髙橋

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髙橋

ジャンル問わず、書きたいものを。 稚拙な文でしょうが、どうか温かい目で

副会長がメロすぎる件。2

「あの、確認って、なんのっすか」 「んー?んっとね…。………あ。」 「えっなんすか怖い」 「藍梨、いたの」 「「……えっと…?」」 「あ!灯眞。待ったよ」 「先帰ってて良かったってば。言ったじゃん俺、待たせるの悪いって」 「だって。1人で帰るのさみしいし」 「ちょちょちょちょ先輩?副会長?」 「なによ」 「えあのこの人って責任者やってた」 「覚えててくれてるのー!?藍梨です!!やったー!」 「あの、藍梨先輩」 「どーしたの」 「副会長と…」「おま、聞くなよアホ!」 「あははっ、何、良いよ別にー。うーん、そーだなあ、 …付き合ってないって言ったら嘘。」 「「ちょ、あの、ちょ、ええ」」 「意外?それとも釣り合わない?」 「ごめんなさい先輩、悪いこと言うと、釣り合わないっす」 「だよなー、絶対私よりかわいー子いるもんね?」 「…ん、俺はよくわかんないけど。」 「いやその、違います!灯眞先輩が その 藍梨先輩と 釣り合っていない」 「えっ」「あっ」 「…………」 「あーー!灯眞がバッド入っちゃった!」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」 「…いや、うん…。予想はしてたよ。」 「違いますよ!その!魅力はありますし!」 「フォロー下手なら話さないでくれ!!」 「すいません灯眞先輩!!」 「えっと…それでなんだっけ、一緒に帰るって話?」 「そうです!でもそのお二人で帰っていただいた方が幸せな空間が」 「うあーーーストップストップ!これ以上は私が死んじゃう」 「ま、とりあえず一緒に帰ろうか!男子2人もついておいでー!」 現在時刻、午後5時半。夕焼けが綺麗だったはずの空はいつのまにか一面薄暗くなり、少しづつ街の光が目立ち始めた。 東門の近くの花壇で育てられているトマトは破れ、地面がほんのり朱色に染まっている。 4人で肩を並べて…いや、先輩2人を前にして後ろから見守るように2列で歩いている。真実を知っていれば納得する程度の距離を保った先輩2人は何気ない、他愛もない会話を始めた。 「そいえば、灯眞はこの子たち知ってるの?」 「いや、全然初対面。」 「あんたすごいよね、よく避けないよね」 「なんなら俺から声かけたよ」 「バケモンなの?」 藍梨の方はしっかりと顔を覗き込んで目を合わせて話しているのが後ろからでも分かるが、灯眞は後ろから見ているとどうしてもそっけなく感じる。顔は俯き気味に、目線も後ろからは落としているように見える。 男子2人が不思議そうに灯眞の後ろ姿を眺めていると、ふと藍梨がそちらに目を向け言った。 「…不安になってる?笑 だいじょうぶだよ、ずーっと目合ってるの。かわいいでしょーん」 「うるさい。ちゃんと目見てんの偉いでしょ」 「ん?えらいよえらいえらい」 「…子ども扱いは勘弁してー。」「んふふーっ」 「先輩、さすがっすね…」 「なにがー?」 「灯眞先輩の扱い方をわかってるっていうか」 「まあ可愛い可愛い彼女ちゃんだからねーん♪」 「自信すご。」「事実じゃん」「…まぁ、」 改めて歩き出す。先輩2人の距離や形はさっきとなんら変わらないが、後輩2人にはなんだか、 より暖かく、仲睦まじく見えた。 −続きます

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副会長がメロすぎる件。

−−キーンコーンカーンコーン…… 放課後のチャイムが鳴って、ぽつぽつと校舎から人が出てくる。 肩を並べて歩く仲の良さそうな2人組も、 1人で考え事をしながらひたすら足を進める生徒も、 グループで固まって騒ぎながら門を出て行く彼らも、 皆この通称「黒鉄中(くろがねちゅう)」の生徒である。 「黒鉄市立第一中学校」が正式名称であるが、もともと並立された第二中学校が廃校となったため今は多くの人から「黒鉄中」と省略されて呼ばれている。 この中学校には生徒会が存在し、かなり力を持っていると言われている通り、常に行事の企画・運営は生徒会が行い、校則の見直しも、少しづつではあるが着実に進んでいる。そんな生徒会にはもちろん任期があり、1年ごとに選挙を行って引き継ぎをしている。 今年の選挙では2年生の会長立候補者が6名、書記会計立候補者が3名、1年生の書記会計立候補者が11名であった。 当選結果は 会長:2年2組 葛姫 仁(くずきじん) 副会長:2年4組 関根 灯眞(せきねとうま) 書記(2年):1組 渡井 直希(わたいなおき) 書記(1年):8組 須藤 市葉(すどういちは) 書記(1年):9組 御子貝 絵名(みこがいえな) であった。 今年の選挙では会長副会長の2人の演説が多く生徒の話題に上がり、生徒からは 「会長に相応しいかと聞かれれば頷けないが、どこか任せたい」 といわれていた。 今から書くのはその中の副会長、灯眞の話。 なんだかどうやら、昇降口が騒がしい。 「…あー…疲れた。……あ、あれって…おい見ろよ、あれ」 「なんだよ?早く帰ろうぜ」 「灯眞先輩じゃね?」 「ほんとだ…って、だからなんだよ。ただの副会長だろ」 「馬鹿、副会長ってすげーんだぞ」 「おまえの方が馬鹿そう。」 「うっせ!…良いよなあ、副会長の“責任者”やってた人って」 「…なんで?」 「だって『私が副会長にしました!』みたいなもんじゃん」 「そんなことないだろ…まあ、羨ましいけど」 「灯眞先輩の責任者って誰だったんだっけ」 「あれだよあの… 藍梨先輩──だっけ」 「…ああー…女の先輩だよな」 「そーそー。付き合ってんじゃねって噂があったの。」 「あれ結局本当なの?」 「しらねー。灯眞先輩もはぐらかすらしいし。」 …がたっ。 灯眞が、下駄箱から登校靴を取って昇降口に足を進める。 容姿は言えば中の上、頭は良くないが人当たりがよく愛嬌があり人に好かれる。 モテる、と言うと少し違うが、異性人気はあるほうだ。 どこか目を引く魅力があり、注目されることがなんなら会長より多い。 「…、あ、どもっ、す…」 こうたじたじと述べたのは、他でもない灯眞。 視線を感じたのか、男子生徒2人を見て少し頭を下げた。 「おつかれさまです!生徒会終わり、すか?」 「…えと、まぁ、一応。…あと、ちょっと担任にしばかれてた」 「「えっ」」 「…副会長でも叱られることぐらいあるんすよね」 「…あの!先輩って〜…東門から帰ります?」 「…?うん。なんで?」 「俺らもなんすよね〜…もし良かったら…」 「馬鹿!俺ら初対面だぞ」 「えーーーーでもでも」 「…良いけど、ちっと待ってて。確認してくる …ついてくる?」 「「良いんすか」」「早すぎだろ」 −続きます

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クラスレクリエーション#1

担任の先生は若くて、新卒、って感じの見た目だった。 結構某Twitt◯rでも見る「舐められがちな先生」に見える。 皆一度話すのをやめたけど、先生も特に何も言わず、微妙な空気が流れ始めた。私は別に、もともと誰とも話してなかったから何も思わなかったけど。 ホームルームが始まるチャイムが鳴った。 重い空気の中で、先生が黒板に何かを書きながら話し出した。 「皆、おはよう!そしてはじめまして、入学おめでとう。 先生の名前は 猪又 藍(いのまたあい)って言います! 実は、担任を持つのはあなたたちが初めてなので、 すごく緊張してます笑」 …まぁ、悪い先生じゃなさそう。でも、背も低いし威圧感もないし、やっぱり舐められがちな先生…なのかなぁ。 そんな感じで、先生が一通り話し終えると 出席をとる時間。みんなの名前を聞くチャンス、って私は捉えてる。 読んでくれている皆にも知ってほしいし、ノーカットで行くね。 …多分。 長ったらしくなるし、返事はカットだけど。 「ええと、相庭 優衣 (あいばゆい)さん 阿部 琴葉 (あべことは)さん 井沢 爽 (いざわそう)さん 石田 遼馬 (いしだりょうま)さんがおやすみ 上野 風真 (うえのふうま)さん 遠藤 彩芽 (えんどうあやめ)さん 大滝 啓介 (おおたきけいすけ)さん 小畑 聖樹 (おばたみさき)さん 尾上 心美 (おのえここみ)さん 加納 梨湖 (かのうりこ)さん 河内 央雅 (かわうちおうが)さん 川田 咲耶 (かわたさや)さん 軍司 悠馬 (ぐんじゆうま)さん 毛塚 凛花 (けづかりんか)さん 駒込 唯人 (こまごめゆいと)さん 今城 朱莉 (こんじょうあかり)さん 髙田 宙 (たかだそら)さん 髙田 祐悟 (たかだゆうご)さん 髙田 佑大 (たかだゆうた)さん 髙田 理生 (たかだりお)さん 高梨 結衣 (たかなしゆい)さん 髙橋 愛莉 (たかはしあいり)さん 田村 実殊 (たむらみこと)さん 土谷 柊磨 (つちやしゅうま)さん 常盤 皓太 (ときわこうた)さん 仲谷 由佳 (なかたゆか)さん 野崎 千花 (のざきちか)さん 橋田 茉由 (はしだまゆ)さん 福根 詩眞 (ふくねしま)さん 藤ヶ谷 舞香 (ふじがやまいか)さん 舟生 博斗 (ふにゅうはくと)さん 美柳 日向 (みやなぎひなた)さん 横瀬 聡介 (よこせそうすけ)さん」 ……長い。長すぎる。 茉由とか、祐悟も一応小学校一緒ではあるし、 茉由に至っては仲良かった…んだけど。 最近、ちょっとづつずれて来ちゃって話してなかったから ちょっと不安。 んま、そんなこと言っても意味ないしね。 メンバーを見る限り、かなり面白い一年になりそうだ。

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はじめまして

あ、この小説が流れてきてしまいましたか。 じゃあ、少しだけ読んでいってください。 まずはじめに、この小説に書かれていることは 全て私(髙橋)の身に起こった事実です。 え、名前? …そうですね。あだ名なら。 本名と性格から「アイルー」と呼ばれています。 そうです。あのアイルーです。◯ンハンの。 ああ、いい仮名を思いつきました。 ちょうどアイルーとも呼べるでしょうし、 愛莉ちゃんとでも呼んでください。 −−ああ、ええと、何処まで話しました? あ、そう。私は今中二なんですが、この小説で書いていくのは 中学校に入学してからのお話。 もしどんどん書けそうであれば、小学校のことも書きます。 それと、時系列はバラバラです。思い出した順や 気が向いた順に書くと思います。 なので「こいつ知ってるよな」のていで話が進むかも。 一応気をつけて書きますが、万一知らない奴がいたら おしえてもらえると嬉しいです。 そんなもんかな……… あ、もしかしてまだ読んでくれてます? ありがたいです。 興味が出ましたか?それとも、何の気なしに読んでいただけ…? まあ大丈夫。では、 ページを捲って。 「おはよう…」 眠い目を擦りながらお母さんに声を掛ける。 制服の着方もよく分からないから、 まだパジャマだけど… 今日は待ちに待った…いや、そうでもない入学式。 元々引っ込み思案な私は、中学校でとんでもない隠キャになるんじゃ…と少し、いやだいぶ怖い。お母さんは昨日から 「心配することないでしょ。そうやって言いながら青春するんだから」 と言ってる。まぁ…そうかもしれないケド。 お母さんに制服を着せてもらって、中学校に向かう。 大雨が降ってて、なんだか入学には向いてない天気。 学校近くの河川敷に車を止めて学校へ。 クラスの紙が貼ってあって、皆集まって眺めてる。 私も見ようと思って寄って行ったら、後ろから声を掛けられた。 「愛莉!!何組だった!?」 中のいい幼馴染のみっちゃん。 名前は小畑聖樹(おばたみさき)。みっちゃんで呼び慣れてるから、 あんまりすっと名前が出てこない。 「みっちゃん!まだわっかんないな、見たいんだけど」 「やっぱ見づらいよなあ、俺背低いから尚更」 「確かにー、私より見づらいかもねーーー」「ウザ!」 「…あ、見えたよみっちゃん。…一緒だ!!」 びっくりした。まさか同じとは。 1年6組 1 相庭優衣 2 阿部琴葉 3 井沢爽 4 石田遼馬 …… 8 小畑聖樹 …… 22 髙橋愛莉 「…ほんとじゃん」 「「ちょー嬉しいじゃん!一緒に行こうぜ!」」 で、上がろうとした。 それで、少し止まって改めてクラス表を見てみた。 10 加納梨湖 梨湖ちゃん。みっちゃんの好きな人。 ……え一緒なの!?嘘!?えーっ!? 「ちょみっちゃ、みっちゃん待って」 「なに?早く行こうよ」 「ちがう、梨湖ちゃん、梨湖ちゃんいる」 「は?冗談よせ……よ……」 「がちやん。」 「言ったじゃん!!!!」 「バカ、もっと急がなきゃいけなくなったじゃん」 「うおー!急ぐぞ聖樹ーーー!」 二人で階段を駆け上り、教室に向かった。 もう廊下にはほとんど人がいなかったから、とっくにみんな来てたんだと思う。 私は途中で察して静かにあがったけど、聖樹は気付いてないのか、 教室の前まで来た時私に向かって 「俺が扉開けるから大丈夫、後ろから入る?」 と言ってきた。 私がこういうところが苦手なのも知ってくれていてありがたいんだけど、 ちょっと静かにして! 黙って頷いたら、聖樹は勢いよく扉を開けて 「おはようございまーーっす」 と言い放った。 みんなの視線が集まる。 何処となく冷たく、でもそれを出さないように隠している目。 私が1番嫌いな目。 呼吸が、難しくなった。 息の吸い方を、忘れた。 「…みっちゃん?」 「うん、多分今俺も同じ気持ち。」 「…ごめん、ちょっと」 俯いて、肩を借りた。 ゆっくりと落ち着いて、自分の席に向かう。 1人の子が手招きをしてくれた。 おかげでずいぶん落ち着いたので、教室全体を見回してみた。 知ってる顔が結構あった。 佑大(ゆうた)と、爽(そう)と、 ……あいつ、知ってる。なんだっけ 絶対に、絶対に幼稚園が同じ。 そうやって考えてたら、担任であろう先生が入ってきた。

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