髙橋
2 件の小説クラスレクリエーション#1
担任の先生は若くて、新卒、って感じの見た目だった。 結構某Twitt◯rでも見る「舐められがちな先生」に見える。 皆一度話すのをやめたけど、先生も特に何も言わず、微妙な空気が流れ始めた。私は別に、もともと誰とも話してなかったから何も思わなかったけど。 ホームルームが始まるチャイムが鳴った。 重い空気の中で、先生が黒板に何かを書きながら話し出した。 「皆、おはよう!そしてはじめまして、入学おめでとう。 先生の名前は 猪又 藍(いのまたあい)って言います! 実は、担任を持つのはあなたたちが初めてなので、 すごく緊張してます笑」 …まぁ、悪い先生じゃなさそう。でも、背も低いし威圧感もないし、やっぱり舐められがちな先生…なのかなぁ。 そんな感じで、先生が一通り話し終えると 出席をとる時間。みんなの名前を聞くチャンス、って私は捉えてる。 読んでくれている皆にも知ってほしいし、ノーカットで行くね。 …多分。 長ったらしくなるし、返事はカットだけど。 「ええと、相庭 優衣 (あいばゆい)さん 阿部 琴葉 (あべことは)さん 井沢 爽 (いざわそう)さん 石田 遼馬 (いしだりょうま)さんがおやすみ 上野 風真 (うえのふうま)さん 遠藤 彩芽 (えんどうあやめ)さん 大滝 啓介 (おおたきけいすけ)さん 小畑 聖樹 (おばたみさき)さん 尾上 心美 (おのえここみ)さん 加納 梨湖 (かのうりこ)さん 河内 央雅 (かわうちおうが)さん 川田 咲耶 (かわたさや)さん 軍司 悠馬 (ぐんじゆうま)さん 毛塚 凛花 (けづかりんか)さん 駒込 唯人 (こまごめゆいと)さん 今城 朱莉 (こんじょうあかり)さん 髙田 宙 (たかだそら)さん 髙田 祐悟 (たかだゆうご)さん 髙田 佑大 (たかだゆうた)さん 髙田 理生 (たかだりお)さん 高梨 結衣 (たかなしゆい)さん 髙橋 愛莉 (たかはしあいり)さん 田村 実殊 (たむらみこと)さん 土谷 柊磨 (つちやしゅうま)さん 常盤 皓太 (ときわこうた)さん 仲谷 由佳 (なかたゆか)さん 野崎 千花 (のざきちか)さん 橋田 茉由 (はしだまゆ)さん 福根 詩眞 (ふくねしま)さん 藤ヶ谷 舞香 (ふじがやまいか)さん 舟生 博斗 (ふにゅうはくと)さん 美柳 日向 (みやなぎひなた)さん 横瀬 聡介 (よこせそうすけ)さん」 ……長い。長すぎる。 茉由とか、祐悟も一応小学校一緒ではあるし、 茉由に至っては仲良かった…んだけど。 最近、ちょっとづつずれて来ちゃって話してなかったから ちょっと不安。 んま、そんなこと言っても意味ないしね。 メンバーを見る限り、かなり面白い一年になりそうだ。
はじめまして
あ、この小説が流れてきてしまいましたか。 じゃあ、少しだけ読んでいってください。 まずはじめに、この小説に書かれていることは 全て私(髙橋)の身に起こった事実です。 え、名前? …そうですね。あだ名なら。 本名と性格から「アイルー」と呼ばれています。 そうです。あのアイルーです。◯ンハンの。 ああ、いい仮名を思いつきました。 ちょうどアイルーとも呼べるでしょうし、 愛莉ちゃんとでも呼んでください。 −−ああ、ええと、何処まで話しました? あ、そう。私は今中二なんですが、この小説で書いていくのは 中学校に入学してからのお話。 もしどんどん書けそうであれば、小学校のことも書きます。 それと、時系列はバラバラです。思い出した順や 気が向いた順に書くと思います。 なので「こいつ知ってるよな」のていで話が進むかも。 一応気をつけて書きますが、万一知らない奴がいたら おしえてもらえると嬉しいです。 そんなもんかな……… あ、もしかしてまだ読んでくれてます? ありがたいです。 興味が出ましたか?それとも、何の気なしに読んでいただけ…? まあ大丈夫。では、 ページを捲って。 「おはよう…」 眠い目を擦りながらお母さんに声を掛ける。 制服の着方もよく分からないから、 まだパジャマだけど… 今日は待ちに待った…いや、そうでもない入学式。 元々引っ込み思案な私は、中学校でとんでもない隠キャになるんじゃ…と少し、いやだいぶ怖い。お母さんは昨日から 「心配することないでしょ。そうやって言いながら青春するんだから」 と言ってる。まぁ…そうかもしれないケド。 お母さんに制服を着せてもらって、中学校に向かう。 大雨が降ってて、なんだか入学には向いてない天気。 学校近くの河川敷に車を止めて学校へ。 クラスの紙が貼ってあって、皆集まって眺めてる。 私も見ようと思って寄って行ったら、後ろから声を掛けられた。 「愛莉!!何組だった!?」 中のいい幼馴染のみっちゃん。 名前は小畑聖樹(おばたみさき)。みっちゃんで呼び慣れてるから、 あんまりすっと名前が出てこない。 「みっちゃん!まだわっかんないな、見たいんだけど」 「やっぱ見づらいよなあ、俺背低いから尚更」 「確かにー、私より見づらいかもねーーー」「ウザ!」 「…あ、見えたよみっちゃん。…一緒だ!!」 びっくりした。まさか同じとは。 1年6組 1 相庭優衣 2 阿部琴葉 3 井沢爽 4 石田遼馬 …… 8 小畑聖樹 …… 22 髙橋愛莉 「…ほんとじゃん」 「「ちょー嬉しいじゃん!一緒に行こうぜ!」」 で、上がろうとした。 それで、少し止まって改めてクラス表を見てみた。 10 加納梨湖 梨湖ちゃん。みっちゃんの好きな人。 ……え一緒なの!?嘘!?えーっ!? 「ちょみっちゃ、みっちゃん待って」 「なに?早く行こうよ」 「ちがう、梨湖ちゃん、梨湖ちゃんいる」 「は?冗談よせ……よ……」 「がちやん。」 「言ったじゃん!!!!」 「バカ、もっと急がなきゃいけなくなったじゃん」 「うおー!急ぐぞ聖樹ーーー!」 二人で階段を駆け上り、教室に向かった。 もう廊下にはほとんど人がいなかったから、とっくにみんな来てたんだと思う。 私は途中で察して静かにあがったけど、聖樹は気付いてないのか、 教室の前まで来た時私に向かって 「俺が扉開けるから大丈夫、後ろから入る?」 と言ってきた。 私がこういうところが苦手なのも知ってくれていてありがたいんだけど、 ちょっと静かにして! 黙って頷いたら、聖樹は勢いよく扉を開けて 「おはようございまーーっす」 と言い放った。 みんなの視線が集まる。 何処となく冷たく、でもそれを出さないように隠している目。 私が1番嫌いな目。 呼吸が、難しくなった。 息の吸い方を、忘れた。 「…みっちゃん?」 「うん、多分今俺も同じ気持ち。」 「…ごめん、ちょっと」 俯いて、肩を借りた。 ゆっくりと落ち着いて、自分の席に向かう。 1人の子が手招きをしてくれた。 おかげでずいぶん落ち着いたので、教室全体を見回してみた。 知ってる顔が結構あった。 佑大(ゆうた)と、爽(そう)と、 ……あいつ、知ってる。なんだっけ 絶対に、絶対に幼稚園が同じ。 そうやって考えてたら、担任であろう先生が入ってきた。