神蛇/𝓏𝒾𝓃𝒿𝒶

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神蛇/𝓏𝒾𝓃𝒿𝒶

まだまだ子供 ▽今日のイチオシ▽ 【雪】今の時期にピッタリな短い詩です STA▷2023 3/3▷ FIN ▷2026 ?/?▷ ※不定期(頻度低⇩) 連載中 :【転入した学園は、戦闘にまみれている】     【白銀の世界で僕らは】

心の持久走

人生は心の持久走だ 持久走とは一定の距離や時間を走り続ける 長距離走のようなものだ といっても持久走が苦手な人もいる 持久走が得意な人もいる それは、人生のようだと ある日私は思った 走り続けている 順調である 疲れて歩く 伸び悩む また走り出す 乗り越える ゴールする 目的の達成 これらの繰り返しだと、私は考える これは、人生は 自分たちが死ぬまで続く、 心の持久戦だ

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心の持久走

雪

雪が降った 子どもが沸いた 大人は冷めた 雪が積もった 子どもがはしゃいだ 大人はしょげた 雪が溶けた 子どもが悲しんだ 大人は喜んだ 雪が沢山降った 子どもが走った 大人は歩いた 雪が溶けかかった 子どもが転んだ 大人も転んだ 雪が完全に溶けた 子どもが泣いた 大人は笑った 空が晴れた 子どもは泣き止んだ 大人は複雑だった 雪が降った、積もった、溶けた 溶けて、蒸発した。

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雪

【新連載】白銀の世界で僕らは~プロローグ~

ある日、全身白銀の色に染まっている、雪女の末裔が時空に現れた謎の異変に気が付いた。 それは新たな転生者を知らせるものであり、そしてその大地を鎮める者の"能力"の重みに耐えられなかった、という事実を知らせるものでもあった。 『時空の歪み、か。新たな人間がこの世に迷い込んでしまったようだな。人間よ』 『妾を楽しませておくれよ』 【白銀の世界で僕らは】 現在、西暦三九一六年。 約二五〇〇年ほど前、この地域では人間とモンスターの争いが日々絶えなかった。そんな時、地域別に存在するとされる創造神はそれを見かね、怒りのあまり時空を歪めてしまった。それによってこの地域は雪が一年中振る土地へと姿を変えてしまったのだ。 そんな土地にある時誰かが名前を付けた。 その名は、『クリスタル・ディスペア』。 雪の結晶が絶えず振り続ける、地獄のような土地。 迷い込んだら最後、絶望しか残らない。 そのような意味を込められたとされている。 モンスターの長はこのままではまずいと、緊急で人間の長に話し合いを持ちかけた。人間もいけないとわかっていたのか、話し合いはすぐに行われることになった。両者とも、話し合いを用いて出した結論はこの土地を"元の土地に戻す"こと。 これによってモンスターと人間の戦は終戦へと導かれた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「なるほどなぁ」 そう声を漏らしていたのはただただ平凡な暮らしをしている、邦本翔という少年。 髪と目は黒と茶を混ぜたような色、つまりはそこら辺に沢山いる感じの少年ということだ。 他の人と違うところといえば情緒不安定だということだけ。 そんな彼が見ていたのは先日、図書館で偶然見つけた『銀世界物語』という書物。 普通の本とは見た目が違うちょっと古い感じの書物。 けれど中身は書物というより、ファンタジー小説と童話を足して二で割ったような、そのようなものであった。 なんとまぁ言い表しにくい。 銀世界物語を読んでいた翔はその書物にちょっとした違和感を覚えていた。 「このページだけ、なぜか綺麗なんだよな」 邦本が見ていた本のページには真ん中に魔法陣が書かれた、ザ・魔導書のようなページだった。 見るからにも怪しすぎる。 「この魔法陣に手かざしたらなんか召喚できるーっとかあるのかな」 一つ言い忘れていた。 他の人と違うところといえば能天気なところと情緒不安定なところだ。 翔は笑いながらその魔法陣に手をかざした。 すると魔法陣から異様な光が溢れ出した。 「…え?」 そのまま翔は光に飲み込まれ、どこかへと姿を消した。 残った本の開かれているページを見てみると、一部赤で記されているところがあった。 『魔法陣に手をかざさないでください。さもなければ、あなたは真っ白な銀世界へと足を踏み入れることになるでしょう』 プロローグ終。

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【新連載】白銀の世界で僕らは~プロローグ~

転入した学園は、戦闘にまみれている【第三話】

登場キャラクター 桂頼 戒斗(高校一年生)♂ 桃原 伯(学園長)♂ 伊集院 晶(高校三年生)♂ 六条 刻架(教師)♂ 瑞乃 那海波(高校二年生)♂ 瑞乃 渚(高校二年生)♀ 苓北 春(高校一年生)♂ 桃原 銘(?)♀ ???(ERROR)? 【新】 御霊 冷(教師)♂ ――侵入者が確認されました。 この物語は 「転入した学園は戦闘にまみれている」 略して「戦まみ」の三話目です。 まだ一話、二話を見終わっていないという方は 見てから三話を見るのをおすすめします。 ――侵入者が発見されました、直ちに教師の皆さんは対応にあたって下さい。 俺が『スキル秘密学園』に転入してから一週間が経った。 この学園はセキュリティがしっかりしており、結界も張ってある。だから侵入者なんて今まで聞いたことがない。そんな学園に侵入者、一体どうやって…? 「侵入者…!?」 「大丈夫かな、これ」 皆不安からか、そう騒いでいた。 そんな中六条と言うと、まるで外を監視するかのように廊下の窓から門の方を見ていた。 案外生徒思いなのか?と思っていると、廊下の方で「六条先生」と呼ぶ男の声が聞こえてきた。 チラッとその教師の名札を見てみるとそこには『御霊冷』と書いてあった。 その教師は見たところ、六条と同じ人間みたいだ。 「お前は侵入者が誰か分かるか?」 「さぁ、俺にもさっぱり」 いや、二人共冷静すぎるだろ。 その方が学校側も生徒側も助かるが、他の教師と比べて冷静すぎないか。俺でも動揺してるっていうのに…。うん、でもまぁ良いことだ。 そう自分の心の中でツッコんでいると、とてつもなく大きい爆発音が門の方から聞こえた。すると、クラスの女子たちが悲鳴を上げた。 「…お前はこれマズいと思うか」 「えぇ、結構マズいですね」 うん、だから冷静すぎるって。 もうボケてる場合じゃないんだが? 俺が少し呆れていると放送が流れた。 『職員の皆に告ぐ、生徒の安全を確保し侵入者の対応に当たれ』 この声は、多分桃原学園長か。 暴走したとさっき伊集院が言っていたのを聞いたけど、大丈夫なのか? 「餓鬼共!放送がまた流れるまで、いつでも避難出来るよう準備をしておけ!」 六条はそう言い残して教室を出た。 「何があったんだろ…桂頼は分かる?」 「さぁ、俺もさっぱり」 「だよな、俺も…ってなんかあそこにいない?」 そう苓北が指を指した先には…何もなかった。 「どこだ」 「ほら、あそこ」 もう一度その”何か”に指を差すが、俺には何も見えなかった。 苓北は前、この俺でも見えなかった桃原学園長の妹、桃原銘を普通に見てたからそういう霊的な存在を見ることが出来るのだろう。 あるいは…… そう考え込んでいると何かが足に絡みついてきた。 冷たい何か。 「こいつなんだ…?」 ◇少しばかりの癒やし。 「こいつなんだ…?」 「あ、その子は俺の使い魔のリマ。最近見かけないなと思ったら…どこ行ってたのだら?」 そう言いながら苓北は、そのスライムのような物体をすくい上げるかのように、机の上に置いた。運んだ、の方があっているのか?もういいや…なんかツッコミすぎて疲れてきたわ。 「ぅやー、ぇぅあ〜」 …可愛いな。 ってこんなこと思ってる場合じゃねえ。 侵入者はどうなったんだ? 放送はまだ鳴っていないし… 「な、なぁ桂頼」 「ん?どうした」 「あれ、見て…」 そう青ざめた顔で言った苓北の視線の先には、黒い煙が禍々しく渦を巻いていた。 「ッ!?」 クラスの奴らにも見えているのか、女子の悲鳴や男子の戸惑いの声が聞こえてくる。 そんな中、放送のチャイムが鳴った。 ザザッとノイズが走るような音がすると、男の声がその放送から聞こえた。 『やぁやぁ、スキル秘密学園の者ども、俺の名前はエイダンだ』 そのエイダンとやらは笑いを含めたような声でそう言った。 『この学園に来た理由としては、こっちに猫神の末裔が来ていると聞いてな』 ――猫神。 詳しくは言っていなかったが、俺は猫神の末裔だ。 猫神は猫の姿をした神なのだが、そもそも神という存在がこの世界では珍しい。 だから命を狙われたり、身代金を狙いに攫おうとする輩までいるんだ。 「猫神ってあの珍しい種族?」 「もう居ないんじゃなかったのか?」 案の定、周りの奴らが騒ぎ始めた。 猫神と言っても俺は末裔、空を飛ぶことしか出来ない。 『猫神の末裔、この放送を聞いているなら、早くこっちに来い。でなければ…』 ドカン、と爆発音が鳴る。 …やってることテロリストじゃねえかよ、いや実際そうか。 どちらにせよ行ったほうが良いな。 席を立つと苓北が腕を掴んできた。 「どこ行くの?」 心配そうな顔で俺を見てくる。 「ちょっとトイレに行ってくるだけだ」 「…そう、気をつけなよ」 「言われなくとも」 そう言い残して俺は教室を出た。 この姿のまま行くとちょっと後から面倒くさくなるし、変えていくか。 ◇テロリスト、対面。 魔法で髪を赤にし、目は緑に変える。 完全に色を変えると俺は窓から中庭に飛び出した。 数名が教室から中庭を見ており、俺が姿を見せると、驚いたような顔をしてどよっと声を上げた。 俺が地面に足をつけると、そこには黒髪に赤の瞳を持った美青年が立っていた。 その青年の前には六条と御霊、数名の教師、そして桃原学園長が居た。 全員青年を囲んでいるものの、すり傷がついていたり、中には気を失って壁によりかかっていたりしている教師も居た。 「猫神はまだか!」 声を上げた青年の声に既視感を覚える。 あの放送で俺を呼んでいたやつか。 確かエイダン、とか言ったな。 「ここにいるぞ」 俺がエイダンに声を掛けると、周りの教師共も俺を見た。 「お前が猫神の末裔か…案外地味なんだな」 開口一番にそうエイダンは言ってきた。 普通に失礼だな、オブラートに包めよ。 「地味で悪かったな」 「あなた、誰ですか?この学園の生徒ですよね、その制服」 ため息と共に俺が答えると、今度は御霊が問い詰めてきた。 流石に短時間に制服は着替えられないから、そのままでいいと思ったんだが… 案の定ツッコまれるとは。 「俺は猫神族の末裔、この制服はこの学園に入るために用意したものだ」 咄嗟に嘘を吐くと桃原学園長はなにかに気付いたかのか、ふふっと笑みをこぼしていた。 …絶対気付いてるな、俺のこと。 そりゃあ、学園長だから生徒のことは調べ済み、か。 「で、そこの黒髪のお前。俺に何の用だ」 「用、ね。特にねーよ、ただあるとしたら一つだけだ」 特に無いのに呼んだのかよ…それにこんな大騒動まで起こして。 「まぁいい、続けろ」 「お前が俺と手を組むことだ」 ◇闇の手。 「手を…組む?」 教師共も何を言っているのかわからないという顔をしていた。 俺もコイツが何を言いたいのかさっぱりわからない。 「まずは聞けよ、せっかちがよ」 「俺の目的はスキル秘密学園を公の場に公表して、スキル保持者を自由にしてやることだ。 今の時代、スキル保持者よりスキル不保持者のほうが人口が多いだろう。だから俺もスキル保持者として生きづらくてな。そんな中、ある噂になっている、昔の偉人の伝言を聞いたんだ」 「噂?」 「その噂になっている伝言内容は」 【猫神族の末裔は、この世界の秩序を覆すほどの力を持つだろう。だがその力は我らに救済の手を差し伸べるのか、それとも害するのかは不明である。】 三話目終了。

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転入した学園は、戦闘にまみれている【第三話】

せいいっぱい揺らす

生物の中で、一人輝く 埋もれないよう、せいいっぱい輝く いつか私もあの名の無い星になるのか、と心配になるが その心配に、私は知らないフリをして激しく輝く 人間の輪で、一人手を振る 人混みの中、せいいっぱい葉を揺らす いつか私の葉も朽ちていくのか、と不安になるが その不安を、胸の奥に押し込んでゆったりと揺れる

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せいいっぱい揺らす

大嫌いだった君へ

「お前まだそんなの読んでるのか」 ひょこっと視界の右側で覗き込んでくる君。 「こんなの読んで何になるんだよ」 笑いながら本を閉じてくる君。 本当に嫌い、まだ読んでる途中だったのに。 「なあ、これから外で皆遊ぶんだけど  お前も来る?」 (行かない) 「いいから、来いよ」 腕を引っ張る君。 クラスの人たちが「えぇ」と声を上げるのを 無視して引っ張る。 (なんで私何かを) 「ん、楽しそうだったから」 嘘つき。 絶対、それだけじゃないでしょ。 次の日、机を落書きだらけにされていた君。 私は急いでそれを消した。 また次の日、机上に百合が置かれていた君。 私はそれを家の花壇に植えた。 またまた次の日、机がなくなってきた君。 私は急いで自分の机と入れ替えた。 それを見たクラスの人が君に言った。 『あいつ、お前のことを  影で監視してるんだとよ』 その日から人の言うことを信じやすい君は 私と関わってくれなくなった。 あぁ、これだから。 私は君のことが大嫌いだったんだ。

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大嫌いだった君へ

朝

目覚まし時計が鳴り響く。 その音が聞こえるたびに顔を歪める。 眠い目をこすり、起きる。 床が軋む音が辺りに響く。 目覚まし時計がなっていない。 その音が聞こえないとどこか変に感じる。 横を少し見て、時計を確認。 チクタク、チクタクとなっている。 目覚まし時計がならない。 その音が聞こえないと不安になる。 時計を確認してみる。 もう時間は過ぎている。 人それぞれ朝はある。 一人ひとり違う朝がある。 けれど皆、平等なことがある。 それは朝が来る、過ぎることだ。 そんなの知っていると思うかもしれない。 けれど朝焼けの空を見れない人がいる。 朝の薄い青色の空を見れない人もいる。 これを当たり前に思ってしまうのが 少し勿体無いように感じる。 そして今日も、朝は構わず回ってくる。

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朝

桜の木

僕は桜が好きだ。 理由は好きな人に色々と似ているから。 …僕の好きな人はこの世には居ないけれど。 でも、僕は君が存在しているだけで 物凄く嬉しい気持ちになる。 君は毎日のように鏡の前に来て、 僕に話しかけてくれる。 僕は君と笑顔で言葉を交わす。 すると君も笑顔で話してくれる。 そうしたら僕も自然にまた口角が上がる。 いつもありがとう。 今日も雲の上は強風が吹き、 桜の花びらが綺麗に舞っている。

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桜の木

ナイフで埋める

君がいなくなって、胸にぽっかり空いたこの穴。 どうやって埋めれば良いんだろう。 他人に縋る? 褒めてもらう? 繋ぎ止める? 糸で縫い合わせる? それとも言葉の矢で埋める? 「お前のせいで死んだんだ」 なーんて、とっくの昔に知ってるよ。 『愛されたかったな』 だなんて、僕なりに努力したのに。 「お前さえ居なければあの子は…」 そんなの、分かっているよ。 でもその通りだと自分の良心が認めている。 ヘラヘラ笑いながらごめん、と言う僕。 それを冷たい目で睨む、両親と他人。 世の中は僕が君を『自殺に追い込んだ』と言っているけど、 僕の中では君は勝手に死んだことにしている。 僕は君がいないと駄目なんだ、と ずっと君に言い聞かせていた。 それが原因かな、そこさえ直せば君はまた許してくれる? 前みたいに、笑って受け流してくれる? それとも、恨みの言葉を口にする? どっちでもいいよ、君が僕に言葉を向けるなら。 そのためなら僕はSNSで批判を受けても、 現実世界で言葉の槍を刺されようとも。 この心に空いた穴を埋めれるのならば、 言葉のナイフで埋めたって構わないよ。 これが、愛って言うんだよね?

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ナイフで埋める

遠くの君に〜くらげ。様企画〜【小瓶の手紙】

遠くに行ってしまった君へ。 この手紙を読んでいる、ということは どこかの浜辺に流れ着いてしまったのかな。 それとも、君にちゃんと届いたのかな。 僕は君が遠くへ行ってしまったあの日から、 ずっと後悔しているんだ。 もっと話せばよかった、もっと関わればよかった、 もっと好きだと言えばよかった。 そういう情けない気持ちを抱えながら 今日も必死にもがいて生きているよ。 そんな僕に病気が見つかったんだ。 あの元気な僕が。 僕自身が一番驚いているんだと思う。 戻ってこいなんて言えないし、 たとえそう言ったとしても君は帰ってこないって 十分わかっているつもりだよ。 でもやっぱり寂しいんだ。 死者は海に帰るって言うから、 僕はこの小瓶を海に流してみたんだ。 そういう仮説みたいなものでも、 この小瓶が一パーセントの確率だとしても 君に届くなら、と。 もし君に届いたのなら一つ、お願いがあるんだ。 一度で良いから、また顔を見せてくれないか。 さっき言った通り僕はもう後が長くない。 それに悪い行いしかしてきていないんだ。 君は天国のように美しいこの海で生きて、 僕は地獄のような暑い火の中で生きる。 僕と君は本当の離れ離れの状態になってしまう。 だから、一度だけで良いんだ。 この狭い病室に、 姿を見せてくれよ…。

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遠くの君に〜くらげ。様企画〜【小瓶の手紙】