ゆうてぃー
3 件の小説入学式とクラス分け
今日は待ちに待った入学式 のはずなのに。 「あれ、憂華じゃね?」 「まじだ、なんでここに?」 「綺麗。」 「あの白髪と紅色の瞳、まさに天性のアイドル。」 あはは...。目立ってる。 『静まれ。』 その声が響く。すると、あたりはピタリと静かになる。みんなが舞台に注目すると、黒髪のイケメンさんが立っている。綺麗な人だ。 その後も話が沢山あり、各学年、クラス分けがされた。私はA組。1番階級が上のクラス。良かった。 クラスに着くと、まぁ、注目されるよね...。そしたら、あるとこから、 「憂華〜!」 嘘...この声。 「久しぶりやな!と言っても1ヶ月ぶりやけど。」 ビンゴ...。てか、赤髪の、あ竜聖。頭良かったんだ。 「久しぶり。えっと、竜聖。」 「覚えとったんか!偉いな〜」 そう言いながら、抱きついてくる。妹かなんかと間違いされてない? 「おい、お前流石にやめろ。」 そう言い、竜聖を話す蓮斗。 「ありがとう。」 「おい、ありがとうって失礼やろ!」 「てか、この前と口調違くない?」 「なんて言うか、ここだけの話、私人見知りで、知らない人達が多いと、口数が減っちゃうみたい...。」 「なんやそれ。」 そう言い、笑われる。なんか、バカにされてるみたい。ムスッとしてると、蓮斗が 「拗ねんなよ。」 と頭を撫でてくる。誰も彼も、 「もぉ、離れて...。」 そう言うとちょうど、先生が入ってくる。 先生の話も終わり、たくさんのことを知った。 なんでも、この学園はふたつの組織で作られてるみたい。その名も、『STAR』と『MOON』。星と月って、なんかかっこいい。 2つとも暴走族らしく、仲が悪いみたい。ちなみに竜聖と蓮斗はMOONの人なんだって。ま、関係ないけどね。 暴走族は嫌な思い出しかない___ お父さんが死んだのも暴走族のせい。 あの時は暴走族が沢山居たんだけど、急に飛び出してきたバイクを避けようとしたけどハンドル操作が間に合わなかったみたい。 それから、暴走族という名前は毛嫌いしている。あの二人とも、もう関わんないでいよう。 落ち込んだ気持ちをぐっと飲み込む。今から撮影、笑顔で行かなきゃ!そう思いながらも、教室の人たちに挨拶をして教室を後にした。
入学前
今日は、試験日。 「行ってきます。」 そう、声を出してドアを開ける。 そう言えば、明日から寮の準備。 緊張するな。 ____ 翌日、試験も合格し寮の準備も終わったし、1ヶ月後まで、勉強はできるようにしとこ。 「 〜♪ 」 音楽を歌いながら歩いていると、目の前に柄の悪そうな人たち。びっくりしつつ、その人の服装を見ると、私と同じ学園の制服。知らないフリして、通り過ぎようとしたら、 「お、姉ちゃん見たことあんな。」 「ほんとだ。あ、アイドルの憂華じゃない?」 「...え?」 私の事?振り返るとにこりと微笑む赤髪のオールバックさんと、金髪マッシュさん。2人とも綺麗な容姿。びっくりしてると、 「やっぱ、合ってるやん!」 「へぇ。なんでこの学園に?」 「あ、えぇと、来年からこの学園に...。」 と言った瞬間、金髪さんが首を傾げる。 「憂華ってこんな喋り方だっけ?」 やば、テレビでは、クールキャラだっけ? 「...なんです?」 「あ、いや。」 そんな気まずい空間のなか、赤髪さんが... 「てかてか、なんで?この学園なんやったら、同じクラスなれるかもな!」 「...次、1年?」 「おん!せや!こいつもな!俺は、竜聖、こいつは蓮斗や。」 「ども。」 へぇ。まぁいいや。この学園は学力でクラス分けされるってなってたし、金髪さんは置いといて、赤髪さんとは、同じクラスになんない気がするし。不良っぽい人は苦手なんだよね。 「では、私はこれで。」 そう言うと、そそくさとその場から離れる。 「憂華って、すんげー人気やのに、あんま気取っとらんの、ええ子やな。」 「そーだね。」 「というか、めっちゃ綺麗やったな。」 そんな話があったのは知らないけど...。
幸せになれないアイドル
__ ピピー ____________ その音で目が覚める。 嫌な、夢を見た 。 3月だと言うのに、背中は心無しかしっとりしている気が。寝る気にもなれず、1階へと降りて水を飲む。まだ、お兄ちゃん起きてるみたい。ちらりと覗きに行こうとしたけど、寸前で足を止めた。「最近大人気の憂華!まだ中学3年生なのにも関わらず!」そんな音が聞こえた。あぁ、私の話...。 そう、私はアイドル。 お父さんは小さい頃、死んじゃって、 お母さんが働かなくなったから、せめて妹が中学校を通えるように学費を稼ぐため。あのお兄ちゃんは、再婚相手の息子さん。仲がいいわけでもなく、必要最低限の話しかしない。 はぁ、気が重いまま部屋に向かう。出来ることなら私だって高校生活してみたかった。妹の、華蓮のためだから。 目が覚めると社長から電話が、ボタンをスライドして通話をする。すると、 『あ、もしもし?憂華。急なんだけど、羽宮学園に通ってみない?』 「え?」 羽宮学園と言ったら、ここらで有名のお金持ち学園。なんで私がそんなところに? 『あそこの理事長と親友でね、今年から女の子も入れるみたいなんだけど、その最初の子として、憂華に入って欲しいって。』 「看板...ということですか?」 そんなお金、うちには無い。ただでさえ、妹の入学も控えているのだ。 「そんなお金は...」 『あぁ、貴方はタダよ!もちろん学費も食費も寮費も!』 「え?」 『てことで、お願いできるかしら?』 「あ、えっと」 「言ってみれば?お姉ちゃん。」 「華蓮っ!?」 「お姉ちゃんは中学校行ってないし、私のためだけに、時間を使わないで?」 「華蓮〜。」 そう言い、華蓮にぎゅっと抱きつく。 「ちょ、暑い。」 そんなことを言いながら微笑む華蓮。 「社長、よろしくお願いします。」 『えぇ、わかったわ!でも、一応学力を図るため、入試だけは受けてもらうわ。』 「はい。」 そう言い、電話を切る。私も高校生活 できるんだ。なんだか、楽しみっ!