空気
36 件の小説終わりのない世界
終わりのない世界の中で 俺はリュックを背負う 当たり前のように朝が来て 当たり前のように夜が来る 地球にいる限りこれは平等で そして等しい 朝起きて朝食をとって 仕事に行ったり学校に行ったり 家で過ごしたり いつ終わるのかわからない世界で 俺達は繰り返す 終わりのない生活を
結果的には
物を誰が壊そうと 壊れようと 心を誰が壊そうと 壊れようと 体を誰が壊そうと 壊れようと 結局 壊れたのには 変わりないんだよね どうせすべてが壊れ、 壊されるのなら 気遣いなんかせずに 一思いに壊しちゃってよ
正解
俺たちは 正解の中を生きている テストだって 普段の何気ない選択だって 人生に関わる大事な選択だって どちらかが自分にとっての正解で どちらかが自分にとっての間違いだ マルとバツで分けられる この効率的で 残酷な世の中で 俺たちという正解が 存在する
欲しいものはそれだけ
僕が欲しいものは 勉強ができる能力じゃない 運動なんかできなくたっていい 欲しい物なんてないし お金で買えるものなんて 何一ついらない 僕が欲しいものは ただひとつ 君に、愛を伝える勇気 ただそれだけ
失うこと
失って 失って また失って 俺はある人に言われたんだ 失うことを繰り返して 人は強く 成長できるんだって でも でもさ 俺は色々なものを失ったのに その度に涙が出て 全く強くならなかったし 成長もしなかった それどころか 手元には何一つ残らなかったよ
歪んだ愛
いつもありがとう 俺と仲良くしてくれて いつもありがとう 美味しいご飯を作ってくれて いつもありがとう おかえりって言ってくれて いつもありがとう 俺に触れてくれて いつもありがとう 俺を殴ってくれて いつもありがとう 俺を殺そうとしてくれて いつもありがとう 最期に俺が死ぬことを 許してくれて いつもありがとう もう何がありがとうか わかんないや
死に方
この世に死に方はいくつあるか ニュースで聞くだけでも 山ほどある この世に正しいと言い張れる死に方も 正しくないと否定できる死に方も 存在しない そんなことはどうでもよくて 俺は ただ後悔しないように 生きてほしい
ただ、こう言うしか
泣いた 泣いていた 俺の目の前で 声を上げていた 頬が光っていた 頬に雫が落ちていた それは涙だった 俺は 泣いている君にこういった 「大丈夫大丈夫。」 なんにも事情は知らなかったけれど 今の俺にはそう言うことしかできなくて だから俺は 俺は目をそらしながら、こう紡ぐ 「俺がいるから、好きなだけ泣くといい。」
嫌いです
君が笑う顔も 君が泣く顔も 君が話す顔も 君がぼーっとしている顔も 君がびっくりしている顔も 君がはしゃぐ顔も 君が怒る顔も 全部全部 大嫌いだ だって俺 それが本物のお前じゃないって 作り物なんだって 知ってるから
背中を押したら
俺はある日、友達の背中を押した 勉強頑張れよって 塾頑張れよって 百メートルしっかり走ってこいよって お前なら大丈夫だよって お前ならいけるぞって そして俺は また君の背中を押した 君が自殺をしたいと言った 俺は、そうか 「頑張ってこいよ」 と言ってしまった。 俺、 背中なんか押さなきゃよかったな