ねこ恋
私は春から高校生。バイトもできるし、バイクの免許だって取れる。お金が貯まれば私の好きなボカロP様のCDだって買えるし、安定して大学生になったら仲のいい友達とルームシェアなんてこともできるかもしれない…。
でもそれだけでは満足できない。私だってもうお年頃な女の子だ。彼氏の1人八二人くらい欲しい時期。
さらに今は冬真っ盛り。そう、クリスマス…。彼氏の温もりはみんな欲しい。
そんな中、昨日親友がなんと合コンを予定していたみたいで、
「あんたも来ないかい?」
と誘ってくれた。グッドタイミングだね。
当日は土曜日らしい…。イケメンはいるかな。
そんなことを考えてるときに、1本の通知が鳴る。
「ん?真帆からかな…」
どれどれ……とLINEを開く。ちなみに真帆は私を合コンの誘ってきた親友だ。
(明日の合コン、結構やばいらしいよ)
だってさ。スっスっと手軽に打ち返す。
(何がだよw)
直ぐに既読がつく。また返ってきた。真帆の打つスピードは話す速さとほぼ同じだ。
(イケメンしかいないよ!これはチャンス!)
(ほんと真帆はイケメンすきだね)
(いや、当たり前だろw)
(ちなみにそのイケメン共の名前は?)
(いやお前もノリノリかよwww)
そりゃ私だって彼氏とか欲しいもん。
(んっとね、確か佐々木優希とかいうやつ…と、ごめんその人しか覚えないわ)
優希?どっかで聞いた事ある気がする。
(ん〜了解。じゃね)
会話を一旦辞めて考え事をする私。佐々木優希…その名前がずっと引っかかる。なんだろう…このモヤモヤは。ドロドロして気持ち悪い。奥歯に引っかかった感じ…?もう少しで思い出せそうなのに…。
でも私は頭が悪いので考えるのをやめた。まあ、土曜日に会う訳だし、今考えても意味ないよね。
私はベッドにダイブする。
すると突然頭に記憶が蘇った。
小学生の頃よく一緒に遊んだ男の子。名前は“ゆうき”漢字は知らない。
合コンに来るのはもしかしたらその“ゆうき”かもしれない…。だとしたらかなり気まずいな笑
少し思い出したからちょっとだけスッキリした。ベッドの上でスマホを弄りながらゴロゴロする。今の時間は5時50分。私の家の近くに住んでいる野良猫は大体いつも6時くらいに来る。オッドアイの可愛い猫だ。いつも私の部屋の窓のところまで来て餌を求める声でミャーと鳴くのが超絶可愛い。
スマホを弄り出してから20分が経った。6時が過ぎても猫が来ない…。何かあったのだろうか?事故でも起こしていたらと考えると冷や汗がツウ……と額を流れてくる。どうしよう。あの猫が死んでいたら。合コンなんて行けないかも。
考えるより先に私は靴を履いて外に飛び出していた。
どこにいるの?