酸性雨
2 件の小説Knight’s Oath ~騎士の誓い~
chapter:ONE ここは神秘の森という街だ。 森とは言っても、木の中に街がある。と、言う感じだ。 ここの住民は一人一人星座の力というものをもっていて、 私の星座はさそり座だ。 神秘の森にはそこまで住人はいない。 それに、エルフやメデューサ、龍神や悪魔もいたりする。 私は人間と人魚のハーフだ。 でも、皆楽しく暮らしている。 今日は友達のセイラとお茶会でもしようと思う。 お気に入りの茶葉とお菓子を籠に詰めて家を出た。 「あっ!待ってたよエラ」 「ごめんごめん!おまたせ!今日のおすすめの茶葉は、白桃の香りがする紅茶!」 「凄い楽しみになるわ。早くお茶にしましょう!」 「ええそうね!」 セイラと何気ない会話をし、セイラの家へ入る。 やはりセイラの家の中はいつ入っても綺麗だ。憧れる。 部屋の中もまるでドールハウスのような物ばかりで、まるでお人形さんの世界にでも入った気がする。 その中にセイラが居ると、本物のお人形さんみたい。 セイラの綺麗でサラサラな金髪が映える。 「さぁ!お茶でもいれてお菓子を食べましょう!」 「ええ!」 私はセイラの家にあるティーカップを2つ机の上に出しておき、ティーポットに茶葉をいれてお湯を沸かし、お茶をいれた。 すごくいい匂い。まるでもぎたての桃のような匂いが漂っていた。 いれたお茶を机まで持っていき、少しだけ時間を置き、ティーカップへお茶を注いだ。 2人で、机の上にあるお菓子を食べながら、雑談などをしていた。 「やっぱり、セイラは可愛いしお人形さんみたいっ!」 「えへへ…そうかな。照れる!」 照れているところもやはり可愛い。 少し話していると、この話題が出た。 「最近、魔女狩りが更に酷くなってるって噂があるの…」 「そうなの…?ここまで来てしまうのも時間の問題かしらね…」 「それは無いはずよ!ここは許可した人以外は絶対に!絶対に入れない加護が張ってあるから!」 普段おっとりしているセイラも少し焦っていたのか怖かったのか、ここに魔女狩りの人間が入ってくる事は無いと、強く主張していたので、この話題はここで終わった。 そうそう。そういえばセイラの星座は乙女座だ。 やはりセイラにはお似合いな星座だな。 お似合いな星座だな。と言ったが、星座は自分のベースになる力とその派生になる力などを診断して星座が定められる。 私の場合は、主に攻撃、毒などで戦うため、さそり座となった。魔法も使えるがそこまで使わない。 セイラの場合は、治癒や精神的な事をよく使うので、乙女座なのだろう。 基本的に、全員魔法は使える。 少し話していたあと、セイラからこう提案された。 「ねえねえ!エラ。」 「どうした?セイラ」 「キースを誘わないかしら??存在は知ってはいたけど、会ってみたかったのよね!直接。どうかしら?」 「いいね!ちょっとまってて!キースを呼んでくるわ!」 「ええ!」 そう。キースは私の幼なじみ。とても信頼していて仲がいい。ついでに、メデュースと精霊のハーフだ。深緑?というか黒というか…そんな色の髪の毛がとても綺麗。 ミステリアスな空気が流れている。 というより、本当にミステリアスだ。 セイラの家からキースの家まであっという間についた。 神秘の森は、少し狭い街なので、直ぐに行けると言うところがいい所だ。 早速、家の鐘を鳴らす。 ピーンポーン 「エラじゃないか。どうした?」 「こんにちは。一緒にお茶でもどうかしら?セイラも居るわ。」 「いいね。1度しっかりとセイラと話してみたかったんだ。ちょうどいい機会だな。少し支度をしたら行くよ。場所が分からないから、悪いけどそこで待ってて欲しい。」 「分かったわ。」 「ありがとう。」 五分くらいするとキースがおまたせと玄関から出てきた。 歩いていると、キースが 「そういえば、今日は隣にアリエスが居ないじゃないか。どうしたんだ?いつもベッタリなのに」 「そうね。今日はお茶だからといってひっぺがしてきたわ。」 「そうなんだね。アリエスも可哀想に…」 「なに?何か言ったかしら?」 「いいえ〜なんにも」 「そう。」 アリエスとは、竜人で私の主従関係に位置する奴だ。 いつもさわがしくてうるさい奴だと私は思っている。 そんな事を話していたら、セイラの家に到着した。 セイラはその後もずっとお茶を飲んでいたようで、1度ティーカップを置いて、こちらに来てくれた。 「初めまして。ずっと会ってみたかったわ。」 そう言いながらお辞儀をした。 それも可愛い。好きだ。 すると、キースも 「こちらこそ初めまして。会えて光栄です」 とお辞儀をした。 2人ともやはりとても礼儀がいいな。 「さぁっ紅茶でも飲みながらお話しましょう!」 「そうね!」 少し話をしていると、 「キースはどんな星座なのですか??」 とセイラがキースに質問していた。 たしかキースは… 「僕は山羊座だよ」 そう。キースは山羊座だ。ちょっと忘れかけていた。 「そうなんだ!主にどう言った戦いをするのですか…?」 「僕は、というか山羊座は、蹴りとかあと幻覚系かな」 「凄い!幻覚系は強いですね!」 「まぁね。でも、僕はそこまで戦わないからなぁ…」 「でも凄いと思う!」 セイラがキースの事を褒め称える。すると、 「僕はセイラさんの星座も知りたいですね!」 「私は、乙女座です」 やはりそうかなとは思っていたが、この定番のような話の流れにたどり着いた。 その後も3人で沢山話した。夕方の4時頃になった時だった。そろそろおわろうと思い、3人で片付けをしていた時だった。 「今、揺れた?」 と、セイラが言った。そういえば、乙女座の持ち主は、自然災害などにも敏感になるという能力的なものを持っている。多分、今セイラが言ったことは本当だろう。 「本当?地震かな…」 「ええ多分…待って…これから更に大きな地震が来るわ!備えてっ!」 こんなに叫ぶセイラなど見た事がなかった。 私達はとっさに机の下へ身を隠した。 その10秒後…本当に地震が来た。 2〜3分続いただろうか…… やっと止まった。怖かった。 「キース、セイラ大丈夫だった?」 「ええ」「大丈夫だ。」 良かった。 「ありがとう。セイラ…セイラが居なかったら私達、死んでいたわ…本当にありがとう。命の恩人よ」 「それほどでもないよ…でも、本当に怖かったね。」 「そうだな。」 「今日は解散にしましょう!片付けは全て私がやっておくわ。家でも気を付けてね。」 「ありがとうセイラ…またお茶会しましょうね。」 「ええ!喜んで!」 そう言いながら別れを告げた。 それから、連日…小さい地震が立て続けに起きた……
Knight’s Oath ~騎士の誓い~
Prolog 時は魔女狩り時代。罪のない魔女が次々に処刑されていた。いや…魔女では無い者達も。 少しでも怪しい動きをしたものは即処刑だ。 それは女や子供が主だった。王の考えは、女や子供しか魔女になれん。との事らしい。 毎日毎日…涙や悲鳴が聞こえる。 そして、私達も処刑から逃れようと物陰や他のところに逃げようとしていた。 それでも逃げているのがバレたら即終了。処刑だ。 ある日、いつものように逃げていると、目の前に知らない人達が来た。 あっ…終わったな。 と思った。政府にバレたんだ。 しかし、彼女達は、私たちにこう言った。 「私達の街に来ない?」 と。私たちはあんぐりと口を開けたまま黙ってしまった。 しかし、私は他の子も守らないとと思い、頷いた。 みんなホットした表情だった。 開放されたんだ……この魔女狩りが行われている街から。 自然と涙が出てきた。 彼女達が「さぁ」 と言い、私達を連れて行ってくれた。