チド
508 件の小説ウォーキン
先へ先へと踏む脚に任せて ここらでよかと発音が置かれ ただそこの人類に選択があり 概ね生きたとハラは決まって 友は風に靡いて陽が差し 恋は血風に霞んで空へ 蒼く蒼く身に降り注ぐ 優しさはあって残酷があって この刹那には込めたヒトへの 留めおきたい山河の語り ただただ無垢であろうと努め 退路を絶った策の愚かは 白く白く己れの意志を 通さんが故、拳を固め 射抜く一点が有れば良く 存在の希薄は進行し 繰り返し繰り返し身は繰り返し 神経の通りを嬉しんで 弛緩のクオリティーに感謝を覚え 獰猛の性を肉になだめて 刃を研ぐ日々は清々しく 美童の瞳を染む涙には 凪の未来があるように 踏み続ける踏み続ける
meグルグル
涙、グルグル、meグルグル グルグル擬態は、怪奇の部屋へ 中へヅカヅカ歩く鬼は どこへ行けば、飢餓を救える 緊急の時は、決まって、女 胎内は、ゆっくり解けて溶けて 飽和を超えた苦味恋しく スタコラさっさと逃げた月に 反則ですよ、困りますね 責任は、地球に留めるけれど 朝帰りの姿は目ん玉の記憶 狂っちまったのは無理からぬ事で あらぬ噂を吐きつつ飽きつつ 蜻蛉を混ぜたワードを捏ねつつ アイツの来世に期待を込めつつ 怨嗟のメロディ並べ楽しむ 頭蓋で喚く卵の如く トロォリとろりと罠張り餅は 雁字搦めのタンギー爺さん グルグルぐるぐる焦がれた骨は 仏舎利の増加を促進しては 悲嘆の老婆を慰めた愛を 虚無の性根の内に隠した 坊主の料理はやたらと美味で 病み付きの舌はヒラヒラ燃えて 黒の水面にキラキラ跳ねた
ルール
夕飯を食べながら、映画を観る。 10分前に見終わった。 絶望映画と希望の映画。 『セブン』と『きっと、うまくいく』 連続して観ると、落差の大きさが、ナイアガラ。 大きい方が、スリリングだものね。 基本的に暗めを観がちで、心は沈みがち。 では、無いのだね、これが。 暗い映画を観るとゾクゾクして楽しい。 ハッピーな恋愛などが、苦手な脳でありんす。 『きっと、うまくいく』 ハッピーだが、実は、土台に絶望的状況がある。 そこからの展開が、快な脳の反応を引き出すのでした。 絶望があると、希望が見える。 絶望が無いと生きる事は、輝きの減退があるのではないか。 人の暗さを凝視していたい僕は、己れの脳が、ちょっと怖い。 闇を見続けると闇になってしまうよ。 江戸川乱歩の屋根裏の人みたいに。 夜の暗さに身を潜めて、悪文をしたためるのは、己れの闇を確認するようで、安心する所でもあるのです。 哀しい調べの寝床には、冷たい心に火が灯されて、愛なき己れはとっても満ちていく。 愛じゃない気がするなぁ。 僕のケース。 愛で動いてない。 何で、動いているの。 理である。 と、答えられると、とってもカッコ良いなぁ、と、計画するのです。 理の方が、安定感を感じやすいのではないか。 愛が、源だとすると、愛が、無い場合、支障が出ちゃうよね。 やはり、理である。 理が、失せることは無いからである。 ルールを知り、利用する。 こういう快感は、あると思うのです。
実
雨が、降っている。 地を叩く雨粒が、無数の音を奏でている。 天を灰色の雲が、ドンヨリと占めていた。 トヨと佐吉の右腕は、濡れ縁に座し、庭を眺めている。 様々な種類の草木が、生えている庭は赤い花や青い実が、チラホラ見える。 その花や実にも雨粒は跳ねて赤や青は濃さを増した。 佐吉の右腕は、トヨの組まれた両脚の上からモゾリと動いて庭へ這い出した。 『水浴びかい、佐吉、お前は、着物が、ない分、自由でいいねぇ』 トヨの声は、翳を含まない。 どこかに、悲しみを置き忘れたのだろう。 童女のように、世界には、嬉しい事しか無いらしい。 佐吉は、五本の指を器用に使い、芝生の上を移動してゆく。 関節が、太い。 巨大な蜘蛛の這うようであった。 『あまり、可愛げが、あるとは、言えないねぇ』 笑いを含んだトヨの声に佐吉は、ピタリと動きを止めて、皮膚の下の血道を太くした。 羞恥の表現であったらしい。 『わかりやすいねぇ、佐吉ぃ』 トヨは、悪戯な眼を糸のように細めて、傍の菓子をパリパリ喰んだ。 赤い口が、光の乏しい空間で艶やかに伸縮している。 庭の片隅にパパイヤが、植わっていた。 実が、いくつか生っている。 庭先に降りたトヨは、スタスタ佐吉を拾い上げ、パパイヤの木へ寄った。 『佐吉、実が取れるかい』 弾んだ声で、佐吉を差し上げ肩関節、肘関節をいっぱいに伸ばす。 佐吉も肘を目一杯伸ばして、実をムンズと引っ掴み、ブチリともいだ。 佐吉と実とを、抱き抱えたトヨは、雨がちっとも気にならないらしい。 『人の頭もこのくらいかねぇ』 満足の響きは、雨中の庭でも、何処までも軽い。
感知
佐吉の右腕が、揺れていた。 トヨの両掌に挟まれている。 『身体が、無いのは、寂しかろうねぇ、佐吉ぃ』 高く差し上げられた右腕は、赤児のようだ。 『アタシの身体をお前のだと思ってくれても良いのだからねぇ』 トヨは、慈愛の言葉を吐いて、(右腕)の薬指をカツリと噛んだ。 ブルリと佐吉は、身を震わせて、トヨの前歯から逃れた。 『喰われるとでも思ったのかい、冗談さ、ワタシは、佐吉を好いてるからねぇ』 トヨは、佐吉をあやしながら、高い声で笑った。 右腕は、女の声が、なんだか悔しさを含んだ事には気づかぬようにキュッと五つの指を屈曲させた。
利益
サックスの音に酔っている。 贅沢に空間が、色に染まる。 何色なのかは、言わないでおこうよ。 限定の表現は、苦手な方だ。 苦手なものは、避けるのが得。 受け止めたいのは、恋煩いだけ。 熱が下がれば、己れがわかる。 わかってしまえば、興醒め興醒め。 構造に少女は、侮蔑を含めて。 卵の中身に、驚いたのだが。 暫く経った、説教よりは。 夜は、赦しを告げたはずよね。 ピストル弾けば、女が泣いて。 ただただ泣いて場は濡れただけ。 気になったのは、湿度の高さで。 気がかりなのは、食事の時間。 揺れた眼には、理由もあって。 涙の違和感を気取られた予感。 甘えるテクが、つかえぬなれば。 カカシの男に接吻なんて。 チャンチャラ可笑しいのでございますよ。 唄うわ、ワタシ、月があるから。 照らす月は、ワタシの為なの。 子守唄は、好きなの、一人が。 翳の中には、愛がある事。 知ってほしいわ、利益が出るから。
呪
奈落の底に穴が、開いた。 穴をよぉく見ていると、一人の童が、顔を出した。 童は、スルリと穴から這い出し、クキリと首の関節を鳴らした。 真ん丸の体は、ゴム毬のようだ。 ゴム毬は、こちらに好奇の目を向けて、ヤモリの鳴くように唱え出した。 『キリキリ バザラ オン バザラ アキシュビ アキシュビ オンバザラ』 何とも透明なヤモリ声は、シラフの脳には、心地良く、トクリと心に沁みたようだ。 『キリーク キリーク ビジャヤ ビジュル サラバ ビザラ オン ビザラ』 呪を唱えながら、口の両端を吊り上げ、ニタリ蕩ける笑みを見せた。 妖怪であろうか、物の怪か、童の姿は、夢の世界の生き物のようだ。 『童よ、お前は、人では、無さそうだが、地獄の底で、何とも楽しそうではないか、楽しいわけでもあるのかい』 ふふん、と、謎めく目をこちらへ向けたゴム毬は、酒を含んだように語り出した。 『オレは、元は、人間だったが、密に憑かれて、食い物も喰わず、女も抱かず、寝ることも忘れて、只管、呪を唱え唱えて暮らしてたのさ』 『ほほう、呪をな、神仏でも降りて来そうじゃな』 『おう、降りて来たぞ、美しい女神が、現れてな、【お前は、そろそろ死ぬが、そんなに呪が、好きなら未来永劫、地獄の底で、唱えるが、好い、】このようにおっしゃられたのじゃ』 ゴム毬の声は、ビブラートで、少なからず昂っている事が、認められた。 『地獄の底は、飽きはせぬ、次から次へと、黒いスピリットが、堕ちてくるからな』 『オレのようにか』 『ハハっ、お前のようにだ』 ゴム毬の眼が、スッと細められた。 『オン ビジュル オン バザラ キリーク キリーク ウン タラタン』 なるほど、オレは、この童の役割を理解していた。 童の呪は、闇に震えて、いよいよ、恍惚の色は、濃さを増した。 声の愉悦に対比して、俺の身体は、軽くなり、薄くなり、地獄の大気へ還ってゆくようであった。 神経消滅の安堵感に呪とともに果てる不思議さを想っていた。
ミーユーの部屋
ミーユーさぁ、思うんだけどさぁ。 生きてくにあたってさぁ、嫌な事とか、苦しいこととか、いっぱいあるわけさぁねぇ。 普通のことだと思うわけよぉ。 でもさぁ、ミーユーさぁ、それが、無いワケぇ。 ちょっと、変な人なわけさぁ。 何かわからんけど。 今日も、朝からノンアルグビグビしてるし、前はさぁ、朝から、酒入れてたら、アル中なったわけよぉ。 アル中なのに、家は、酒禁止だったから、酒を求めて、町中歩き回ってたわけ。 マジで、ノンアル無かったら廃人一直線だったなぁって。 でさぁ、悩みとか、あるけど、無いわけ。 何言ってるかわからんよね。 多分、記憶力の問題だわけ。 ミーユー、記憶力無いわけ。 でからさぁ、悩んでても、時間経ったら忘れるわけ。 あい!ワタシ何考えてたか忘れた〜ってから、この文章もさぁ、何のつもりで書いてたか忘れてるわけ。 で、からさぁ、多分脳細胞無いはず、悩みの。 コンチワぁってから、右耳から入って左耳からサヨナラぁって、出てくわけ。 悩みの話よ。 だから、皆んな、悩まん方がいいはず。 楽しみの方はさぁ、楽しいの見つけたらいいはず。 ミーユーはさぁ、だいたい楽しいよー。 何か知らんけど。 脳細胞にさぁ、音だったり、色とか形だったり、味だったり、感触だったり、エサあげてれば、何か、わかるわけ。 ミーユーさぁ、人差し指の骨が、『パキッ』ってら、鳴らんと気持ち悪いわけ。 でさ、全然ならんと狂いそうになって大変なわけ。 でさぁ、10分くらい鳴らそうって頑張って、『パキッ』って、鳴ったら、脳汁が、ドバーって出て、泣きそうなったわけ。 何言いたかって言ったら、脳は、気持ち良さに逆らえんなぁって。 アッという間に、ノンアル2本空いた。 補充するねぇ。 グッバイ。
血の池
本を読みます。 ずーっと読んでいたい。 しかし、そうもいかない現実がある。 ご飯を食べる時、本読んでると怒られる。 行儀が、悪いとの事。 あんまり、納得してない。 運転中、会話するじゃん。 行儀悪くないでしょ。 僕は、他人を気遣っている。 ちゃんと、TV観る時、音楽は、聴かない。 同時の方が、脳は、喜ぶがね。 自己の脳の愉悦より他人の脳の平穏を選択した。 納得してないが。 譲歩したのです。 米を絶った。 糖質の身体における循環の快楽を放棄した。 深い考えは、ありません。 ただ、糖質、必要だろうかと、生命存続に不要だったら、実に無駄な事を今まで経験したのだな、という感想が、結論としてあったら、愉快だなと思いついちゃったのです。 ノンアルガブ飲みしたい。 朝から。 ノンアルなら朝でもありでしょと、勝ち誇るワタシは、とても、カッコ良いのだと、アル中の過去に見せつけてクスッと気障な笑みでも浮かべて、体力の衰えが、四十半ばで感じられぬ事に親しい友人の皆無の状況に淋しさを置き忘れた純情の重要性は、至って普通に認識は、可能であると、空の頭は、考えた。 老化について。 嫌、オレ老化しない。 ワケは無い事は、知ってるよ。 単純な主張。 オレは、例外である。 弱味を見せた方が、共感を呼ぶし、好感度の上昇を見込めるし、女子から、あら、あの人、可愛いらしい側面もあるのね、キュンとするわ、という未来の希望を、真っ向から否定したる。 オレは、例外である。 可愛いらしさをヤスリで削って火ぃつけて、燃やしたる。 何で、こんな事、自分で自分を追い込むの。 好きだからです。 可愛いくない自分が、大好きっす。 範馬勇次郎が、可愛いかったら、刃牙は、成立しないのです。 僕は、言います。 オレ、生まれてこのかた、疲れた事ない。 強がりです。 強がりが、好きです。 強がりが、信仰レベルです。 地獄で血の池飲み干して、いい出汁ですな。 これが、夢です。 モテたい一心で、500作品目であります。 ますますワケのわからん事になりますように。 実は、スっごく楽しいの。 バレバレかっ。 感謝いたします。 うふっ。
妖怪
星が、降るはずであった。 上空を観ながら、ふかしたタバコが、闇に煙る。 肺には、ヤニの付着は甚だしいはずである。 わからないのは、胸を開けて見た経験が、無い結果である。 外科医に軽く嫉妬したが、男は、感情をすぐに忘却するのが、常であった。 男の知性を高く見ていた女は、おそらく未来は黒色であろう。 人類の思いやりの集計結果として現れたモノは、表彰するのが、相応しいと女は、思っていた。 思う事は、自由だが、それに中身のクオリティーを求めなければならないというシバリを促進する地方公共団体の意志は産ぶ声を上げた。 何にせよ、闇の中で、蠢めくというイマジネーションは、ドキドキする市民層を獲得するものでありまして。 市民層なんざ、楽しく生きてりゃ、そらゃあ、楽しい集団でして、人畜無害である事実は、ひっくり返してやりたくなりますな。 何ですな、パンク魂と言いますかな、取り敢えず、流れが出来りゃ、逆らうという習性は、自覚せずとも自然に培われるモノのようでして。 笑いの一つ二つ取るにも、反社会的な要素を溶かし込むパフォーマンスってのは、時代を問わずちらほら見られたようでございます。 パフォーマンス後のギタリストは、頭に血が登り過ぎたせいで、フレーズが、出てこない症状を何とかしたかった。 狂気のフレーズの連射の欲が、逆に彼の指から柔軟性を奪っていた。 狂気を最大限に発揮する際、必要なファクターとして、極めて冷静な脳活動で無ければならない。 加えて自由闊達にダンスするのは、リラクゼーションの最大化を図るエクササイズも無視は、出来ない。 狂気。 男は、踏み出す脚が、吊り下げられた脊柱に愛情を感じる。 脊柱のあるホモサピエンス。 脊柱に宿る神らしき運動性を見詰めていたい。 運動性の定まらぬ背骨にはそれだけ、ポテンシャルが、多量である事には、なるまいか。 定まらぬという事は、棒の意識は薄いとみた。 チェーンでしょ。 脊柱。 だって二十数個の並びならばよ。 ならば、棒じゃ悲しくない? 蛇を飼うのだ。 誰に言ってるか、知らんけど。 蛇だ。 体内に蛇を飼育するのだ。 あらゆる局面で、泳ぐ蛇が、逆境を喰らい尽くすだろう。 葛飾北斎の自画像ねぇ。 グニャグニャ過ぎるだろ。 妖怪か。 江戸時代人て、妖怪人間。 妖怪が増えて、面白い世界が、出現する事を願います。