先生、好き。
「先生ここ分からないです」
「あー、ここは これがこうなって__」
志倉(しぐら)先生。私の数学の担当で、好きな人。
気だるそうで、でも怒ると怖くって、メガネをかけてて、有名大学卒業の高身長。誰がどう見ても、世界で1番かっこいい。
一目惚れだった。教室に初めて入ってきた瞬間のことだった。
「えー初めまして。皆さんの数学を担当する志倉です。ね、えー、よろしく」
顔も声も話し方も、全部全部好き。
私はよく質問に行った。
わかることでも質問しに行った。
「はぁー?」とか言いながらも、ちゃんと教えてくれるところが好き。
来年は志倉先生が担任だったらいいな。
そしたら毎日会えて話せて…
先生が異動するらしい。
終業式で急に発表された。
意味がわからなかった。信じられなかった。
なんで
なんでこんなにも好きなのに離れることになってしまうの。
終業式が終わり、
最後のHRが終わり次第、私は教室を飛び出た。
先生、どこにいるの
先生
顔を見せて
話したい
先生
先生
先生___
「わっ!!」
「おぉ白野、走ったら危ないぞ」
会えた、あえたあえたあえた
志倉先生。
なにか言わないと
でも好きって伝えたら迷惑かな
なにか
「…白野?」
「行かないで…先生」
精一杯振り絞って考えて出た言葉。
でも、
「それは…無理な話だな〜、笑」
分かってた。
もう決まってることだから、言っても無駄だって。
でも、でも!!
私がいちばん先生のこと好きなのに!大好きなのに!
私の好きって気持ちが否定された気がしてならなかった。
「…分かってますよー笑次のところでも頑張ってくださいね」
「ありがとう。お前も頑張れ。」
「もちろんですよ」
私がもっと早く生まれていれば、
先生がもっと早く生まれていれば。
そんな事ばかり考える。
先生、好きです。
来世ではちゃんと言いますね、先生。