大学も仕事もやめた私が底辺看護学校に通う話
遡ること5年前。
私はとある大学を辞めた。
きっかけは極単純なもので、なんと浅はかなことかと今になってよく後悔する。
大学一回生の夏休みがおわり、2学期の講義が始まる最初の日だった。
なんの講義だったのか今となってはもう覚えていないが、大学の先輩から「簡単に単位取れるから入れとけ。」と言われて取った講義だった。
その講義の終了時に講師が言った。
「今の時点で出席数の1/3に達してない人は単位をあげられません。」
私は落胆した。
ただ出席だけすれば単位を取れると言う簡単な講義で、私は早々に落単の印を押されてしまったのだ。
毎日遊び呆けて、碌に大学にも行かず、やっていたのはサークルの活動だけ。
そんな毎日送っていれば当然なのだが、この時の私は一丁前に自分を恥じた。
「こんな簡単なこともできないなんて。俺に大学に通う価値なんてない。」
そんな風に考えたのを覚えている。
そして、当時から謎に行動力だけあった私は講義終了と同時に大学の学生課に行き、
「退学したいんですけど。」
と告げたのだった。