都合のいい世界
あの時の選択は、多分、間違いではなかった。
きっと、最善だったはず。
多分。きっと。
そう思いたいだけかもしれない。
そう思っていないと、壊れてしまうのが自分でもわかる。
本当は、もしかしたらどうにかできたかもしれない。
そんな考えが過ぎっては、かき消した。
君を失ってから、私の世界は真っ暗で、
感覚が鈍ってしまった。
周りから、「メンタルが鬼強い」と言われるほどだ。
違う。
地獄にいるから、大抵の事は響かないだけ。
でも、何も感じない筈なのに、心が凍ったように冷たくて、焼け付くように痛くて、常に孤独が付き纏う。
君がいた頃の世界は、楽しくて、悲しくて、嬉しくて、腹立たしくて、未来を信じてた。
だから、私一人、置いて行かないでよ。
寂しい。
会いたい。会いたいよ。
楽しいことが沢山あった筈なのに、それまでのこと全てが嘘で、幻だったかのように、今は空っぽで、
もうこれから先はただ死を待つだけのようすら感じる。
私が死ぬのはいつだろう。
まだ何十年もかかりそうで、それはあまりにも長くて。
この空虚が埋まることはないだろう。
君がいない世界を好きになれたらいいのに。
同い年の友達は皆幸せそうで、些細なことで悩んで、泣いて。
それが羨ましい。
私もそんな世界を生きたい。
誰か助けてよ。
何もかも忘れて、楽しい時には心から笑い、悲しい時には君の胸の中で泣きたい。
そんな都合のいい世界。