ヨクネル。

12 件の小説
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ヨクネル。

大学生の日常をエッセイとして書きます 温かく、出来たらクスッとしていただけたら幸いです。 初心者なので拙いところもあると思うのですが、フォローやコメントしていただけたら嬉しいです

体育祭の話

中学最後の体育祭で応援団をやることになった。 その中学校の応援団はとても厳しいで 有名でなにしても怒られる。 そして最高学年である我々が怒られる。 理不尽ってこれかって学ぶ事が出来る。 そんな応援団も絶対に怒られる時が存在する。 それは体育祭前日だ。 毎年、体育祭前日に理由を付けられ怒られ グラウンドで気合いの声出しをするのが恒例行事であり、 その年も1年が何かをやらかし、 雨の中気合いの声出しをさせられた。 その後先生の熱いお言葉を頂く。 その時に先生は気に入ってしまったセリフを 自分達にずっと投げ続けた。 「雨が降ろうが、槍が降ろうが」 雨が降ろうが、槍が降ろうが、 俺たちは体育祭を成功させなければならない。 雨が降ろうが、槍が降ろうが、 俺たちは選手を応援し続けなければならない。 今まで熱く指導させられた我々は洗脳されているため、 より先生との絆が深まり、 体育祭に向けて熱い気持ちを先生と分かち合えた気がした。 次の日、体育祭は小雨で中止になった。 信者化した応援団一同は 雨の中グラウンドで体育祭を続けてほしい という意味を込めて声出しをした。 先生が来て 「もうやめるんだ、悔しいけど、体育祭は中止だ。。」 先生は申し訳なさそうに言う。 生徒の1人が 「雨が降ろうが、槍が降ろうが、体育祭やるんじゃないんですか!?」 と言った。 先生は声を振り絞り、 「ごめん」 と言った。 大人の本気の謝罪を聞いた初めての瞬間であった。 もうそろそろ体育祭のシーズンになるのだろう。 雨も槍も降らずに良い天気で迎えてほしいと切に願う。

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E先生の話

中学時代のE先生がツボだった。その先生は、変だ。 もし生まれ変わったら何になりたいという質問に占い師と答え、 好きな本は占い師入門と答える徹底ぶりと、 なんでなりたいかを聞いたら、 適当な事言って儲かるのが羨ましいからと言っていた。変だ。 E先生は数学の教師なのに 一つ上の先輩には専門外の社会を教えていたらしい。変だ。 E先生は自分の授業で扱うビデオを扱う際に必ず、 「はーい、世界で1番つまらないDVD見ま~す」という。 加えて、「寝てていいから、喋るなよ~」 と睡眠を推奨してくれた。変だ。 E先生はやったことないのに卓球部の顧問をしていた。 しかし、1年で下手すぎて辞めたらしい。変だ。 E先生は野球部の副顧問になった。 仕事は顧問のいない日の最後のミーティングだけだ。 「みんないるね~じゃ、明日も頑張ってください。以上です。」 「先生!明日の練習場所どこですか?」 「分かりません。以上です。」 このミーティングは噂だと5秒で終わったらしい。 世界最速ミーティングとして学校中で噂になった。変だ。

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ado様のうっせぇわに乗せてお客様へ提言

正しさとは。愚かさとは。それが何か見せつけてやる。 ちっちゃな袋を差しだして、気づいたら俺に詰めさせてた。 有料袋を買う事を、考えられるわけもなく。 でもお菓子足りない、酒が足りない。 困っちまう、こりゃ入るわけねぇ。 金もなくただ暴言放つ人間。 それもそっか。 店員が詰めるのは当然の把握 タマゴの動向もいちいちチェック 不満があれば怒鳴るぞ「ワー!」 お客さんは神だと思ってる はぁ? うっせぇうっせぇうっせぇわ 今はエコバックが当然です。 最近ニュース見てなかったん? あなたじゃわからないかもね 嗚呼よく臭う、その使い古されて黄ばむ袋 うっせぇうっせぇうっせぇわ 袋詰め各自でやるのでどっかいって。

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夢の国の話

自分には彼女がいる。 先日彼女と某夢の国に行ってきた。 何もない平日に行ったため比較的人の量を感じない夢の国日和であった。 オシャレをして、 たくさん思い出に残る写真を撮りたく、メリーゴーランドに乗った。 二人で出資したチェキを手に取り、彼女の隣に座りチェキを構えた。 しかし、アップすぎてなかなか伝わらない。 もう少し背景に夢の国らしい雰囲気を入れたい。 そう思った私は、1つ席を離れて座り、チェキを構えた。 めちゃくちゃいい。 彼女と夢の国が程よくマッチしている。 良い写真が撮れそう。 そう思った瞬間、知らない女性が間の席に座った。 「嘘やん」と言いかけた。 「まだまだ席はあるのに。」と怒りの目を向けかけた。 「いや、お前もきまずいやろこの席」と促しかけた。 ずっと「かけた」ままの自分がいた。 当たり前のように席を2個確保していた自分の傲慢さと呆れが 心のほとんどを占め、 「かけた」状態が続き、何もできなかった。 逆ウィンウィンな席のままメリーゴーランドがスタートしてしまった。 色々込み上げてきて彼女と共に笑ってしまった。

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母の話

私の母は面白くない。面白くない女性の典型的なパターンだ。 テレビを見ていても意味の分からないところで大爆笑する。 雰囲気がしらけるから本当にやめてほしい。 ただ、母はすぐに変化に気づいてくれる。 学校で嫌な事があった時も、好きな人が出来たときも。 子供の変化に良く気付く母はたまに面倒くさいけど、 見習わなくてはいけないと尊敬している面でもある。 私の母はそんな人である。 ある日、母と何気ない話をしていた。 「俺、もっとこの世の中整形しても当たり前の世界で良いと思う。 当たり前の世界なら、もっと顔小さくしたいな~でも痛いんだろうな」 もっとちやほやされたいと叶う事のない願望と 率直な疑問を口に出しただけの何の変哲もない日常であった。 「別に今のままでいいんじゃない?」 自分の容姿を肯定してくれる母は当たり前のように見えて、 素敵な事なんだろうと感じた。 「私も整形したけど、少し痛いなと思って、あなたじゃ耐えられないんじゃないかな?」 私の母は半年前にプチ整形していた。 え、どんなタイミングで告白してるの。 こんなに驚いている自分みたいなのがいるから 整形が当たり前にならないんだろうな、 最速でブーメランを喰らった。 尊敬しているだけじゃダメなんだろうな、 母の変化に半年も気づいてあげられなかった。 50代でプチ整形した母親? めちゃくちゃ面白い。 人生後半戦の母は自分のイメージを大幅に変えてきた。 私の母はそんな人である。

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栃木の話

男子5人で車を借り栃木に旅行をした。 運転手を交代しながら目的地まで走った。 熱すぎるのと車内で歌いすぎたため、お腹と喉が疲弊していた。 ギョーザ我慢とビール我慢を経て、店に入り、 勢いよく食べて飲んだ。 酔いも回り、楽しさと満足さに満たされた。 最高の気分のまま泊まる家に歩いて向かった。 大学生だからこそ、男だからこその楽しさに浸っていた。 歩いている道はキャッチの多い道であった。 「お兄さんたち、キャバクラどうですか?」 威勢のいいお兄さんたちが声をかけるが、そんなのは追い払えた。 なんせ気分が良い。 男5人組の世界にそんな奴らは入れなかった。 そんな中、50代くらいのおばさんが5人の中にスーッと入り、 「どうですか?遊びませんか?」と細々と言ってきた。 当たり前に断った。 いや、なめんなよ!!!! 心の中で叫んだ。 若い女性がいるキャバクラを退けて、おばさんと遊ぶかぁ。 お客さんきてほしいならもっと声張らんかい。 最高の気分しらけるわぁ。 そんな辛辣なツッコミをおばさんに浴びせるところだった。 飲みすぎると失礼な言葉を口に出しそうになる。 今後も注意していきたい。

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飲食店の話

学校を行く途中にマンションが並んでる道がある。 その中のマンションの2階に 「飲食店らしきもの」がある。 イメージはマンションに床屋があるような感じだ。 ガラス窓から見える机といすだけで判断していた。 なぜそこまで気になってしまったか。 それは、1年の多くをその道を歩く時間に費やしてきた私は そのお店に人が入っていく所を見たことがない。 本当に勝手だが心配してしまっていたのだ。 そんなある日、 あの日は末端冷え性には厳しい冬の寒い日であった。 そのお店もさすがにやばいと思ったのか、 道に看板を出していた。 「2階で元気よく営業しています!」 と書いてあったのですぐにその店だと理解した。 なんだ、結構元気な店じゃないか。 よく見ると、今日のおすすめメニューが書いてあった。 『寒い冬にピッタリ!体に優しく、どこか母の味を思い出す、 チキンの煮込み定食』 ほっこりする味が想像される文言、 ほろほろのチキンが目に浮かぶ。 こんなに美味しそうな店、なぜ人の気配がないのだろう。 今度家族と一緒に行ってみよう。 美味しかったら友達にも紹介して、 いつかは彼女とも行ってみよう。 看板の最後に店の名前が書かれていた。 「エロガッパ」 誰が行くかぁ。

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ミスターコンの話

自慢ではないのだが、 高校の時に文化祭で行われるミスターコンに出場した事がある。 その高校は中高一貫で、同じ境遇なら気持ちは分かると思うが、 そこの文化祭は 高校から入学したいわゆる「高入生」を蚊帳の外にし、 中学から通ういわゆる「内進生」が盛り上がるお祭りなのである。 なぜそんな祭りの一大イベントである「ミスターコン」に 「高入生」である自分が出場できたのか。 それは、その年の部活動紹介で「山崎賢人」のモノマネをしたら 人生でもらったことのない黄色い声援を浴び、 そこで知ってもらった内進生に 声をかけてもらったという経緯である。 母校のミスターコンでは学内の投票に留まらず、 外から来たお客様にも投票してもらう。 そこで、至る所に写真を掲載し、 誰がかっこいいかで投票してもらう。 この投票はミスターコンを勝つうえでかなり重要な票数を占める。 その写真掲載と共に全員に「キャッチフレーズ」がつけられる。 写真と共により人物像をイメージをしやすくするためだ。 テニス部の子は「リアルテニスの王子様」であったり、 ドS系の子は「黒王子」 普段なら恥ずかしいものも、 正直言われて気持ちが良いものばかりだ。 自分の番がきた。担当の女の子二人が勢いよく駆け付け、 キャッチフレーズを発表します!と高らかに自分に言ってきた。 「『山崎賢人の声を持つ男』です!」 うん。そうか。その場を作り笑いでなんとかやり過ごした。 自分の中で整理した。 そうだよな、確かに山崎賢人の声で出てきたし、 でも運営側としては山崎賢人似では通したくなかったんだろうな。 しかし、声を大にして言いたい。 大事な外部からくるお客様の投票は写真とキャッチフレーズしか見れない。 そんな中自分は山崎賢人の声を持つ男だ。 そう、その人たちからしたら、ただの男なのだ。 人物像などへったくれもない。 この場を借りて当時自分に投票してく方に感謝をしたい。 ただの男に投票をしてくれてありがとうございました。 あなた達は見る目がありますね。

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物の名前の話

前回の話で、 私が働いているコンビニのやばさは理解して頂けたと思う。 ただ、もしかすると一部にここで働いてみたいと思う人もいたかもしれない。 しかし、ここのコンビニで働くのはとても大変であるので、 僭越ながらうちで働く適正を見させていただきたい。 うちで働く際に一番難関なのは、物の名前だ。 1世代前のおじさんやおばさんが来るため、 違う言語が飛び交う事は日常茶飯事である。 まずは初級の例を言う。 スプーンを「まるさじ」と呼んだり、 ハンガーを「えもんかけ」と呼んだり。 ここでピンとこなかった人は申し訳ないが、脱落である。 中級編に移ろう。 コウモリをくれないか? と言われたら、どう対応する? シンキングタイムを設けよう。 答えは傘だ。 これで中級なのだから恐ろしい。 ただ中級を理解できたのであれば、ここで働ける素質はあるので、 ぜひ応募してほしいと思う。 私のように上級になると、こんなことまで理解できてしまう。 ある日、おじさんが会計の時に、こう、私に伝えた。 「あの、箸と、まるさじと、あと、えっと、なんだっけ…… 『猪八戒』つけてくれないか?」 この人の要望をお分かりいただけただろうか? 「もしかしてフォークの事ですか?」 そう私が答えると、おじさんは満面の笑みで頷いた。 ここまで理解できた読者の方々と共に働ける時をとても楽しみにしている。

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痴漢の話

今回は、私のアルバイト先の話をしよう。 今後も登場する事があると思うので、覚えておいてほしい。 私はコンビニエンスストアで働いているが、地域柄もあり、 言葉を選ばずに言うなら、変な人が多い。 パンツで来店してしまう通称「パンツマン」 パンに向かって政治を語る通称「演説者」 これだけの文字数でもヤバさは分かってもらえたと思う。 そんなコンビニである日痴漢が発生した。 夜勤のベテラン女性店員のAさんが、 胸を触られたというものだった。 監視カメラを確認すると、 犯人は品出しをしているAさんに話しかけ、 何かを渡し、怯んだところを狙って、 正面からガッツリやっていた。 それを見た時、私は違和感を覚えた。 女性は日々男性よりも警戒をして生きているものだと思う。 ましてや、変な人が集まるこのコンビニで働く女性は特にだ。 それに該当するAさんはなぜあんなにもガッツリ触られてしまったのか。 ここで、渡した「何か」が鍵になってくると思った。 よくある電話番号を書いた紙などでは驚かない。 この環境下で生き抜いたAさんに 隙を与えるほどのブツとはなんなのか、聞いてみた。 すると、Aさんはブツを見せながら、悔しそうに答えた。 「チェコ共和国製の爪やすり」 いや、どこのなんやねん。 どれのそれやねん。 犯人計画的すぎるだろ。 ワードが強すぎてツッコミが止まらなかった。 犯人は捕まっていない。 だからここで注意喚起を行いたい。 これを読んでいる方々、特に女性の方、 知らない国の爪やすりを渡されたその時は、 どうか守ってください。 Aさんと同じ被害者が生まれませんように。

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