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群馬の空(修正)

初夏の午後、私は公園のベンチに座っている。風が私の頬を優しく撫でている。少し暑い日差しが、顔の表面に伝わってくる。公園は子供たちの遊び声で賑わっていて目の前に広がる景色は穏やかな気持ちにさせてくれる。 私は空を仰ぎ見た。そこに広がるのは深い青に染まり、雲一つない景色で満たされている。その静かなこの光景が、三年前の出来事を思い起こさせる 『出逢い』 春の柔らかな日差しが教室の白いカーテンを眩しく照らすし、窓側の席の机はキラキラと輝いている。 生徒たちのざわめきの中、いつもとは違う先生の少し気合いの入った声が教室に響き渡る。 「おはようございます」 「皆さん、今日から転校生が来ます」 教室の扉が開けられる音が響いた。一瞬、生徒たちの視線が扉に向けられる。彼は静かな笑顔を浮かべ、周囲を探るような眼差しで黒板の前に立つ。 「彼の名前は──」先生が続けるが、その言葉は私の耳には届かなかった。私はただ、彼の姿に魅了されていた。 自己紹介を聴き逃してしまった私は、友人に彼の事を聞くことにした。 彼の名前は「佐藤優」といい、どうやら東京から引っ越してきたらしい。中学時代はサッカー部に所属していたらしく、日に焼けているのはそれゆえだと見当をつける。すらっとした印象とは裏腹に、腕や足が筋肉質な彼の姿に納得がいった。 佐藤くんが来て一ヶ月が経過しようとしていた。 運動が出来るってこともあって、体育の時間などを通じて仲良くなっていて、クラスに馴染んでる。   しかし残念ながら私は運動が得意ではなかったので、彼との接点は未だに一つとしてなかった。どうにかして仲良くなりたかったが、それ以前に話しかけることさえままならなかった。 『出来事』 ある日、私は愛犬の散歩中、普段と変わらぬ公園の風景の中で、偶然佐藤くんを見つけた。彼はベンチに座り、空を仰ぎ見ている姿が、さらに私の心を引き寄せた。私は彼の姿に完全に心を奪われ、その場に立ち止まってしまった。 リードを持つ手が、いつの間にか緩まってしまい、 愛犬が彼の元へ走り出してしまった。 「すみません。うちの犬が……」 「ああ、大丈夫ですよ。かわいいワンちゃんですね」 少し犬を撫でたあと、目線を上げて、私の顔を見た 「あれ、もしかして、同じクラスの宮崎さん?」 私は驚いたが、すぐ嬉しくなって頷いた。 「そうです、同じクラスの宮崎です」 佐藤くんと会話ができるなんて夢にも思わなかったから、私の心が沸き立つのを感じた。 「ワンちゃんのお散歩?」 「うん、今日は天気が良かったから。そういう佐藤くんはなにしてたの?」 「あー、僕はその、なんというか……」 彼は少し照れくさそうに言葉を続けた。 「この公園が最近のお気に入りなんだ。放課後によくここに来て空を見てて、まぁ、それだけだよ」 誤魔化すようにはにかんだ彼との会話は、実にぎこちないものだった。だけれど、彼が言った「お気に入りの場所」という言葉を聞き逃すわけがなく、自分の口から自然と笑みが溢れるのが分かった。 「私もここが好きです。落ち着く場所ですね」と答えると、彼は微笑んで頷いた。 私は佐藤くんとの会話は初めこそぎこちのないものだった。 話題は日常の些細なことから始まり、徐々にお互いの好きなアニメや、芸能人、音楽、休日の過ごす方など時間を忘れるぐらい会話を楽しんだ。私は次第に距離が縮まっていくのを感じた。 『気持ち』 それから私は、前会った同じ時間に愛犬の散歩で公園に行くようになり、私たちが学校以外で会う場所になっていた。ここでの会話は他愛もない学校や家での出来事ばかりだったが、佐藤くんとの会話の中で感じる優しさや思いやりに触れる度に、私はますます惹かれていき佐藤くんに告白する決意を固めていた。 『告白』 私は公園で佐藤くんを待った。しかし彼がそこに現れることは無かった。 私は佐藤くんに連絡したが、返信が帰って来ない。嫌な予感が脳裏によぎる。 辺りはすっかり暗くなって、ベンチに座る私だけが、電灯に照らされている。 スマホの着信音が鳴り響いた、画面には知らない電話番号が映し出されていた。 恐る恐る電話に出る 「もしもし、宮崎葵です」 「もしもし、佐藤の母です」 私は心臓がキュッと締め付けられる感じがした。 佐藤くんの母は続ける。 「突然連絡ごめんなさい。息子がどうしても言いたいことがあるの聞いてくれる」 「葵、お前と出会えて本当によかった、好きだよ」 「今日公園に行けなくてごめん、でもいつか行くから」 佐藤くんはそれだけ言って電話が切れた。 私は心配で折り返しの電話を掛けたが繋がらなかった。 後日、佐藤くんの母から電話があった。 決して信じたくない出来事だった下校中の横断歩道で車に轢かれ一命は取り留めていたが、予断を許さない状態だった。私に電話をした一時間後に意識を失い病院で帰らぬ人になった。 そのことを聞いた私は佐藤くんの母に教えてくれたことに対する感謝を伝え、スマホの電源を消した。 私の心の中に、言葉では言い表せないほどの喪失感が募っていった。 この気持ちを伝えることは叶わないものになってしまった。 彼の死を受け止めることが出来ず、月日だけが流れて行った。 『三年後(現在)』 今も、私は青い空を見上げる度に、彼との出会いを思い出す。 「あの日も空がこのくらい青く、雲ひとつなかったな」 "私の心には、あなたとの思い出が" 私はあなたを待ち続けるだろう もし願いが叶うならもう一度、あなたに出逢いたい。 この「群青の空」を、あなたと一緒に眺めたい

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群青色の空

主要人物 私「宮崎葵」 彼「佐藤優」 初夏の午後、私は公園のベンチに座っていた。 風が私の髪を優しくなで、少し暑い日差しが、顔の表面に伝わってくる。公園は子供たちの遊び声で賑わっていて目の前に広がる景色は穏やかな気持ちにさせてくれる。 私は空を仰ぎ見た。そこに広がるのは深い青に染まり、雲一つない景色で満たされている。その静かなこの光景が、3年前の出来事を思い起こさせる 『出逢い』 春の柔らかな日差しが教室の白いカーテンを眩しく照らすし、窓側の席の机はキラキラと輝いている。 生徒たちのざわめきの中、いつもとは違う先生の少し気合いの入った声が教室に響き渡る。 「おはようございます」 「皆さん、今日から転校生が来ます」 教室の扉が開けられる音が響いた。一瞬、生徒たちの視線が扉に向けられる。彼は静かな笑顔を浮かべ、周囲を探るような眼差しで黒板の前に立つ。 「彼の名前は──」先生が続けるが、その言葉は私の耳には届かなかった。私はただ、彼の姿に魅了されていた。 自己紹介を聴き逃してしまった私は、友人に彼の事を聞くことにした。 彼の名前は「佐藤優」といい東京から家庭の事情でこっちに引っ越してきたらしい。中学時代はサッカー部に所属していたらしい。 私が彼に魅力を感じたところは背は175cmぐらいあって、私は佐藤くんの焼けた肌と、スラッとしているように見えるのに、腕や足の筋肉質な感じがタイプだった。 佐藤くんが来て1ヶ月が経過しようとしていた。 運動が出来るってこともあって、体育の時間などを通じて仲良くなっていて、クラスに馴染んでる。 運動が得意ではない私にとって彼との特別な接点はなく、ただのクラスメイトでしか無かった。私はどうにかして、佐藤くん会話をして仲良くなりたいと思っていた。 『出来事』 ある日、私は愛犬の散歩中、普段と変わらぬ公園の風景の中で、偶然佐藤くんを見つけた。彼はベンチに座り、空を仰ぎ見ている姿が、さらに私の心を引き寄せた。私は彼の姿に完全に心を奪われ、その場に立ち止まってしまった。 リードを持つ手が、いつの間にかゆるめてしまい、 愛犬が彼の元へ走り出してしまった。 「すみません。うちの犬が……」 彼「ああ、大丈夫ですよ。かわいいワンちゃんですね」 少し犬を撫でたあと、目線を上げて、私の顔を見た 「あれ、もしかして、同じクラスの宮崎さん?」 私は驚いたが、すぐ嬉しくなって頷いた。 私「そうです、同じクラスの宮崎です」 佐藤くんと会話が出来るなんて夢にも思わなかったから私の心が踊ったのを感じた。 「宮崎さん、実はね…」彼は少し照れくさそうに言葉を続けた。「この公園は最近僕のお気に入りの場所なんだよ。放課後よく来て空を見上げてるんだ」 私は彼の言葉に耳を傾けながら、自然な笑顔が溢れた。 「え、そうなんですか?私も天気がいい日とかに、散歩に来るんです、偶然ですね」 「私もここが好きです。落ち着く場所ですね」と私が答えると、彼は微笑んで頷いた。 私は佐藤くんとの会話は初めこそぎこちのないものだった。 私「佐藤くんは休日何することが多いの」 佐藤「そうだなー。サッカーの練習かお笑いを見る事が多いかな」 私「そうなんだ、私もお笑い好き番組が好きで、よく母に少しだけと言っときながら、時間を忘れ見ちゃったりすることがあるんだよね」 佐藤「わかるわ。そうなんだよいつの間にか深夜だったなんてこともよくあるんだよね」 話題は日常の些細なことから始まり、徐々にお互いの好きなアニメや、芸能人、音楽、休日の過ごす方など時間を忘れるぐらい会話を楽しんだ。 私は次第に距離が縮まっていくのを感じた。 『気持ち』 それから私は、前会った同じ時間に愛犬の散歩で公園に行くようになり、私たちが学校以外で会う場所になっていた。ここでの会話は他愛もない学校や家での出来事ばかりだったが、佐藤くんとの会話の中で感じる優しさや思いやりに触れる度に、私はますます惹かれていった。 ある日、佐藤くんに思い切った質問をした。 「どんな感じの女の子がタイプなの」 佐藤「好きになった人がタイプかな」 「なにそれ、分かりずらいなー」 私の気持ち的には、すぐにでも佐藤くんに告白したいと思っていたが、その勇気は今はなかった。 『校舎裏』 6時間目授業の終わりのチャイムが教室になり響く、クラスメイトが部活に向かっていく。 私は佐藤くんの席に駆け寄り、途中まで、部室に行こうと誘ったが、ちょっと行かなくちゃ行けない場所があるんだと言って、席を立って教室を出た。私は少し不機嫌になりながらも、吹奏楽部の部室に向かったが不運なことに鍵が掛かっていて入ることが出来なかった。職員室に居る先生に鍵を貰うため、校舎を歩いていると、女の子に告白されている佐藤くんを見つけた。 私は胸が苦しくなった。そりゃそうだ、佐藤くんはかっこいいし、サッカーも上手いしもモテるに決まってる。しかも、その女の子は1つ下の学年一位の可愛いって言われている子だった。 私はその場から逃げ出してしまった。 その日の部活はもぬけの殻だったと思うし、放課後の公園にも行く気が起こらなかった。 その日から、私は佐藤くんと距離を置くようになった。 学校でも、佐藤を避けてしまう。私の一方的な好意でしか無かったのになぜか、佐藤くんにも苛立ちってしまう。 ある日の放課後誰も居ない教室で佐藤くんは、私の席に迫るように寄って、言ってきた。 「聞きたいことがあるんだけど」 「どうして俺を避けるんだよ」 「公園にも来ないし、俺が何か悪いことをしたのかよ」 この言葉を聞いた私はムキになって感情に任せて思っていることを言ってしまった。 「あんたには関係ないでしょ」 「彼女が居るのに、他の女と遊ぶなんて最低だからね」 佐藤くんは「なんのことを言っているか分かんない」と、私に対して強気で言い返してきた。 私見たよ、校舎裏で女の子に告白されている所をね 佐藤「最後まで見たって言うのかよ」 「見てないよ。そんな事しないよ」 そういうと佐藤くんは、ほっとした顔で 「そんな事かよ」 「あの女の子に付き合ってと言われたけど、断ったよ」 「別にタイプでも無かったし」 「それにもう好きな人居るし」 「一番誤解されたくない人に誤解されてしまった」 「夕方、いつもの公園に来てよ」 佐藤くんは、照れくさそうにそう言った。 それを聞いた私は、変に誤解をしていて、佐藤くんに好意がバレてしまったのでないかと、恥ずかさのあまり、黙ってしまった。 小さな教室を静寂で覆う 私は口を開いた 「誤解していたことは悪かった」 「公園には行くよ」 「待ってるから」 そう伝え、私は教室を飛び出して、急いで家に帰った。 心の中でチャンスは今しかない 私は佐藤くんに公園で告白する覚悟を決めていた。 『告白』 私は公園で佐藤くんを待った。でもその日は彼がそこに現れることは無かった。 私は佐藤くんに連絡したが、返信が帰って事ないことと、彼がこの公園に来ないことに、嫌な予感が脳裏によぎる。 辺りはすっかり暗くなって、ベンチに座る私だけが、電灯に照らされている。公園で待って、5時間ぐらい経って帰ろうか迷っているときだった。 スマホの着信音が鳴り響いた、画面には知らない電話番号が映し出されていた。 恐る恐る電話に出る 「もしもし、宮崎葵です」 「もしもし、佐藤の母です」 私は心臓がキュッと締め付けられる感じがした。 佐藤くんの母は続ける。 「突然連絡ごめんなさい。息子がどうしても言いたいことがあるの聞いてくれる」 「葵、お前と出会えて本当によかった、好きだよ」 「今日公園に行けなくてごめん、絶対行くから」 佐藤くんはそれだけ言って電話が切れた。 私は心配で折り返しの電話を掛けたが繋がらなかった。 後日、佐藤くんの母から電話があった。 決して信じたくない出来事だった下校中横断歩道を渡っていた時、車に轢かれ一命は取り留めていたが、予断を許さない状態だった。私に電話をした後意識を失い病院で帰らぬ人になった。 そのことを聞いた私は佐藤くんの母に教えてくれたことに対する感謝を伝え、スマホの電源を消した。 私の心の中に、言葉では言い表せないほどの喪失感が募っていった。 この気持ちを伝えることは叶わないものになってしまった。 彼の死を受け止めることが出来ず、月日だけが流れて行った。 『3年後(現在)』 今も、私は青い空を見上げる度に、彼との出会いを思い出す。 「あの日も空がこのくらい青く、雲ひとつなかったな」 "私の心には、あなたとの思い出が" 私はあなたを待ち続けるだろう もし願いが叶うならもう一度、あなたに出逢いたい。 この「群青の空」を、あなたと一緒に眺めたい

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群青色の空

群青の空

主要人物 私「宮崎葵」 彼「佐藤優」 初夏の午後、私は公園のベンチに座っていた。 風が私の髪を優しくなで、少し暑い日差しが、顔の表面に伝わってくる。公園は子供たちの遊び声で賑わっていて目の前に広がる景色は穏やかな気持ちにさせてくれる。 私は空を仰ぎ見た。広がる空は深い青に染まり、雲一つない澄んだ日差しで満たされている。その静かなこの光景が、3年前の出来事を思い起こさせる 『出逢い』 春の柔らかな日差しが教室の白いカーテンを眩しく照らすし、窓側の席の机はキラキラと輝いている。 生徒たちのざわめきの中、いつもとは違う先生の少し気合いの入った声が教室に響き渡る。 「おはようございます」 「皆さん、今日から転校生が来ます」 教室の扉が開けられる音が響いた。一瞬、生徒たちの視線が扉に向けられる。彼は静かな笑顔を浮かべ、周囲を探るような眼差しで黒板の前に立つ。 「彼の名前は──」先生が続けるが、その言葉は私の耳には届かなかった。私はただ、彼の姿に魅了されていた。 自己紹介時、の名前を聴き逃してしまった私は、友人彼の名前を聞くことにした。 彼の名前は「佐藤優」といい東京から家庭の事情でこっちに引っ越してきたらしい。 佐藤くんが来て1ヶ月が経過しようとしていた。 彼との特別な接点はなく、ただのクラスメイトでしか無かった。私はどうにかして、会話をして仲良くなりたいと思っていた。 『出来事』 ある日、私は愛犬の散歩中、普段と変わらぬ公園の風景の中で、偶然「佐藤くん」を見つけた。彼はベンチに座り、空を仰ぎ見ている姿が、さらに私の心を引き寄せた。私は彼の姿に完全に心を奪われ、その場に立ち止まってしまった。 リードを持つ手が、いつの間にかゆるめてしまい、 愛犬が彼の元へ走り出してしまった。 すみません。うちの犬が…… 彼「ああ、大丈夫ですよ。かわいいワンちゃんですね」 少し犬を撫でたあと、目線を上げて、私の顔を見た 「あれ、もしかして、同じクラスの宮崎さん?」 私は驚いたが、すぐ嬉しくなって頷いた。 私「そうです、同じクラスの宮崎です」 私は彼の声に心が躍るのを感じた。彼とは同じクラスになったものの、あまり話したことはなかった。 「宮崎さん、実はね…」彼は少し照れくさそうに言葉を続けた。「この公園は最近僕のお気に入りの場所なんですよ。時々、散歩に来るんです」 私は彼の言葉に耳を傾けながら、自然な笑顔が溢れた。 「え、そうなんですか?私も天気がいい日とかに、散歩に来るんです、偶然ですね」 「私もここが好きです。落ち着く場所ですね」と私が答えると、彼は微笑んで頷いた。 私は彼との会話は初めこそぎこちのないものだった。 話題は日常の些細なことから始まり、徐々にお互いの好きなアニメや、芸能人、音楽、休日の過ごす方など時間を忘れるぐらい会話を楽しんだ。 私は次第に距離が縮まっていくのを感じた。 『私』 公園の会話から始まり、私は彼と少しずつ心の距離を縮めて行った。 公園は私たちの特別な場所となり、そこで過ごした時間は他と比べ物にならないものだった。 彼の優しさや思いやりに触れる度に、私の心はますます彼に惹かれていった。 しかし、この気持ちを伝えることは叶わないものになってしまった。 予期しない出来事だったは下校中横断歩道を渡っていた時、車に轢かれ、帰らぬ人になってしまった。 私の心の中に、言葉では言い表せないほどの喪失感が募っていった。 彼の死を受け止めることが出来ず、月日だけが流れて行った。 『3年後(現在)』 今も、私は青い空を見上げる度に、彼との出会いを思い出す。 「あの日も空がこのくらい青く、雲ひとつなかったな」 "私の心には、あなたとの思い出が" もし願いが叶うならもう一度、あなたに出逢いたい。 この「群青の空」を、あなたと一緒に眺めたい

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群青の空

「群青の空」

初夏の午後、私はひとり、公園のベンチに座っていた。風は穏やかで、木々がそよぎ、鳥たちが歌い、その中で彼女はふと、遠い記憶を思い出した。"あの日も空がこのくらい青く、雲ひとつなかったな。 私の心には、あなたとの思い出が ひとつだけ願いごとが叶うなら、 あなたにもう一度、逢いたい 「この青い空を、あなたも今どこかで見ていますか?」

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「群青の空」

「足跡」

風が冷たく吹き抜ける公園の中、僕と彼女は寄り添いながら静かな時間を過ごしていた。白銀の世界が広がる中、僕らの足元には雪が積もり、街灯の明かりが微かに道を照らしていた。 心の奥底に漂う切ない静寂を感じていた。雪がそっと降り積もり、寒い風が二人の頬をなでる中、彼女の微笑みも今の僕の心を温めることはできなかった。 そこには、ブランコの揺れる音だけが寒さとともに静かに響いていた。 僕の心には何かが漂っていた。それは、何かは言葉で表現するのには、難しすぎた。僕は少し沈んだ表情で、そっと彼女の瞳を見つめた。「何か悩み事でもあるの?」彼女が優しく尋ねてくれ僕はこの感情どう説明するべきか言葉が詰まりながら、言葉を探した。 「ごめん」 雪が降り積もり、寒さが二人の心を切なく縛り付けるようだった。 彼の言葉は雪の中に埋もれたように重かった。 私は彼の迷いを理解しようと努めながらも、雪の冷たさがその心を包み込んでいるように感じた。彼の存在がどこか遠くへ消えていくようで、言い表せない重みが空気に漂っていた。 雪の結晶が二人を包み込む中、私は深い呼吸をし、彼の手を優しく握った。 「貴方が見つけようとしているもの、私は理解できないかもしれないけど、その答えを見つけるまで、待ってるから」 彼は微笑みながら頷き、彼女の言葉に感謝の気持ちを込めた。しかし、心の中で彼は未知の旅への一歩を踏み出す覚悟を固めていた。雪が積もり続ける中、二人の間には不安と期待が混ざり合った静かな別れの雰囲気が広がっていた。 少しの沈黙の後に僕は彼女に対して別れを告げた。 僕が静かな別れの言葉を告げた後、彼女の心は驚きよりもむしろある種の穏やかさを感じていた。彼女は僕の言葉が予期されていたかのように心の中で繰り返され、静かな決意を感じ取っていた。 彼女の瞳には深い悲しみが滲んでいたが、同時に僕の覚悟を尊重する穏やかな微笑みも浮かんでいた。彼女は僕の決断を受け入れる準備ができていたように思え、僕の心の中で起こっている思いを察知していた。 彼女は静かに僕を見つめながら、微かな微笑みを浮かべて、「わかってるわ。ありがとう」と淡々と言った。 彼女は僕に対する感情を胸に秘めつつも、僕の意志を尊重する姿勢を示した。 あなたに言いたい事があるの 「愛してるよ」 僕は静かな公園を後にした。 心の中に渦巻く感情の荒波を抑えることができず、雪の舞う街を彷徨った。 彼女に対して別れを告げたはずなのに、胸の中にはまだ彼女への思いが残っていた。不安や孤独が心を突き刺し、別れの苦しみが身を包み込んだ。 彼女の思い出が心を駆け巡り、強く胸を締め付けた。 彼女の笑顔や彼女との共有した思い出が、心を縛り付けるように感じられた。僕は振り返ることもできず、歩き続ける。 公園の静けさが彼女を包み込み、彼女は一人でブランコで揺られていた。 彼の足跡は、既に雪に埋もれ、見えなくなっていた。 彼女は身を震わせながら、寒さと孤独感を抱えたまま、冷たいブランコにひとり取り残された。やがて、風が冷たく吹き抜け、彼女の周りに舞う雪は、彼女の心情を反映するかのように静かに舞っていた。時間が経つにつれ、彼女の瞳から零れ落ちる涙が、冬の寒さを増すように感じられた。 雪は静かに舞い、風は冷たく寒さが次第に彼女の心を凍りつかせるようだった。 やがて、彼女はゆっくりと立ち上がり、公園の一角から歩き出した。寒さが身体をしめつけるように感じられたが、彼女は一瞬一瞬を乗り越え、彼との思い出は心に深く刻まれていたが、彼女は時間が解決することを信じ、新しい明日への一歩を踏み出す覚悟を決めた。 冬の夜の中を歩き出す彼女の足跡は、寂しさと強さが交錯する物語の一ページとして、冬の夜に静かに刻み込まれていった。

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「足跡」