作覧ん子

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作覧ん子

初めまして、よろしくお願いします

命を救われた。 捨てたかった人生なのに。 捨てたかった命なのに。 その人のお陰で今がある。 その人は呟いた。 「楽にしんで逃げれると思うな…」 ああ、私は救われた訳ではなく その為に、生かされたのか。 ならば生きよう。 救ってくれた命 本当は生きていたかったし 死にたくなんかなかった。 今は死にたいとも言えないし 生きていける。 受け止めて救ってくれた恩を 生きることで返そう。 最後の時、私が救われたのか 返せてたのかがわかるだろう。

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嘘つきな彼女

彼女は痛くないと言った。 痛いのが好きとまで言った。 だから…… 喜ぶ顔が見たくて僕は 彼女に痛みという痛みをあげた。 喜んでくれると思ったのに 彼女は泣いた なぜなくのかわからない。 痛いのが好きというからあげたのに。 なぜ泣くのか。 でも、彼女は笑う。 だんだん僕もわからなくなってきた。 好きなのか嫌いなのか。 彼女の最後の顔を見た時にわかった。 彼女は両方本当で両方嘘だったんだ。 ごめんね。 わからなくて。 でも、 ぼく、 嘘つきは嫌いなんだ

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落ちた。 酔っていた。 友人と居酒屋で飲んで 久しぶりの飲み会で無茶したか? 記憶が曖昧だ。 送ると言っていた友人に「大丈夫だ」と 言って別れたのは覚えてる。 その後、眠たくて、フラフラと路地裏の方へ入っていった気がする。 そうだ、 暗くて眠りやすそうで そっちの方に歩いたんだ俺は。 今は穴の中にいる。 急にストンと床が抜けたような 踏み外した時の ヒヤッとした感覚のあと サーっと臓器が上に上がるような 感覚と共に ザーっと体の側面が何かと擦れて ドンッと落ちた。 マンホールのなかか? 上を見上げる 人1人通れるくらいの丸い穴が頭上高く 通っている。 よくもまぁ、こんなジャストフィットに ハマったもんだ。 困ったな。 地上までは15mくらいはある。 ハシゴも何もない。 しゃがめば腰下くらいから 人1人丸まれるくらいの空洞がある。 湿った土がある。 下水からか夕方からの雨からか かなりぐじゅぐじゅと水を含んで不快だ。 でも、眠れそうではある。 どうせ今すぐに大声を出しても よじ登ろうとしても こんな夜中に酔っぱらいの俺がどうかしたところで 人に声が届くとは思えない。 登れる体力もない。 とりあえず丸まってみる。 眠気がおしよせてくる。 少し冷たいが眠れそうだ。 ウトウトしとしてるとザッと土が降り掛かってきた。 「なんだ?」 俺はせっかく眠れそうだったのに 刺激を受けて不快感を抱きながら 上を見あげた。 暗闇に、人影?誰かのぞいている? 「おーい!だれかいるのか?」 俺は話しかけてみたが返事はない。 「おーい!居るなら助けてくれ!マンホールにでも落ちたみたいだ!助けを呼んでくれー!」 シーンとした静寂しかない。 今は何時か分からないが夜中だろう。 夕方からの雨もあって月影ひとつなく 暗闇しかみえない。 しかしじっと目をこらすと 人影のようなものが のぞきこんでいるようにもみえる。 酔いすぎたのか、目の錯覚か? 誰かいるのならば返事くらい 返してくれるだろうし。 その時… ざっ…また上からなにか降ってきた 土だ。 「おい!やめろ!誰かいるんだろ!?なんでこんなくだらない嫌がらせをする!?」 「本当に困ってるんだ、ふざけてないで助けてくれ頼む」 ざっ…土が降ってくる。 ざっ……ざっ……ざっ…ざっ…ざっ! どんどんスビードを上げ 土は振り続けてくる。 俺は…… その降ってくる土を足元に振り払い 足で踏んで固めて 少しづつ上に登るための土台を作り、 数時間後。 やっと、地上に登りきった。 やはり助けてくれたのか? それともおれの機転がきいたのか? とにかく助かった。 「ありがとう、たすかったっ……」 俺が顔をあげ見たのは… 俺だった。 土気色の顔をして口や鼻から土を 吐き出している俺がいた。 俺?! 助けたのは俺だった。 そして俺は満足そうに消えていった。 ジリリリリリリリッ! ハッとして目が覚める。 夢か…!? 変な夢を見た。 そう思いながら体を起こした俺からは 土がバラバラと散らばった。

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いる。

私の家には幽霊がいる。 今日も彼女は家に居る。 考えるだけでため息がでる。 存在すると言う居るではなく、生活をしている。まさに居る。 玄関の鍵を開け、買い物袋を床に置き、私の寝室を見ると、、いる。 いるし、寝てる。大の字でいびきをかきながら彼女は、寝ている。 「はぁー…」 (どうせ食事ができた頃に起きるんだろうな) 今日は疲れも溜まってたし、白菜が安かったのでお鍋にすることにした。 鍋の用意も出来て。1人コタツに入り さぁ、今からという時に、起きた。 彼女が起きた。 きっと匂いに釣られて起きたのだろう。 本体もないくせに、重たそうな体を引きづり 眠たそうな腫れぼったい目で、不機嫌そうな顔でのそのそとやって来て、私の目の前に座る。 「ねえ、私のは?」 「食べたら?」 「キムチ鍋じゃないんだ」 「嫌なら食べなくてもいいよ」 「食べるし、お皿とって」 ああ、いつもこうだ、好きな時に起きてきて、 なにかにつけて気に入らないと文句の1つ2つ言い捨てて、当たり前のように私を使う。 これで本当に幽霊なのだから呆れてしまう。 お皿を置くと満足そうに鍋から具材を装って食べている。 と言っても素振りだけなので食べているんだうなと言った感覚だ。 「ねえ?」 「なに?」 「ちびは?」 「今日は実家。」 「ああ、そっか旦那さんの日か」 私は触れられたくない所をズケズケと付いてくる彼女にイライラしながらも、平静を装いながら食事を続ける。 だいたい、誰のせいで旦那と離れることになったと思っているのか。 私は結婚していた。子供は1人。 決して裕福とは程遠い生活ではあったが、 それなりに平凡でも幸せに暮らしていた。 彼女が現れるまでは。。 彼女はある日突然現れた。 特にいつもと変わらない1日だった。 家族で過ごしていて、私が少しウトウトしだした頃、いきなり目の前に現れた。 当たり前のように。 その日から生活は一変した。 彼女は自分のことも生前のことも何故ここに居るのかも覚えてなかった。 ただ、苦しさや悲しさ悔しさなどの負の感情だけが彼女の中に異様なまでに染み込んでいた。 そのはた迷惑な物のお陰で、彼女は毎晩毎晩泣きわめき叫びのたうち回り当たり散らしと、 一晩中生前の憂さを晴らすかの如く、好き勝手にしてくれる。 遂に、旦那は限界が来て私と息子を置いて出ていった。 息子にも彼女は視えるみたいで、彼女を怖がり、不安定になり、パパの所へ行きたいと望むので、週末は実家から元旦那の所へ行くようになった。 もちろん、ここまで家族が壊れる前にどうにかしようと、あれこれ考えた。 が、だめだった。 私はここを離れられない。 引越しをしようにも、実家に避難しようとしても、どうしても、私はここに帰ってきてしまうのだ。 毎日、毎日、日付が変わる頃には足が勝手に家に向かって動く。頭で抵抗するなどもなく、当たり前のように(帰らなきゃ)とこの家に迎えって足が動き、気がつくと家の中に居る。 それは旦那や子供には無く、私1人にしかおこらない。 今では、もう諦めて、とにかく早く彼女が消えることを願う他ない。 食事を済ませると、さっそく彼女の時間が始まった。 「ねえ?」 「なに?」 「ごめんね」 「またそれ?」 「恨んでる?」 「べつにもういいって、お願いやめて、疲れてるんだって」 「ほら、やっぱり怒ってる」 いつもスタートはこう。私の家庭が壊れたことに謝り、何を言っても自分で自分を責めてポロポロと泣き出す。 それまでならまだしおらしくて、私としても優しい気持ちになれるのだが、、、 「私だって好きでここにいる訳じゎないのに!」 「なんで私だけがこんな目にあって死んでもまだこんな思いをしなきゃいけないの!」 「あんたら人の方が余っ程怖いんだよ」 「消えて欲しいのだってわかってる!消えたくても消えれない辛さなんか、、」 ああ、始まった。。私、私、私、ここから不平不満、行き場のない怒りや苦しさを爆発させていく。彼女は毎晩朝日が昇る頃までそれを繰り返し、全て吐き出して彼女が満足すると、気絶するかの様に眠りにつく。 私は部屋でただ耳栓をしてじっと耐えながら眠りにつく。 朝、アラームの音だ。 今日は日曜日なので仕事もない、もう少し休みくらい眠ってたいが、日曜日は私が眠れない日なのだ。 息子が元旦那の所へ行った日曜日は朝目が覚めてから息子の様子が気になって、ソワソワしてしまう。 元旦那にはもう交際相手が居て、息子にも良くしてくれているらしい。 それ自体にもう未練もないし、ただ幸せを祈れるのだが、最近息子は私のことをママと呼ばなくなったり、私自身に怯えたり、私を無視したりと妙な行動をとるようになった。 最近では、こんな事まであった。 あれほど毎日怯えていたのに、 急に、彼女の方をママと呼び お気に入りの毛布を持って彼女の中に包まれるかのように座り、私の事なんか見向きもせずに、引き離そうとすると癇癪を起こして、私の方へ敵意をむき出しにして怒り、 何も出来ずに見守っている私の前で、彼女の中で毛布に包まり安心しきった表情でねむる。 私は日曜日になる度に、 仕事も無く、時間を持て余し、 最近の息子の言動や 息子を誰かに取られてしまうかもしれないと浮かぶ、不安や不信感が押し寄せ いてもたってもいられなくなってしまう。 そんな日々が続き、 息子がママと呼ばなくなり、私のことを見なくなって、何ヶ月が経っただろうか。 今日も日曜日。 日が沈みかけた空をぼーっとベランダで眺めていた。 ふと、浮かんだ。 もういいかな。 「空、気持ちよさそう、、だな」 風が冷たくて気持ちいい、 もうすぐ桜も咲くだろう。 「こたつ、そろそろ片付けないと」 「ねえ」 「なに?」 振り向くと彼女は相変わらずそこに居た、 「そろそろ見て」 「やだ」 「お願い、そろそろ見て」 「まだ嫌だよ」 彼女は今迄と違って、声も出さずに泣いていた 「来て」 「もう、わかったよ。もういいよ。見るよ」 ベランダのサンダルを脱いで 部屋に入り 彼女が向かう子供部屋について行く 「ねえ、開けて」 「わかったよ。もう気が済んだよ」 ドアを開ける、ゆっくりと、 キィー、っと小さく音を立ててドアは開く。 私だ。久しぶりに見たな。 ドアの間から私がこっちを見ている。 真っ黒く淀んだ目で、項垂れて、ぶら下がり、私を見ている。 「ごめんね」 彼女は泣いている 「もう良いって、ありがとう。満足したから」 彼女は私だ。 私の過ごしていた生活は、わたしの見たかった夢。私は、ここを離れられない。 息子は彼が引き取り、新しい女性と出会い 私との生活の頃よりも何倍も素敵な人生をおくっている。 息子の記憶からも、もう私の思い出は消えたようだ。 私は、あの日自殺した。 もっと頑張れば良かったかもしれない。 もっと努力すれば良かったかもしれない。 もっと我慢をすれば良かったかもしれない。 彼女は生きていた頃の私。 私は料理なんて殆どしたこともない。 仕事なんてとっくのとうに辞めた。 家事も育児も殆どしてない。 毎日毎日、泣きわめき、暴れ、当たり散らし 疲れ果て、首を吊った。 いつもいつも手首を切ったり、首を括ろうとしたりしていた。 私はただ(止めて欲しかった) あの日も紐を天井から吊り下げ椅子に乗って首を通して泣き叫んでいた 「もういいのね!本当にいらないのね!」 「まーくん!ママしんじゃうからね!」 「ねえ!私なんて必要ないんでし!!」 一瞬ガクッと落ちて首がしまった。 苦しい、いす、、バタバタと揺れる 私の目の前に彼と息子が、、、立って。 見ている。 同じ目をして。2人とも。物を見るかのような。。じーっと見ながら待っている、、 彼は椅子を片手で持ちため息を付いて バタバタと暴れる私が止まるのを、 息子が「パパーまだー?」 耳の奥で小さく聞こえる。 目を覚ます。彼女はそこに居た。 眠っていた、彼女はだれだろう、 息子と旦那が待ってる。 ご飯作らなきゃ、。 待っててね。ママ。すぐにご飯作るよ。

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いる。

毎日毎日うんざりだ。 もうすぐあの道を通らなければならない。 電車に揺られながら俺はため息を吐く。 駅に着く。 人通りの多い駅前から人通りの少ない細い路地に入っていく。 「キィー…キィー…キィー」 (やっぱり今日もか) 住宅地にある小さな公園。 その前を通らないと俺の家にはたどり着けない。 該当も少なく、俺の帰る時間には歩いている人もいない。 「キィー…キィー…」 公園のブランコが揺れている もちろん誰もいない。 1年くらい前からこの公園の前を通ると奇妙なことが起こるようになった。 なんでも、小学生の女の子がこの公園で事故にあったとかなんとか。 俺に霊感的な類があるとはおもわなかった。 男だって普通の人間だ。 毎回毎回肝を冷やした嫌な感覚に襲われ 仕事を辞めるか引っ越したいくらいだ。 だが、昨年家を買ったばかりで、今は子供も生まれ、仕事も昇進した今の時期にはどうにもできない。 大丈夫だ、ただ俺がこの一瞬を我慢すればいいだけだ。 幸いなことに、音が鳴ったり、視線を感じたり、ボールが転がってきたり、黒い影が見えるだけだ。 なにかされた訳ではない。 「キィー…キィー…ギッ!」 「ねえ、今日何日?」 !?… 耳元で言われた、ハッキリと大きな声で、聞かれた?俺に!? 心臓がギュッとなり背中や掌にジトっと汗がでる。 ざっ。。 (あ、足を止めてしまった) (どうする走るか?空耳かもしれない) 俺は固まり動けずにいると… 「ねぇ?今日何日?」 はっきり聞こえる。まるで耳元で言っているかのように。 答えたらまずいか?歩け俺の足。 震える膝に力を入れて前だけを見て歩き出す。 あと少し、あと少しすれば家に着く。 足元視線を落とし前に前に歩く。 俺の足の横に…影。? 俺の足の影ではない。 子供の手のような影が俺の歩と同じ速度で着いてくる。 (!?)つい振り返る。 誰もいない。 ホッと胸を撫で下ろし、前を向くと街灯の横に子供くらいの影。 「っ!!」 公園からはもう離れたのに、こんなこと今まで無かったのに。 「ねぇ?あなた?どうしたのこんなところで止まって?」 聞き覚えのある声に振り向くと、娘を胸に抱いて買い物袋を下げた妻がきょとんと立っている? 「おかえりなさい、煮物してたけどお酒切らして買いに行ったの。早かったのね?」 「一緒に帰りましょ?」 「あぁ、、」 俺は一気に安堵した。 良かった。今日煮物で本当によかった。 涙が出そうなくらいだ。 「ああ、帰ろうか?荷物持とうか?」 「持ってくれる?重いわよ?」 ニコニコと笑う妻が買い物袋を渡してきたので受け取ると… (どしっ…)「重っ。」 「だから思いって言ったじゃない」 「あなたが持つべきなのに1年もまた…せ…んだも…」 声がだんだん子供の声に変わっていく。 はっと周りを見渡すと、なぜ!?なぜ公園に…!? 俺は無我夢中で公園のトイレに駆け込み鍵をかけた。 (どうしよう、どうしよう、どうしよう) 「どさっ…」 袋を持ってたことすら忘れていた俺の手から袋が離れて中身が転がりだし……俺と目が合う。 「ゆるしてくれ…」 頭部だけの女の子はニコーっと笑い 「ずっと待ってたよ。今日まで1年間。あの日から。」 そう、1年くらい前、この公園で事故があった。 俺は殺す気なんてなかった。 よく休みの日に見かける子で可愛くて ちょっとした悪戯心だったんだ。 柔らかそうでニコニコ会う度に話しかけてくるから…そう。ここのトイレで少し触りたかっただけなのに、叫ぼうとして暴れるから、静かにして欲しかっただけだったんだ。 口と鼻を覆い宥めようとしただけなのに、、 気付いたら青白い顔で息をしてなかった。 俺はその場に女の子を置いて、誰にも合わないように家に帰った。 すぐに公園は大騒ぎで事件になったが、幸いにもカメラもなく、俺のところには何も来なかった。 この1年だっていつ目撃者が現れるか実は警察にはバレているのかもなど、ビクビクしながら、帰り道はこの子の念に脅されながら耐えてきたのに。 「ゆ…許しっ!、」 声が出ない。。声が出ないんじゃない…喉が締まる…息が吐けない…吸えな…い 「ひとりじゃ寂しいから一緒にいこ」 「おじさん、私とあそびたかったんでしょ」 「ずーっと待ってたよ」 「これからは一緒にここにいようね。」 (いや…だ……たす…け…) 「ピンポーンッ」 ガチャッ!! 「あなた遅かったのね…今煮っ」 「夜分遅く申し訳ありません。ご主人の件でまいりました。」 「キィー…キィー…キィー」 「キィー…キィー…キィー…」 一緒にあそべて嬉しいね。

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影