柚猫
7 件の小説純粋魔法少女💫
魔法少女 キラキラ可愛くて強い女戦士 使い魔がいる子もいて可愛いステッキを振りかざす 女の子達の憧れ 純粋なまま無垢なまま大人になるのが条件らしい だから私は可愛くキラキラしたまま成長しなくてはいけない 可愛い物を持って笑顔を愛嬌を振りまき 誰も彼も可愛いと言わせるよう思って貰えるよう 褒められるよう…大人に褒められ 正しくあるために なのに…子供達は残酷だった 「猫かぶり」「ぶりっ子」「いい子ちゃん」 「八方美人」「優等生」「つまらない」 でも不思議とその声は全く届かなかった 正しい事をして何が悪いの? 大人はこんなに褒めてくれる それが“正しいコト”なんでしょ? なんであんな事を言うのだろう、 そっか…皆羨ましいんだ 魔法少女は悪い悪を粛清する だから皆のドロドロした悪を 浄化してあげれば良いんだね! 綺麗に書き留められたノート どの教科も全て完璧に書き上げた物 褒められるよう誰よりも書き上げた、でも 皆はそれが面白くなかったみたい 隠され無くされたノート 宝探しだね!よーし探すぞ! でもふと頭に浮かんだんだ テレビで見た悪はまさしくこんな人達のことだった 不思議と不快感や悔しさは無くて あぁ…悪の元は助けてあげれない 強い力には弱い悪が集まりどんどん膨れ上がる 私が消してあげないとだ! 純粋でないと全ての皮肉の意味が分かってしまう 純粋なら皮肉の文字なんて永遠に浮かばない そもそも意味が分からないのだ 大人の都合で面白かったものが パタリと見れなくなったり 教育に悪いからとおもちゃが買って貰えない家庭 勉強だけで正しいだけを叩き込まれる子供 でも魔法はそんな人達をひっくるめて愛してあげれる 可愛い呪文とステッキで、でも私にはステッキなんてなかった 道に落ちる枯れた木の棒にマスキングテープや モールをぐるぐる巻きにしてデコったものだけが手に握られている でも不満はないんだ、私専用のステッキ… 柄のないただのピンクのマスキングテープ 純粋だという事は経験も不慣れで 柄も形も固まってない… ここからビーズという 希望と シールという 経験… キラキラした千代紙と 私という人物の枝 でもそんなものは要らない、この笑顔は偽りでは決してないと 言い切れるよう いい子で居れるように、着せ替えシールのように 着せ替え人形のようになにも考えず可愛くなれたら良いのだ… 純粋な事は… 正しいという事は… 皆の輪から外れないという事は… 人から褒められる事は… そんなに重要なものなんでしょうかね…
首無しおいなりさん
“ねぇ知ってる?” “え、何?” “首なしおいなりさんの噂!” “うげ…また〇〇の噂シリーズ…” “それがね!そのおいなりさんの首を見つけたら!” “見つけたら…何よ” “なんでも願いが叶うんだって!” 最近そんな噂が女子の間で人気らしい、 首なしおいなりさん… 昔からある神社のおいなりさんだ。 片方は首があるがもう片方が 皆の言う首なしおいなりさん… 昔の事故で無くなって それ以来…何処にも見つからないんだとか、 それがどんどん尾ひれが着いて 首なしおいなりさん…願いを叶えるいなりになった。 …なんて大きな話にしたみたいだけど そんなの…首の石だっていい石なんだから 回収されたに決まってる… 探すだけ無駄… そんな女子を横目に欠伸をしながら 鞄を持って教室を出た でももし叶うなら…なんて思いは誰でもあるだろう 興味が無いわけではなかった、 ただそんな物、前例がないのによくこの噂が人気になったのかが 気になったんだ 好奇心は猫をも殺すなんて言う言葉がある これが普通の好奇心か分からないけど 皆が目を向けない、向けたがらないとこに 俺は興味を持つことが多い 神様やそういう話は全部嘘くさくて、 ガキの頃から今まで1回も信じた事はないが 悪魔や妖怪は本当にいるんじゃないか? なんて思った事はある それを世間では厨二病と言うのだろう… まぁ、何を言われても俺は俺 厨二病でもなんでも言えばいいと思う 結局自分の好きなことをしたヤツが勝ちなんだ世なんて 早速俺はその噂の神社「首狐神社」 首なし稲荷の噂に似つかわしい名前 ウケ狙いで首飛ばしたんじゃないか…? 承認欲求ダダ漏れな奴らならやりかねないな 一見はただの普通の神社…でも肝心の 首のない稲荷像がどこにも見当たらない なるほど… 首狐神社という名前でこの噂が経ったというわけか 「んだよ…面白みの欠片もないじゃん」 ミリでもあるかもなんて思った自分が バカバカしくてため息混じりに足元の石を カツン!と蹴飛ばした 蹴飛ばしただけ…のはずだった その足元にあった石は普通の石では なかったようだ ずっしりと重いそれは 銅像の頭……… では無い…? 人…人だ…人の…頭だ。 それもその頭は…見覚えがあった 知り合いの頭…それも蹴飛ばしてしまった… 罪悪感と恐怖では片付けれないその不快感 そうか…前例をあげられないんじゃない 話す前に消されるからないんだ… 記憶も何もかも… その瞬間背後から葉が踏み潰されるような 音が聞こえ、そこから俺は記憶を無くした “ねぇ知ってる?” “え、何?” “首なしおいなりさんの噂!” “うげ…また〇〇の噂シリーズ…” “それがね!そのおいなりさんの首を見つけたら!” “見つけたら…何よ” “なんでも願いが叶うんだって!” くだらない……
ハッピーエンドの裏側へ
主人公が魔王を倒す、それがRPGでのハッピーエンド だが、その裏側は…敵側からしたらそれは バットエンドだと思うんだ でもそれは否めなくてどのRPGも物語も 悪を切り裂くことが物語 じゃあ自分達が逆の立場…悪側なら その死を軽く受け入れれるのだろうか 自分は悪だから倒されて当然…なんて言えるのだろうか 当然痛みも伴うその行為を 仲間の知らない場所で消えるその瞬間を 「悪だから」 で、片付けれるのだろうか
サイダー
貴女が嫌いだ、綺麗な貴女が嫌いだ… サイダーを飲み干して嬉しそうに笑うその 横顔がたまらなく憎たらしくて仕方ない… 屋台にはしゃいで前へ前へと走ってく貴方が嫌い… だって何がいいのか分からないから りんご飴を頬張ってる貴方が嫌い、 こんな物いつでも食べれるのに今なんて… 花火を指さして笑う姿も嫌い… だってね…大きな音で声が聞こえないでしょう? 全部嫌いになってしまったのは もしかしてきっとあの夏からなのだろうか… サイダーの炭酸は少しコップをゆすらなくても パチパチと弾けて抜けていく 当たり前の事だ 人間は少し衝撃を与えればすぐコロッと 逝ってしまう …これも当たり前の事だ。 だから貴女を嫌う事で遠ざけれると思った、 最低で馬鹿な私から。 貴女の気持ちが全く読めない私が嫌い だって、人の気持ちなんか読めるわけが無いから 貴女の手を取れなかった私が嫌い だってさ、自分の無力が目立つもの 貴女の相談に乗れなかった私が嫌い だってね…貴女は何も話してくれないから… 言い訳だけが夏夜空に咲く、 サイダーが花火みたいにぱちぱちと消えて… 自分の価値も甘く弾けてしまうのだろう。 線を抜かれた炭酸は抜けてくしか無いから… 貴女も私に愛想をつかしたことだろう… 知ってる?炭酸は…機械さえあれば 復活できるって、まるでAEDだ あれがAEDなら心電図はなんだろう、 心電図は貴女の部屋の明かりにしようか。 今日は留守かな… 今日は居るんだ… 最近つかないな…
2人ぼっちの夕暮れ
あの子は一言私に言った 「もう疲れたんだ」 その言葉を聞いた時どこかホッとした自分がいた いや…驚きすぎて逆に言葉が出なかったのかもしれない 生きるのは死ぬことより難しくて その中彼女は疲れてしまったと話す だれよりも頑張ってる子だった そりゃ疲れもする… その子を前に私は 「じゃあ…」と言葉を続けた 「じゃあ私も連れて行ってよ」 辛そうな相手の顔と反対に 思いっきり良い笑顔で言ってやった 私のその言葉を聞いたその子は目を丸くして 何でアンタまで死ぬ必要があるのか… アンタは人気者なのに… アンタが死んだら悲しむ人はいるのに… なんて言いたげに 「あなたが死ぬなら私も逝くよ」 別に同情では無い 何となく出た言葉だった 疲れている訳でもない ただ…ほんとにただ自分の口から出た言葉 愛してもらえる人もいる 友達もいる…クラスの人気者 でもあの子は何一つ無かった 家族も私以外の友達も学力も…の上にいじめられっ子 何でもある子何もない子… 真逆な2人でも影だけは平等に 夕暮れに伸びるのだ 「そうだ、逝くならさ…最後に神社…行かない?」 この近くには今にも取り壊されそうなボロボロで 誰も見向きもしないような神社がある 今のアナタにピッタリだと思った 柱が焼き崩れれば全て倒壊するするように 今のアナタは私という柱がなければ倒れているのだろう 「来世も一緒にこうやってもう1回死ねるよう祈ろうよ」 馬鹿だなぁ私…アニメのように転生なんて できっこないのに それでも…それほど貴方が大好きな友達だったから 何度でも何度でも死ぬ時は笑顔で あぁ!最悪な人生だった! と笑えたらどうでもよかった それでもあの子はこう言うんだ 「貴方には生きて欲しい…」 それはこちらのセリフだと言うのに 「私はね…アンタがいれば家族も 今の友達もいらないんだぁ〜おかしいよね!」 貴方が何を言っても私は笑顔で何でも答えてやった 笑顔な私と真逆にどんどん泣き崩れるアナタ 何処までも私達は似ていない 全部が真逆 その時貴方が口を開いた 「神社の帰り…いつものカフェ…行こっか…」 この状況で、泣き顔のままそう言った 「そうだね、どこでもついて行くよ」
貴方の悩みを聞きませう📖
おや…?これはこれは、ようこそお越しくださいました、 ここは悩みの書庫…人間誰しも持つ本を 私はここで管理しています。 悩みの数は人の数…貴方の悩みの書物も ここに眠ってることでしょう… さぁ、貴方の悩みを呼び起こしてくださいな 君の悩みは何かな? “僕はお母さん達が仲良くして くれないのが悩み…” 成程、君の本はあの本棚の真ん中… 淡く白く光る本を探して取ったら 正面のドアからお帰りください。 貴方の悩みは? “何も成功した事ないのが悩みです” 成程…貴方の本は壁側の隅っこ… 灰色に光る本を見つけたら 正面のドアからお帰りください さぁ貴女も “どこにも居場所がないのが悩みです” 貴女の本はあちらの本棚… 緑に光る本を手に取った後 正面のドアからお帰りください、 足元に気をつけて。 貴方は…… 貴女は… 君達は 悔いなく生きれているんでしょうか さぁ貴方は? “あいつが悪いのにここに来たのが悩み” そうですか、貴方の本はあの本棚の 下から2段目 黒に光る本を見つけたら 左手のドアからお帰りください 貴女は? “あの人が私を裏切ったのが悩み” 成程…貴女の本はあの本棚の隅っこ… 赤黒く光る本を見つけたら 右手のドアからお帰りください 貴方はどんな悩みかな? “自由になれなかったのが悩み” 貴方の本はあちらの奥にある本棚の2段目… 灰色に光る本を手に取った後 左手のドアからお帰りください 貴女はどんな悩み? “記憶が無いのが悩みです” 困りましたね、それでは白紙の本になって しまう…あちらの席でお待ちください 題名も内容も分からない本は全て白紙… 案内された本しかここでは色づかない、 何も悩んでいないのに悩みはと聞かれたら出ないでしょう? でもそれは詭弁、あっても言えない…言えない方のためにこの悩みの書庫は存在するのです。 最近では…言えるが来る、というお客様もいらっしゃいますがね。 その人の悩みは他の人には面白く あの人の悩みは他にはくだらなく この人の悩みはつまらなく 貴方にとってはとても悲しく さてそちらの貴女も 縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ おやおや…そうですか、 貴女は特別にこちらから本を支給しましょう 君の悩みは? 縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ ふむ、君の本はこちらから出しましょうね そちらの隅に居る貴方は? 縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ それは残念… ですが悩みとして受け取りましょう、こちらの本をどうぞ 貴女は… 縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ あぁ…君には… 縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨 あぁお客様が壊れてしまわれた…大丈夫でしょうか…裏の休憩室をお貸ししましょう、 その間この本をどうぞ 縺ェ繧薙〒遘√′縺薙%縺ォ譚・縺溘°蛻?°繧峨↑縺??縺梧か縺ソ そんな事はありません、これは大切な任務 導く書庫なのですから だってそうじゃないですか、 本に書かれた物語はその物語のシナリオでしかない… マッチ売りの少女のようなバットエンドも 浦島太郎のように良い行いをしてあの仕打ちでもそれはシナリオだと片付けられるのでしょう? フランダースの犬も人魚姫も赤ずきんちゃんだって… それならシナリオを書き換え良い方向へ塗りつぶして書き換える、優しいでしょう? 泡になったはずの人魚姫だって死ななかった事になるんです 雋エ譁ケ縺ッ髢馴&縺医※縺?k では貴方にとってのハッピーエンドとはなんでしょうか 雋エ譁ケ縺ッ髢馴&縺医※縺?k 実の所私も分かりません、何が正解なんて 作者しだいなんですから ですよね?ここまで話を聞いていた貴方も そう思うでしょう? 悪い良いなんて関係は無い、主人公にとってはハッピーエンドでも敵からすればそれは どうせバットエンドなのだから あぁそういえば…貴方の本、見つかりましたよ これでもう白紙ではありませんね…… おや、帰ってしまわれたかな? …?鏡にはあの人がいるのですが… 成程…これは…私の本でしたか
狐の嫁入り
【第1章】 狐の嫁入り…晴れているのに雨が降る事、 それを皆そう呼ぶ。 しかしそれがもっと違うものなら…なんと思い考えるのでしょう。 今から語るものは何年も…いえ、もしかしたら最近かもしれない…そんなお話。 皆さんは1度だけでも狐の嫁入りという言葉を聞いたことがあれど裏を知ろうとした事はありますか? まぁ…人々が気にするほど大したものでは無いかもしれません、ただ…その中…それがとても深い意味を持っていたら… 貴方はどう思うでしょうか ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ “ねぇおっとぉ、なんで僕達にはおっかぁが居ないの?” 元々産まれ物心ついた頃にはおっとぉだけが家族と思っていた、 だけど時折おっかぁ!と元気よく駆け寄っている童を見かけるのだ、 おっかぁとはどんなものなのだろう…そんな疑問を父親に問いかけた。 でもおっとぉは少し下を向き “…そうだな、不思議だよな…” それだけ答えた、なんのヒントにもならないなぁ…もしかしたらおっかぁは自分を捨ててどこかへ行ってしまったのだろうか、 それなら悲しいな…と心のどこかで思っていた。 この村はおっかぁという存在が居ない子が多い… いや言えば女性が圧倒的に少ないんだよ、 でも逆に、女の子は多い… 今もあの小屋でお手玉とかしてるんだもの。 でも子供を産んだ母親は次の日から疾走する、 大人達はそれを慌てること無く森に手を合わせ。 何かを願っている、もしおっかぁ達がどこかに行ってしまいその後運を願っているならこの手を合わせる先に行ってみよう、 と僕達は僕入れて男2人女の子1人で探しに出る事にした。 それは禁忌でもある森の奥の奥、子供は立ち入ることを許されぬ 神社がある場所である…そこは皆の中でも微か微かに噂される幽霊神社…まぁ子供には怖かろう、 だがそこにおっかぁがいると思えば足が動くのは必然…困難な山道を慎重に歩き少し開けたとこで僕達は 3手に別れて情報を共有する事にした、分かる事は多い方が良い 今日1日見つけた情報を共有し大人には内緒の 探検隊だ、 バレたらこっぴどく怒られるだろうけどそれと並ぶ程母親に会いたかった。 森に入ればそこは底なしな暗闇や鳥の鳴き声が響くなんとも怖い空間だった、 他の皆は無事だろうか、もう何か見つけただろうか…そんな不安や好奇心を背にゆっくり慎重に 足元の小枝をパキパキと踏みながら奥へ奥へ 神社のある方へと足を進めた、 怖い…帰りたい…足が疲れた でもここまで来たら後には引けない気がして… 必死に必死に歩き続けやっと建物が見えてきた、それは赤いお寺のような神社のような場所だった。 大きな建物という訳でもなく小さいという訳でもない…でも禁忌と言われるほど危険にも見えない… その時だ その建物には小さな隙間があった、 自分達の身長では調度良い木の隙間… そこから何やら声がしたのだ でもその声は助けを呼ぶ気力も無くした ような鈍い呻き声…見えは行けない そう分かっていたのに好奇心が勝ってしまったようで… その隙間を覗いたんだ そしたら… −女の肉をかっ食らう 狐の化け物がそこにはいたのだ− 女性は食われる前は大層に綺麗に着飾っていたようで赤黒く染まっていく綺麗な衣… 遠くでも分かるツンっと鼻を通る鉄臭い匂いでむせそうになった 気づかれては行けない…気づかれたら… おっとぉにも会えない気がした。 命もない気がした…… 静かに気づかれないようにその場をゆっくり去り 少し離れた所で全力で村に走り帰った、 おっとぉや皆は大皆驚いた様に 心配をしてこちらへ寄ってきた、 他の皆は疲れて先に帰っていたらしく それはそれはホッとした… もしかしたらおっかぁも…まさか、と 嫌な事を脳に過ぎらせてしまう でもそうなのだろう、母親という存在が いない事女性が少ない事… あの化け物は何なんだったんだろうか そう息も枯れ地面に座り込んだ時だった その日は確か大晴天な日だ なのにぽつりぽつりと頭上に鼻先に 雨水が当たった、 最近生まれた赤子達はその雨に手を伸ばし 笑い大人はその雨に手を合わせた あぁ…意味が…分かった 子供は笑顔なのに大人だけは少し悲しそうに 手を合わすこの雨がなんなのか… 知らぬ方が幸せだったのかもしれない 日差しは暖かく雨は冷たかった まるで傍に居れなくてごめんねと 男の子に生まれてきてくれた子に感謝を 女の子に生まれてきてくれた子に後悔を… この村では子を産んだ母親はお狐様に 捧げられる嫁だという そうする事で病にかからず作物も育つ、 そうして女性はまた子をなし嫁に出し そうやって成り立つ…子供の笑い声… 皆の父親…皆が通る道なのだろう 自分も…笑っていたのだろうか。 母親の命日であるこの狐の嫁入りで