新規ユーザー

2 件の小説

新規ユーザー

ソフトクリーム

『ねぇ ソフトクリーム食べたい』 そんな声がした。 私は「うん そうだね」と言い、 ソフトクリームの店に行った。 あの思い出のソフトクリーム あの子が好き“だった” 甘いソフトクリーム。 その日はその子が ソフトクリームを食べたいと 聞かなかった。 私は呆れながらも可愛いと思い、 一緒にソフトクリームを買いに行った。 交差点の手前、 左側にポツンと建つ そんな店。 あの子は大喜びした。 私が「今日は何にする?」 と声を掛ける。 楽しそうにメニュー表を見て、 結局普通のバニラを選択した。 近くの公園で食べようと、 交差点に差しかかろうとしていた。 そこで、起こってしまった。 その子が事故にあってしまったのだ。 交差点を渡ろうとしていたあの子に、 少し大きめの乗用車が脇見運転をしていて、 あの子に気づかず轢いてしまったのだ。 まだ若いあの子が。 私の唯一の宝物のあの子が。 目の前で血だらけで倒れている。 普段泣かない私でも、 この日は涙を我慢することが出来なかった。 そして今日が命日。 今日も聞こえるはずのない “あの子”の声が聞こえる。 そしてソフトクリームのお店に寄る。 そして言う。 『今日は何にする?』

1
0

クリップ

「あれ そんなクリップ持ってたっけ」 紫音が相棒の桃に声をかけた。 「あぁ うん 紗希さんから貰ったの 沢山持ってるから2つぐらいどうかって」 「へぇ〜… そうなんだ」 少しモヤッとしてしまった。 あっちからしたら、 ただクリップをあげただけ、ただの優しさ。 でも何かが引っかかる。 自分の知らないところで、 相棒がなにか貰ってる。 それだけ。 なのに…嫌だと思ってしまった。 いつからだろう、 こんな自分になったのは。 親友を、 相棒を そういう目で見るようになったのは。 最初は友達としか見てなかった。 唯一の友達。でも途中からなにか違った。 支えてくれる嬉しさが、 嬉しさを共有してくれる幸せが、 愛情になり、そこから順々に変わった。 今のクリップだって、ただのクリップ。 だけど何か違う。 相棒が知らないところで 勝手に貰ったクリップ。 しかも知り合いから貰ったもの。 無性にイラッとしてしまった。 彼女の自由なのに。 相棒が頼んでもらった無いはずなのに。 モヤモヤする。気持ちが整理できない。 「?どうしたの…?紫音ちゃん?」 「ん?いや…なんでも」 私は最低だ。

3
0