巡り

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巡り

巡りです、こっちのアカウントに変わりました。 すとれす発散程度に。

面白い生涯

「私は、教育学部に行きたいです。いや、行きます。」 心臓が煩いくらいに音を立てて私の緊張をさらに増幅させている。 恥の多い生涯を送ってきました。 私はこの一文を読んだ時、 嗚呼、私もだ。と思った。 私も恥の多い生涯を送ってきた。 人間、失格。 そう思う。 だから、今 今変わらなきゃ 今動かなきゃ 何も変わらない気がした。 いつもいつも人に合わせてばかりで、 自分が損をする方ばかりを選んで、 何事も起きないように、 自分からつまらない人生を選んできた。 けど、きっとこれは恥だ。 だから、もう辞めようと思う。 変わろうと、思う。 心の隅っこで、子どもが好きだ。 という気持ちを隠していた。 誰かの役に立ちたい、という気持ちも隠してた。 だから、教育学部に行って小学校教諭になる。 そう、決めたんだ。 親も先生も友達も、皆が目を見開いて反対してきた。 けどもう、つまらない選択肢は捨てる。 反対されたら反対の道を歩く。 その方がきっと、面白い。 これからは、 面白い生涯を送ってきました。 と言えるような人生を歩もうと思う。

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面白い生涯

「どうしようもなく、消えたい」 いつからだろう。 笑顔が偽りに変わったのは。 「〇〇、答え写させて?」 …しょーがないなあ。 「〇〇、今日一人だから一緒に帰ろう?」 いつも私の事仲間外れにするくせに、 …いいよ!一緒に帰ろう。 「〇〇、この宿題やっといて?」 「〇〇なら、大丈夫でしょ?」 「〇〇のこと、叩いたっていいよね、?」 …あ。 ……………… うん。大丈夫だよ。 その時、 頭の中でぷつん。と何かが切れる音がした。 私は、全てが耐えきれなくなって 頭の中で鳴り響く音と同時に、 自分を刺した。 そこからはずっとずっと偽りだけの生活が続いた。 もう誰も、私の事を見てくれない。 自分でさえも、私を見捨てた。 それでも尚、 この世界に、 …希望など存在するのだろうか。 「…するわけないか」

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偽

もしもの世界

もしも、私が臆病じゃなかったら いじめっ子と対等に戦えたのかな。 もしも、私があの日誰かに 「助けて」 と叫んでいたら 何かが変わっていたのかな。 もしも、私が失敗作の駄目人間じゃなかったら 親を幸せにできたかな。 もしも、私がもっと可愛かったら 誰かからたった一つでも 愛を貰えたのかな。 もしも、私が生まれて来なければ 幸せな人が増えていたのかな。 もしも、もしも、もしも、 誰かが、 「生きてていいよ」 と囁いてくれたら まだ… …生きられたのかな。 “もしもの世界“

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もしもの世界

私はいつも前に進むことができない。 小さな一歩が怖い。 あと一歩踏み出せば、教室の中に入れるのに。 あとちょっと勇気をだせたなら、 皆からのいじりが辛いと言えたのに。 あと一歩、あと一歩 私が 強ければ。 勇気を持っていれば。 こんな事にはならなかったのに。 ただのいじりで学校に行けなくなるなんて、 「みっともない」 私への陰口が耳にこだまする。 筆箱をごみ箱に捨てることはいじりなんですか。 頭を教科書で殴るのもいじりなんですか。 皆、クラスの全員が私をばかにして嘲笑うのも。 全部、 全部全部全部 「いじりなの、、?」 私はどこで間違えたんだろう。 いつ一歩後ろに下がり始めたのだろう。 一度踏み出せなくなると、そのままどんどん後ろへ後ろへと これはいじりなのだと これはいじめなんかじゃないのだと 自分に言い聞かせることしか出来なくなった。 …私は鍵を持っているのに。 鍵穴も目の前にあるのに。 あとは一歩前へ進んで、鍵を開けるだけなのに。 それが出来ない。 鍵なんて開けることが出来ないなら、持ってる意味は何も無い。 でも鍵は、私の中にある唯一の希望であり、 救いの光なんだ。 だから、いつか。 鍵を開ける、その日まで。 この鍵は大事に、大切に、 …とっておくんだ。 “鍵“

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