ガシャガシャ音
今日も長い長い学校での一日が終わる。 天気は雨で、靴が濡れて最悪。
そう思いながら通学路を通って帰っていると、なにやらガシャガシャと音がしている。「どこからだろう・・・」と探してみるとふと、1つの鉄の塊が目に入った。
鉄の塊の正体はアパートに備え付けの鉄製の倉庫のように思えた。
僕はその音が鳴っている意味に気がついた瞬間、何も考えず家に一直線で帰った。
こわかった。
あれから僕は、あの道で帰っていない。
あの倉庫は一体何だったんだろう。いや、考えても無駄かもしれない。
今でも脳内にあのガシャガシャとした音が離れない。あれは単なる風だったのかもしれない。
それでも僕は、生きていく、あの日死んだかもしれない一人の人間に情けをかけるように。