深月せは(みずき せは)
2 件の小説求めてないから、
私がいい子のフリをするようになった理由 それは嫌われたくないからだと言った。 そう思い始めたのには、嫌われてしまった過去があるからだ。 ♢ 私は小学校の時、心の底から笑って明るく、本音が言える子だった。 でも小学校6年生の時、いじめにあったんだ。 暴力ではなく、ただただ悪口の書かれた紙が引き出しに入ってるだけ。 無視されて、精神的に追い詰められる日々だった。 最初はすごく仲が良かった。 みんなで遊びに行ったりもした。 周りから見たらびっくりだと思う。 あんなに仲の良かった私たちが、急にバラバラになったのだから。 お互いのすれ違いで始まった喧嘩。 それがエスカレートして一方的に虐められるようになった。 私が本音を言ったから。 友達を否定したから。 だからいじめられた。 虐められるのは嫌なんだけど、それはどうでもいい。 【嫌われた】 この事実がある事が嫌だった。 私は誰にも嫌われたくなかった。 だからいい子を演じることに決めた。 それが自分をここまで苦しめるとも知らずに… いい子を辞めればいいなんて言う人もいると思う。 でも、辞めたら辞めたで嫌われる。 それが怖いから、今日もいい子のフリをする。 誰も本当の私なんて必要としてないから。 誰も、本来の私なんて求めてないから。 もうどうでもいいのだから… でも私は、出会ってしまった、
嫌われたくないから、
AM6:00 ピピピピ 一日の初めに聞く音は、 この目覚ましの音。 壊れたようになるその音は、いやでも耳に入ってくる。 今日も学校。 申し遅れました、私は瀬戸れいかと申しまして、白谷(しらたに)高校で生徒会書記をしている高校1年生です。 ……絶賛片思い中です。 ですが私は家族にも友達にも先生にも 『いい子』 を演じています。 『嫌われるのが怖いから』 ただそれだけの理由で。 さな 「おはー」 『おはよー』 この子はさな。いつもハイテンションな女の子。語尾にいつもビックリマークがつく。私はいつもこの子といる。 さな 「でさー!そのパンケーキ屋さんがめっちゃ美味しくてさー!放課後れいちゃんも一緒に行こうよ!」 『いいね、行こ行こ』 ほんとは家でのんびりしたいけど、 生徒会はお休み。言い訳がない。 気分じゃない、なんて言うと空気が持たないから私は今日も話を合わせる。 正直映えとか分からない。 知ったこっちゃない。 《本当の》私には無縁の世界だ。 さな 「チャイムなるっ!また後でね!」 『うん、また後で〜』 話す相手が居なくなっても、 クラスメイトがいるから気を抜くことは出来ない。 いつだって『いい子』を演じることが 今の私のやるべき事だから。 それで嫌われないなら、 いつだって演じる。 疲れるけど、 それが自分を守る方法だから。 next ▷ ▶︎ ▷