Novelee

N

Novelee
読む
発見
ログイン
メニュー

御厨

1 件の小説

御厨

2023年2月からNoveleeを利用しています
2 フォロー中1 フォロワー

シミ

時刻は午前7時。 空気がキリキリと凍て付いて、肺がひんやりと冷え上がる。 私は教室で机に張り付いていた。ただ目を瞑って冬の音を聞く。 机の端からダランと垂れ下がった手を彼女が掴んだ。 ジワン 心の中に何か暖かいシミが出来た。 心臓が少しその熱に驚いた。 私は心の中が少しくすぐったくなってたまらない。だけど、それを彼女に悟られるのが嫌で何もないふりをした。 「何よ?」 「いや?ただ手が寒かったから...。」 「そっか。」 またジワリとシミが増える。 心が温まる。心臓が少し驚く。 だが心地良い。 その温度が心地良い。 いつまででも感じていたい。 そう思った。 君は私と同じ様に暖まって居るだろうか。 きっと、私だけが暖まって居るんだろう。

0
0