華守

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華守

ホラー、ミステリーを中心に書いていきたいです。 たまに別ジャンルも書いてみたい… とにかく性癖を煮込みます。下手ながらも書いてゆきますので、よろしくお願いします 人外が!!!好きなんです!!人外に狂わされる人間とかもう!!!!!愛!!!!!

おかえり愛しき鏡

ある所にそれはそれはそっくりな双子がおりました。 まるで鏡の様で、お母さんは双子をそれはそれは可愛がりました。 双子はずっと一緒でした。 同じ顔で笑い 同じ様に泣き 同じ物を好きになりました。 そんな可愛い可愛い鏡は、ある時割れてしまいました。 鏡の欠片は、それはそれは悲しみました。 だって唯一、一番、己を分かってくれるのは鏡だったんですから。 心が一度割れてしまえば、それを直すのは大変でした。 そんな時 ふと目に入ったのは大きな姿見でした …お母さんは心配でした。 我が子がずっと部屋から出てこないのです。 勝手に扉を開けて良いかと罪悪感とも戦いましたが、ついに扉を開きました。 そこには、姿見とお話をする欠片がおりました。 お母さんが声をかければ、こちらを見て返事をしてくれました。 それからは欠片もお部屋を出てくれるようになりました。 とても良い事です。 それが例え、欠片が手鏡を手放さなくなっていたとしても …あら? もう家にいないのは、どっちの子だったでしょう…

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溶けた飴玉

その人は飴玉のような方でした。 艶りとした髪 光を受けて甘く輝く瞳 潤った唇に見合う、しっとりとした肌 コロコロと鳴る、笑い声、話し声 その髪へ触れてみたいと思いました。 その瞳に私を移してほしいと思いました。 その声を目の前で聞いてみたいと思いました。 …並んで…歩いてみたかった、それだけなのです。 その人は、地面に落ちた飴玉になってしまいました。 艶りとした箱に入れられ、花々に囲まれ、とても美しい筈なのに それでもその人はその瞳も、声も、私には渡してくれませんでした。 きっと誰かが、綺麗で見蕩れている間に手を滑らせて、その人は落ちてしまったのでしょうね。 誰にも食べて貰えずにその人は溶けて無くなってしまうと思いました。 …箱を開けてみたら私が拾い上げてみたいと思ったその人は居らず、綺麗な綺麗な白い砂糖だけが残っていました。

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〜は世界を救う!

『さぁよってらっしゃい見てらっしゃい!! 旅をして見聞きした物語を聞かせてあげましょう! やぁそこの美しいご婦人!旦那殿とお出掛けかい?…そりゃあ良い! あんたらの幸せを俺にも分けて欲しいもんだ! そうだねぇ、それじゃぁ愛に纏わる話でもしようか… …そう!愛だよ!愛は世界を救うんだ!! これぁ、とある男の話なんだがね…』 ーとある街に貧乏な独り身の男がいた。その男はある晩、橋から川へ落ちたのち、濡れては居るものの怪我一つせずけろりと帰ってきたらしいー : : 冷たい なぜ冷たいんだろう 嗚呼そうだ、足を滑らせて川に落ちたんだ まぁなんだ。俺は死ぬのだろうな 嗚呼こんな事なら…こんな事なら… こんな夜遅くに出歩かず、金を貯めて、母の所へ帰るべきだったなぁ… そもそもなぜ俺は外に出ていたんだったか…いや、考えるのも億劫だ…… 嗚呼…死にたくない せめて…最後に誰かに愛されたかったなぁ… 沢山思いながらも、体は流される。 しかしふと、体が軽くなった。 目を開けてみると、亡くなったはずの父がいた。 顔はよく見えなかったけれど… ……夢か?迎えに来たのか?俺は死んだから、楽なのだろうか… 久方振りに会った父の幻に声を掛けるでもなく、思考の海に入っていると父の方から声をかけられた。 「……次はしっかりやれよ」 その一言だけ伝えて父は消えた。 気がつけば俺は川に落ちた時の橋に立っていた。 濡れてはいるが、寒くもない。 次…次はしっかり… 嗚呼なんだそういう事か 俺は、昔誰だったかに教わった藁人形とか言うやつで母を呪い殺そうとした。その帰りだった。 借金を作ったあげく、その金で密通していた父も顔を石で潰し、殺した。 次も上手くやれると思っていた。 家から逃げ出した俺に母は何度も手紙を送ってきた。それを見るのも嫌で、うんざりして呪い殺そうとした。 しかしまぁなんだ 愛されているなぁ これは申し訳ないことを2人にしたもんだ。 母は心配症だった。だからきっとあの手紙の中身は俺を心配した言葉だ。 父は金の事になると横暴だったが、それでもよく撫でてくれる優しい人だった。現にこうして逢いに来てくれた。 これを愛と呼ばず何になる 父がこうして生かしてくれたのだ しっかり しっかり… うん そうだな 実家に帰って、家族で過ごすのもいいかもしれない ー数日後、遠くの村で二つの死体が発見されたらしい。女は惨く刺殺され、男は首吊りだったとかー 『…これで話はおしまい。めでたしめでたしと言うやつさね。 いやぁ、愛とは実に素晴らしい! なんと言う親子愛!俺はこれを知った時涙したよ! …おや旦那、顔色が悪い。これは気に入られなかったかな? 確かに人が亡くなるのは悲しいとこが有るっちゅう人もいるもんな。 そうさねぇ…ではこんな話はどうだろう。 そこの旦那、そう、そこの青ざめているあんた。 あんた昨日は別のご婦人と居たね。どっちが本妻なんだい? あぁいや!悪いとは言わんよ!そこに愛があれば良いんだ! おや行ってしまわれた…嗚呼ご婦人何だかすまんかったね… しかし怨むその顔もまた美しい。憎悪は愛から成り立つもんだ! ところで 藁人形の作り方を一つ、教えてあげようかぃ?』

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とある新人の話

〜怪異監視録課〜 そんな科がある事を俺はその仕事に飛ばされて初めて知った。 監視と言っても、怪異が居る土地に訪れ、住民の意見や信仰度、危険度等を観察して記録。そして危険度が低く、対話可能であれば怪異本体と友好関係を保ち記録。 記録、記録。その生物について知る為に定期的に訪れ記録する。 それだけの簡単な仕事だと飛ばされる時、上司に報告された。 「簡単だって言われたと思うが、油断するなよ。上の人間共はこれがどれほど危険な仕事か把握してくれちゃ居ねぇ。俺等が担当するのは、人と共に住んでるようで住んでいない。考え方が似てるようで全く違う。見えてるモノも当然違う…そんな、本当は俺らが知ってはいけないナニカだ。」 初めは書類整理係だと言われ、情報収集も兼ねて資料を見ていた俺に、缶珈琲を投げて渡してくれた先輩はそう言った。 担当者はそれぞれ一人一体の怪異を担当する。大きく二つに分けて、消滅する未来のある怪異と永く存在する怪異があるからだ。 一人で何体も対応すると人間の方が保たない。 だから怪異の量に合わせてこの科は人が多い。 そして人が少ない。 危険度の高い怪異も存在するからだ。油断するなと先輩が言っていたのはこの事かと、一体どんな怪異に当たってしまったのかと、荷物が処分され綺麗になってしまった隣の席を眺めながら考えてしまった。 そんな科に入って何ヶ月か経ったある時、俺も書類整理係から、記録係へとなった。 先輩達のように、しっかり記録できるか…不安である。 山一つ先、山の麓にある小さな村に、その怪異は居るらしい。 今日何度目かの溜息をついて、出発するために席を離れた。

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