空愛
4 件の小説白いゼラニウム
彼女に向日葵の花束を渡した 向日葵の花束なんて中々ないと思う だけど俺は向日葵を選んだ 向日葵の花言葉は 「私はあなただけを見つめている」 俺は彼女を愛していた 彼女だけを見つめていた だが彼女が見つめていたのは 元彼だった 彼女はずっと愛してるよと言ってくれた ずっとそばに居ると言ってくれた だが俺が仕事帰りに歩いていたら 楽しそうに笑いながら手を繋いで歩いてる 彼女と元彼をみつけた だから俺は帰り道に花屋によって 「白いゼラニウム」を買った 家に帰り彼女の帰りを待ち 彼女に「白いゼラニウム」を渡した 彼女は喜んでいた 「白いゼラニウム」が 「赤のゼラニウム」になった時 俺はやっと目が覚めた 「あ、俺、何してんだろう。」 俺はまた「赤のゼラニウム」をもっと赤にした 2人倒れる横のスマホの画面には 「白いゼラニウム」の花言葉が調べられていた 「あなたの愛を信じない」
彼岸花
「ねぇ、彼岸花がなんで赤いか知ってる?」 9月も終わりそうな薄暗い夜に 隣で彼女が言っている 俺は花には詳しくないし 知るはずがない 「知らないよ」 「彼岸花はね昔そこで亡くなった人がいるんだよ、だからその人の血で赤いの」 俺の彼女は頭がいい訳でもない どこで知った話か分からない話を良くする だけど何故かその話は忘れられなかった 2人で話しながら散歩する ただそれだけでも楽しかった 赤い彼岸花がこの時期は沢山ある その中に白い彼岸花もあった 「白い彼岸花だ!!!」 彼女が嬉しそうに言う 俺はあの時の話を思い出した 「白いってことはあそこでは誰も亡くなってないってことだね」 「そう言うことになるね!笑笑」 彼女も納得げに頷きながら笑う そして1年すぎまた彼岸花が咲く時期になった 歩いていたら『青い彼岸花』を見つけた 「青い彼岸花はどうゆう意味かな?」 俺は墓の前で問いかけた もちろん返事などない 墓の周りには『赤い彼岸花』が咲いて 風に揺れていた
口癖
俺の彼女の口癖は 『過去のことを後悔してもしかない、 だからこれからは後悔しないように生きる』 俺は受験に追われていた 勉強なんて普段してなかった俺にしては とても辛い日々だった 何もかもが嫌だった 担任に言われた選択科目も全く意味がなかった 難しく苦痛でしか無かった 俺はずっと後悔していた その事で何回も泣いた 彼女の前でも泣いてしまった 彼女の前で初めてこぼした弱音 「もう辛い、もう嫌だ、後悔しかしない」 「学校にも行きたくない、もう死にたい」 そんな時に彼女はいってくれた 「昔のことを後悔してももう戻れない」 「だからこれからは後悔しない選択をして 後悔しないように生きよう」 俺はこの言葉に救われた やっぱり俺の彼女最高だよ 年月がすぎ受験も無事終わった 彼女が作ってくれたお守りのおかげもあり 大学は無事合格 だけど隣には もう彼女はいなかった 彼女は後悔なく生きていけたのだろうか 今でも彼女の『口癖』は 俺の心の支えのままだ
彼女の変化
私と彼の会話にはいつも何かがかけていた。 私には付き合って1年になる彼氏がいた。 どちらかの機嫌が悪いと会話に色が無くなる 白黒の何も愛もない冷たい会話 私はその会話が嫌いだった 不安、寂しさ、別れてしまうという恐怖 全て襲ってくるからだ 私はそうならないように「!」を 使うようになった 後になって思う 「!」の力はすごいと。 これを読んでいる皆さんに問わせてください。 「うん」と「うん!」 このふたつ意味は同じで特に深い意味もない だが「!」のおかげでだいぶ印象が違う 私と彼は「!」のおかげで日々の喧嘩が とても少なくなった そんなある日彼から言われた 「なんか最近メッセージの返し方変わったね」 彼にも気づかれていた だがあんな雰囲気が嫌だとなんて言えず 「そうかな?」と誤魔化した もし会話から「!」が消えたら彼は私の変化に 気づいてくれるだろうか 『ねぇねぇ!!明日どうする??』 『12時に𓏸𓏸駅で。』 『わかった!!!』 俺はこの「!」をもう見なくなるとは知らず 普通に会話をしていた 『𓏸𓏸くん。大事な話があります。今すぐ𓏸𓏸病院へ来てください。』 俺はすぐにわかった 「!」がない 彼女からの連絡では無い 飲酒運転による交通事故だった 彼女の引き出しには私にもしものことがあったら𓏸𓏸へ渡してくださいと書かれた手紙がいれてあった 「!」だらけの彼女の手紙 𓏸𓏸くん!幸せになってね!!!