れもんそーだ
2 件の小説彼岸花よりも蚕よりも醜い君
教室を照らす夕日の中に君はいた それはとても可憐で 今でも消えてしまいそう 「〜ちゃん!」 そんな言葉が聞こえる 「ねぇ〜ちゃん!聞いてよ〜」 クラスの中でも人気者の女の子 とても可愛い 「〜ちゃん?大丈夫?」 誰よりも優しくて、可愛くて、人当たりがいい。 だけどそんな君にも、醜い一面があったよね 校舎裏で私をストレス発散の道具にしたよね 暴力も振るわれた 君は女の子が好きだったから私に恥ずかしい事いっぱいしたよね だけど私はそんな醜い君が好き 表は可愛い女の子で、裏は醜い女の子 君は まるで醜いアヒルの子 醜いまま成長した女の子 君は、 彼岸花より 蚕より 【よっぽど醜くて可愛い】
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海への忘却
ある8月21日 夏も本番となり猛暑が続く 風鈴の音色がなり続ける度ほんの少しだけ涼しさを覚えた 『ノア〜?』 俺の友達のノア 「ん?な〜に真ちゃん」 俺の初恋のノア 『8月24日海行かね?』 「いいじゃん!行こ〜!」 あのころは幸せだった 8月24日までは 忘れもしない8月24日 耳の奥そこまで聞きたくもない救急車の音 『ノ、ノア……?』 見たくない 嫌だ やめてくれ ぷつん、と音が消えた気がする 何にも聞こえなくなって 只々無音が続く 『あ、あぁぁ』 忘れもしない、いや忘れられない8月24日 俺の初恋の子が 海に溺れてしんだ あんなに元気だった あんなに動き回ってたのに 海の中では何も出来きなかったのか 泡のように消えてなくなってしまったのか あんなに…呆気ないのか どうして
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