奏
22 件の小説自己紹介
ノベリーを始めてから半年以上経ったのに自己紹介してないのでしときたいと思います。(してる人結構多いので💦) 名前 奏 (本名から取りました) 年齢 今年15 中3 部活 吹部 トランペットしてます 好きなこと 絵描くこと、見ること アニメ&漫画 もちろん読書 好きな食べ物 駄菓子 好きな小説 ・殺戮に至る病 ・隣の家の少女 ・告白 ・母性 などなど… (あげるとキリがないので笑) 投稿は不定期ですがよろしくお願いします🙇♀️ 質問とかあったら言ってください!
行方不明
私の友達は数日前から行方不明だ。 いつ発見されるかが心配で、今すぐにでも警察に行きたかった。でもそんなことはできない。 心配でいっぱいの胸を抑えながら生活を送った。 そんな数日後、テレビでニュース速報が流れた。 「今日午前11:30ごろ、二週間前から行方不明になっていた○○市の高校二年生が山奥で発見されました。警察は……」 私はそこまで流れるとテレビをブツっときった。 そうか、発見されたんだ。よかった。 だって、あんな虫だらけの山奥にもう一回行くなんてやだからね。
片想い
私には幼馴染がいる。 悠という名前の優しい男の子だ。 そしてかっこいい。 私は悠のことが小さい頃から大好きだった。 高校生になった今でも大好き。 でも悠には彼女がいる。 それは私の親友だ。名前は莉乃。 優しくて可愛い子。 人懐っこくてみんなに人気がある。 二人はいつも私の前でもラブラブだ。 私の気持ちなんて知らないから。 私はそんな二人を見ていつも泣きたくなる。 だけどそれを堪えてる。 目に涙を溜めて。 でも気持ちが溢れると八つ当たりしたくなる。 今朝もそうだった。 優しく挨拶してくれた悠に冷たく「話しかけないで。」と言ってしまった。 今も……抱きついてきた莉乃を突き放してしまった。 そのせいで莉乃は倒れた。その様子を見て悠は私を叱った。 「一体なんのつもり?たとえ美優であっても莉乃に酷いことしたら許さない。美優はただの幼馴染なだけだけど、莉乃は違うの。俺の宝物のなの。そんなことするなら莉乃に近寄らないで!」 私は涙が込み上げてしまった。 悠の大声で私はクラスメイトの注目の的。 みんなこっちを見て私の悪口を囁き合っている。 そりゃあそうだ。今、私は悪者だ。 耐えきれず、私は走って教室を飛び出した。 そして屋上まで駆け上がる。 別に死にたくて屋上にのぼってきたんじゃない。 ただ一直線に空を降りてみたくて。 叶わない恋ごときに負けたくない。 だから踏み出すんだ。 フェンスに手をかけた。 だれも追いかけてこない。 足を引っ掛けて柵を越える。 頬に風が当たって気持ちいい。 この青く輝く空と、風の心地よさと、今まで隠してた想いを抱きしめて一歩を踏み出した。 風が髪を揺らす。風が頬をかすめる。 全てが無になって心地よかった。 でも一瞬で終わった。 やっぱり諦めるしかない。 私はゆっくり目を閉じた。
ラプンツェルに恋をした
三ヶ月前この町では5件の殺人事件が起こった。5人の犠牲者が出た。 一人目は永田理子(20)近くの大学に通っていた。 二人目は望月恵理子(30)デパコスで働くシングルマザーだ。 三人目は秋森ゆい(15)近くの高校に通っていた。 四人目は与菅ことね(22)東京の大学に通っており、里帰りでここに帰ってきていた。 最後の一人は道熊美代子(56)容疑者の母親だ。 三ヶ月前は、死体が見つかっていないため警察はただの無差別誘拐事件と片付けた。 しかしなんらかの関係があるのではないかということが発覚した。 それは事件発生の3日後。 その日、河原のそばの木で首をくくってる人がいるとの通報を受けた。 刑事たちが行ってみると本当に首を吊って死亡していた。 最近物騒な事件があったため、一応その男を調べることにした。 身元が分かったのち、家を捜索することになった。 警察は隅々まで調べた。しばらく捜索すると、鼻の曲がりそうな異臭が漂っている部屋に辿り着いた。。扉の襖も黄色く黄ばんでいて不潔だ。刑事らは顔を顰め扉をそっと開けた。すると刑事たちは驚き、絶句した。 死体が五体布団の上の並べられてあるのだから。五人とも目を見開き、口の周りには乾いたヨダレの跡があった。そして一番異様なのは髪。五人とも髪が無造作に切られている。 刑事たちはこれは…と息を飲んだ。 誘拐と片付けた事件に繋がり、警察は徹底調査を始めた。 遺体で見つかった男性の解剖も進められた。 すると驚きのものが見つかった。 髪の毛だ。 長い髪の毛が約六百グラムとりだされた。 内臓の液や、溶かされた食べ物が絡まるそれに、思わず気持ち悪さで息を呑んだ。 しばらく調査を進めると、五人の女性の身元が全て分かった。共通点は黒く細く長い髪だ。 これらの事件を聞き、専門家はこう言う。 「彼は異常な性癖の持ち主だったんでしょう。母親も殺し髪の毛を食べ物と一緒にかき込むまでですから。 それともなんかの病気かも知れません。 ほらあるでしょう。ラプンツェル症候群って。彼、あの病気ではないけどかなり近いじゃないですか?ま、専門家といっても言えるのはこれくらいですね。 え?彼がなんで自決したかって? そんなの知りませんよ。」
血餅
この時期になると、昔餅つきしていた日のことを思い出す。 その日は友人と、餅つきをした。 初めて、杵を持ってワクワクしていた。 しかし悲劇は起きた。 それは餅つきを始めて、しばらく経ってから。 振り上げて下ろした手にガツンと大きな衝撃が渡った。 なんだろうと思い、恐る恐る友人を見ると、頭に杵が直撃していた。強く振り下ろしたものだから、友人の頭は割れ、ドロっとした血が垂れていた。 友人は頭を臼の中に入れたまま動かない。 私は急いで母親を呼んだ。 母親と友人の母親は焦って救急車を呼んだ。 救急車が着き、ぐったりとした友人が担架で担がれていった。母親と友人の母親は怒っていたようで私を残して同乗して行った。 取り残された私は、お餅を再びついた。 血だらけの餅。つくたびにピシャリと音を立て血が跳ねる。 しばらくついたのち、もったいないので食べることにした。臼の中からちぎり取り、口に放り込んだ。 かなりの味を覚悟していたが、食べてみると意外にも美味しかった。 癖になる鉄っぽい味が、ねっとりと餅に染み込んでいる。 無味無臭の餅にとってはいい味つけるになると思った。 友人は病院に運ばれたのち死亡した。 親からはもちろん怒られた。追い出されそうになった。 それから毎年私はこっそりと赤い餅を食べてる。 今年は誰にしよう。
殺したいですか?
私はだいぶ昔大親友に質問された。 その大親友はひどくやつれていて、弱々しい子だった。 これまで私たちずっと一緒にいるよね? 「うん」 ある日ふと思うんだよね。ずっと居てつまんなくなんないのかなって? 「そんなことないよ!」 ありがとう。 じゃあさ、私の事好き?好きだと…いいな? 「好き!」 よかった…ありがとう じゃあさ、相談乗ってくれる? 「うん」 ありがとう… 早速なんだけど…私虐待受けてるんだ。 いつも痛くて辛くて、お腹すいて… 生きていたくないの…ふと思うんだ。私って生きてていいのかな。って。 あ、ごめんね!いきなり重くなって。 「そんなことないよ!生きてていいよ!生きようよ。」 ありがとう…美梨ちゃんはいつも優しいね。 一緒にこんな私がいていいのかな?ってくらい。 「そんなこと言わないで」 そうだよね…でも、お父さんに言われるの。社会のゴミは早く消えろ。人様に迷惑がかかる。って。 「そんなことない!お父さんが間違ってる!」 そうだよね…でも、お父さんはいつでも正しいんだ。お父さんがいるとなんでもお父さんの言うとうりになる。叩きたいと思えば私を叩く。引きずりたいと思えば引きずる… 「…ひ、ひどいね…」 ほんとごめんね突然。ただ一つお願いがあって。…本当に辛い時は守ってほしいなって。守ってくれる? 「うん。もちろん!」 そんな会話をした次の日。大親友は学校に来なかった。1日、3日、5日。日が淡々といつものように過ぎていく。しかし私は大親友のことが気が気でなかった。 一週間がたった日、大親友がきた。久しぶりだったからか愛おしく思えた。 私はすぐ駆け寄った。 「大丈夫だった?心配してた。」 小さかった私はそのくらいのことしか言ってあげられなかった。 「うん……」 しかし、大親友はとても大丈夫そうには見えなく、顔中あざだらけだった。 「なんかあった…?」 「…お…お父さんがね私を監禁したの…。ついに頭おかしくなっちゃたのかなぁ?」 涙をボロボロと落としながらいう。 「…」 私は何も言ってあげられなかった。 それからいつものように二人で過ごした。 そして次の日からまた大親友は来なかった。私は心配で心配で、放課後その子の家に行くことにした。 近くに行くと大きい怒鳴り声が聞こえてきた。 「生意気…人…し…つぐ…え」 大きいにも関わらず、大親友の悲鳴のせいで途切れ途切れにしか聞こえない。 私は近くにもうちょっと行こうと、足を前に出した途端、割れる音、何かがグニュッと潰れる音、ぱしゃっと何かが飛び散る音が聞こえた。 私は慌てて窓の方に行った。覗くと大親友が刺されていた。ムカつく顔をしたジジイが、包丁を握っている。私は大親友に質問されたことがフラッシュバックのように蘇った。直後私は激しい怒りを覚えた。ガラスを割ってながに入る。ジジイから包丁を奪い、ソイツを滅多刺しにした。 なぜかジジイは抵抗しなかった。出血もしなかった。私は包丁を持って家をで、川にそれを捨てた。そして自分の家に戻った。 今日自分がしたことが急に怖くなって、布団に潜った。 翌朝居間に行くとテレビがついていた。お母さんが騒いでいる。見てみると、大親友の顔が大きくのっていった。 『容疑者 山西りな(14)』 と言葉と一緒に。 よく見てみると母親を殺しただとか。父も二ヶ月後に殺しただとか。驚くようなことが書かれていた。 このことを踏まえれば、父親があの子を監禁したのも辻褄が合う。 私は恐ろしくなった。 あの時私は 「殺してくれる?」 と聞かれたように感じたからだ。 そして私はなんで今までそのことに気づかなかったのだろう。
私は有名
最近、デビューしたアイドルがいる。 15歳という若さなのに、ダンスも歌も上手い。顔は子供は思えないほど整っており、スタイルも大人顔負けである。トレードマークは長い魅惑の黒髪だ。 そんな彼女の名は、時雨みれいと言った。 当然、完璧なみれいは、瞬く間に人気になった。 私はみれい。 時雨みれい。15歳の高校一年生。 私は校内でとても有名だ。だいたいは知ってるだろう。 今日も重い足を引きずりながら学校へ向かう。学校に行くことは私にとって大きな試練だ。注目されることが苦手だからだ。 ことの始まりは、入学式で代表の挨拶をした時だ。そのとき全校生徒に名前が知られてしまった。名前を聞いて、生徒たちが息を呑む。このあと何が起こったかは、みなさんお分かりになるだろうから、言わないでおく。 そんなこんなで私は校内で有名になってしまったのだ。 それに比べて電車は比較的居心地がいい。誰も私の名前を知らないので、こちらを見てこなければ、指も刺してこない。 しかし、その安心は一瞬で過ぎ去った。もう電車が学校周辺の駅に着いてしまったからだ。 顔を少し隠しながら歩く。風で長い黒髪がなびいてしまう。 それを抑えながら、校門まで歩く。 結構早いが人だかりになっていた。私を見るためだろう。 あ、いた。と指を刺される。 「時雨みれいと同姓同名のくせにブスでデブなやつじゃーん!」 そう言った女は顔に満面の笑みを浮かべている。 「やっと見れたよー」 喜んでそういう人もいれば、 「見せてよー」 「え、俺もみして」 と押し合ってわたしを見ようとしてる人もいる。 そう私は有名なのだ。 私は騒ぐ奴らを、クソ不細工な顔を歪め、睨んだ。
おすすめの小説教えてください!
最近、「殺戮にいたる病」「ドグラ・マグラ」読んでて、まだ苦戦しながら読んでるドグラ・マグラが結構好きなんですよ。でもあんな感じの本ってなかなかないじゃないですか?だから似てる本とかおすすめがあったら教えてください🙇♀️ できれば、気持ち悪いのとか、ムカムカするのとか、ミステリーでよろしくお願いします
事情聴取
「もう逃げれません。」 刑事は容疑者の男が逃げないように縄で縛る。 「言い訳はできませんよ?」 焦りながら男は言い返す。 「俺は何なんもやっていない!」 「とぼけないでくださいよ。あなたでしょ?やったの?」 刑事は男に近づく。 「ねえ、容疑者さん?」 そして続ける。 「これは冤罪というのですか?冗談はやめてください。免罪符なんてものこの世にないんですから、諦めてくださいよ? それに証拠は揃ってるんですよ。」 「冤罪だ!やってなどいない。」 男はじわりと目に涙をうかべる。 「わかってないふりですか?」 刑事はハテナを顔にうかべた。 「何も話すことはない。何度もそう言ってるだろ。」 刑事は容疑者をしばらくの間じっと見つめる。 男は無言になる。 「じゃあ詳細を詳しく聞きますね。」 刑事はにっこりと言った。
多重夢
ボーンボーン 私の家は夜の12時に時計の金の音が鳴る。なぜ夜中になるんだろうと何度か疑問に思ったことがあった。でもそれはとうの昔に置かれた時計。設置した人の意図などもう聞くことが出来ない。だから気にしないことにしている。だが、夜になられるのはちょっと迷惑だ。時々寝ているのに目が覚めてしまうことがある。それはどうしようもないことなのだけど。 コンコン 小さい音が静かな部屋に響いた。 誰かが私の部屋の扉をノックしているようだ。 「なにー?」 眠たい目を擦りながらカーテンを空ける。意識もまだ朦朧としている。 「朝ごはん何がいい〜?」 お母さんの声がした。 「えー、なんでもー」 いつも私を叩くお母さんが妙に優しい。怪しく思ったがまだふわふわしている意識のせいで適当に答えてしまった。 「おっけぇ!」 お母さんは妙にテンションが高い。まるで友達のような感覚……いやこの声は友達だ。友達の遥だ。こののんびりとした口調は間違いない。でもなぜだ?なぜ家にいて朝ごはんなんかを? プツンと音がした。 意識が戻ったような感覚。目をそっと開けると、真っ暗闇の部屋で私は横たわっていた。あれ…?起きてたような気がする…。私は混乱して頭をブンブンと左右に振る。もしかして夢だったのか…?そうだ、夢だ。現実は凶暴で狂ってるお母さん。いつもその事で苛まれている。 たまには常人にもなって欲しい。戻ってほしい。さっき夢で見たように。いや、夢ならばなんだってできるんだ。この忌まわしい狂人の母親を夢の中であれば殺すことが出来るのだ。滅多刺しにしたって罪に問われない。新たな発見の喜びに浸りながら私はウトウトとしていった。 目が覚めると朝だった。チュンチュンと雀がないている。 「あんた、早く起ろよ!早くしろよ!この糞ったれ!」 心地よい雀の歌声を打ち破るようにこちらに向かってきたいらだたしい足音と大声。いや叫び声。 「起きてるよ…」 私は掠れた声で小さく返事をする。めんどくさい。朝起きたばっかりなのに疲れがどっとたまる。 「母親に口答えすんじゃない!糞娘。育ててやってんだよ?あぁ?」 ガシャーンとなにかが崩れ落ちる音が聞こえ、そして床に何かが叩きつけられるような鈍い音がした。お母さんはまだ叫ぶ。 「黙って起きろ、糞が」 糞糞糞糞うるさいな。あんたがクソだろという言葉を飲み込み立ち上がる。これでもお母さんの機嫌はいつもよりいいほうなのだから。私は黙ってドアを開ける。グサッ。扉を開けたと同時に何かが刺さる音がした。驚いてゆっくり隣を見ると、私の顔ぎりぎりのところに包丁が刺さっていた。 「顔に刺さなかったんだ。感謝しなよ」 ニヤリとドス黒い笑みを浮かべ私をじっとりと見てくる。ちょっと隣にずれていたら、顳顬に刺さっていたと考えると、恐ろしくてたまらない。口がガクガクと上下に震える。 「あれ、ありがとうは?感謝も言えないの?」 そう言いながらギリギリと刺さっている包丁を抜いている。 「刺そうか?目に」 光のない目を三日月のようにし、私の目に包丁の先端を向けてくる。 「ありがとう」 低く掠れた声で呟いた。刺されたくないから。言わなきゃ刺される。 「声小さいね。まあいい。通報されても面倒なんで。てことで早く学校行ってきて。お父さんには言わないでね。私が殺されるから。」 諦めたように包丁を床に投げ捨てた。 お父さんはこの家で唯一の味方だ。以前、私を叩いていたお母さんを見たとき、お母さんに問い詰めてくれた。そして言った。 “次やったらお前を叩く” それがどうやらお母さんには殺すと聞こえたようだ。 私は身支度をし、通学バックを持って家を出た。 しばらく歩くと後ろから遥がやってきた。 「はよー」 眠そうにあくびを噛み殺している。 「うん。おはよう」 「そうだ、美雨。朝ごはん食べた?」 何かを思い出したような顔で尋ねてきた。遥は私の家の事、お母さんのことを知っている。 「あーいや…食べたかな?」 余計な心配は掛けたくない。なるべく言葉を濁して言う。 「ほんと?ならいいけど」 怪しげに眉を寄せながらなも前に進む。 「遥ー」 ちょうどその時後ろの方から遥の友達がやってきた。 「あ、じゃあ。」 遥は申し訳なさそうにこっちを見るとその友達の方へかけていった。 私はそれからと言うと、“夢”について考えて歩いた。どうしたらいい夢を見れるのか。どうしたら夢の中で母親を滅多刺しにできるのか。 頭を捻らせ、唸る。どうにかしてその夢を見たい。 ボーンボーン ふと脳内で“あの音”が再生された。一度目をこすってみる。目を開くと私は布団の上で横になっていた。背中や膝の裏が汗でびっしょりと濡れていた。 「これも…夢…?」 口から掠れた声が出た。 そうか、夢か。じゃあ今は?今は夢…?なのかもしれない。 するとまたボーンボーンとなった。 そうだ。夢だ。 また鳴る。ボーンボーンと なら今のうちに母親を殺りに行こう。 布団からで、部屋を後にする。こっそりとキッチンに向かい包丁を手にする。 そして寝室のドアに手をかける。ゆっくりと扉をひき中に入る。慎重に足を運ぶ。ベットを覗くと母親がぐっすりと眠っていた。その顔を目掛け一気に包丁を振り下ろした。鮮血が飛び散る。夢にしては妙にリアルなことに感心しながら。どんどん包丁を刺す。 叩かれた数刺す。楽しいな。 グリッ。何かに刺さる音がした。肉か?いやずっと肉刺してるし…、深く刺しすぎたってことか。あははは。面白い。 笑いが込み上げてくる。あははははははははははははっ。 からからと乾いた笑いが小さく開いた口から溢れる。 ふうと一息つく。ちょっと疲れたな。手にいっぱい血が飛んじゃった。 そしてそのままま私は眠りについた。 目が覚めたのは日の出に近い時間だった。目の前にはお母さんの死体。手には包丁。あれ?夢じゃなかったの? 現実…? 口がガクガクと揺れる。歯がガタガタと鳴る。どうしよう… ボーンボーンと音がした。 目を開くと母親が包丁を握り私を目掛けて振り下ろしてきた。ぐしゃっと音がした。視界が真っ赤に染まる。あ…、死んだ。 ボーンボーン…また音がした。 私は包丁を握りしめてた。真っ赤な血が滴った包丁。私は無性に腹立たしくなり、自分に握ってた包丁を突き刺した。 血が噴き出る。 ボーンボーンと音がした。 うるさいと思った。 ボーンボーンと音がした。 父親がいたから刺しといた。 自分にも刺しといた。 ボーンボーンと音がした。 嗚呼。どれが夢でどれが現実なのだろう。そもそも自分は誰なのだろうか。もしかしたら、今まで体験してきたことが全て夢かもしれない。まだお母さんのお腹にいる子供かもしれないし、言葉が辿々しい幼稚園生かもしれない。 ボーンボーンと音がした。 いつ夢が覚めるんだろう。 ボーンボーン ボーンボーン… ボーンボーン