霧ぽん

2 件の小説
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霧ぽん

思いつきです。

鏡は人を狂わせる

 鏡の中の貴方は、本当の貴方ですか?それとも別の世界の別の誰かだとしたら… それは貴方を狂わせる。  それをじっと見つめて下さい。 鏡の中の貴方は何を考え、何をしようとしていますか?時には手を伸ばし、瞬きをする。 それは一体なんでしょう。 ドッペルゲンガー、幽体離脱、クローン…いいえ、それは貴方です。 いいえ、それは一体誰でしょう。  たまには鏡の中の貴方と遊んであげましょう。やはり、独りぼっちでは寂しくなってしまいますから。

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娘へ

貴方がお腹の中に居る時から、貴方を守ろうとママは必死になった。 妊娠初期、つわりというものを舐めていた、しんどいけど動けるものだと。 実際は4ヶ月寝たきり、トイレ往復生活。入院し、点滴を何度も打った。 吐き気止めの薬を1日3回飲んだ。 こんな薬ばかり飲んで大丈夫かな、ほとんど飲まず食わずだけど栄養はちゃんと貴方に送れているだろうか。 妊娠中期、あれ程飲まず食わずで痩せてしまったのが嘘のように食欲が爆発した。食べて良いもの駄目なものに注意しながら、たくさん食べた。これで貴方にしっかり栄養が送れる。お豆腐ママは安心した。 たまにはお外にパパと犬とお散歩へ行ったり。でもね、お腹を誰かに押されたり潰されたりしないか心配で常に気を張って歩いていたんだ。 妊娠後期、お腹が大きく重たくなり身長ほぼ小学生な私はほとんど歩けなくなった。 その代わりパパがいっぱい頑張ってくれたんだ。この頃から貴方の頭が私の骨盤を通り抜けられるか考え始めたの。 出産 妊娠38週目、朝5時の時、妊娠中ずっと不眠だった私の側にいてくれたパパとしょうもない事で喧嘩をしていたら “やめて!”と言わんばかりにお腹を蹴られた。その瞬間、じゅっ!破水した。 喧嘩どころじゃなく病院へ駆け込み、陣痛が始まった。 尾てい骨が痛い、どんどん痛くなってジッとしていられなくなった。あれは多分折れていたと思う。陣痛が始まって16時間、子宮口がようやく全開になりパパが来た。“んー!!”2人で力んでいたら貴方の頭が自分の股にあるのを触って確認、衝撃的だった。それから30分程で生まれた。無言で普通に息をして寝起きの顔で出てきた貴方の顔は忘れられない。 私が出産を例えると、お尻からバレーボールが1番近い。パパはニュルっと出てきたと言っていたよ。 産後 妊娠、出産を経て、ちゃんとケアしていても私の胸やお腹には妊娠線ができ、皮は伸びシワシワになった。骨盤も完璧には元に戻らなかった。体力も妊娠前のように行かず、ホルモンバランスのせいで精神的にも乱れている。子どもを授かった代償は様々あった。それでも、今貴方がスクスク育っているのを見るとママはとても嬉しい。 ママはもう、妊娠前のようには動けないけど貴方を支えられるだけ支えたいと思う。 パパが頑張ってくれるし愛してくれるから、私も余裕を持って貴方に関われるんだ。 私がこんな人でも家族が生きて側に居てくれて嬉しい。 私のお腹に来てくれて、スクスク育ってくれてママにしてくれてありがとう。 パパ支えてくれてありがとう。

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