないことは分かってる。 「でもいつか戻ってきてくれるかもしれないから。」 貴方にずっと期待し続けてきた。 「あんたさ、そんな無駄な期待してる時間が勿体無いよ。  自分が変わるしかないんだよ。」 そう言われて、何かから解放された気がした。 やっと“別れよう”と決心した。 「ねぇ、私たち別れよう。」 「は?急に何言ってんだよ。」 「今までずっと貴方に期待してた。  けど、それは無駄な期待だって、やっと気づいたの。  だから私たち、もう終わりにしよ。    じゃあね。」 これで初めての恋が終わる。 どこか寂しいような、自由になれたような、 複雑な気持ち。 「待って。  全部、俺が悪かった。  もう浮気なんかしないから。  俺から離れないで…」 まさか、涙を流す程だとは思わなかった。 貴方にとって、私は捨て駒のような物だと思っていた。 あっさり、別れを認めると思ってた。 まさか、これも演技なのだろうか。 ただ、私にはそうは見えなかった。 私のために泣いている… 楽しかった思い出が次から次へと、思い出してしまう。 「…嘘だよ、ごめん。離れるわけないじゃん。」 少しだけ迷った。 でも、私は彼を抱きしめていた。 あぁ、やっぱり貴方とじゃなきゃ、私は生きていけない。

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届きそうで届かない

好きな人がいる。 とても可愛くて、でもどこか儚げがあって、 成績優秀で、みんなに優しい。 顔も良くて、何事にも真面目で全力。 何の欠点もない、完璧な人。 そんな君のことを、いつの間にか好きになっていた。 放課後、委員会の仕事で廊下を歩いていた。 クラスの前を通りかかると、 君とクラスの男子が微妙な距離感で話をしていた。 何となく告白だってことは察せた。 足が止まった。自分でも分からなかった。 2人の会話が聞こえてきた。盗み聞きしてしまった。 「ごめん、私、好きな人がいるの。だから、  その気持ちに応えることはできません。」 と君は答えた。 なぜだろう。 自分に言われたように胸が痛くなった。 自分も失恋したような気持ちに襲われた。 一体、君の好きな人は誰なんだろう。 頭の中で疑問や憶測が飛び交う。 でも、 私じゃないってことは分かる。 いつも朝一番に、 「おはよう」 と声をかけてくれる君。 嬉しい。けど、これは “恋愛感情”じゃなくて、“君の温かさ”なんだよね。 …君に出会えてよかった。君に恋ができてよかった。 これからも私は君を想い続けるよ。 いつか、君に伝えられたらいいな。 ※この話は同性愛をテーマにした創作小説です。

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大好きな親友

私の親友はみんなから愛されていた。 性格も良くて、成績もいいし、顔も良い。 先生からも信頼されていた。 そんな君の隣にいることが “苦痛”で仕方なかった。 みんなに比べられる。 正直、辛い。大っ嫌いだった。 けど、誰よりも私のことを理解してくれて どんな嫌味も顔色ひとつ変えずに接してくれる “大好き”な親友だった。 ある日の学校で、 私と親友の服が被って みんなが私が真似したんだと言ってきた。 これは、 親友がお揃いのコーデと 誕プレで買ってくれた服。 たまたま日にちが被っただけなのに。 クラスのみんなが私のことを睨んできた。 私の話は聞いてももらえない。 私は思わず、親友の方を向いて 「大っ嫌い」 と言って、顔を下に向けた。 だってみんな、私が悪いって言うんだもん。 どっちも悪くないのに。 親友の話も私の話も聞かないで。 顔を上げて、親友の顔を見た。 親友は驚きながら泣いていた。 これで私は、完全に悪者判定だ。 みんなから嫌われる、親友にも、きっと。 私は、ランドセルを背負い、 教室を飛び出した。 家へ向かう途中、 私はずっと罪悪感に押しつぶされそうだった。 もう、何もかも嫌になってしまい、 明日から学校も行きたくなかった。 頭も体も重く、無気力状態だった。 もうすぐ赤になりそうな横断歩道を 私は、気づかず、ゆっくり歩いていた。 右耳から車のクラクションが聞こえた。 その瞬間、誰かに肩を押されて、飛ばされた。 聞いたこともない音が聞こえた。 飛ばされて、体が痛い。立ち上がって、 後ろを振り返った。 そこには、横転したトラックと、 血まみれで倒れている親友が居た。 夢かと思った。夢であって欲しかった。 私は、すぐに親友のそばに言った。 まだ、息があった。 「〇〇(親友)、〇〇(親友)。」 まともに息ができなかった。 涙が止まらなかった。 「〇〇(私)、大好きだよ」 小さな声で笑顔で言った。 それが、親友からの最後の言葉だった。 私はすぐに返事を返すことができなかった。 ただただ、 名前を叫び、泣くことしかできなかった。 大切な親友へ 元気? 私、20歳になったよ。成人したよ。 2人で“おめでとう”って言い合いたかったよ。 喧嘩した時、大っ嫌いなんて言ってごめん。 ただ、みんなから愛される貴方に嫉妬してた。みんなから好かれる貴方に憧れてた。 私が赤信号に気づかず歩いた時、 あなたが私を庇ってくれたんだよね。 ありがとうも言わず、本当にごめんなさい。 私もずっと大好きだよ。 次、会った時は、「ありがとう」って、 ちゃんと全部伝えるから。待っててね。               貴方の親友より ※この物語は創作です。

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