今はない、四季
日がまた短くなって
終わり始める夏
また寂しくなるなんて
独りよがりの感想を放つ
バス停の小さい屋根には
いつしか蜘蛛の巣ができなくなって
私だけ蚊に刺されるなんて
理不尽ももう味わえないの
結局走り回るあの子を
眺める時間が楽しかった
いつも見る知らない会社のビル
思ったより多い貸コンテナ
日常はいつか風化して、そして思い出になる
花が咲く、散り枯れていく
どうしようもない輪廻の中で
何事もないような顔してる 大人がまだ怖いよ
大人になるってなんなんだろう
世界への興味をなくすこと?
日がちょっとずつ長くなって
また始まる1年間
また悲しくなるなんて
ひとりぼっちの世界で言う
学校の昇降口には
毎年つばめが巣を作ってて
掃除の時ちょっと眺めてた
そんな日々はもう二度と来ない
バスの通る昔行ったファミレス
そういえばしばらく外食なんて行ってないな
"いつも"はいつか思い出になって、そしていつか"そんなことあったね"なんて 簡単に忘れてしまう
ルールはいつか改正される
僕らの服の系統は変わる
あそこのパチンコ屋は薬局になる
習い事の教室は潰れる
変化に毎日押しつぶされそう
でも目立ちたくはないから
今日も慣れてるフリをする
押し殺すのが悪い事だとするのならば
世の中みんな罪人じゃない?
自己主張がでしゃばりだと云うのならば
みんなロボットになるつもりなの?
葉が染まる、散り枯れ木になる
受け入れるべき輪廻の中で
いつものことのような顔してる みんながまた怖いよ
成長するってなんなんだろう
日常から目を逸らすこと?
花が咲く、散り枯れていく
どうしようもない輪廻の中で
楽しそうな顔してる あの子みたいになりたいよ
悲しそうな顔してる あの子の隣にいたいよ
賢くなるってなんなんだろう
花壇の隅に生えた雑草は
私を受け入れてくれた気がした