Novelee

N

Novelee
読む
発見
募集
ログイン
メニュー

しゅり

1 件の小説
Profile picture

しゅり

2025年9月からNoveleeを利用しています
1 フォロー中1 フォロワー

オフ・ステージ−1−

九、十、十一… 今日は昨日よりも一本少ない。 始業に間に合う最後の電車。 私は毎日、窓枠から逃げていく電柱の数を数えてる。 九月から始まった秘密。 毎日電柱は増えたり減ったりを繰り返す。 十月になり、半袖から長袖になって、髪だって、首を流れる汗から放たれ、自由に肩に揺れているというのに、 私の線香花火は夏を超えてまだ静かに、しかし確かに光を灯している。 最寄りからたったひとつ先の駅にあの人はいる。 今日もきっと。

1
0
オフ・ステージ−1−